魔法少女リリカルなのはStrikerS 信念の刃   作:sufia

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今回からオリジナル回が続きます


第29話 ≪陸士225隊≫

緊急出撃の翌日

 

フォワード達は綾人に連れられて改めて陸士225隊に向かっていた

 

 

「向こうに戻るのも久しぶりだな・・・」

「どんなところなんですか?」

 

キャロが綾人に質問する

 

「そうだな・・・女性局員がいないせいで、かなり男臭いな・・・」

「そうなんですか?」

 

エリオが首を傾げる

 

「基本的に、休みの日には、自主練するか街で“そういう店”で飲むかの二択みたいだしな」

「「“そういう店”?」」

「あんたらにはまだ早いわよ」

「あはは・・・」

 

ティアナとスバルも苦笑いしてる

 

「って言うか先輩も?」

「俺は前者のタイプだ」

 

肩を竦めながら答える綾人

 

 

そんな話をしながら、目の前に大きな建物が見えてくる

 

「あれが、225隊の隊舎だ」

「うわ~・・・なんていうか・・・」

「想像してたのと違う・・・」

「ボロいと思ったか?」

「あ・・・いえ・・・」

 

スバルとティアナの感想にそう答える綾人

 

ティアナとスバルは、かなり年季の入った建物をイメージしてきていたようだった

 

「まあ、2年前ぐらいに改築したらしいからな・・・綺麗なのはそのせいかもな」

「そうなんですか?」

「ああ。前の写真見たけど・・・かなりボロかったな」

 

そう言いながら、隊舎に入っていく綾人達

 

「お疲れ様です。機動六課フォワードチーム、ただいま到着しました!」

「お! 来たな? 話は聞いてるよ。部隊長に伝えとくから、とりあえず応接室で待っててくれるか?」

「はい。それじゃ、付いてきてくれ?」

 

挨拶を交わし、綾人の後ろを付いていくティアナ達

 

 

【マークSIDE】

 

 

部隊長室で、どこかに通信をつないでいるマーク

 

「そうか・・・そちらでもわからないか・・・・・・いや、助かった。では、何かあればまた連絡する・・・・・・ああ・・・ではな」

 

そう言って、通信を切るマーク

 

「これで3件目・・・どこにも当たらんな・・・」

 

1枚の資料を見ながら呟く

 

「仕方ない・・・“奴ら”にも協力を仰ぐか・・・ん?」

 

通信を繋げようとしたとき、マークに通信が来る

 

「マークだ」

『あ、隊長。機動六課のフォワードチームが到着致しました。応接室に待機させておりますので、お願いします』

「ああ。わかった・・・」

 

通信を終える

 

「ふむ・・・もうそんな時間だったか・・・さて・・・」

 

立ち上がり、部屋を出ていくマーク

 

 

~陸士225隊・応接室~

 

 

「ところで、225隊ってどういう訓練してるんですか?」

 

待っている間、ふと気になったことを綾人に質問するキャロ

 

「そうだな・・・前にもちょこっと言ったけど、走り込みなんかの基礎トレーニングを午前に集中して、午後からは各自で自主練とか、1体1もしくはチームでの模擬戦をやったりとかかな? だから、特別なことはしないと思うぞ」

「そうなんですか・・・」

 

エリオも頷く

 

「すまんな・・・またせた」

 

そこに、マークが入ってくる

 

「「「「「お疲れ様です!!」」」」」

「ああ・・・」

 

立ち上がり、敬礼するフォワード陣

 

「さて、本日は昨日行えなかった225隊と六課前線との共同訓練になる・・・うちはいつも通りに訓練を行い、諸君らはそれに参加してもらう形になる・・・いいな?」

「「「「「はい!」」」」」

「うむ・・・では各自訓練着に着替えてもらう・・・綾人、案内は頼む」

「了解です」

 

 

~225隊隊舎・小会議室前~

 

