魔法少女リリカルなのはStrikerS 信念の刃   作:sufia

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今回で、サウンドステージ01は終了です





第14話 ≪出張任務Ⅳ・銭湯から戦闘へ、そして帰還≫

「ふぃ~!! すっかり堪能してしまいました~」

「日ごろの訓練の疲れも、ちょっと取れたでしょ?」

「はい・・・」

 

スターズがそんな会話をしているときに綾人は

 

「エリオ、どうだった?」

「え? なにがですか?」

「女湯・・・堪能したか?」

 

意地悪くエリオに耳打ちする

 

「あ、あの・・・! その!」

「まあ、そんなイイ思いができるのも今のうちだ・・・子供なら子供の特権を十分使っとけ・・・それに、嫌じゃなかっただろ?」

 

そういって、エリオに牛乳を渡す

 

「うう・・・はい・・・」

 

顔を赤くしながら頷くエリオだった

 

「ほれ、キャロも飲むか? 牛乳」

「ありがとうございます!」

 

笑顔で差し出された牛乳を受け取るキャロ

 

 

そんな時だった

 

「!! ケリュケイオンが・・・!」

「クラールヴィントにも反応! リインちゃん!!」

「エリアスキャン!・・・ロストロギア、反応キャッチ!!」

 

シャマルとリインも迅速に対応する

 

「お、お仕事だね?」

「皆、がんばってきて?」

「フェイト、エリオ、キャロ、気をつけてな?」

 

お姉ちゃんズがそれぞれ声をかける

 

「私達は先にコテージに戻ってるね?」

「皆、しっかりね!」

「「「「「はい!」」」」」

 

アリサやすずかも車に乗って離れていく

 

「ティアナ、シャマル先生とリイン、それにはやて隊長に『オプティックハイド』!」

「はい!」

「空に上がって結界内に閉じ込めるわ、中で捕まえて!」

「ほんなら・・・スターズ&ライトニング・・・出動や!!」

「「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」」

 

海鳴での任務がスタートする

 

 

~河川敷の結界内~

 

結界内に閉じ込められたロストロギアと対峙しているフォワード陣

 

「なにこれ!?」

「プヨプヨ・・・スライム!?」

「ちょっと・・・かわいいかも・・・」

「キャロはあんなのがかわいいのか・・・」

「綾人さん、突っ込むトコそこじゃないですよ!?」

 

それぞれの感想を言っているが、綾人だけ観点がズレている

 

「わかってるよ。はやてさん、これ全部本体ですか?」

<危険を感じると、複数のダミー体を増殖する・・・せやけど、本体は一つや!>

「本体を封印すれば、ダミーも消えるです!」

<ほうっておくと町中に広がりかねん・・・>

<空戦チームは広がったダミーを回収する。そっちはお前等がやれ!>

<すばやく考えてすばやく動く!>

<練習通りで行ける筈だよ!>

「「「「はい!!」」」」

 

隊長陣に後押しされて構えるフォワード陣

 

「それじゃあ、行くぞ?」

「「「「はい!!」」」」

 

戦闘が開始された

 

 

「うぉぉぉりゃぁぁぁぁ!!」

 

スバルがナックルで殴るが効果がなく、少しつぶれただけでだった

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!!」

「ふん!!」

 

エリオと綾人が切りかかるも表面を撫でただけで傷一つ付かない

 

「打撃無効!?」

「斬撃も無効です!」

「厄介だな・・・」

 

別のところではティアナとフリードが攻撃していたが効果がない

 

「こっちの火炎と通常魔力弾も効果なし・・・」

「さすが・・・ロストロギア・・・見た目は可愛いですが・・・侮れません!!」

 

少し観点が違うキャロだった

 

「エリオ、“アレ”いけない? ストラーダを地面に刺して電気ビリビリ~!! って奴」

「やってみますか?」

「いや、効果があるか分からない上に無傷でって指示だ、ダメージコントロールできない攻撃は控えた方がいい」

 

スバルの提案に乗ろうとしているエリオを止める

 

「本体ごと斬りかねない俺の『闘気』の技も使えないな・・・ティアナ、キャロ、俺達でダミーの広がりを止める、本体の特定と封印を頼む」

「「はい!」」

「スバル、エリオ。分散させないように足止めするぞ」

「「はい!」」

 

各自に指示を出す綾人

 

 

前衛がダミー達を抑えている中、ティアナがダミーに向かって攻撃すると一体のスライムが違った動きを見せた

 

