とある教師の業務日誌   作:ダレンカー

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第9話

C月○日

 

 

 

そういえば、簪ちゃんって一人でISを作ろうとしているらしい。

なんでも、織斑君の専用機を優先することになって開発が遅れてしまったからだそうだ。

 

そのせいで、織斑君の事も嫌いじゃないけど好きじゃないみたいだ。

 

でもねぇ、IS素人の俺でも思う。

そんなの、できるのかな?

 

 

汎用人型決戦兵器だって連邦軍の白い悪魔だって整備スタッフあってのものだし。

ロボアニメ好きの簪ちゃんなら気付きそうなものなのに。

 

 

それとも、何か他に理由があったりするのかな?

今度聞いてみようと思う。

 

 

 

 

 

 

C月△日

 

 

簪ちゃんに、何で一人でISを作るのか聞いてみた。

そしたら、姉さんがそうしたからだそうだ。

 

 

 

楯無ちゃんでも、そんな事無理だと思うんだけど…。

でも、そんな事実より簪ちゃんにとっては意地が勝っているのだろう。

 

 

こういうのは、見守ることにした。

だって、それが本人の糧になっていることは事実だろうから。

 

 

でも楯無ちゃんに話くらいはしておこうかな。

意外と、これがきっかけで仲直りできるかもしれないし。

 

 

 

 

 

 

 

C月×日

 

 

 

今日は驚いた。

あの人、本当に人間なのかな?

 

 

ボーデヴィッヒさんが鈴ちゃんとセシリアさんを相手に一方的な試合をしたらしい。

俺は騒ぎを聞いて駆け付けたので途中からしか見ていないのだ。

 

 

 

そのまま織斑君に襲い掛かったボーデヴィッヒさんをなんとISを装備していないまま織斑先生が止めた。しかもISの装備を使って。

 

 

あの人、マジで飛天御剣流とか使いこなせるんじゃないだろうか。

世界最強は伊達じゃない。

 

 

 

場を収め颯爽と帰ってくる織斑先生に思わず九頭龍閃とかできますか?

って言ったらスーツに九つ穴が開いていた。

 

 

ドヤ顔してくる先生は可愛らしかったが冷や汗が止まらなかった。

この間から俺、何でボケに命張ってるんだろ?

 

 

でも、面白いからやめられないんだよねー。

 

 

 

 

 

 

 

C月☆日

 

 

楯無ちゃんに簪ちゃんの専用機について話をした。

やっぱり、楯無ちゃんも一人で組み上げたわけではないそうだ。

 

 

詳しいことは正直ちんぷんかんぷんなので割愛する。

まぁ学園長なら察してほしい。

 

 

 

手助けしてあげたら?っていうとまた例のヘタレモードになった。

でも…とか、だって…を連発する楯無ちゃんは

非常にレアなのでしばらく見ていたら体育座りを開始したので慰めた。

だけどそろそろ背中を押してあげるべきかな?

あまり立ち入るのもどうかと思って話を聞くに留めていたんだけどこうもヘタレだと…。

 

 

とりあえず、楯無ちゃんを整備室に放りこもうかな。

それで案外解決しそうだし。

 

 

 

 

 

 

C月●日

 

 

織斑君、やっぱりデュノア君のペアを組んだみたいだ。

あと、残念なことに鈴ちゃんとセシリアさんは機体の問題で出場できなくなってしまったそうだ。

それでいいのか候補生と思ったけれどまだ一年生だしね。

これから挽回のチャンスはいくらでもあるだろう。

 

 

 

ボーデヴィッヒさんはまだペアが決まっていないみたいでこのままいけば抽選に回ることになるだろう。

それはそれでペアになった子が心配になるけどまぁしょうがないかな。

 

 

でも一言二言くらいは言っておこう。

ここはあくまで学園で、郷に入っては郷に従うものなのだと。

 

不思議と、一目置かれてるみたいだしね。

 

 

 

 

 

 

C月▲日

 

 

今日は久々に何もなかった。

なのでベンチでボーっとしていたら、鈴ちゃんとセシリアさんに会った。

珍しい組み合わせだと思ったけど、他の皆はトーナメントに向けて訓練しているらしい。

 

 

 

なのでぽっかり時間が空いてしまったんだとか。

折角なのでお茶に誘った。食堂だけど。

 

 

話題は色々。織斑君の事とか俺の事とか。

今更だけどホントに教師?と聞かれた。

普段何やってるのよ?とも。

 

 

まぁまだ一年生の授業には出たことないからね、実習の時しか。

楽しみにしておいてと言っておいた。特に教えることもないけど。

 

 

セシリアさんは最近料理にはまっているらしく、今度何か食べさせてくれるそうだ。

その時鈴ちゃんが微妙な顔していたのが気になったけど…。

 

鈴ちゃん、料理は得意じゃないのかな?

 

 

 

そして自然とトーナメントの話に。

どうやらこの二人も例の噂を知っているらしい。

 

 

とりあえず、心配ないよと伝えておいた。

詳細は語れないけど、たぶん織斑君は織斑君だから。

 

セシリアさんは不思議そうな顔をしていたけど

鈴ちゃんはそれだけでなんとなくわかったみたいだ。

伊達に付き合い長いだけある。ため息を吐いていた。

 

 

その後いくらか愚痴を聞いたところでお開きとなった。

こういうのも、たまにはいいものだ。

 

 

 

 

 

 

C月×日

 

 

トーナメントのペアの申し込みを打ち切った。

決まっていない生徒は抽選でペアを組むことになる。

 

 

そして試合の組み合わせだけど、これはおおよそは教員や生徒会で決めることができる。

なので、意見を聞かれた。最終的な決定権は織斑先生にあるからね。

 

 

口にははっきり出さないけど織斑君とボーデヴィッヒさんの事だと思う。

つまり、どこで当てるか。

 

 

俺的には決勝戦で当てられるのが一番カッコいいと思うんだけど

それだと不確定すぎるからね。

先にどちらかが負けたりしたら、お互い気持ち悪いまま終わってしまうだろう。

 

 

というわけで一回戦。初っ端と意見しておいた。

彼らは早いとこぶち当たったほうがいい。そのほうが面白いし。

 

 

俺の意見に織斑先生は面白そうな顔をしてならそれで。と即採用。

うん、さすがは先生。わかってらっしゃる。

 

 

 

えぇーと叫ぶ真耶ちゃんをよそに笑みを交わす俺と織斑先生。

その姿はまさに悪役。お主も悪よのう、的な。

 

 

さて、いよいよトーナメントが始まる。

俺の優勝予想は…。ここに書くのは無粋かな?

てことで割愛。

 

 

楽しみだなー。

 


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