魔法少女リリカルなのはStrikerS 信念の刃   作:sufia

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今回は漫画版の話の1つです


第28話 ≪父と息子≫

「な・・・なんだよあんた!?」

「いつのまに!?」

 

驚いて構えるセインとウェンディ

 

「順に答えよう・・・まず、俺の名はマーク・グリード。ここに来たのは、つい先ほどだ・・・お前達が八神からの報告にあった“戦闘機人”か・・・?」

 

律儀に答えゆっくりと2人に近づくマーク

 

「セイン・・・マーク・グリードって・・・」

「管理局最強の男だ・・・まずいな・・・」

 

小声で話すセインとウェンディ

 

「どうするっスか?」

「そりゃ・・・」

「む?」

 

何かを考え、実行するセイン

 

「こうするっきゃないだろ!!」

 

そう叫びガジェットを向かわせる

 

「ほう・・・」

 

セインの判断に感心している様子のマークの眼前にガジェットが迫る

 

「『IS:ディープダイバー』!!」

 

同時にセインはウェンディを抱えて床に潜っていく

 

「もろいな・・・む?」

 

ガジェットをいとも簡単に破壊するが、2人は既に消えていた

 

「逃したか・・・ん?」

 

轟音が響き、振り向くとオレンジ色のスフィアと白い飛竜、そして2人の人間が現れた

 

「あ・・・あれ?」

「綾人か」

 

角を曲がったところに、見知った顔を見つけて呆気にとられている綾人

 

「と・・・父さん!?」

「えぇ!?」

 

綾人の一言にエリオも驚く

 

『先輩、どうしたんですか?』

 

ティアナが通信を繋げてくる

 

「あ・・・悪い・・・目標は確認できない。逃げられたみたいだ・・・」

『了解。それじゃ、合流しますね』

「ああ・・・」

 

それだけ言うと、通信を終えるティアナ

 

「ふむ・・・では、合流するとしよう・・・そこで、詳しく話す」

「はい・・・」

 

マークが歩き出すと、綾人とエリオも付いていく

 

 

 

「綾人先輩!!」

「エリオ君!」

「お疲れさ・・・って!?」

 

やってくる綾人とエリオに手を振るスバルとキャロ

 

ティアナも声をかけようとするが、もう1人に驚く

 

「機動六課のフォワードチームだな? 陸士225隊部隊長・マーク・グリード少将だ」

「「「は、はい!!」」」

 

自己紹介するマークに女性陣3人も慌てて敬礼する

 

「今回はご苦労だった・・・すまないが、別命が有るまで警戒を続けてくれ?」

「りょ、了解です!!」

 

マークの指示に、上擦った声で答えるティアナ

 

『こちら、スターズ01。綾人君、聞こえる?』

「あ、なのはさん・・・」

 

そこに、綾人へなのはから連絡が入る

 

『少し前にトビー一尉から連絡があって、マーク先生がそっちに向かったそうだから、指示にしたがってね?』

「あ~・・・」

 

なのはからのちょっと遅い連絡に、綾人はチラッとマークを見る

 

「・・・緊急事態だ・・・連絡の遅れは仕方があるまい・・・」

 

苦笑いしながら言うマーク

 

「もうすでに合流しているぞ?・・・高町」

『え・・・?』

 

綾人を横に移動させてモニタの前に立つ

 

『ま、マーク先生!?』

「久しいな? 元気そうでなによりだ」

『はいっ!』

 

マークとの再会に、素直に喜んでいるなのは

 

「綾人達への指示はこちらで行うが、構わんのだな?」

『はい!よろしくお願いします。私達もすぐに伺いますので』

「ああ」

 

マークは返事を返し、通信を終えて綾人達に振り返る

 

「さて、それではこの一帯周辺の警戒・・・よろしく頼む」

「「「「「了解!!」」」」」

 

マークの指示に敬礼しながら答え、フォワード陣はそれぞれ担当区域を決めて別れた・・・

 

 

【セインSIDE】

 

 

「ふぅ~・・・ここまでくれば大丈夫だろ・・・」

「た、助かったっス~・・・」

 

地下道から遠く離れたビルのそばに出てくるセインとウェンディ

 

「クア姉~こちらセイン~」

『は~い、どうしたのかしら~?』

 

セインはアジトにいるクアットロへ通信を入れる

 

「ごめん、借りてきたガジェットみんな破壊されちゃった・・・」

『あら~? 護衛用も破壊されちゃったの~? 直接接触はダメって言ったでしょ~?』

「それが・・・」

 

