魔法少女リリカルなのはStrikerS 信念の刃   作:sufia

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今回はオリジナル強めです


第36話 ≪六課襲撃・敗北の時≫

【シャマルSIDE】

 

~機動六課~

 

時間は少し遡り、なのは達のいる会場が襲撃を受けるのとほぼ同じ頃・・・

 

『バックヤードスタッフ、避難急いでください!!』

「それじゃヴァイス君・・・綾人君をお願いね?」

「了解っス!!」

 

六課へと何かが向かっているという報告の後、急いで迎撃準備に入る六課メンバー

 

シャマルもそれに参加するため、未だに目を覚ましていない綾人を避難させようとヴァイスに頼んだ

 

その後、ヴァイスは綾人を背負って避難を開始した

 

「それじゃ・・・行きましょう・・・」

 

デバイスを起動し、外へと向かうシャマル

 

途中でザフィーラとも合流した

 

「シャマル・・・綾人は・・・?」

「ヴァイス君にお願いしたわ・・・そっちこそヴィヴィオは?」

「アイナが連れていった・・・」

「そう・・・それなら一安心ね・・・あとは私達が頑張るだけね」

「前は俺がやる・・・援護を頼むぞ・・・」

「ええ!」

 

シャマルとザフィーラの目前まで、大量のガジェットが近づいてきていた・・・

 

【ヴァイスSIDE】

 

「シャーリー! アルト!!」

「ヴァイス君!」

 

綾人を背負い、隊舎にある避難区画へ向かう途中、そのままシャーリーやアルト達と合流するヴァイス

 

「すまねぇが、綾人を頼むわ・・・俺もこれから迎撃に行くからよ」

「わかりました・・・」

 

そう言うと綾人を他の男性局員に渡し、支給されている杖型のデバイスを取り出す

 

 

「ヴァイス先輩、気を付けて・・・」

「おう・・・」

 

アルトとそれだけ会話を交わし、ヴァイスは迎撃へと向かった

 

「それじゃ・・・行きましょう」

 

綾人を連れて奥へと進んでいくシャーリー達

 

 

【シャーリーSIDE】

 

~機動六課・避難区画~

 

「パパ!!」

 

綾人が入ってくるのを見たヴィヴィオが近づく

 

「外はシャマル先生とザフィーラさんが、内部はヴァイス陸曹をはじめとする迎撃チームがそれぞれ守っています」

「一応、この辺もバリケードを作って迎撃の準備を」

 

大急ぎでソファなどを積み上げて防壁を作っていく局員達

 

 

「ぐ、グリフィスさん!! 攻撃来ます!!」

「なっ!?」

 

ルキノの言葉のすぐ後、六課の隊舎に大量の光線が降り注いだ

 

 

瞬く間に隊舎の壁が崩れ、そこからガジェット達が入ってくる

 

 

「クッ! 迎撃を!!」

 

グリフィスの指示の下、迎撃を始める機動六課ロングアーチ達だが・・・

 

「うわっ!?」

「くぅ!!」

 

綾人達とは違い、AMFの中での戦闘訓練をしていない彼らにはガジェットの相手は厳しいものだった

 

そして、ガジェットの数体が攻撃をくぐり抜け、シャーリー達・・・正確にはヴィヴィオへと迫ってきた

 

 

「あ・・・」

「ヴィヴィオ!!」

 

ヴィヴィオを抱きしめて守ろうとするアイナ達バックヤード、そしてアルトやシャーリーも前で壁になろうと立ちふさがる

 

(やられる・・・!!)

 

そう思って目を瞑るシャーリーだが・・・

 

(何も・・・来ない・・・?)

 

攻撃を受ける覚悟をしていたのに、何も起こらないことに不思議に思い、恐る恐る目を開けると・・・

 

「大丈夫か・・・シャーリー・・・」

「あ・・・」

 

ガジェット達が次々に2つに割れていく・・・その中心にいたのは・・・

 

「綾人君!?」

 

意識を失っていたハズの綾人が激しく息を切らせながらバルムンクを握って立っていた

 

 

【綾人SIDE】

 

「綾人・・・パパ・・・」

 

震えながら綾人の背中を見るヴィヴィオ

 

「ヴィヴィオ・・・大丈夫だ・・・絶対に守ってやる・・・」

 

振り向き、優しい笑顔を向けてそう宣言する綾人

 

