まだまだ俺達の冒険はこれからだ!
(最終話じゃないです。ぜんぜん続きます)
ではでは!みなさん!第一章完!
「まったく、あの族長も人使いが荒いわね」
「まったくですよ!1日に二回も同じ洞窟に入るなんて!」
ちなみに今回はジャンさんの代わりにキーファさんとダーツさんが着いてきています
「…………」
キーファさんは黙りっぱなしでずっと考え事してますがね!
「たしかここの崖を通って……」
「この先だよね?」
今さっき来た時と同じように大地の鈴が置いてありました
「これ拾ってもっかいあの祭壇を沈めるんだろ?」
「そうですよ、さっさと回収して今日は休みましょう?」
「そうね〜もう今日は疲れたわ〜」
「そうですな!皆も待っていることでしょう!」
アルスさんが石の段の上から鈴を持ち上げたとたんに今度は水が噴き出すような音が鳴り響き
「うむ、しっかり沈んだようだな……さあ帰、っ何者だっ!」
ダーツさんの声で私たちも即座に振り向くと…全体的に緑っぽい服と顔色をした太った魔物がいました
『あっらん?気がつかれちゃった?』
お、オカマですか!
『あなた達のことをうっとうしく思ってる方がいてね…消えてもらうわよっ!『ベギラマ』っ』
ちっ変なヤツですが実力はありますねここは!
「『マジックバリア』『スクルト』っ」
とりあえず強化して…
「『真空切り』っ」「『引き裂けっ』」「『メラ』っ」
先手はとられましたがキーファさんの新ワザとガボさんの速攻の特技、そしてマリベルさんのメラがベギラマを打った後の魔人に襲いかかります
しかし…
『アアッハハッハッ効かないわよ〜ん』
ええ〜!地味に固いですね
仕方がありません新ワザです!
「アルスさん達!これで少しは持つはずなので時間を稼いでください!マリベルさんとカヤさんは回復を!」
「わかった!」
そう返事を返すとガボさんが見えないオオカミの咆哮を響かせ、できたスキを逃さずアルスさんとダーツさんが切り掛かります
しかし敵もさるもの、眩しい光からのベギラマで着実にアルスさん達足止めチームの体力を削っています
その間に私は……
「……一撃です…一撃で決めてやりますよ……右手に『ヒャダルコ(弱)』左手に『メラゾーマ』」
「……皆さん離れてくださいっ!」
「や、やばいぞ!ふせろっ!」「『スクルト』ッ!」「『フバーハ』っ!」
「くらえっ現代科学の力を!合体呪文『水蒸気爆発』!!」
右手から放たれたヒャダルコもどき(解け掛かり)をぶつけたところに超高温のメラゾーマを当てれば……
『グフウゥッ……なんなのよ…いったい』
いかに炎耐性があろうともイチコロです…ふ、ふふ、ふはははは!まるで魔物がゴミのようだっ!
バイツァ・ダストっ負けて死ねっ!
「い、いまのは…」
私の呪文を初めて見たダーツさんはかなりおっかなびっくり話しかけてきます
「まったく!あんな大技使うなら早く言ってよね!」
「そうですよ!私たちも巻き込まれるとこだったわよ」
うっ…しまった
「ご、ごめんなさいつい早く倒さなきゃと思って」
「まあまあ、二人とも落ち着いて…」
そんな一幕もありましたが無事に地上に戻って来られました
ーーーーー
そして夜になりみんなが寝静まった頃…
十年経った今でもおぼえているイベントの一つ、キーファの決意の独り言が起きるはずなんですが…
ガサゴソ……ガサっ
き、来た!
「なあアルス、起きてるか?
まあ起きてなくてもいいし、これはオレの独り言なんだが…
実はお前の腕にあるあのアザのことなんだが…オレが思うにきっと何かの…ライラさんみたいな運命を持ってるんじゃないかと思う…
おまえやライラさんみたいに決定的な何かがある訳じゃないが、きっとリンも何かの運命を持っているんだろう…
正直おまえは笑うかもしれないがうらやましかったよ…オレなんて王子って言う一つのレールの上を歩いて行くだけの人生だったはずなんだからな…
だけど、お前らと旅をして、ようやくオレの進みたい道が見つかった気がするんだ…
ふっ、これで独り言は終わりだ…お休みアルス……」
終わったみたいですが、私がいたせいなのか私の事まで入ってましたね
……これで、キーファさんがユバールに残ることは決まったようなもんですね
私ももう寝ましょうかね〜
ーーーーー
▽そして夜があけた!
ーーーーー
「ねえ、ねえリン!」
ん〜んあ!
「お、おはようございます!マリベルさん」
「そんなことよりキーファがいないんだけど!」
「外を見ましたか?なんか聞こえるから外じゃないですかね?」
アルスさんはそこまで聞くと何か思いついたような顔でテントを飛び出しました
「ちょ、ちょっとアルス!」
あわてて追いかけるマリベルさんの後ろ姿を見ながらガボさんを起こしてテントから出ると…
「ハアァッ」
カキーン カーン
「ヤアアアッ」
ダーツさんをキーファさんが下したところでした
「あーすみません説明してもらってもいいでしょうか?」
「うむ、昨夜キーファがこの一族の守り手になりたいと言ってきてな、いまその試練が終わったところじゃ」
そう言った村長さんを尻目にキーファさんの様子を見ると清々しい顔でダーツさんを助け起こしていました
「ああ、リンか」
「ええ、おはようございますキーファさんで、どういうことですか?
この一族とともに残ると聞こえましたが…」
「その通りだ、オレはこの時代に残る、もうグランエスタードには戻らな『バシッ』ッ!」
「この時代に残る?グランエスタードにも城にも帰らない?冗談じゃないですよ!
あの島には!あなたの帰る場所があって!リーサ姫やバーンズ王だって!城のみんなだって待ってるんですよ!」
ああ、おもわず3mほど殴り飛ばしちゃいましたね
「なんでそれを捨てて!ほんの数日前にであったばかりのこの一族と残ろうなんて思ったんですか!」
そこまで私が言い切ると、しばし呆然とした顔のキーファさんでしたが
「……だけど、結局神が蘇らなきゃ世界は平和にならないんだ…分かってくれるよな?」
そんなの…分かってますけど
「…さあ、もうお別れだ旅の扉まで送るぜ」
そういって、ユバールの人の歌に見送られながら出発しようとしたキーファさんでしたが、アルスさんが立ちふさがりました
「リンの言う通りだよ、キーファが自分の道を探してたのも知ってる…だけどキーファはそれでいいの?」
「……ああ!これがオレの選んだ道だ!ここから先はお前達とオレとは別の道だ、だがこの剣の大地の紋章がきっと俺達をいつかつないでくれる!
いつの日かな……
ここまで一緒に旅ができてよかったよ…じゃあリーサ達によろしくな」
そういって泣いているマリベルさんを慰めながらユバールの民とともに旅立って行きました
ーーーーー
「ねえ、本当にこれでよかったの?」
と私が聞くと、マリベルさん達は
「ええ………きっとまたいつか…あえるわよ」
「うん、そうだよきっと冒険を続けていればいつかあえるさ」
そうですか……あーあ、結局大筋通りになっちゃいましたね
そんな苦い思いを抱えながら私たちはユバールの石版世界を後にしました…
くっくっくっくっく…ふふっ、ふふふっ、ふはははははは!
おっさんキーファ再出演の予定!
さあさあ、もうすぐあのチートな神殿のお話ですよー