魔法少女リリカルなのはStrikerS 信念の刃   作:sufia

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今回は大丈夫でした


綾人君の性格とかが続々と登場しますよ



第8話 ≪新デバイスと初出動≫

~訓練シミュレーター~

 

最初の模擬戦から数日、ティアナ達は訓練漬けの毎日が過ぎ、綾人はなのはの教導などで学んだ事をレポートにする毎日を送っている

 

 

「は~い! せいれーつ!!」

 

バリアジャケットを装着したなのはに呼ばれ、ボロボロになりながら集まる4人

 

「じゃあ、本日の訓練ラストの一本。みんな、まだ頑張れる?」

「「「「はい!!」」」」

 

なのはの問いに答えるフォワード陣

 

「じゃあ、『弾丸回避訓練(シュートイベーション)』をやるよ? レイジングハート?」

{All right. “Accel Shooter”}

 

レイジングハートから15個のスフィアが展開されると、同時にフォワード陣の顔が引き締まる

 

綾人もその様子をモニタに映す

 

「私の攻撃を5分間回避しきるか、私にクリーンヒットできればクリア。誰か1人でも被弾したら最初からやり直しだよ? 頑張っていこう!」

「「「「はい!!」」」」

 

そう返事すると同時にティアナがみんなに確認する

 

『このボロボロの状態で5分間、なのはさんの攻撃を捌ききる自信、ある?』

『ない!』

『同じくです!』

 

ティアナの質問に即答するスバルとエリオ

 

『じゃあ、何とか一発入れよう!』

『はい!』

 

渇を入れるティアナにキャロも疲れを吹き飛ばす勢いで返事を返す

 

『ようし・・・行くよエリオ!』

『はい! スバルさん!』

 

スバルの掛け声に答え、構えるエリオ

 

『準備はOKだね? それじゃあ、READY・・・GO!!』

 

右手を振り下ろすと同時にシューターを放つなのは。

 

『全員、絶対回避! 2分以内に決めるわよ!?』

『『『『おう!』』』』

 

着弾直前、それぞれが散開するのを確認するなのはだが、周りにウイングロードが展開される

 

『っ!』

 

それに気付き振り向くと、その上にはウイングロードを駆けて突撃するスバル、近くのビルにはスフィアを形成するティアナがいた

 

『っ! アクセル!!』

{Snipe Shot.}

 

自分の周囲のシューターをスバルとティアナに1発ずつ放つなのは

 

2つのシューターは2人に当たることなくすり抜けていき、姿が掻き消えた

 

「・・・“フェイクシルエット”か・・・相変わらず上手いもんだ・・・」

 

ティアナの作戦に感心する綾人

 

なのはも嬉しそうにそれを見ていたが再びウイングロードが後ろに現れる

 

目線を上げると、ティアナの『オプティックハイド』で姿を消していたスバルがなのはに殴りかかる

 

なのはは瞬時にシールドを張って受け止める

 

『うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!』

『くっ!!』

 

シールドを破るためにナックルを押し続けるスバルに対し、防御したまま別のところを飛んでいるシューターを操作しスバルに向かわせるなのは

 

『!? くっ!』

『うん! いい反応!』

 

スフィアに気付きローラーを逆回転させ間一髪で回避すると、なのはは笑顔でそれを褒める

 

『っと、あ、ああああああ!!?』

 

回避したスバルはそのままバランスを崩し、ウイングロードの上を転がっていくが何とか体勢を立て直す・・・が、スバルの後をシューターが追跡していた

 

「危なっかしいな・・・さて・・・ティアナの援護が少し遅いな・・・ん? あらら・・・ジャムったか・・・」

 

ティアナは援護用のスフィアを形成し打とうとしていたが、引き金を引いたとたん弾が詰まっていた

 

「やっぱリョウの言ってた通り・・・そろそろキツいか・・・」

 

~数分前・デバイスルーム~

 

訓練前に各自のデバイスの軽いメンテナンスをしてもらっていたスバル達だが、リョウは少し顔を顰めながらティアナとスバルに顔を向ける

 