「シャーリー、状況は何となく把握した・・・これより、迎撃に参加する」

「でも綾人君! 身体は・・・」

「問題無い・・・それに、この状況じゃおちおち寝てられないだろ?」

 

そう言うと、バルムンクを構え直す

 

「シャマル先生に怒られるのもしょうがない・・・その時は連帯責任って事で!!」

 

駆け出し、ガジェット達を一刀両断していく綾人

 

だが、ガジェット達は止まることなく次々と入ってくる

 

「さぁ・・・根比べと行くか・・・俺が倒れるか・・・ガジェットが尽きるか・・・」

 

にやりと笑ってそう言う綾人

 

(『武王』の言っていた身体への負担・・・確かに・・・少し動きにくいな・・・だが、ガジェットの相手ぐらいなら!!)

 

そう心で決め、ガジェットに突っ込んでいく綾人

 

迫る攻撃を全てたたき落とし、ガジェットを切り裂いていく

 

(このままここにいてもダメだ・・・もっと前に出なきゃ・・・攻撃を落とし損ねたらアウトだ・・・)

 

ガジェットの攻撃を弾きつつ、すれ違うガジェットを切り裂く

 

そして、いつしか通路を曲り押し返していく

 

「ここなら大丈夫か・・・!?」

 

角を曲がった所でそう呟く綾人の顔色が変わる

 

そこには、見慣れない紫の髪の少女が立っていた

 

(あの子は・・・スカリエッティの所の召喚士・・・!)

「あなたが・・・・・・ゼストの言ってた『剣王』の息子?」

「・・・・・・あの人の知り合いか・・・」

 

少女『ルーテシア』の後ろに黒い人型の影が現れる

 

「『ガリュー』・・・お願いね」

 

ルーテシアの指示の直後、綾人に肉薄するガリュー

 

「ちぃ!!」

(・・・まずいな・・・今の状態じゃまともに戦えない・・・)

 

攻撃を受け止めながらそう思い、顔を歪める

 

(それでも・・・後ろにはヴィヴィオ達がいる・・・後退は・・・考えない!!)

 

そう誓い、ガリューを押し返す綾人

 

(なんとしても持ちこたえる・・・そうすれば、きっと・・・!)

 

六課のメンバー達も戻ってくる・・・そう信じる綾人

 

だが、綾人は本部も襲撃を受けている事は知らなかった・・・

 

 

【マークSIDE】

 

 

「そろそろ外に出るな・・・準備をしておけ」

「あ、はい!」

 

入口が近づくと、エリオとキャロを下ろすマーク

 

「竜魂・・・召喚!!」

{ギュオーーーー!!}

 

フリードの力を開放し、上に乗るエリオとキャロ

 

「執務官、外に出たらそのまま六課へと向かえ。決して振り向かないように」

「わかりました」

「リョウ、準備は出来ているな?」

「はい! 久しぶりの実戦ですが・・・鍛錬だけは欠かしてませんからね!!」

 

マークの指示と確認にそれぞれ頷くフェイトとリョウ

 

「では・・・行くぞ!!」

 

合図と共に外へ飛び出す

 

「キャロ! エリオ!」

「はい! フリード!!」

 

共に空へと飛び立ち、六課へと向かうフェイト達

 

「リョウ! 右をやれ!」

「了解!」

 

二手に別れて迎撃に移るマークとリョウ

 

「イルム! あとはやる!! リョウの援護に回れ!」

「了解! 各員、隊長の前から離れろ!!」

 

イルムの合図により、マークの前方から隊員が散開する

 

「オーディン・・・フォルム3rd・・・」

 

剣の状態のオーディンに指示を出すと、鍔(つば)の部分が広がり、さらに柄(つか)が後ろに伸びる

 

最後は刃が巨大化し、マークの身の丈の10倍はあるであろう大太刀へと変形した

 

「烈風・・・一陣!!」

 

巨大な刀身に風が集まる

 

「チェストぉーーーー!!」

 

横に薙ぐと、巨大な風の刃がガジェット達をひとつ残らず粉砕していく

 

「すげ・・・」

「あれが・・・隊長の力・・・」

「いやいや・・・あんなもんじゃねぇよ・・・あの人の実力はな・・・」

 

圧倒的な力に呆気に取られているリョウと225隊のメンバーだが、イルムだけは普通にしていた

 

 

