魔法少女リリカルなのはStrikerS 信念の刃   作:sufia

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今回からは、サウンドステージ01のお話です


第11話 ≪出張任務Ⅰ・いざ、海鳴へ!≫

 

フォワード達の訓練がレベルアップし、毎日訓練や事務仕事をする日々が続いていたある日のこと

 

「異世界に派遣任務・・・ですか・・・?」

 

いつものレポートの提出後、なのはからそう告げられた綾人

 

「うん。このまま何も無ければ2時間後に出発するから、準備して屋上へリポートに集合してね?」

「はい、分かりました」

 

そう返事をして寮の部屋に戻る綾人

 

「異世界での任務なんて、225隊でも結構行ったな」

 

準備しながらしみじみする綾人

 

{マスター、派遣場所は何処なのですか?}

「そういえば、聞いてなかったな・・・ま、後で聞けばいいか」

 

バルムンクの質問も少し考えただけで思考をやめる

 

「よし、準備完了! 行くか」

 

私服に着替え、手荷物の入ったバッグを持ち部屋を出る

 

綾人の私服は黒いTシャツに黒い長ズボン、そして黒いジャケットを羽織る黒ずくめである

 

 

~機動六課・ヘリポート~

 

「まだ誰も来ていない・・・と」

 

ヘリポートへ到着しあたりを見渡すが、なのはもスバル達もまだ来ていなかった

 

「あ、先輩!」

「ん?」

 

呼ばれて振り向くと私服姿のスバルとティアナがやってくる

 

「早いですね?」

「そうか? 大体こんなもんだろ?」

 

指定された時間の30分前に到着している

 

「ふむ・・・」

「な、何ですか?」

 

じっと、ティアナを見つめる

 

「いや、私服姿が新鮮だな・・・と。訓練校時代もあまり見たことなかったし・・・似合ってるぞ?」

「あ、ありがとうございます・・・」

 

普通に褒める綾人に顔を赤くしながらティアナは礼を言う

 

「先輩先輩! あたしは?」

「ふむ・・・・・・動きやすそうだし、スバルらしくていいんじゃないか?」

「ふふ~ん! ありがとうございます!」

 

褒められて上機嫌になるスバル

 

「先輩はまた、黒一色ですね・・・」

「黒はいいぞ、落ち着く」

 

ティアナの感想ににっこりと返す

 

そこに

 

「あ、エリオ~! キャロ~!」

「スバルさん! ティアさん! 綾人さん!」

「すみません、お待たせしました」

 

同じく私服姿のエリオ、キャロが到着した

 

「まだ時間あるわよ」

「なのはさん達もまだ来てないしな」

「ふぅ」

 

ティアナと綾人の言葉に少し安心したように息を吐くエリオ

 

「お~、みんなおそろいやね~」

「あれ? 八神部隊長に、ヴィータ副隊長」

「おう」

「シグナム副隊長にシャマル先生も」

「ああ」

「は~い!」

「私もいるですよ~!」

「リイン曹長も」

 

声のしたほうに振り向くとなのはやフェイトそしてはやてをはじめとした(ザフィーラを除く)ヴォルケンリッターが勢揃いしていた

 

「まさか、この全員で出動ですか?」

「えらく大所帯ですね」

 

エリオと綾人の疑問に頷くはやて

 

「うん、部隊はグリフィス君が指揮を執って、ザフィーラがしっかり留守を守ってくれる」

「詳細不明とはいえロストロギア相手だし、主要メンバーは全員で出撃ってことで」

「あと、行き先も・・・ちょっとね」

 

なのはとフェイトも続けると

 

「行き先・・・どこなんですか?」

 

ティアナが質問する

 

「第97管理外世界、現地惑星名称・・・『地球』」

「「「「!!」」」」

「地球・・・ですか・・・」

 

綾人を含みフォワード全員が驚く

 

