魔法少女リリカルなのはStrikerS 信念の刃   作:sufia

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突然入ってくるオリジナル回

綾人君の戦い方を披露したいと思います


第6話 ≪綾人の実力≫

「お疲れ様。皆、どうだったかな?」

 

フォワード陣を集めて質問するなのは

 

「すごく、疲れました・・・。」

「同じく・・・」

「僕も・・・」

「私も・・・」

 

かなり息が上がっていて4人に綾人が近づく

 

「まぁ、全員実戦経験が薄いからな・・・ペース配分とかもまだ慣れてないってところか・・・」

「そうだね・・・その辺も、少しずつ慣れていこうか?」

 

なのはも頷きながら答える

 

「あ、あの・・・綾人さん! 質問です!!」

「ん?」

 

息を整え終えたエリオが手を上げて綾人を呼ぶ

 

「綾人さんってどれくらい強いんですか?」

「いきなりで曖昧だな・・・なんで?」

「その・・・出撃になったら綾人さんも一緒だって聞きましたから・・・」

「俺の実力が知りたい?」

「はい・・・ダメですか?」

 

見上げて聞いてくるエリオ

 

これが女の子ならイチコロかもしれない

 

「ダメじゃないけどな・・・どうします? なのはさん」

「そうだね・・・スバルやティアナは知ってるんだよね?」

「ええ・・・まあ、一応は・・・」

「とは言え、“当時の”綾人と“今の”綾人じゃ得物が違うし・・・戦い方も違うだろうしな・・・俺はいいと思いますけど?」

「お前教導と関係ないだろ・・・」

 

リョウの後押しを受けてなのか、なのはも頷いてシャーリーを見る

 

「シャーリー、さっきのよりも少しレベル上げて準備してくれる?」

「あ、はい!」

「やるんですね・・・」

「うん。私も、実際に見ておきたいからね・・・綾人君の戦い方・・・資料だけじゃわからない部分もあったし・・・」

「わかりました・・・では、失礼して・・・バルムンク・・・」

 

そう言うと、綾人は陸士部隊の茶色の上着を脱ぎ、ネクタイを緩めて相棒のデバイス『バルムンク』を機動させる

 

綾人の手に刀身は細くて装飾も少なめで、カートリッジ以外は全く同じ2本の刀が握られる

 

「バリアジャケットは展開しないの?」

「ええ。このままで大丈夫ですよ」

 

少し心配そうななのはに頷いて答える綾人

 

「シャーリー・・・どれくらい上げるんだ?」

「え? 一応さっきの1ランク程上に・・・」

 

その後ろで、レベル調整をしているシャーリーに近づくリョウ

 

シャーリーの設定したレベルを確認し、少し考えて手を伸ばす

 

「・・・綾人ならこれくらい楽勝だな・・・もう1ランクアップで」

「え・・・動作レベルAに攻撃制度B!? でも、これ・・・なのはさん達クラスの手前ぐらいだよ!?」

「教導する立場にいるんだ・・・これくらい出来なきゃ意味ねぇよ」

「勝手なこと言うな」

 

リョウの言葉に綾人が呆れながら反論するが

 

「出来ねぇの?」

「・・・・・・やってやるよ・・・」

 

にやにやしながら挑発され、少し怒りながら構える綾人だった・・・

 

 

綾人は、少し開けた広場になっている場所に移動し、スバル達はなのは達がいたビルに登って綾人を観察することになった

 

なのはも上空から見守っている

 

『それじゃ・・・ターゲットは15機でいいかな?』

「ええ・・・なるべくバラけさせて配置してください・・・わかりやすいでしょうから」

『わかったよ・・・シャーリー? リョウ君?』

『はい!』『ウィっス!』

 

なのはに答えると同時、ガジェット達が綾人の周辺に現れる

 

綾人の周り・・・綾人の目とガジェットの攻撃が届く範囲に6機、さらに離れた場所・・・右方向に3機、左方向に2機・・・そして、上空に密集して4機が配置された

 

「さて・・・・・・」

 

綾人はそれらを確認した後、二刀の刃を下げて目を閉じる

 

『えっと・・・・・・準備いいかな?』

「ええ・・・・・・始めてください・・・」

 

目を閉じているからか、始めていいのかわからないなのはが聞いてくるが、綾人は目を閉じたまま答える

 

『それじゃぁ・・・ミッション・・・・・・スタート!!』

 

なのはの開始の合図の瞬間、6機のガジェットが綾人に向けて攻撃を放った

 

その攻撃は、先程スバル達に行っていた攻撃とは段違いの速さで綾人に迫る

 

 

「は、速い!?」

「あんなのどうすんのよ!!」

「綾人さん、目を閉じたままですよ!?」

「当たります!!」

 

しかし、綾人は動くことなく攻撃が直撃した

 

「・・・・・・?」

 

なのはは直撃の瞬間、綾人の口がわずかに動いた様に見えたが、すぐに土煙が上がったために確認が出来なかった

 

ゆっくりと晴れるのを待っているスバル達だが、“その瞬間”は突然訪れた

 

「ふっ!!」

 

土煙を切り裂いて綾人が飛び出し前方のガジェットを切り捨てたのだ

 

「え・・・?」

 

