とある教師の業務日誌   作:ダレンカー

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第12話

F月○日

 

 

臨海学習一日目。

 

 

そういえば今回の臨海学習、簪ちゃんは不参加らしい。

専用機の組み立てに時間を使いたいからだそうだ。

ちょっと残念だ。候補生は大変だね。

 

 

 

 

さて、まずはバス移動。

一組のバスに乗車した。

一つのバスに三人も先生が乗るっていうのも変な話だけど一組には織斑君がいるからね。納得しておいた。

 

 

バス移動中は概ね平和。まぁ織斑君の隣に誰が座るかだとか、多少揉めたけれど俺がくじ引きを提案したことですんなり治まった。

 

ちなみに俺の隣は織斑先生。疲れていたのか俺の肩に頭を乗せて寝始めたのにはすごく焦った。無駄にいい匂いするし。

真耶ちゃんも反対の席で頬を赤くしながらチラチラ見るし。

それが織斑先生の寝顔への反応なのはツッコまないことにしよう。

 

 

でもさすがだ。その姿を生徒にはまるで見せずに到着直前にきっちり目を覚ますんだから。

バスを降りるときに若干恥ずかしそうに小声で謝られた。

これが萌えか。

 

 

 

 

 

そして旅館の方への挨拶。今年は俺と織斑君という男がいるのだから例年以上に迷惑をかけたはずだ。丁重にしておいた。

ここで織斑君の部屋を尋ねる本音ちゃん。俺もこの時点では自分の部屋と織斑君の部屋を知らなかった。

てっきり織斑君と二人部屋だとばかり思っていたからね。

 

 

 

首をかしげる織斑君をよそに織斑先生は俺と織斑君の部屋を告げた。

俺と織斑君と織斑先生の三人部屋だと。

 

 

はぁぁぁ!?と声を上げる俺と織斑君。

先生曰く俺達二人だと女子生徒が大挙して押しかけてくるだろう。

そのための処置だと。

 

 

確かに理屈の上ではそうだろう。

だがしかし織斑先生だって妙齢の女性だ。

男と同部屋など辛いだろうに。

 

 

私なら襲われる心配もないからなという先生に、自分が美人だって自覚してますか?

と言ったら出席簿で殴られた。いや、俺間違ってないよね?

 

 

俺の一人部屋を提案するも意味はない、むしろ本気な分余計やっかいだと言われた。何のことだろう。

ともかく決定事項だと話を打ち切られた。

俺がごねるから事前に知らされてなかったのか。おのれ学園長め。

 

 

 

ともあれひとまず部屋に。

旅館の人との打ち合わせがある俺や織斑先生は海に行く織斑君を見送った。

 

 

その後料理の時間や布団を敷く時間など様々な調整を終える俺達。

ミーティングまで時間が開いたので海に行くことになった。

 

途中で女性陣と分かれ更衣室へ。手早く着替えてビーチに行くとシャルロットちゃんとバスタオルの何かに出くわした。

 

 

俺に気付くとそのバスタオルの何かがもにょもにょ声を発したので正体がわかった。

ラウラちゃんだった。

隣にいたシャルロットちゃんに視線を向けると苦笑しながら恥ずかしがっていると説明された、水着に慣れてないのかな?

 

 

面白そうだったので一緒に織斑君の元へ向かうことに。

声を掛けると案の定ラウラちゃんを見て驚いていた。

バスタオルを脱ぐのを渋るラウラちゃんに、諦めたらそこで試合終了だよ?

というとそれは嫌です!と素で返されてしまった。

やっぱり通じなかった。

 

俺の一言にええい!と大きな掛け声とともに脱皮するラウラちゃん。

黒いビキニの水着姿はとても可愛らしかった。

 

織斑君が可愛いと褒めるとうれしそうに体をくねらせるラウラちゃん。

いやはや、若いっていいね。

 

 

 

続いてビーチバレーに誘われた。

ぜひ織斑君との愛のペアをとも。

 

都合のいい所は聞こえないのか織斑君も組みましょうと乗ってくるし。

シャルロットちゃんの目が怖かった。

さすがに男二人とじゃ試合にならないよと断り観戦に回った。

シャルロットちゃんの視線が和らいだ。よかった。

 

 

しばらく見ていると織斑先生と真耶ちゃんの姿が。

織斑先生は女神のように美しかったし、真耶ちゃんは言わずもがなだ。

あれは毒だ。直視できなかった。

 

 

そんな俺の様子に気付いた織斑先生は楽しげに体を寄せてくるし。

あれか、普段のお返しか。効果抜群だよこんちきしょう!