「バルムンクは大丈夫だが、スバルとティアナのデバイスは結構キツイな・・・いろんなところにガタが来始めてる・・・」

「そんな・・・どうしたら・・・」

「とりあえず、今日一日保つ程度には仕上げる・・・その後の事は訓練の後でな?」

「「はい・・・」」

 

メンテの終わったデバイスを受け取るスバルとティアナ

 

訓練校に入る前から使っているデバイスの為、愛着も一入である

 

 

『この、肝心なときに!!』

 

ティアナは急いで弾を装填しなおし、即座に4発撃つ

 

スバルはそれを確認し、うまくシューターを誘導しながら離脱し、入れ替わるようになのはにティアナのスフィアが向かう

 

それを見ているなのはの後ろでキャロがエリオにブーストを駆けていた

 

 

『〝我が請うは疾風の翼、若き槍騎士に駆け抜ける力を!〟』

{Boost Up. Acceleration.}

 

ストラーダが桃色の光を纏い、ブースターを噴射させる

 

『あの! かなり加速がついちゃうから、気をつけて!!』

『大丈夫! スピードだけが取り柄だから!!』

 

申し訳なさそうに言うキャロを安心させるように答えるエリオ

 

『行くよ! ストラーダ!!』

 

そう言うとさらに出力を上げる

 

ティアナの誘導弾とフリードの炎を回避しチャージ中のエリオに気付くなのは

 

『行っけーーーー!!』

{Speerangriff.}

 

その直後にチャージを完了させて突撃するエリオ

 

そして、なのはと接触し爆発が起きる

 

『うわぁぁぁ!! くぅ!!』

 

煙の中からエリオが飛び出し近くに着地した

 

そして煙の中からなのはの姿が浮かび上がる

 

{Mission complete.}

『おみごと、ミッションコンプリートだよ!』

『ホントですか!?』

 

なのはの言葉に驚くエリオ

 

『ホラ、ちゃんとバリアを抜いてジャケットまで届いたよ?』

 

よく見るとなのはの左胸の辺りが黒く汚れていて、それを見たエリオとキャロが笑顔になる

 

『じゃあ、今朝はここまで!一端集合しよう?』

『『『『はい!!』』』』

 

笑顔で召集するなのはと答える4人

 

『綾人君も降りてきて?』

「了解」

 

綾人もモニタを閉じてビルを降りていき、ティアナ達に合流する

 

なのはは着地すると同時にジャケットを解除し制服姿になる

 

「さて、皆もチーム戦にだいぶ慣れてきたね?」

「「「「ありがとうございます!」」」」

 

笑顔になって礼を言う4人

 

「ティアナの指示も筋が通ってきたな? どうだ、このままリーダーやってみるか?」

「え、いやあの、戦闘訓練だけでいっぱいいっぱいです!」

「そうか・・・俺の仕事が少し楽になると思ったんだがな・・・」

 

綾人のからかいと本気が入り混じった提案に遠慮がちに答えるティアナ

 

その横でスバルも声を出して笑っている

 

「キュク? キュクル~」

「どうしたのフリード?」

 

突然、そわそわし出すフリード

 

「なんか、焦げ臭いような・・・?」

「おい、スバル! ローラー!!」

「え?」

 

綾人に言われてローラーを見ると、ローラーから煙が出ていた

 

「うわぁ!! やっば!! あっちゃ~・・・」

 

そういいながらローラーを脱ぐスバル

 

「しまった~・・・無茶させちゃった~」

「オーバーヒートかな? 後で、リョウ君に見てもらおう?」

「いえ・・・その・・・」

 

落ち込みながら答えるスバルの様子になのはも首を傾げる

 

「実は、リョウもそろそろ限界じゃないかって言ってまして・・・」

「そう・・・ティアナのアンカーガンも結構厳しい?」

「はい・・・こっちもだましだましです・・・」

 

なのははティアナの返事に少し考えながら

 

「皆・・・訓練にも慣れてきたし、そろそろ実践用の新デバイスに切り変えかなぁ・・・?」

「新・・・?」

「デバイス・・・?」

 

なのはの呟きに不思議そうに聞き返すスバルとティアナ

 

