魔法少女リリカルなのはStrikerS 信念の刃   作:sufia

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本編に入っている様でいて、実はそうでもなかったり?


第9話 ≪思いを力に≫

~機動六課・運用ヘリ内~

 

「新デバイスでぶっつけ本番になっちゃったけど、練習どおりで大丈夫だからね?」

「はい!」

「頑張ります!」

 

なのはの言葉にはっきりと返事をするティアナとスバル

 

「エリオとキャロ、それにフリードもしっかりですよ!」

 

両手を握って激励するリイン

 

「「はい!!」」

「キュクル~!」

「綾人君も、お願いね?」

「了解です」

 

綾人が頷き返すのを見て、そのままフォワード全員に顔を向けるなのは

 

「危なくなったら私やフェイト隊長、リインがフォローするから、おっかなびっくりじゃなくて思いっきりやってみよう?」

「「「「はい!」」」」

 

はっきりと返事をするフォワード達だが、キャロだけが表情が冴えなかった

 

 

「・・・大丈夫か? キャロ?」

「ご、ごめんなさい・・・大丈夫です」

 

小声でキャロに話しかけると、少し上擦った声で帰ってきた

 

(緊張してるな・・・無理もない・・・)

 

どうするか目を閉じて考え始める綾人

 

その時、オペレーターでもあるルキノの声がヘリに響く

 

ガジェットの飛行型が出現し、なのは達のヘリを捕捉したのだ

 

フェイトが現地に飛んでくることを聞いたなのはは自分も出撃することを決める

 

「なのはさん、お願いします!」

{Main hatch open.}

 

サムズアップしながらハッチを開けるヴァイス

 

「じゃあ、ちょっと出てくるけど、皆もがんばってズバッとやっつけちゃおう!」

「「「はい!」」」

「・・・はい!」

「・・・・・・」

 

すぐに返事を返すスバル・ティアナ・エリオと少し遅れて返事をするキャロ、そして目を閉じたまま黙っている綾人

 

「綾人君? どうしたの?」

「・・・・・・」

 

なのはの呼び声にも答えない綾人

 

不思議に思い近寄ると・・・

 

「・・・・・・よし! これだ!!」

「ひゃう!?」

 

綾人が突然声を発したため、思わず手を引っ込めるなのは

 

「ん? どうしたんですか?なのはさん?」

「それはこっちの台詞だよ! さっきの話、聞いてた?」

「ええ。お気を付けて」

 

考えながらもしっかりと聞いていた綾人

 

「もう、ちゃんと返事してくれないとだめだよ? 誤解されちゃうから」

「すいません」

 

素直に謝る綾人

 

「で? 何を考えてたの?」

「ああ、そうだった・・・キャロ?」

 

なのはの言葉に先ほどまで考えていたことを実行に移す綾人

 

「は、はい?」

 

綾人に呼ばれ、驚き振り向くキャロ

 

「よっ!」

「ふぇ?」

 

突然キャロを抱き寄せる綾人

 

「「「「「なっ!?」」」」」

 

綾人の行動にヘリ内の時間が止まった

 

「あ、あの! 綾人さん!? なにを?」

 

顔を赤くして軽くテンパっているキャロだが、綾人は離す気配がない

 

「大丈夫だ・・・そんなに緊張しなくても」

「え?」

 

綾人の言葉に落ち着きを取り戻すキャロ

 

「キャロ・・・俺の心臓の鼓動、聞こえるか?」

 

そう聞く綾人に胸に耳を当てしっかりと鼓動を聞くキャロ

 

「あれ?」

「早いだろ?」

「はい、すごく・・・」

「結構、落ち着いてる様に見られるんだけどな。内心では、俺もかなり緊張してるんだよ」

 

それは、直接聞いたキャロだけでなくほかのメンバーも驚いていた

 

普段から落ち着いている雰囲気の綾人が緊張しているのだ

 

「ま、当然だよな・・・もしかしたら大怪我するかもしれないし・・・下手したら命に関わる仕事だ・・・怖くもなる・・・でもな? “不安”ってのはないんだ、これっぽっちもな?」

「え?」

 

綾人の言葉に顔を上げるキャロ

 

そんなキャロに綾人は微笑みかけながら

 

「だって、俺には信頼できる仲間がいるからな」

「あ・・・」

 

そういうと、キャロを開放し続ける

 

「スバルにティアナにエリオ、更にはなのはさんにフェイトさんにはやてさん。他にも六課のメンバー皆、俺が信じる仲間だからな・・・もちろん、キャロとフリードもな?」

 

