本当に、週刊の漫画だからあっという間にどんどんと展開が進んでいきますフェアリーテイル!
『冥府の門』編が終わり、新しい展開になるのは大変うれしいのでありますが、笑っちゃうほど間に合わない。でも諦めないぞ!
自分の妄想の暴走は終わらない!!
ザンクロウ全然出てきませんが、ホントにすみません。出すタイミングを逃している作者です。
オリキャラ出して本末転倒なんて洒落にならないぞ……頑張らないと(-_-;)
※注意※
・この作品では勝手なカップリングなどあります。『ちょっとソレないわ~。ダメやわ~』という方は注意してくださいまし
『大魔闘演武』会場〝ドムス・フラウ〟。
その会場は年に一度開催されるこの祭りに参加するべく数多くのフィオーレ王国の各地方から行商人やら旅人が王都〝クロッカス〟に
そこには色々な思惑を持った者たちも少なからずおり、今はただ祭りの賑わいによって掻き消されているだけ。そんな都の中で、浮き足立たせた者も少なからず居た。
「今日
だが同時に、その賑わいに乗じて、普段なら忙しく遊びになんて洒落込めない職業柄の人たちの解放される日でもあったのだ。
「そうだよ団長急いでー! オウガとセイバーが闘うっていうのにさー!」
「ま、まて。そう急ぐな。それと規則を守れ阿呆!」
賑わいが王都を包み込んでいる中、ある一組が今絶世開催中である闘技場《ドムス・フラウ》にへと向かうために、人と人の間を器用に避けて進む少女を追うように、紫色の髪を坊主にした少々キツめの目つきをした男が必死に追いかけていた。傍から見たら警備隊や警備兵に報告ものだが、今は良くも悪くも誰も気にも留めなかった。
男はそんな器用に突き進む元気な少女を必死に追いかけながらも、男と一緒に歩いていた黒髪の少女にも目を向ける。
「大丈夫かカーミー? コスモめ、何をそんなにはしゃいでいるのだ」
「それは団長と……うぅ、ちがった。
「うん? 最後はなんと言ったのだ? この賑わいでは大声で話さないと大変だ」
カマと呼ばれた男は整えられた紫の顎髭を揺らして、はぐれないようにと和装に長い黒髪をツインテールのように纏めた少女と、手を繋ぎながら都の中央通行路を人を掻き分けて進む。
様々なフィオーレ王国自慢の老舗店が中央を占めており、今も他店に客を取られまいと必死に客寄せをしている者もいる。
人が
後ろから見える大好きな二人。
後から追いかけてきてくれることがとても嬉しくて楽しい。そんな気分を感じているらしい。
「むぅ……しかし、どうして他のアイツらは今日来なかった? 年に一度のフィオーレの
「……く、空気を読んでくれたのよ、きっと」
顔を赤くして、しっかりとカマと呼ばれた男の手を握っていた和服の少女・カーミーはそんなことを消えそうな声で呟く。
だがカマはそんな小さな声に気付かずに、まるで妹か娘を守る兄か父のようにしっかりとカーミーの手を握り、人混みを突き進んでいけば、《ドムス・フラウ》に続く石階段が見えてきた。まだ階段の入り口だと言うのに、そこでも様々な露店が広がっている。
するとそこで、何やらふっくらと頬を膨らませてカマたちを睨むように見ていたのは、先行していた桃色をした髪が特徴的な少女・コスモだった。
「カ、カーミーずるい! 団長と手ぇ繋いでる!」
「しょ、しょうがないでしょ!? 貴女が先にグイグイ行っちゃうんだから」
それを見たコスモは帽子を目深く被り直し、カマの空いている片方の腕に絡み付く。
カーミーより数段ほどバージョンアップしたそのスキンシップに、カーミーは負けじと繋いであった腕に自らの腕を絡ませてコスモに負けじと顔を赤くして睨んでいた。
「はぁ~…………」
二人は美少女の部類に入るほどの美を兼ね揃えている。だが、やはり子どもの面として見てしまうカマは互いに言い争っている二人を、やはり娘か妹か、そんな気持ちで引っ張っていくように、完全にスルーして歩を進める。
しかし、そんなカーミーやコスモの言葉から少しだけ気になり始めたカマ。
その
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
過去、フィオーレ王国最強のギルドを
改めて説明をするわけでもないが、このギルド、何気に
たとえそういう問題を直面したとことがあっても、やはり街で起こりうる大きなトラブルの被害は大抵は
だが、勿論それだけでギルドの相続が続くはずがなかった。
依頼もそうだが、何も魔物の退治だけが依頼として舞い込んでくるわけでもなく、街中の修理や配達、採取、物造り、建造物や農業など多種多様にその行動範囲を広げてきた。
だが、本物の顔は、裏にある。
『
『
「鬼が表に出てくるのは徹底とした破壊を目的にしたものだけ、それ以外での鬼の外出は気高き
「
その話をしていたのは、
話を聞いているのはマスターであるマカロフや、メイビスのみ、他のメンバーは只今戦っている第二試合の《
(
マカロフはマグノリアに長年住んでいたが、
「我らは極一部の者にしか依頼を受けていなかったからな。だが、達成率はどれも確実にしてきた」
「だったら、少しでも名くらいは通ると思いますが……」
メイビスは
「ふっふっふ。話してやろうか? 小うるさいヲユキも
不遜に、キングはただ王のように構えて座る。
「ま、こうして
一体今まで何を? そう聞こうと思っていたマカロフだったが、
ワアアアアアアアアァァァァ!!! と歓声が響き渡る。
第二試合が終了したらしい。
「積もる話もあるだろうが、
マカロフは既にこの不遜な態度に慣れ始めていることに驚いていた。これといった燗に障ることもないのが不思議である。自信から溢れるなにかだろうか?