「その星の小さな島国の小さな町『日本・海鳴市』・・・ロストロギアはそこに出現したそうや」

 

そのまま説明を続けるはやて

 

「地球ってフェイトさんが昔住んでた?」

「うん」

 

キャロの確認に頷くフェイト

 

「私とはやて隊長、綾人君はそこの産まれ」

「そうや」

 

なのはの言葉に笑顔で頷くはやてと綾人

 

「私達も6年ほど過ごしたな」

「うん・・・向こうに帰るの、久しぶり!」

 

シグナムの言葉にしみじみと語るシャマル

 

「まぁ、ある程度の広域捜査になるから、司令部も必要やしな」

 

はやての追加説明

 

「つーことで出発だ、準備はいいか?」

「「「「はい!!」」」」

 

ヴィータの確認に返事を返す4人

 

「それじゃ・・・出発!!」

 

なのはの掛け声と共にヘリに乗り込み出発する

 

 

~ヘリ内~

 

「ちょうどこの間、皆の故郷の話をしたばかりで、なんだか不思議なタイミングですね?」

「あはは! ほんと!!」

 

エリオの言葉に上機嫌なスバル

 

キャロやティアナは行き先について調べていた

 

「えっと・・・第97管理外世界、文化レベル・・・B」

「魔法文化なし・・・次元移動手段なし・・・って、魔法文化無いの!?」

 

資料をみて声を挙げるティアナ

 

「無いぞ。魔法なんてファンタジーの世界だと思ってる世界だしな」

 

横で聞いていた綾人がそう説明する

 

なのはやはやてもうんうんと頷いている

 

「いや・・・なんでそんな世界からなのはさんとか八神部隊長みたいなオーバーSランク魔導師が?」

「突然変異というか・・・たまたま・・・な、感じかな?」

 

突如会話に入ってくるはやて

 

「あ・・・す、すいません!!」

 

慌てて頭を下げるティアナにはやては「ええよ」と返す

 

「私もはやて隊長も、魔法と出会ったのは偶然だしね?」

「な?」

 

なのはとはやての会話に「へぇ~」と口を開くフォワード陣

 

その後、はやて、ヴィータ、シグナム、シャマルの4人は『寄るところがある』とのことで別の転送ポートへ向かった

 

 

~海鳴市・バニングス家別荘内・湖畔~

 

「はい! 到着です!!」

 

リインの言葉に目を開くフォワード陣

 

「うわぁ・・・」

「ここが・・・」

「なのはさん達の・・・故郷」

 

キャロ、ティアナ、スバルの3人が周りを見渡しながら言う

 

「そうだよ」

「にゃはは、ミッドとほとんど変わらないでしょ?」

 

フェイト、なのはもどこかうれしそうに尋ねる

 

「空も青いし・・・太陽も1つだし・・・」

「山と水と・・・自然の匂いもそっくりです!!」

「キュクル~!!」

「湖・・・綺麗です!」

 

ティアナ、キャロ、エリオの感想に満足そうに頷くなのは

 

「というか、ここは具体的にはどこでしょう? なんか、湖畔のコテージって感じですが・・・」

「現地の住人の方がお持ちの別荘なんです、捜査員の待機所としての使用を快く許諾していただけたですよ!」

「現地の人・・・ですか・・・ん?」

 

そこに、一台の車がやってきた

 

「自動車? こっちの世界にもあるんだ・・・」

「ティアナ・・・どんな世界を想像してたのか・・・後でレポートな?」

「あ・・・・・・あはは・・・」

 

綾人の突っ込みに苦笑いのティアナ

 

そんな会話をしていると車からショートカットの女性がこちらに向かってきていた

 

「なのは! フェイト!」

「アリサちゃん!」

「アリサ!!」

 

隊長2人がその女性にうれしそうに駆け寄る

 