「ここが女性用更衣室(仮)だ」

「なんですかその(仮)って」

「言ったろ? 女性局員がいないって・・・だから当然、更衣室も男用しかないんだよ。だから、急遽小会議室をお前等の更衣室にしたんだと」

「はぁ・・・」

 

綾人の説明に短く答えるキャロ

 

「後で来るなのはさん達もここ使う予定だから・・・あんまり散らかすなよ? さて、エリオはこっちだ・・・」

「わかりました」

「着替え終わったら、隊舎の入口な?」

「は~い」

 

エリオを連れて更衣室へ向かう綾人

 

「んで、ここが俺達用の更衣室だ」

「はい」

「ロッカーは俺が前に使ってたやつの隣を使え?」

「わかりました」

 

綾人に返事を返し、着替えるエリオ

 

「なんだか緊張しますね・・・外で訓練するって初めてですし・・・」

「そっか・・・お前やキャロはそうかもな・・・」

「綾人さんは初めてじゃないんですか?」

「そうだな。去年だけでも2つの部隊で共同訓練したな・・・色々学ばせてもらったよ・・・」

 

着替えながらとりとめのない話をしている綾人とエリオ

 

「さてっと・・・準備はいいな?」

「はい!!」

 

着替え終わり、ティアナ達と合流するため入口に向かった

 

 

「全員揃ったか?」

「はい。大丈夫です」

 

綾人の確認にティアナが答える

 

「それじゃ、訓練場に行こう。こっちだ」

 

みんなを先導して歩き出す綾人

 

 

「そういえば、綾人さんの訓練着って初めて見ます」

「あ、そういえば僕も・・・」

 

キャロとエリオが綾人の服装を見て思い出す

 

綾人はなのは同様訓練中は制服かバリアジャケットなので訓練着は少し珍しいのである

 

 

「まあ、今回は俺もここで受ける側だからな・・・」

 

振り向きながら答える綾人

 

ちなみに綾人の訓練着は、やはり黒一色で固められているのだった

 

 

~225隊・訓練場~

 

「おや、綾人君に皆さん・・・ご無沙汰してます」

 

入ってくる綾人達を見つけて近づいてくるトビー

 

「もうすぐ始まります。みなさんは僕らの班の隣に居てください?」

「「「「「はい!」」」」」

 

トビーに返事を返し、第一分隊の隣に並ぶフォワード陣

 

「全員・・・揃っているな・・・?」

 

しばらく経ったあと、マークがやってくる

 

「本日は以前言っていたとおり、機動六課からフォワードチームが研修訓練として来ているが、内容はいつもと変わらない。各自、共に訓練に励むように・・・さて、機動六課フォワード一同、前へ!」

「「「「「はい!」」」」」

 

マークに呼ばれて、前に並ぶフォワード陣

 

「綾人、一言挨拶を頼む」

「はい・・・本日は、皆さんと共に訓練させていただき、自分も改めて勉強させていただきたいと思います! よろしくお願いします!!」

「「「「よろしくお願いします!」」」」

 

綾人の後に頭を下げるスバル達

 

「よし・・・では、解散!!」

[はい!!]

 

マークの一言に隊員たちが解散し、各々で準備運動を始める

 

 

「しっかし・・・前にも思ったけど、六課は可愛い子が多いね~?」

「ほんとほんと・・・綾人が羨ましいよ・・・」

 

少し離れたところで準備運動しているティアナ達を見ている225の隊員達

 

「しかし・・・あの子達は・・・」

 

同時に、エリオとキャロの2人にも視線が行く

 

「あんな小さな子供が、最前線で戦ってるのかよ・・・」

「ちょっと信じられねぇよな・・・」

「でもさ。俺、昨日出撃したとき見たんだけど、あっちの女の子は“竜召喚”なんて希少能力持ってるんだぜ?」

「それに、あの小僧も結構やるみたいだぜ? スピードがすごかったしな!」

「1人1人の能力が高いんだろうな? その点じゃ、綾人もおんなじだし」

 

