巨人の世界に自衛隊!?~自衛隊異世界でかく戦えり~ (相川雄樹)
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いつの間にかお気に入り登録者が200人を超えていました。まだ10話ほどしか書いていないのに、本当にありがとうございます。

今回から舞台は850年に移行します。

一気に時系列が飛ぶことになりますがご了承ください。



第57回壁外調査 いざ、壁外へ

 

850年 ウォール・ローゼ 東側城壁都市 ストヘス区 外門前


 この日、ストヘス区から巨人領域に出撃しようとする一団がいた。

 彼らの名は調査兵団。人類の中で唯一壁外に遠征する者達だ。

 845年以前は大した成果も得られず、時の団長が市民に何の成果も得られなかった、と泣きながら叫ぶことさえもあったらしい。だが超大型巨人が現れて以来、調査兵団に期待するものは増えている。税金の無駄、人を死なせるだけ、と言われていた時にくらべるとえらい違いだ。

 ただ期待が高まったとはいっても壁外に出るという事のリスクには変化はなく多くの団員が犠牲になっていることにかわりはない。

 だが今人類はこれまでにないほどの希望をつかんでいる。巨人化可能な人間、エレン・イェーガーの存在だ。数か月前のトロスト区襲撃の際、巨人に喰われたはずの彼が巨人となって出現したのだ。

 その後、破られたトロスト区の外門は彼の力によって再びふさがれ、人類は初めて巨人から領土を取り戻した。

 エレンは審議の際、憲兵団によって処刑されそうになったものの、兵長であるリヴァイの行動により現在は調査兵団に属している。

 今回の調査兵団の任務はマリア奪還のための試運転らしいが、ほかにもう一つ、王政府直属の任務があった。

 それは壁外に存在するかもしれない、人類、巨人とは別の第三勢力の存在の捜索だ。

 なぜこんな任務調査兵団に課されているのかという理由はマリア陥落の後に実行されたマリア奪還作戦にまでさかのぼる。

 当初は作戦に投入された25万人のうち、200人が生還すればいい方だとされていた。だがそんな予想とは異なり、なんと1000人以上(それでも少ない)が生還したのだ。そして生還した者の多くが口をそろえてこう言ったのだ、「空を飛ぶ風車や、地面を走る巨大な何かが巨人を吹き飛ばし、自分たちを助けてくれた」、と。

 当初は、巨人を見て頭がおかしくなったのだろうとしか思われていなかったのだが、三百、四百人と同じ証言が相次ぐにつれて彼らの話は徐々に真実味を帯びていった。

 だがいくら証言があろうとも壁外のことだ、簡単に調査など行えるはずもない。そこで調査兵団に白羽の矢が立ったというわけである。調査兵団側もはじめは拒否していたが、予算の縮小という脅し文句を振りかざされてはどうしようもなかったようだ。

 (今度は俺たちが、巨人を食い尽くしてやる。死んだ母さんのためにも)

 開門を待つ調査兵団の団員たちの中にいるエレン・イェーガーは心中でつぶやいた。

 845年の巨人の襲撃の際エレンの母親であるカルラは、自宅の下敷きになり危うく巨人に食べられるところだった。だがその時突然現れた「ジエイタイ」と名乗る人たちに助けられ、何とかローゼまで逃げることができた。

 しかし自宅の下敷きになったことによる怪我と開拓地での無理がかさみ、ローゼに逃げてから一年としないうちにカルラは息を引き取った。

 最期の母親のどこか安心しきったような表情をエレンは忘れていない。

 (母さんのためにも、俺は、巨人に勝つ!!………それに)

 そう思ったエレンは自分たちを助けてくれた人たちの言葉を思い出した。

 『お前が壁の外に出られるような強い兵士になれば、外の世界で俺たちとまた会えるかもしれないぞ。』

 壁外の勢力とはおそらく彼らだ。生還者の話を聞いたときエレンとミカサはそう確信した。でもまだ誰にも話していない、約束があるからだ。

 (ああ、強くなってやるよ。あんたらにまた会えるようにな。)

「開門はじめぇぇぇぇ!!」

 そんなエレンの思考は団長のエルヴィン・スミスの叫びによって中断された。

 やがて門が開いた。あの門の先は地獄の世界だ。

 「第57回、壁外調査を開始する!!」

 それでも人類は進む――――

 「前進せよ!!!!」

 本当の自由のために―――――

                              to be continued ・・・・


次回は自衛隊視点です。

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