「うん・・・とりあえず、隊舎に戻ろっか?」

 

そういって歩き出すなのは

 

 

~隊舎前~

 

「じゃあ一旦寮でシャワー使って、着替えてロビーに集まろうか?」

「「「「はい!」」」」

 

なのはの指示に答える4人

 

するとそこに

 

「? あの車って・・・」

 

ティアナの言葉に振り向くなのは達

 

見ると黒いスポーツカーが近づき、車のロフト部分が開きオープンカー状態になった

 

「フェイトさん! 八神部隊長!」

 

運転席にフェイト、助手席にはやてが乗っていた。

 

「うん!」「う~ん」

 

キャロに笑顔を返すフェイトとのんびり返すはやて。

 

「すご~い! これ、フェイト隊長の車だったんですか?」

「そうだよ、地上での移動手段なんだ。」

 

スバルの質問に答えるフェイト

 

その横で

 

「こ・・・このボディ・・・」

「え・・・?」

 

キラキラした目で車を舐める様に見てる綾人がいた

 

「あ、綾人君・・・?」

「この光沢のある黒・・・! ただ単純な色なのにここまで存在感を出せる色・・・やっぱ車買うなら黒だよなぁ・・・!!」

 

いつもとはかなり違う綾人に、なのはやフェイト、さらにエリオ達も呆然としていた

 

その横でスバルとティアナだけは苦笑い

 

「あ~・・・忘れてたわ」

「そうだね・・・」

「ど、どういうこと・・・?」

 

呆れている2人に、少し不安になりながら聞いてくるフェイト

 

「先輩・・・“黒い物”に目がないんです・・・黒い車はもちろんのこと、筆記用具やら日用品で黒い物を見つけると大体こうなるんです・・・」

「黒ければ黒い程大喜びですよ」

「そ・・・そうなんだ・・・」

 

テンションが異常なまでにハイになってしまった綾人に視線を戻すなのは

 

そこには、子供のような目をした青年がいた・・・

 

「ふふ。みんな練習の方はどないや?」

 

そんな綾人を置いて話を切り替えるはやて

 

「あ~・・・ははは」

「頑張ってます」

 

またしても苦笑いのスバルの変わりに答えるティアナ

 

「エリオ、キャロ、ごめんね? 私は2人の隊長なのにあんまり見てあげられなくて」

「あ・・・いえ、そんな」

「大丈夫です!」

 

謝ってくるフェイトに笑顔で答えるエリオとキャロ

 

「綾人、2人のことお願いね?」

「わかってますよ。任しといてください」

 

フェイトの頼みに目を輝かせながらもちゃんと頷く綾人

 

妙なメリハリが効いている

 

「4人ともいい感じに慣れてきてるよ? 何時出動があっても大丈夫!」

「そうか、それは頼もしいな!」

 

なのはの評価にはやても満足する

 

「2人はどこかにお出かけ?」

「うん、ちょっと6番ポートまで」

「教会本部でカリムと対談や。夕方には戻るよ」

 

なのはの質問に答えるフェイトとはやて

 

「私は昼前には戻るから、お昼は一緒に食べようか?」

「「はい!」」

 

フェイトの提案に元気よく返事をするエリオとキャロ

 

「ほんならな~」

 

そのまま走り出していく車を5人は敬礼で送り出した

 

 

~隊舎・シャワー室~

 

「スバルさんとティアさんのデバイスって、ご自分で作られたんですよね?」

「うん。そだよ~・・・」

 

一緒にシャワーを浴びているスバルを見上げながら聞いてくるキャロ

 

「支給用って基本的に杖かポールスピアしかないのよ・・・」

「私はベルカ式だけど、戦闘方法が“アレ”でしょ? で、ティアもカートリッジシステムを使いたいって」

「へぇ・・・」

 

思い出しながら話すスバルとティアナ

 

そして、キャロは「そういえば」ともう1つ質問を思いついた

 

「綾人さんやリョウさんとはどうやって知り合ったんですか? 確か、1つ先輩なんですよね?」

「ああ・・・それね・・・」

「一時期、上級生と一緒に訓練を受ける機会があってね? その時に会ったのが最初ね」

 