『第二試合勝者、
解説席に居たゲストの
『続いて一日目第三試合!! 《
おおおおおおおおおおおおおおおおおっっっ!!!!! と歓声が轟き渡る。正にオルガの登場と同時にそれがおこった。
『この大歓声!!! すごい人気だオルガ・ナナギア!!』
特に猛る様子もない、仏頂面のオルガはトゲトゲしい長髪を揺らし、上半身が裸だと言うのに堂々とした戦士の様に勇然としていた。
対してのカクキは、真っ赤な深紅の髪をこちらも逆立てるようにトゲトゲしくした長髪で、両手を広げ、上半身裸で、何故かゆらゆらと上半身を左右にゆれながら歩いてくる。
「
キングは凶悪な笑みを浮かべ、
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
第三試合開始の銅鑼が会場を包み込んだ。
会場の皆が、一体あの常勝無敗のギルド《
「よぅよぉ……オレぁアンタを知ってんぜ? アンタはオレを知らないだろゥが、オレぁ知ってるぞ、カカカカ!」
「……あァん?」
闘いを開始することでもなく、カクキはケラケラと笑ってオルガを中心にして円を描くように歩く。
「アンタはオレを倒せやしねぇのさ。ただ馬鹿ショージキに力を使うアンタじゃ踏み抜く足場も全然チガウ」
(……なんだコイツ? 頭でもイッてんのか?)
オルガはさっそく己の魔法で速攻勝利を狙おうと、鬼面の赤毛男に掌を向ける。
だが、魔法を行使しようと、そうしようとしたその刹那、カクキは
(な…………に?)
だが、放ってしまった。
まるで轟音。光速が
晴天の
その誰もが目を見開いて驚いている中で、もっとも驚いていたのはオルガ本人だった。
(なんだ!? コイツは!?)
何に驚いているのかと思っていると、なんとオルガの『雷の魔法』が直撃をしないで、
そして、その『雷の魔法』から発せられた光がカクキの口元を照らしていると、口唇の動きでオルガの元へ届いた。
(『お前……雷神の
僅かな口唇の動きだけでオルガは読唇する。
『ぅあぁーーっと!!? なんということだ!? 開始数秒後にオルガは速攻でカクキを仕留めに黒雷を放つも、なんとなんと!! カクキは未だに健全だぁ!!』
ワアアアアアアアアアアアアア!!!! と観客たちは一発目からド派手な攻撃を放ったオルガに歓声を上げているが、殆どの者はそのオルガが放った『黒雷』を避けたカクキにも注目を浴びていた。
「カヒヒヒヒ!! そりゃぁ簡単に終わっちまったらつまんねーだろォがよ! カヒヒヒヒ!!」
「お前ェ……!!」
オルガは拳を握り、怒りを表していた。
それもその筈、オルガはこの黒雷に己の強さを込めた攻撃の1つだったのだ。
それだと言うのに、オルガの目の前で大きな声を上げて笑うこの男に神経を逆撫でさせられる。
カクキは鬼の象徴でもある《角》を指で撫でながらオルガを見る。
「余程の余裕で挑んだんだろォ? 余裕の強さで挑んだんだろうォ? カヒヒヒヒ!! ダメだなぁオルガちゃん!!」
ブチブチとカクキに聞こえてきそうな何かか切れる音がした。
オルガは怒り心頭で両手でカクキを向けて、放とうとする。
だが、
「もっと周りを見ろよォ! オルガちゃぁん!!」
ガツゥン!!! とオルガの視界が炎によってカクキの姿を遮られた。
「あぁ!?」
こんな炎ごとき、オルガの前では効かない。自らの黒雷を炎を払うかのように広範囲に放とうとしようとする、だが、オルガの動作に合わせるかのように炎がますます勢いが増し、とうとうオルガの
闘技場から天まで伸びる赤々と炎の柱が周囲に高熱の空気が覆われる。
だが、観客席の最前列数センチ前まできちんと
『こ、これは凄すぎる!! まさかここまでの炎使いがフィオーレ王国に居たとはーー!! あ、熱い!! カクキは観客にまで及ばないように
『いやぁ……これまた驚きだねぇ。こんなに炎を放ってさぞオルガくんやカクキくんは熱そうだねぇ』
『いや、スルー……』
炎々と燃える焔の柱に、火の
「すげぇすげぇ!! あんな炎食ってみてぇ!」
「そこなのかナツ!?」
エルフマンは目の前で起こっている現実に冷や汗を垂らしながらも、興奮して乗りだそうとしているナツを抑え込んで、エルザも両選手の魔法には驚いていた。