クアットロに地下道での出来事を説明するセイン

 

「っというわけ・・・」

『あらま~・・・それは大変だったわね~・・・ま、2人が無事でよかったわ』

「うん」

『それじゃ・・・すぐに帰って、そのことをみんなにも教えてあげてね~?』

「わかったよ」

「了解っス~」

 

そう言って通信を終えるセイン

 

「しかし・・・こんなの見て、みんな信じるかね~・・・」

「どんなのっスか?」

「こんなの」

 

そう言って、逃げる直前に記録したマークの映像を見せるセイン

 

そこには、向かっているガジェットがマークのそばまで行ったと同時に四散している映像だった・・・

 

 

【綾人SIDE】

 

しばらくの間、警戒任務を続けていた六課フォワードチーム

 

「ふむ・・・綾人!」

「はい?」

 

マークが綾人に声をかける

 

「新手も来る気配がない・・・もう警戒を解除しても構わん」

「了解」

 

それだけ聞くと、ティアナ達と合流する綾人

 

 

「あ、綾人君! 久しぶり!」

「あれ? ギンガ・・・どうしてここに?」

 

合流すると、ギンガがスバル達と話していた

 

「うん。近くで調査任務に当たってて、報告を聞いて来たんだけどね?」

「そうか・・・あ、そうだティアナ」

「なに?」

 

先程のマークからの伝言を伝える

 

「それと、さっき簡単な食事を用意したから食ってくれってさ」

「やった~!」

 

食事のことを聞いて大喜びのスバルだが・・・

 

 

数分後

 

「さて・・・3人とも・・・なにか言うことは?」

「「「すみませんでした・・・」」」

 

正座したスバル、エリオ、ギンガを静かに見下ろす綾人

 

4人の間には、積み上げられた弁当箱があった

 

「まったく・・・他の人のまで食うか? 普通・・・」

 

この3人は、用意された食事を見事に全部平らげたのだ

 

他の隊員の分を含めて全部・・・

 

「だって・・・たくさんあったから・・・」

「全部食べていいものだと思いまして・・・」

「つい・・・」

 

呆れる綾人にそう言い訳する3人だが

 

「どうした?」

 

声を掛けに来た225隊の1人が驚く

 

「ああ・・・『イルム』先輩・・・それが・・・」

 

簡単に事情を説明する綾人

 

「なるほどね~・・・」

 

説明を聞いて、件の3人を見るイルム

 

3人は目を逸らしている

 

「まぁ・・・食っちまったもんはしょうがねえしな・・・あんまり気にすんな?」

「でも・・・みんなの分が・・・」

「大丈夫だって! 一食抜いたぐらいじゃ倒れねえのは、お前も知ってんだろ?」

 

綾人に笑いながら答えるイルム

 

「ところで、俺に何か?」

「ああ・・・忘れるところだった・・・『グレン』!!」

「あ、はい!!」

 

イルムに呼ばれ、急いでかけてくる1人の隊員

 

「こいつは、今年からウチに入隊した新人のグレンだ」

「は、初めまして! 天童先輩のことは、伺っています!!」

 

頭を思い切り下げるグレン

 

「そっか・・・よろしくな?」

「は、はい!!」

 

互いに挨拶を交わす

 

「挨拶は済んだな?」

「あ、部隊長・・・」

 

マークが寄ってくる

 

「とりあえず、今日のところはもう戻ってくれていい。今日はご苦労だったな」

「「「「「はい!」」」」」

 

敬礼を返す5人

 

「今日予定していた合同訓練だが・・・明日、改めて行うことになる・・・今日はゆっくり休み、明日に備えること・・・俺からは以上だ」

「「「「「はい! ありがとうございました!!」」」」」

 

マークにそう答え、六課の隊舎に帰投する綾人達だった・・・




どうも

というわけで綾人君とマークさんが久しぶりに絡みました

マークさんのデバイスやどうやってガジェットを破壊したのか・・・それは今後のお話で明かしていきたいと思います

その時には最強の名にふさわしい戦いを見せれればいいなと思います


では次回予告

綾人に連れられ、ティアナ達フォワードチームは225隊へと訪れ、訓練に参加することとなった

「本日は、皆さんと共に訓練させていただき、勉強させていただきたいと思います! よろしくお願いします!!」
「「「「よろしくお願いします!」」」」

初めての六課とは違う部署での訓練に、戸惑いながらもこなしていくティアナ達

そして、ふいにある提案をされることに・・・


次回、『陸士225隊』

次回は久しぶりにオリジナル回です

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