「残りはわずかだな・・・一気に殲滅する!」

{応!!}

 

マークの号令により、残りのガジェット達の掃討が始まった・・・

 

 

【綾人SIDE】

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

フラフラになりながらガリューを睨みつける綾人

 

「・・・・・・しぶとい・・・」

「そりゃどうも・・・それだけが取り柄でね・・・」

 

少しむくれながら呟くルーテシアに綾人もニヤリと笑い返す

 

だが、その表情とは裏腹に身体の方はほぼ限界だった

 

(まずい・・・・・・これ以上長引いたら・・・コイツを止めれても・・・あの子とガジェットを止められない・・・)

 

綾人はずっとガリューとガジェットをほぼ同時に相手をしていた

 

ガリューの横をすり抜けていこうとするガジェットを落とすと、その隙をついて攻撃される

 

そのおかげで身体中アザだらけになっている

 

「でもまぁ・・・結局こいつをどうにか出来なきゃ・・・・・・どうしようもないか・・・・・・ふぅ・・・」

 

大きく深呼吸し、腕をクロスさせて腰を下ろす

 

そして、肩から腕を2本生やした

 

「これ・・・・・・ゼストの言ってた・・・」

「『幻視・四刀流』・・・・・・」

 

ガリューを真っ直ぐ見据えて飛び上がりながら近づく綾人

 

近づく瞬間、腕を一気に振り上げる

 

「『枝垂(しだれ)』!!」

 

四刀を振り下ろしガリューを切りつける

 

腕をクロスさせて受け止めようとしたガリューだが、耐え切れずにルーテシアの後ろに吹き飛ばされる

 

 

「ガリュー・・・・・・!!・・・あ・・・」

 

目を見開いて後ろを振り返るルーテシアだが、その足元にバルムンクを突き立てられる

 

「これで・・・・・・終わりだ・・・」

 

霞む目でルーテシアを睨みながら呟く綾人

 

「さぁ・・・・・・大人しく・・・」

 

意識を失いそうになりながら投降させる綾人だが、意識を保つのに必死で周りの気配を感じられずにいた

 

「ぐっ・・・はぁ・・・!?」

 

起き上がったガリューの鋭く変形させた腕に刺し貫かれ、後ろに吹き飛ばされる

 

「ガリュー・・・大丈夫・・・?」

「がはっ!! ぐぅ・・・・・・うぅ!!」

 

血を吐き、刺された腹を押さえながらガリューとルーテシアを睨むが、ルーテシアはすでに綾人から視線を外してガリューの心配をしていた

 

「それじゃ・・・行こ・・・」

「ま・・・て・・・ぐっ!!」

 

起き上がろうとする綾人だが、痛みと疲労によって力が入らないでいた

 

(俺は・・・・・・守れないのか・・・・・・ヴィヴィオ・・・!!)

 

守ると誓ったのに・・・約束したのに・・・それを果たせずに倒れる自分の弱さを実感しながら綾人は意識を失った・・・・・・

 

 

【マークSIDE】

 

~地上本部~

 

『ミッドチルダ地上の管理局員諸君・・・気に入ってもらえたかな? ささやかながらの私からのプレゼントだ・・・』

 

機動六課の壊滅の様子は、本部にいる人間に映像が送られていた

 

それと同時に通信を入れてきたスカリエッティによって

 

「・・・・・・」

 

マークは動きを止め、その言葉と映像を睨む

 

スカリエッティが長々と演説をしていたが全く耳に入れず、なのはとティアナ、リョウが懸命に避難誘導していたのにも関わらずに、ただ映像を睨んでいた

 

握り締めた拳から血が流れ続けているのも気にせずに・・・・・・




どうも

しっかりタイトルでネタバレしてますが気にしない!!

マークさんのデバイス『オーディン』の第3形態

形状はもちろんスパロボオリジナルの『参式斬艦刀』ですね


この形は絶対に出しておきたかったです

エッケザックスからの斬艦刀というかなり無茶な変形ですが、デバイスだから出来ることだということで


では、次回予告


戦いに敗れた機動六課のメンバー

中央本部と隊舎で出た負傷者は、聖王病院へと送られ治療を受けていたのだが・・・

「綾人先輩がいなくなったって・・・」
「え・・・?」


次回、『折れない信念』

敗北を知った青年は、何を見るのか・・・


次回以降の投稿は、不定期になってしまうのでご了承ください

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