「動きが違う・・・これが本体!?」

「捕まえます・・・錬鉄召喚! 『アルケミックチェーン』!!」

 

キャロの召喚魔法でスライムを捕まえようとするが弾かれる

 

「バリア展開!?」

「意外と・・・出力が・・・!」

 

それを見ていた綾人は

 

「2人共、下がってろ!」

 

飛び上がりながらティアナとキャロを下がらせる

 

「『六花・六の花』・・・『破』・・・」

 

刀身に闘気を集中させると、刀身が青く光り出す

 

「・・・・・・『断(だん)』!!」

 

思い切り振り抜くと、スライムを覆っていたバリアが粉々に砕け散った

 

「ティアナ! キャロ!」

「了解! クロスミラージュ、バレルS!」

{Load cartridge.}

 

綾人の声にティアナとキャロはすぐさま構えに入る

 

「“我が乞うは捕縛の檻、流星の射手の弾丸に封印の力を”!」

{Get set}

 

ケリュケイオンからのブーストでティアナの封印用の弾丸の色が変わる

 

「『シーリング』・・・」

「「『シュート』!!」」

 

スライムに向かって真っ直ぐに向かい動きを止める

 

「封印成功!」

「ダミーも止まったな」

 

周辺のダミー体の活動も停止していた

 

<よし、動作停止確認、完全封印処理しよか。シャマル?>

<はい!>

「あの、すみません! 八神部隊長、シャマル先生」

 

はやてとシャマルに話しかけるキャロ

 

「完全封印、私がやってみていいですか? 練習しておきたいんです!」

「うん! いい心がけです!」

 

キャロの提案に嬉しそうなリインや隊長陣

 

<じゃあ、ここから見てるから。やってみて?>

「はい!!」

 

シャマルに礼を言い、ロストロギアの封印を始めるキャロ

 

「・・・・・・えっと、出来ました!」

「じゃあ私が確認するですね?」

「お願いします!」

 

リインの確認後しっかりと封印が出来ていることを確認された

 

「キャロ?」

「あ、綾人さん!!」

「やったな? ちゃんと出来たじゃないか」

 

そう言って頭を撫でる

 

「えへへ・・・」

 

キャロも嬉しそうである

 

<おし、これにて出張任務終了や!>

 

「「「「「はい!!」」」」」

 

はやての言葉を合図にコテージに戻る六課メンバー達

 

 

~コテージ~

 

なのはとフェイトはすずか達に帰ることを故郷の家族に済ませていた時、フォワード陣は後片付けをしていた

 

「綾人よ、しっかりな」

「うん・・・爺様も元気でね・・・盆と年末辺りには休み取って帰るから・・・父さんと一緒に」

 

綾人も美由希に教えられて来た剛神と挨拶をしていた

 

「楽しみにしておるよ・・・その時には嫁さんも一緒に来ることを期待しておるぞ?」

「やめてくれよ・・・いやホント・・・」

 

剛神の一言にぐったりする綾人

 

この祖父にしてこの孫である

 

 

その後、他のメンバーと合流し、帰還するのだった

 

 

【???Side】

 

ミッドチルダの郊外にある森の中、一つの穴があいている一角がある

 

中には機械で覆われた通路、少し進んだところには裸の人間が培養液が入ったシリンダーがあり更に奥の行き止まりになっている場所で一人の白衣の男がモニターを眺めていた・・・

 

 

「『ウーノ』、解析は終わったかな?」

 

男が呼びかけると小さなモニターにスーツを着た女性が映し出される

 

『はい、ドクター。データはこちらになります』

 

ドクターと呼ばれた男の下に画面が現れ、あるデータを表示する

 

グラフの画面に男の様子が変わる

 

「ウーノ、このデータは確かかな?」

『はい、間違いなくその青年のデータです』

 

男が見ているのは綾人のデータ

 

リンカーコアの最大魔力値、身体データなど様々な情報が記されている

 

「ほう・・・これは面白い・・・まさか、“この力”を持つ者がまだ存在しているとはね!」

 

そう言うと狂気を孕んだ顔で笑い出す

 

「はっはっはっは!! いいな! 欲しいな! 彼は!!」

 

他のモニターに、なのはやフェイトなどのほかの前線メンバーの映像も映される

 

「この、『プロジェクトF』の残滓も興味深いが、それ以上に欲しい存在だ!!」

 

二つの映像を見ながら言う、フェイトとエリオの映像である

 

『ドクター? この青年、それほどの存在なのですか?』

 

女性・ウーノが少し怪訝そうに聞く

 