「ここまでの実力があったのか、
ジェラールから知らされた謎の魔力も関係しているのではと勘ぐっていたエルザだったが、どちらも己が手にした魔力だと肌からヒシヒシと伝わってきた。
どれほどの苦労を重ね、どれほどの戦いに身を投じてきたのか、この魔法とのぶつかり合いで分かったのだ。
だから、ナツも純粋なこの魔力を感じ取ったのか。あの燃え盛る炎柱を食べてみたいと、火の
エルザも元から戦い好きもあるせいか、自然と笑みを溢して
肝心のその両名、オルガとカクキはあの天まで届く炎の柱の中で闘っているのか、中々姿を表さない。だが、長期戦、長く続くのかと皆が思った瞬間だった。
バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリィィィ!!!! と炎の柱の中から轟音が轟いたかと思えば、黒い雷が内側から洩れ出した。突き破るかのように黒雷が炎柱を消し飛ばした。
皆が固唾を呑んでいると、中からは無傷のオルガが勝利を勝ち取ったかのように空に向けて拳を上げ、対戦相手であるカクキは黒焦げになって倒れていた。
おおおおおおおおっっ!!!! とオルガの勝利に観客たちは席を立つほど盛り上がりを見せていた。
オルガは倒れているカクキを一瞥したあと、観客ちに勝利のポーズを決めていた。
『試合終了ォーーーっ!!!! 炎の竜巻をオルガの黒雷で一閃!!! 強い!! やはり強いぞ!! だがそのオルガと闘ったカクキも凄かった!!! なんてド派手な試合だったんだぁーーっ!!!』
実況のチャパティが試合終了を宣言し、両名の魔導士は戻っていく。
「……………………」
「どうしたの、ラクサス?」
そして、そんな黒雷を操った魔導士・オルガに視線を送っていたのは、
ミラジェーンは『もう!』と言いながら諦めずにラクサスを追及するが昔とは違う、ゆるやかな態度でミラジェーンから逃げる。
同じBチームであるガジルはこの男に雷で焼かれたことがあるのだが、今のラクサスを見ているとどうにも恐怖というものを感じない。
「オラ、今はそんなことより次だろ次。残ってるのは俺たち
「むぅ。なんだか旅に出てから
ラクサスの言う通り、これからチャパティは対戦相手を発表しようとしていた。
「誰が出ても勝たないとね」
「はっ! 当たり前だろゥが、つかオレを出させろ!!」
「……(まか)…………せろ……」
「ミストガンよう、小声過ぎて後半しか聞こえてねえぞ」
先に出場し、
だが、悔しさは皆一つだった。
ここに居る者すべてが本気になるだろう。
自分の為ではなく、汚名を馳せられた
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
上から眺める会場に、観戦に来ていたマカたちは肝心の
席が上方にしか無かったのだが、中央上空に
闘技場内で売られていた大量に積め仕込まれたポップコーンの箱を、両手で震えながら零れないよう慎重に持って座っているカマを、二人の少女は囲むよう両隣に座って食べていた。
「大丈夫? やっぱり私が持とうか?」
「カーミーは優しいな、だが大丈夫だ。この席並びならばこのポップコーンは持つのは自分である」
「それがもっとも美しい並びよ。でも大丈夫、だって私が食べさせて上げるのだからね」
そう言ってコスモはポップコーンをカマに食べさせようと口に運んであげる。
帽子から覗いた瞳に、悪戯の思惑があるのに気付いたカマは溜め息をついてコスモを少し叱ってやるかと思っていると、カーミーはそれを本気だと気付き『わ、私だって、やる!』とポップコーンをカマに押し付けてくる。
「ま、まて、落ち着け。うん? ほら、見てみよ。次の対戦相手が決まったようだぞ?」
カマは話の流れを正常に戻させると、次の対戦カードが決まった。
『一日目最後の試合となります第四試合!!! 《
『聖十』の一人が次の対戦に出てくるらしい。
それだけでも、先程試合をしていた
あ、はい、すみません。
凄いところで終わってしまった。
読んでくださった方々、ありがとうございました。
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