キャロの頭を撫でながら、少しずつ心をほぐしていく

 

「もしも、自分の力に自信が持てないんなら・・・これを持っとけ」

 

 

懐からある物を取り出しキャロに手渡す

 

「これは?」

「『勾玉(まがたま)』って呼ばれるものでな・・・・・・俺の故郷の世界では昔・・・お守りとしても使われてたもんだ・・・」

 

渡したのは青と水色がまだら模様になった勾玉(まがたま)だった

 

 

そして、綾人はキャロの肩を両手で掴み、まっすぐに見つめる

 

「キャロ・・・・・・自分を信じろ」

「え?」

「自分の魔法を、キャロの魔法は“皆を守れる優しくて強い魔法なんだ”って・・・な?」

 

キャロは目を見開いて綾人を見、そして力強く頷く

 

それを見た綾人は立ち上がりなのはの方を向き

 

「なのはさん、そろそろ行ったほうがいいんじゃないんですか?」

 

そう語りかける

 

「あ、うん。それじゃあ、行って来るからしっかりね?」

「「「「「はい!」」」」」

 

返事を聞き終えてハッチから飛び出し空中でデバイスの起動を行い、ガジェットの元へ向かっていくなのは

 

 

残ったフォワード5人はリインから作戦の確認を受けていた

 

「任務は2つ、『ガジェットを逃走させずに全機破壊すること』、そして『レリックを安全に確保すること』・・・」

 

そう説明をしながらパネルを展開する

 

「ですから、スターズ分隊と、綾人とライトニング分隊、それぞれ車両前後からガジェットを破壊しながら中央に向かうです。レリックはここ! 7両目の重要貨物室!」

 

モニターが切り替わる

 

「スターズかライトニング、先に到着したほうがレリックを確保するですよ!」

「「「「「はい!」」」」」

 

リインの指示に返事をする5人

 

「でぇ!」

 

そう言いながら回転し、バリアジャケットを展開するリイン

 

「私も現場に降りて管制を担当するです!」

 

そう高らかに宣言した時だった・・・

 

 

「おいおい・・・マジかよ・・・」

「どうかしたですか?」

 

ヴァイスが呟くとリインが近づく

 

「機影が見えるっス・・・数はそんなに多くないみたいっスけど・・・このままじゃ戦闘中に到着っスね」

 

ヴァイスが指差す方向に、飛行型のガジェットⅡ型が7機見えた

 

 

「どうします? なのはさんを呼び戻しますか?」

「いや・・・もう戦闘に入ってますね・・・今からじゃ多分間に合わない・・・」

 

別モニタでなのは達の様子を見る綾人

 

すでになのはとフェイトがガジェットの足止めに入っていた

 

そして、綾人は少し頷いてリインに振り向く

 

「・・・・・・リイン曹長・・・」

「なんですか?」

「初出撃でなんなんですが・・・・・・作戦変更の承認を・・・」

「「「「「え?」」」」」

 

綾人の突然の提案

 

リインとティアナ達も首を傾げる

 

「リニアレールに向かう人数を変更・・・ティアナ達新人とリイン曹長だけにしてください・・・あのガジェットは・・・俺が止めてみます」

「な、何を言ってるですか!? たった1人でですか!?」

「この中で、空戦ができるのは俺とリイン曹長だけです・・・ですが、曹長は単体での戦闘は厳しいはずですよね?」

「そ、そうかもしれませんが・・・」

「大丈夫ですよ・・・・・・なるべく早く終わらせて、エリオ達の援護に向かいますから」

 

小さく笑いかける綾人にリインも迷う・・・

 

その時だった

 

『綾人君、その指示はリインやのうてなのは隊長か私に聞かなあかんよ?』

「あ、はやてさん」

 

はやてが通信を入れてくる

 

『ま、現状ではそれがベターやね・・・部隊長として許可します。お願いするな?』

「はい。ありがとうございます」

 

苦笑いしながら許可を出したはやてに対し、綾人は深々と頭を下げる

 

 

 

~数分後~

 

軽い打ち合わせを済ませた頃、ヘリがリニアレールに近づく

 

「さーて新人共、隊長さん達が空を抑えてくれてるおかげで、安全無事に降下ポイントに到着だ。準備はいいか!!」

「「はい!」」

 

ヴァイスの激に返事を返し、降下準備に入るスターズの2人

 

「スターズ4、スバル・ナカジマ!」

「スターズ5、ティアナ・ランスター!」

「「行きます!!」」

 

ハッチから飛び降り、空中でデバイス起動を行う

 

「次! ライトニング! チビ共、気をつけてな!」

「「はい!」」

 