 

 

速やかにその場を逃げだし、あたりを見て回っていたら篠ノ之さんが見当たらなかったので一応探しに行くことに。織斑君の近くに彼女がいないっていうのも変に思ったし。

 

少し離れた岩場に彼女はいた。難しそうな顔をして。

声を掛けると驚いたようにこちらを向いた。あと、水着姿を恥ずかしそうに。

 

こんなところで何してるの?というと、いえ…と。

そのまましばらく無言でいるから手にかけていたパーカーを差し出した。

そのままだと俺も気まずかったし。

それを受け取り小さく礼を口にした後、ぽつりと明日誕生日なんですと言った。

 

 

誕生日でなんで暗くなるのかはさっぱりだったけれど、何かあるようなのでそこには触れないように明るく、そっか、おめでとうと返した。

 

 

続けて何かあったら話くらい聞くよ?と。

それに対し篠ノ之さんはいえ、大丈夫です。ありがとうございますと。

 

それからはいつもの、なんてことのない話をした。

織斑君の事とかクラスの事とか。

俺と誕生日が一日違いだというと驚いていた。

時間が来たので先に戻るというと去り際、付き合ってくれてありがとうございますともう一度礼を言われた。ちょっとは力になれたかな。気にしないでと言っておいた。

 

 

 

ビーチに戻り織斑先生と真耶ちゃんと合流して旅館へ帰ろうとしたところ、織斑君に

今日一緒に温泉入りませんかと誘われた。結構デカめの声で。

 

頭を抱える織斑先生と頬を赤く染める真耶ちゃん。ざわめく生徒達をよそに時間が違うから無理だと断った。するとじゃあ朝風呂で!と返された。

これはあれだ。やっぱりデュノア君がいなくなって寂しいんだ。男との交流に再度飢えてるんだ。そうに違いない。

 

 

曖昧な返事をして旅館へと帰った。道中織斑先生にすまんと言われた。大丈夫です。はい。

 

 

 

そこからは明日の実習のミーティング。

専用機持ちと一般生徒が分かれて行われることに。

ただ専用機持ちの中に篠ノ之さんの名前が入っていることについて聞くとそれは明日判ると言葉を濁された。なんだったんだろう。

 

 

その後生徒達の入浴時間。教師たちはその時に早めの夕食。

さすがIS学園なだけあって豪華なものばかりだった。お酒が飲めないのは残念だったけど。

 

続いて生徒達の夕食。教師たちはその時に交代で入浴へ。

IS学園は国際色豊かなのでテーブル席と座敷に分かれていたんだけど途中座敷席が大騒ぎしていた。すぐさま織斑先生が鎮圧に向かったけど。

露天風呂は最高だった。貸切だったしね。来てよかったよ。

 

 

夕食の後は消灯まで自由時間。

部屋で織斑君とのんびりしていたら、お風呂に入ってきたのか少し髪の濡れた織斑先生が帰ってきた。ちょっと色っぽかった。

と、ここで織斑君がマッサージをしてくれることに。

最初は織斑先生。俺はこの間に飲み物を買いに部屋を出た。

 

 

そして買い終えて戻ると部屋の前にはおりむラヴァ―ズの五人が。

今適当に書いてみたんだけど妙にしっくりくるなこれ。

おりむラヴァーズ。今度からこう呼ぼう。

 

で、何やら聞き耳を立てていたので後ろからわっ!と声を掛けたら飛び上がって部屋になだれ込んで行った。面白かったなぁ、あれは。

鈴ちゃんに脛を蹴られたけど。

 

 

 

改めてみんなで部屋の中に。

元々セシリアさんにもマッサージをする予定で部屋に呼んだんだとか。

今思うと同級生に全身マッサージを提案する男子高校生とかすさまじいね。さすが織斑君。

 

 

一通り終えると織斑君と共に部屋を追い出されたので少し汗をかいたという織斑君に付き合って風呂に行くことに。

やっぱり男同士、裸の付き合いっていいですよねなんて言われた。深い意味はないと信じたい。

 

でも案外二人きりで話すのも初めて会った時以来の事だったので楽しかった。

料理が得意なんだとか。家事までできるのかあのイケメンは。

あとは織斑先生の事も結構話してくれた。意外とズボラらしい。いいことを聞いた。

 

 

イケメン、料理できる、シスコン。どこのランペルージだ。

わかりづらいか、これは。

 

 

そして消灯時間に。

生徒達が寝静まった後もまだ見回りとかの仕事が教師にはある。

まぁ俺は男だから部屋を回るわけにもいかず外を回ったけど。

 

 

粗方見回りを終え報告した後ビーチに行った。

出来るだけ部屋にいないようにしたかったし、夜の海とか結構好きなのだ。

すると部屋にいたくない原因が缶ビール片手にやってきた。

無論織斑先生だ。

 

 

何時かのように酒を交わす。まぁ多少はね?

お前と飲む酒は上手いと言われた。俺もですと返しておいた。

 

 

で、就寝。できるだけ布団を離して床に就いた。

織斑先生はすぐに寝てしまったけれど俺はそうもいかないのでこれを書いているというわけだ。

 

 

というわけで一日目終了。お疲れ様でした。

 


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