「もちろんだともウーノ! 何せ彼は・・・」

 

芝居がかった動作で言葉を続ける男

 

「今はもう失われた『武王』の力を持っているかもしれないのだからね!!」

 

嬉しそうにしながらその名を言い再び高らかに笑い出した白衣の男

 

名前を『ジェイル・スカリエッティ』・・・・・・彼の目にはもう綾人しか映っていなかった。

 

 

【綾人Side】

 

出張から戻っ2二日後

 

午前の訓練を終えた綾人はロビーで読書をしてくつろいでいた

 

「あれ? 綾人さん?」

「ん? ああ、エリオ」

「それは?」

 

エリオが綾人が持っている本を指差し聞く

 

「これか? 歴史小説だよ」

「歴史小説?」

「ああ。これは、昔のベルカに本当にいたって言われる一人の男のことを綴ったもので、所謂、伝記物だな」

 

本を見せながらそう説明する

 

「へぇ・・・どういう人なんですか?」

「何でも、かつての聖王や覇王でも勝てなかった伝説の存在らしいな。その男の通り名が気に入っててな」

「なんていうんですか?」

 

気になる言い方をされ先を促すエリオ

 

「『武王』・・・って呼ばれたらしい」

 

綾人はそのまま簡単に解説していく

 

 

『武王』とは・・・

 

古代ベルカ最強の男

 

『王』の名を持っているが国を治めていたわけではなく、本人は放浪の身だった

 

己の武を最大限に活かし、あらゆる武具を扱い、あらゆる戦い方をこなしたといわれるその武は、聖王『オリヴィエ・ゼーゲブレヒト』、覇王『クラウス・G・S・イングヴァルト』をはじめ、ベルカを代表する猛者ですら敵わず、彼女らの生涯の目標だったといわれる

 

名前、年齢はどんな書物にも残っていないため特定することが出来ず、人によっては老人だったり、青年だったり、さらには年端も行かない子供だったりいわれている

 

その実、どの文献も一貫して義に厚く、強い信念を持っていたと記されている

 

決して卑怯な戦い方をせず、常に正々堂々と真正面からの戦いをする

 

ベルカが戦乱の世に入る少し前からの足取りを知るものはいない

 

他の世界に行ったのか、旅の途中で命を落としたのか、実はベルカに残っていて正体を隠し戦乱の世を戦った等、こちらもたくさんの仮説がある

 

一説では、かの『アルハザード』へも渡った事があるのでは?と推測されている

 

更に従者と思われる一人の人間がいたと言われるが、その存在もまた謎に包まれている

 

「と、こんな感じだな」

「へぇ・・・」

「俺、こういう人って憧れるんだよ~まさに『漢』って感じがして格好良くてさ~なんていうか、この文面からも伝わってくる存在感がいいんだよ~」

 

 

何時もとは少し違い、一人で語りだしている綾人

 

それほどにこの『武王』に惚れ込んでいるのだろう・・・エリオも若干引いている

 

「あ・・・っと綾人さん、そろそろ時間ですよ?」

「ん? ああ、本当だな。それじゃ、オフィスに向かいますか」

 

エリオが時計を確認したところ午後の仕事が始まるところだったので2人でオフィスへ向かう

 

しかし、綾人は歩きながら「武王はここがいい」といった話をティアナ達と合流するまで延々と続け、エリオは仕事前に疲れてしまい、少しだけ仕事に支障をきたすのだった・・・・・




どうも

少しだけオリジナル分を終盤に入れています


とりあえす、どこかのタイミングでスカさんは出しておきたかったので

『武王』の存在・・・それが、この小説の最大の特徴だと思っています

彼がタグにある『歴史の改変』に大きく関わっていますので


主人公最強フラグ? 二次には付き物です


最後の綾人君ですが、同じ状況をリョウ、ティアナ、スバル、ラウス、クリスも体験済みです

その時に『武王』の話題に触れない暗黙のルールを作ったのですが、すっかり忘れていてエリオが餌食になっちゃいました

綾人君と『武王』の関係は追々語っていきましょうか・・・


では次回予告

出張任務から1週間、新たな任務に向かう機動六課

「骨董美術品オークションの会場警備と人員警護。これが今回のお仕事ね?」

機動六課としては初めての警備任務

そして案の定現れるガジェット

「とにかく、落ち着いて迎撃、行くぞ!」
「「「「はい!」」」」

初の防衛戦・・・彼らはいかにして守るのか・・・


次回、『明かされる敵』


その時、未来は変わる・・・

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