なのは達が声をあげてる間に、すでに綾人を取り囲んでいたガジェット6機が破壊されていた

 

 

爆発の中には無傷の綾人が立っていた

 

「あ・・・あの攻撃で無傷!?」

「そんな・・・避けた様子もなかったし・・・確かに直撃したハズだけど・・・?」

 

スバルやティアナも混乱していた

 

自分達の知っているハズの人間が、予想もしない戦いをしているのだから

 

 

綾人が視線を左右に移すと、離れていたガジェットが猛スピードで迫ってきていた

 

「次か・・・なら・・・ここは・・・」

 

すぐに視線を右側・・・近い方のガジェットに向け、突撃する綾人

 

 

先程同様、高速の攻撃が綾人に迫るが、綾人はそれを悠々と避けて進んでいく

 

「すご・・・」

「全部見えてるんですか・・・?」

「ああ・・・あいつ、動体視力は異常なまでに良いからな」

「そ、そんなレベルじゃないよ・・・」

 

リョウが少し解説するが、シャーリーもメガネがズレているのに気づかない程驚いていた

 

 

そんな間にも綾人は3機のガジェットを見据え、小さく呟き一気にガジェットの間をすり抜ける綾人

 

そのすぐ後に、ガジェットはまた爆散した

 

言葉ではそれだけなのだが、見ていたスバル達には

 

 

「今・・・一瞬消えた・・・?」

「はい・・・そう見えました・・・」

 

綾人が視界から一瞬だけでも姿を消し、ガジェットの後ろに移動していたのだ

 

「何・・・幻術・・・?」

「いや・・・あいつはそんな高度な魔法使えねぇよ・・・本当にタダ・・・“斬りながら通り抜けた”んだよ」

「そんな・・・どんな速度で・・・」

 

最早訳がわからなくなっていたスバル達

 

そして、綾人はゆっくりと振り向き、まだ迫って来ている2機に目を向ける

 

「よし・・・」

 

今度は左手の一刀を地面に刺し、右の一刀を腰に据えて大きく深呼吸する

 

 

「また止まった?」

「何をするんでしょうか・・・」

 

固唾を飲んで見守るスバル達

 

シャーリーやなのはも目を離せないでいた

 

ガジェットは段々と綾人に迫ってくる

 

そして、射程に入ったところでクリスタルが光り、綾人へ光弾を撃つ

 

綾人はそれとほぼ同じ瞬間・・・刀を大きく横に薙ぐ

 

「“閃(せん)”!!」

 

バルムンクの刃から群青色の斬撃が飛び出し、迫る光弾を飲み込み逆にガジェットへと迫る

 

ガジェットはAMFを発動するが、斬撃は留まるどころかフィールドをガジェット2機ごと切り裂いた

 

 

「な・・・何・・・今の・・・?」

「AMFを・・・斬った・・・?」

「いや、少し違うな・・・厳密には、AMFに干渉して無いし、干渉されても無い」

「それって・・・つまり・・・飛んでいったのは“魔力”じゃないって事ですか?」

「そういう事だ」

 

ティアナに頷くリョウ

 

 

上空のなのはも綾人をジッと見つめていた

 

(これが・・・・・・先生の言っていた・・・綾人君の使う力・・・)

 

 

 

「さて・・・残りは空か・・・あっちだな」

 

密集しているガジェットを見つけ、走り出す綾人

 

(もう一度同じのを使ってもいいんだが・・・一通り見せておくかな・・・)

 

そう考えた綾人は、立ち止まることなくガジェットの下へ向かう

 

ガジェット達は綾人を見つけて攻撃するが、やはり先程同様当たることは無かった

 

 

段々と距離を縮めていく綾人は、また小さく呟く・・・

 

そのすぐ後、スバル達は目を疑った

 

「え・・・えぇ!?」

「うそ・・・・・・」

「空を・・・」

「“走ってる”!?」

 

綾人がガジェットに“空を走って”接近しているのだ

 

それも、足場も作らずに

 

 

ガジェット達の攻撃を軽々と回避しながら間合いに飛び込んだ綾人

 

「これで終わりだな・・・」

 

4機をそれぞれ1回ずつ斬り、そのまま着地した

 

『そこまで!!』

 

爆散を確認したなのはが、そのまま合図を出して綾人の実力披露は幕を閉じた・・・




どうも

強めの主人公の戦い方のご紹介でした


綾人君の戦い方の詳しい説明はまた次回になりますのでお楽しみに



225隊での訓練のおかげで隊長レベルでの訓練はこねせる綾人君

225隊についての説明もかなり後になりますけど紹介します


では、次回予告

綾人の実力を目の当たりにしたなのは達

そんな彼女達に、綾人は詳しく説明を始める

「俺はな・・・“魔力”ではあまり戦ってない・・・俺が使ってるのは・・・“闘気”だ」
「“闘気”・・・何が違うんですか?」

“闘気”の特徴などの説明をしながら、自身の戦い方を教えていく

「ストラーダで俺の頭、殴ってみ?」
「えぇ!?」

実演を交えての説明に困惑しながら聞くことになったなのは達なのだった


次回、『“魔力”と“闘気”』

魔導師らしからぬ戦い方をする青年は、どう彼女達を導くつもりなのか・・・

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