ハッチに立って準備しているとまだ少し表情の硬いキャロに気付く綾人

 

「エリオ」

「はい?」

 

エリオに声をかけ、キャロの手を指差して頷く

 

それを察したのか、頷き返してキャロに声をかけるエリオ

 

「一緒に行く?」

「あ・・・・・・うん!」

 

顔が明るくなり笑顔でエリオの手を握るキャロ

 

「ライトニング3、エリオ・モンディアル!」

「ライトニング4、キャロ・ル・ルシエとフリードリヒ!」

「キュクル~!」

「「行きます!!」」

 

手を握り合ったまま2人で飛び出す

 

「ストラーダ!」

「ケリュケイオン!」

「「セットアップ!」」

 

掛け声と同時にクリスタルコアが光り2人もジャケットを着用した

 

 

スターズはリニアレール前部、ライトニングは後部に降り立つ

 

 

そして・・・

 

「さ~て・・・このあたりでいいのか?」

「ええ・・・ここからは1人で行きます」

 

Ⅱ型の別働隊の付近まで到着した綾人とヴァイス

 

「終わったら一旦こっちに戻ってきます・・・・・・流石にリニアレールには追いつけないですから」

「あいよ! そんじゃ、気をつけろよ!!」

 

綾人に答え、旋回しながらハッチを開く

 

「さて・・・・・・それじゃ、バルムンク・・・・・・」

{了解・・・}

 

ネックレスになっているバルムンクを握り締め、起動する

 

 

綾人のバリアジャケットは、一般男性局員が着用している黒いバリアジャケットを少しだけアレンジしたものを使っている(違いは、肩の刺状の突起と手袋がなくなっているぐらい)

 

「あれ?  バルムンク・・・今喋ったか?」

{はい・・・マイスターによってAIを搭載されました。改めてよろしくお願いします。マスター}

「あ、ああ・・・よろしく」

 

淡々と話すバルムンクに、少し戸惑いながら答える綾人

 

リョウの言っていたものが判明した

 

 

「それじゃ気を取り直して・・・スターズ3・・・天童綾人・・・・・・行きます!!」

 

勢い良くヘリから飛び出し、『空』を使ってガジェットへと向かっていく

 

「はぁ~・・・姐さんと一緒に映像見たけど・・・実際に見るとスゲェな・・・」

 

それを間近で見ていたヴァイスも少し感心したような声で見送った・・・

 

 

ヘリから飛び出した数十秒後、視界にガジェットが見えてくる

 

「バルムンク・・・行くぞ?」

{了解}

 

ガジェットも綾人をロックして攻撃を始める

 

それを掻い潜り、攻撃の間で一際大きく飛びガジェットに取り付く

 

「まず1機!!」

 

クリスタルに右手に持った刃を突き立て、攻撃手段を奪う

 

「『閃』!!」

 

残った左手の刃で周囲のガジェット3機を切り裂く

 

それが終われば、乗っているガジェットにも斬撃を浴びせて離れると、4機が同時に爆散した

 

「!? ぐっ!?」

 

空中で別の1機が綾人に向けて突撃をし、綾人はそれを紙一重で回避し、そのまま体を回転させる

 

「『輪舞(りんぶ)』!!」

 

ガジェットが通りすぎる間、回転しながら機体を切り裂き破壊する綾人

 

 

そして、そのまま地上へと落下すると、ガジェットが追撃してきた

 

「そうだ・・・そのまま追ってこい・・・」

 

仰向けで落下しながらガジェットが距離を詰めるのを待つ

 

ガジェットの方も、先程の斬撃を避けるために水平移動しながら螺旋状に降下してきた

 

「甘いな・・・斬撃は“まっすぐ飛ぶ”とは限らない・・・」

 

言いながら右手を下にして体をひねって刀身に闘気を込める

 

そして、ガジェットが十分な射程に入ったところで刃を払う

 

「『一の花・攻』・・・・・・『螺旋』!!」

 

放たれた斬撃はその名のとおり螺旋状に飛び、3機のガジェットを横に切り刻みそのまま上昇していった

 

手前にいた2機はそのまま爆散したが、一番後ろにいた1機だけはまだ降下を続けていた

 

「やっぱこの状態だと威力が出ないか・・・・・・なら! 『空』!!」

 

体勢を整え、降下するガジェットに向けて逆に上昇する綾人

 

そして、すれ違う際に一気に切り裂く

 

「一刀・・・居合・・・『刹那』!!」

 

綾人が下を見下ろすとガジェットが爆散する

 

 

これによって、別働隊の殲滅が完了した

 