少しずつ話し始めるティアナ

 

「2人共前衛のペアは結構珍しいらしくてね・・・まあ、あたしたちも自作のデバイスとか使ってたから“変わり者同士”って感じだと最初は思ったわね・・・」

「あはは・・・」

「で、リョウ先輩が私達のデバイスに興味をもってメンテナンスをしてくれる事になったんだ」

 

自作のデバイスというだけでリョウはかなり興味津々で、ある種無理やりメンテナンスをさせるように言ってきたのだ

 

「その後、先輩の友達の人達・・・あ、前の部隊の先輩になるんだけど・・・その人達とも仲良くなってね・・・気がついたら、期間が終わっても6人で過ごしてたわね・・・」

「へぇ・・・あの、お2人から見て綾人さんやリョウさんってどんな人ですか?」

「う~ん・・・・・・そうだねぇ・・・どっちも“頼りになる先輩”だね・・・」

「まあ・・・否定はしないわ・・・片方に少し問題があるけどね・・・」

「問題・・・ですか・・・?」

 

頭を抱えるティアナにキャロがまた聞き返す

 

「ええ・・・さっきも見たでしょ? 綾人先輩よ・・・」

「ああ・・・あはは・・・」

 

フェイトの車に大興奮の光景を思い出したキャロ

 

走り去ったあともまだ少しだけ名残惜しそうに見つめていたのだ

 

「“あれ”はまだいいのよ・・・こっちに被害が少ないから・・・止めるのが大変なだけで・・・問題なのはもう1つの方よ!」

「も、もう1つ・・・?」

「先輩ってね・・・・・・“正直者”なんだよね・・・」

「それも頭に“バカ”が付くぐらいに・・・」

「えっと・・・・・・?」

 

よくわかっていない様子のキャロ

 

“正直者”の何が問題なのだろうかと考えてみる

 

「先輩はね・・・“思った事を隠さずに口にする”のよ・・・悪びれもせずに・・・ね」

「例えば?」

「人に向かって真っ向から“ウエストがやや太いぞ?”って言ったりね・・・・・・人が気にしていた事をズケズケと・・・!!」

「あわわ・・・」

 

怒りのオーラがティアナから立ち込める

 

キャロと隣のスバルも一緒に震え上がる

 

「ふぅ・・・さて、それじゃ先に出るわ・・・」

「あ、うん! キャロ、頭洗ってあげる!」

「お願いしま~す!」

 

1つ深呼吸してシャワー室を出ていくティアナ

 

 

その途中で

 

「ま、その『余計な一言』でも・・・マシなやつも何個かあったけどね・・・」

 

そう小さく呟くのだった・・・

 

 

~機動六課・デバイスルーム~

 

 

「うわぁ、これが・・・」

「私達の新デバイス・・・ですか?」

 

スバルとティアナが目の前にあるものを見ながらそう漏らす

 

2人の前には青いクリスタルの付いたペンダントとカード型のデバイスが浮いていた

 

「そうだ。設計主任は俺で、なのはさん、フェイトさん、シャーリー、レイジングハートさんとリイン曹長にも幾つか協力してもらった」

 

リョウが資料を広げながら説明を始める

 

「でも、デバイスってそんな早く作れるものなんですか?」

「いや。基本設計とかの部分は六課に来る前からやってたことだ・・・お前達の使ってたデバイスに限界が来る前に仕上げれるかどうかは怪しかったけどな」

「そういや、この間行った時も何かやってたな」

 

オーバーホールにリョウの下を訪れた時に広げられていたモニタを思い出す綾人

 

「ま、俺からの遅めのBランク試験合格祝い・・・もしくは、転属への餞別だとでも思ってくれ?」

「「ありがとうございます!!」」

 

リョウが笑いかけると、スバルとティアナも笑顔で頭を下げる

 

 

その反対側の机にはエリオとキャロのデバイス、ストラーダとケリュケイオンが同じく浮いていた

 

「ストラーダとケリュケイオンは変化なしかな?」

「そうなのかな?」

 