「なによも~ご無沙汰だったじゃな~い」

「にゃはは・・・ごめんごめん」

「いろいろ、忙しくって・・・」

「私だって忙しいわよ? 大学生なんだから」

「アリサさん! こんにちはです~!」

「リイン!! 久しぶり~」

「はいです~!」

 

などとなのは、フェイト、リイン、そしてアリサと呼ばれた女性四人が会話に夢中になり綾人たち新人が軽く空気になりかけているとフェイトが思い出したように

 

「あ、紹介するね。私やなのは、はやての友達で・・・幼馴染」

「アリサ・バニングスです! よろしく!」

「「「「よろしくお願いします!」」」」

 

アリサが軽く自己紹介をすませ、4人も挨拶をする

 

ただし、綾人だけは何か思い出していた

 

「って・・・・・・あぁ!?」

「どうも・・・お久しぶりです・・・」

 

そんな綾人に気付いたアリサが綾人を見て声をあげる

 

「あんた!! あの時の!!」

「え? し、知り合い?」

「いや・・・そんな大したものじゃ・・・」

「何言ってんのよ! 私やすずかの恩人なのよ!?」

 

笑顔で綾人の肩を叩いてくるアリサ

 

「恩人って?」

「うん。去年の夏ぐらいに、すずかと一緒に変なのに絡まれてた所を助けてもらったのよ」

「そ、そうだったの!?」

「全然知らなかった・・・」

 

アリサと綾人の意外な出会いに驚くしかないなのはとフェイト

 

「まあ、その時には名前も名乗らないでいなくなったしね・・・すずかなんて、お礼を言えなかったって気にしてたんだからね?」

「それはまあ、お礼を言われることでもなかったし・・・ただの通りすがりだったんで・・・」

 

綾人が珍しく言葉に詰まっている

 

その光景をただ見守っているだけのフォワード陣なのであった・・・

 

 

それから、どうにかアリサとの会話を終えた綾人は少し疲れながら捜査会議に参加した

 

「さて、じゃあ改めて今回の任務を簡単に説明するよ?」

「「「「はい!」」」」

 

なのはの言葉に全員が仕事モードへ移行する

 

なのはは海鳴の簡易地図を展開しながら説明を始める

 

「捜索地域はここ、海鳴市の市内全域。反応があったのは・・・ここと、ここと、ここ」

 

地図に印がついていく

 

「移動してますね?」

「自立型か・・・誰かが持って移動しているか・・・」

 

ティアナと綾人が印を見ながら確認する

 

「うん、それはまだ分からないけど・・・」

「対象ロストロギアの危険性は今のところ確認されてない」

「仮にレリックだったとしても、この世界には魔力保有者が滅多にいないから暴走の危険はかなり薄いね」

「とはいえ、やっぱり相手はロストロギア・・・何が起こるかわからないし、場所も市街地・・・油断せずにしっかり捜索して行こう?」

「では、副隊長達には後で合流してもらうので・・・」

「先行して、出発しちゃおう!」

「「「「はい!」」」」

 

なのはの合図で出発する機動六課フォワード陣

 

海鳴での出張任務のスタートである




どうも


『綾人マジック』がまたまた発動しました


自動車見た時のティアナの発言・・・というかこのCD内での発言は、リスナーの心を代弁している気がします


アリサさんの話の説明は、後にしますのでお楽しみに


では次回予告


2手に別れロストロギアの捜索を開始する機動六課


「なのはさん達が育った街・・・それを知っておいても損はないだろうからな」
「よろしくお願いします!!」

綾人と連れられ、海鳴の市街地を歩くスバルとティアナ


「あの・・・今『お店』って・・・」
「そうだよ! ウチ喫茶店なの!!」
「喫茶『翠屋』! 綺麗で美味しいお店ですよ~」
「「えぇ!?」」


なのはに招かれ、『翠屋』を訪れた時・・・彼女らは何を思うのか・・・


次回、『出張任務Ⅱ・市街地での捜索』


この一家には“時間”という概念がないのだろうか・・・?

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