などと、思い思い口にしている隊員達

 

そして最後には

 

「ま、俺達も先輩の威厳って奴を見せてやろうじゃないの」

「そうだな・・・年下に情けない姿は見せられねぇしな」

 

自分達に喝を入れる形になっていた

 

中には・・・

 

「それに、カッコイイと思わせればデートするぐらいのチャンスはあるかもだしな!!」

「そうだな」

 

こんな事を考えている者もいるのだった・・・

 

 

 

「よし! ではまずはトラックを50周! そのあとは腕立て、腹筋、背筋それぞれ80回!!」

[はい!!]

 

指示を受け、一斉に走り出す隊員達

 

フォワードチームもそれに続く

 

「こ・・・これで・・・基礎・・・?」

「結構・・・ハード・・・ですね・・・」

 

ランニングを終え腹筋をしていると、エリオとキャロの2人の息が上がり始めていた・・・

 

「これ・・・毎日ですか・・・?」

「いや、週に1回はこういうハードな奴があるんだ。休日前とか、思い切り身体を動かすんだよ」

 

ティアナも疲れた様子で綾人に聞くと、綾人はまったく疲れを見せないまま答える

 

「なんで・・・先輩は・・・大丈夫なんですか?」

「経験の差だな・・・こればっかりは」

 

スバルにもそう答える綾人

 

ここでの訓練もそうだが、綾人の場合は子供の頃から厳しい修行をしていたりしたのもある

 

そのため、単に体を動かすだけの訓練ならそう簡単に疲れない身体に仕上がっている

 

 

「よーし・・・次は、個人スキルだ・・・前衛型、中・後衛型に別れろ!!」

[はい!!]

 

マークの指示に迅速に動く225隊

 

「えっと・・・私達は?」

「キャロとティアナは後衛型の方に行くといい、エリオとスバルは俺と一緒だ」

 

どうすればいいか分かっていないキャロに、そう伝える綾人

 

「どんな訓練かは、そっち側の担当してる先輩がいるから、指示に従え」

「分かりました。それじゃ、行きましょ? キャロ?」

「あ、はい!!」

 

中・後衛型チームのところに向かうティアナとキャロ

 

「それじゃ、俺達も行くか」

「「はい!!」」

 

綾人も、スバルとエリオを連れて前衛型チームのもとへ向かう

 

 

【ティアナSIDE】

 

 

「さて、君たちの訓練だけど・・・」

「「はい!」」

 

教官がティアナとキャロを見ながら聞くと、2人も返事を返す

 

「ウチの場合、特別教えるということはしない・・・だから、各自で勝手にやってもらうんだけど・・・そうだな・・・」

 

少し考えた結果、あることを思いつく教官

 

「『クレイ』! 『ハンス』!」

「「はい!」」

 

2人の隊員を呼ぶと、その2人が近づく

 

「なんでしょうか?」

「ああ、この2人とちょいと模擬戦をやってみてくれないか?」

「「え?」」

 

教官がティアナたちを見ながら伝える

 

「自分達が・・・ですか?」

「そうだ。資料を見た限り、お前達ならレベルも同じぐらいだろうからな。どうだ?」

「自分は構いません!」

「自分も・・・望むところです!!」

 

225隊側はやる気満々だった

 

「そっちの2人はどうだ?」

「えっと・・・」

「一応、2人の実力をしっかりと見ておきたい・・・それによって、他の奴らにも勉強になるだろうし、君たちにもいい経験になると思うが?」

 

2人に趣旨を伝える教官

 

「わかりました・・・お願いします!!」

 

少し考えたあと、頭を下げるティアナ

 

「その代わり、“私達”の戦い方で構いませんか?」

「もちろんだ・・・でなければ模擬戦にならないからな?」

 