見た目があまり変わらないので変化がわからない2人

 

「違いま~す!」

 

そう言いながら綾人の頭に降りるリイン

 

「変化なしは外見だけですよ?」

「リインさん!」

「はいです~!」

「どこ乗ってんですか・・・」

 

突然の登場に少し呆れ気味の綾人

 

「むぅ・・・いいじゃないですか! なんかしっくり来るんです!!」

 

綾人の言葉に少しむくれるリイン

 

「なら、せめて頭は止めてください・・・見ようと思ったらスカートの中、見えますよ?」

「はわわ!!」

 

綾人の一言に慌てて降りるリイン

 

また1人・・・綾人の一言の餌食になってしまった・・・

 

「なんで言うんですか!?」

「言わなきゃ伝わらないでしょ?」

「エッチさんです!!」

「いやいや・・・自分から来たんでしょ?」

 

顔を真っ赤にしながら抗議してくるリインに対し、綾人はちゃんと1つ1つ答えていく

 

その様子を見ていたキャロは、先ほどのティアナ達の言っていたことを理解した

 

「あ~曹長・・・説明を続けてもらっても?」

「むぅ・・・わかりました・・・後でお説教です!!」

 

渋々ながらリョウに頷き、再びエリオ達に向きなおすリイン

 

「コホン・・・エリオとキャロはちゃんとしたデバイスの使用経験がなかったですから、感触に慣れてもらうために基礎フレームと最低限の機能だけで渡してたです!」

「あ、あれで、最低限!?」

「ホントに?」

 

リインの説明に驚愕する2人

 

「綾人以外の4人が扱うことになる4機は、六課の前線メンバーとメカニックスタッフが技術と経験の粋を集めて完成させた最新型! 部隊の目的に合わせて、そしてエリオやキャロ、スバルにティアナ・・・個性に合わせて作られた文句なしに最高の機体です!」

 

そう説明し、デバイス達を自分の下へ移動させる

 

「皆、まだ生まれたばかりですが、いろんな人の思いや願いが篭められてて、いっぱい時間かけてやっと完成したです!」

 

そう言って4人の下へと移動させる

 

「ただの道具や武器と思わないで大切に、だけど性能の限界まで思いっきり全開で使ってあげてほしいです!」

「リョウ、バルムンクは?」

 

フォワード陣のなかでは一番デバイスの使用経験がある綾人が説明を聞き終わった後に質問する

 

「バルムンクには少し手を加えさせてもらった」

「どういうことだ?」

 

そう聞こうとした所に

 

「ごめんごめん! おまたせ~」

「なのはさ~ん! シャーリー!!」

 

なのはとシャーリーが入ってきた

 

「ナイスタイミングです。丁度これから、機能説明をしようかと」

「そう。もう、すぐに使える状態なんだよね?」

「はい!」

 

なのはの質問に元気よく答えるリイン

 

「シャーリー、交代」

「はいは~い!!」

 

リョウと場所を交代してパネルを展開しながら説明を始めるシャーリー

 

「まず、その子たちはみんな何段階かに分けて出力リミッターをかけてるのね? 一番最初の段階だと、そんなにびっくりするようなパワーが出るわけじゃないから、まずはそれで扱いを覚えていって」

「で、各自が今の出力を扱いきれるようになったら、私やフェイト隊長、リインやリョウ君、シャーリーの判断で解除していくから」

「丁度、一緒にレベルアップしていくような感じですね」

 

シャーリー、なのは、リインと順に説明が続く

 

「ちなみに、バルムンクにも着けたぞ」

「なるほど・・・」

 

『手を加えた』というリョウの言葉をそう受け止めた綾人

 

その後、なのはは出力リミッターが隊長陣にはデバイスだけじゃなく自身にも掛かっていることなどを話した

 

「新型も、皆の訓練データを基準に調整してるから、いきなり使っても違和感はないと思うんだけどね」

 

パネルを操作しながら説明するシャーリー

 

「午後の訓練の時にでもテストして、微調整しようか」

「遠隔調整も出来ますから手間もほとんど掛からないでしょう」

「はぁ、便利だよねぇ・・・最近は」

「便利です!」

 

リョウの説明に対するなのはの感想を聞いて思わず綾人が一言・・・

 

「とても20代前の女性の発言とは思えないな・・・・・・」

 

すると、なのはが笑顔で綾人に近づき

 

「綾人君? 何か言った?」

「・・・・・・もう一度聞きたいですか?」

 

なぜ否定もしなければ謝らないのか・・・

 

そしてなのはから黒いオーラが浮き出てくる

 

「・・・・・・スバルの方はリボルバーナックルとのシンクロ機能も上手く設定できてるからな?」

 

なのはと綾人のやり取りを苦笑いでスルーしながら説明するリョウ

 

すでに綾人の一言には諦めも覚えている

 

「ホントですか!?」

「持ち運びが楽になるように、収納と瞬間装着の機能も付けといたぞ」

「ありがとうございます!!」

 

先輩の気前のよさに笑顔で礼を言うスバル

 

 

その時、部屋にアラート音が響いた

 

 

「このアラートって!?」

「一級警戒態勢!?」

 

アラートに驚いているスバルとエリオ

 

「グリフィス君!!」

 

なのはは先ほどの黒いオーラを消して副部隊長でもあるグリフィス・ロウランを呼び出す

 

『はい! 教会本部から出動要請です!!』

『なのは隊長! フェイト隊長! グリフィス君! こちらはやて!!』

 

グリフィスとはべつのモニタからはやてからの通信が入る

 

「うん!」

『状況は?』

 

車で移動中のフェイトの声が聞こえる

 

『教会騎士団の調査部で追ってた、レリックらしきものが見つかった。場所はエイリム山岳丘陵地区、対象は山岳リニアレールで移動中!』

「移動中!?」

『まさか!?』

 

隊長2人は何かを思い至る

 

『そのまさかや、内部に侵入したガジェットのせいで、列車の制御が奪われてる。リニアレール車内のガジェットは少なくとも30体。大型や飛行型の未確認タイプも出てるかも知れへん。いきなりハードな初出動や、なのはちゃん、フェイトちゃん、いけるか?』

「私はいつでも!」

「私も!」

 

はやての要請に隊長2人が答える

 

『スバル、ティアナ、エリオ、キャロ、それに綾人君も、皆オッケーか?』

「「「「「はい!!」」」」」

 

答える5人

 

はやても頷きながら話を続ける

 

『よっし、いいお返事や! シフトはA-3! グリフィス君は隊舎での指揮、リインは現場管制!』

「『はい!』」

『なのはちゃん、フェイトちゃんは現場指揮!』

「『うん!!』」

 

次々と指示を飛ばすはやて

 

『ほんなら・・・機動六課フォワード部隊、出動!!』

「「「「「『了解!!』」」」」」

 

はやての号令に全員が返事をする。

 

『皆は先行して、私もすぐに追いかける!』

「うん!」

 

フェイトの言葉に頷き、通信を切り『ヴァイス・グランセニック』の操縦するヘリに乗り込み現場へ向かうなのは達だった・・・




どうも


綾人君の特徴、『黒いもの好き』が出てきました

黒い車とかは見る度に喜び、自分の魔力光『群青』には少し不満があるようです


マッハキャリバーとクロスミラージュの完成経緯も変わっていますね

2人をよく知る人物が手がけたデバイスってのもいいなと思ったのでこうしました

能力とかは基本変わりませんけどね



さて、それじゃ次回予告を

レリック回収のため、ヘリで移動している綾人達

ひとり緊張するキャロに、綾人は予想もしない行動で元気づける


「キャロ・・・自分を信じろ」
「え・・・?」


そしていよいよ出撃の時・・・


「スターズ3・・・天童綾人・・・・・・行きます!!」


六課としての初出動の結果は・・・・・・


次回、『思いを力に』


ついに・・・『伯爵』が始動する・・・

綾人
「その呼び方やめろ!!」


※綾人君のコールサインは立場の関係上『スターズ3』になっていて、スバルとティアナのコールサインも、それに伴って1つずれていますのでご了承ください

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