ティアナの提案にそう答える教官

 

数分後、一度集合し模擬戦を観戦する中・後衛型チーム

 

クレイ、ハンス組とティアナ、キャロ組が向かい合う

 

「それでは・・・時間は5分間で・・・両方がダウンしたと判断したらそこで終了とする・・・いいな?」

「「「「はい!!」」」」

 

教官に頷き返す4人

 

「それでは・・・始め!!」

 

教官の合図と共に、一斉に駆け出す4人

 

 

【綾人SIDE】

 

 

「先輩、訓練って何するんですか?」

「さっきも言ったけど、225隊は基礎以外だと自主練が多い・・・だから、自分に近い戦闘スタイルで固まって、一緒に訓練するな・・・」

「お~い! 綾人!!」

「あ、あの人は・・・」

「昨日の・・・?」

 

綾人が2人に説明をしていると、イルムがやってくる

 

「ここにいたのか・・・お前に頼みがあるんだが」

「なんです?」

「ああ・・・実はな・・・」

 

イルムが話そうとすると・・・

 

「グレン君と模擬戦をしてあげて欲しいんですよ?」

「あ、トビー先輩・・・」

 

トビーが先取りで説明する

 

「今年入った新人君の実力を、綾人君なりに評価してもらいたいんです」

「いやいや・・・俺、そんな大層なこと・・・」

「まあ、単にここにいる奴らは、一通りグレンと模擬戦やっててな。せっかくお前もいるし、いろんな経験させてやりたいんだよ・・・頼むよ?」

「それに、綾人君としても、教導官になるためのいい経験になると思いますよ?」

 

先輩2人が綾人を説得する

 

特にトビーの一言に綾人は断る理由を失う

 

「・・・・・・わかりました・・・やりますよ・・・」

「本当か!?」

「ええ・・・せっかくこの部隊で先輩面できるいい機会ですから」

「なるほど・・・」

 

綾人の言葉に笑いながら納得するトビー

 

「よし! そんじゃ、さっそくグレンを呼んでくるから、準備して待ってな?」

「わかりました」

 

そう言って、グレンを呼びに行ったイルム

 

「あ、悪い2人とも・・・勝手に話進めてたな・・・」

「あはは・・・別にいいですよ?」

「はい!」

 

スバルとエリオも苦笑いで答える

 

「おう! 待たせたな!!」

「お、お待たせしました!!」

 

すぐにグレンを連れたイルムが戻ってくる

 

「ああ。昨日ぶり」

「は、はい!!」

 

緊張した様子のグレン

 

「それでは、場所を移しましょう・・・他のみんなも待ちきれないようですし・・・」

 

用意された場所に移動すると、前衛型チームが集まっていた

 

「お! 来た来た!!」

「待ちかねたぜ!!」

 

完全に観戦モードのギャラリー達

 

 

「それでは・・・2人とも・・・準備はいいですね?」

「はい」「は、はい!!」

 

向かい合う綾人とグレンに確認する審判のトビー

 

返事を返す2人は、同時にデバイスを起動させる

 

二刀を構える綾人に対し

 

「行こう・・・『イグニス』・・・」

 

槍型のデバイスを構えるグレン

 

「へぇ・・・槍か・・・」

 

グレンをまっすぐに見据える綾人

 

グレンも綾人をしっかりと見つめ返す

 

「それでは・・・始め!!」

 

トビーの合図とともに、2人の模擬戦も始まる・・・




どうも

というわけで225隊との共同訓練が始まりました

そしてお約束的な展開ですね

ありきたりな展開の方は私は好きだったりします



では、次回予告


それぞれの場所で模擬戦を開始した綾人達

六課で培ったコンビネーションを駆使するティアナ達と後輩の力量を測る綾人

果たして結果は・・・?


次回、『陸士225隊との模擬戦』


最近では綾人君を他作品に放り込む妄想がマイブームです

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