『綾人! リニアまで送ってやるからすぐに戻ってこい!』

「了解!!」

 

ヴァイスからの通信に応え、一時ヘリへと帰還する綾人

 

そして、そのままリニアレールへと向かっていった・・・

 

【キャロSIDE】

 

 

綾人がガジェットと戦っている時、キャロとエリオは新型の『ガジェットⅢ型』と対峙していた

 

「フリード、ブラストフレア!!」

 

口元に炎を形成するフリード、その間にⅢ型のケーブルが近づく

 

「ファイア!!」

 

キャロの合図とともに炎を打ち出すが、その炎はケーブルに弾かれ崖で爆発した

 

ブーストを施し、ガジェットに突っ込むエリオ

 

「はぁ!!」

 

ストラーダを振り下ろすが、ガジェットの装甲の硬さに阻まれる

 

「か、硬い・・・!」

 

直後、ガジェットがAMFを展開し、デバイスに掛かっている魔法を打ち消した

 

「AMF!?」

「こんな遠くまで!?」

 

その効果は後方にいたキャロにも影響が出ていた

 

「くっ!!!」

 

エリオの目の前にはガジェットのケーブルが迫り、ストラーダで抑えていた

 

「あ、あの・・・!!」

「大丈夫!! 任せて!!」

 

天井からキャロの声がすると、足を踏ん張りながら安心させるように答えるエリオ

 

その時、ガジェットの攻撃に気付き飛び越えると、直後にガジェットからビームが放たれる

 

着地と同時にガジェットが振り向き追撃をかける

 

「くっ!!」

 

その攻撃を転がりながら後退するエリオ、ガジェットはエリオが起き上がるとほぼ同時にケーブルで殴りかかる

 

「!? ぐあ!!!」

 

回避しきれずに殴り飛ばされ壁に激突するエリオ

 

そのままガジェットの猛攻に遭い壁に押さえ込まれる

 

「ぐあ!」

 

そのまま巻きつかれ、車両外へと放り出されるエリオを見ているしかないキャロ

 

「エリオ君・・・・・・エリオくーーん!!」

 

叫びながら、フリードと共に飛び降りキャロ

 

 

【綾人SIDE】

 

「飛び降りだぁ!? あの高さでリカバリー出来んのかよ!!」

「できますよ・・・キャロなら・・・絶対・・・」

 

ヘリの中で状況を見ていたヴァイスと綾人

 

冷静に見守る綾人

 

「だが・・・このままじゃ邪魔されるな・・・ヴァイスさん、ここから行きます!」

「お!? お、おぉ!!」

 

少し反応が遅れたが、急いでハッチと開く

 

綾人も完全に開くのを待たずに、通れる広さになったところで飛び出していった

 

 

【キャロSIDE】

 

(守りたい・・・優しい人を・・・・・・わたしに笑いかけてくれる人たちを・・・・・・自分の力で・・・・・・守りたい!!)

 

エリオに近づきながらそう願うキャロ

 

その時、ケリュケイオンから光があふれる

 

{Drive Ignition}

 

 

魔力で浮遊しエリオの身体を必死に抱きしめるキャロ

 

そこにフリードがやってくる

 

「フリード、不自由な思いをさせててごめん。わたしちゃんと制御するから………いくよ! 『竜魂召喚』!! “蒼穹を走る白き閃光。我が翼となり、天を駆けよ。来よ、我が竜フリードリヒ・・・竜魂召喚”!!」

 

召喚呪文が終わると、白き巨大な竜が出現し、その背に2人を乗せ飛翔した

 

【綾人SIDE】

 

『召喚成功、フリードの意識レベル、ブルー!! 完全制御状態です』

「これが・・・・・・キャロの竜召喚。その力の一端・・・」

 

そばまで来ていた綾人がそう呟く

 

なのはやフェイトから聞かされていたキャロの竜召喚・・・その力には圧倒されてしまっていた

 

「フリード、ブラストレイ!!」

「ギュオーーーー!!」

 

口元に先ほどとは段違いの炎を集めるフリード

 

「ファイア!!」

 

フリードの口から火炎が吐き出され、ガジェットを襲う

 

しかし、ガジェットはAMFとその装甲により耐え抜いていた

 

「あれで無事か・・・強度も相当だな」

「綾人さん、僕とストラーダが行きます!

 

気がついたエリオが綾人へと声をかける

 

「分かった。援護するから思いっきりやれ」

「はい!」

 

エリオの返事を聞き構える綾人

 

 

「はぁーーーー!!」

 

キャロの補助を受け、車両へと飛び降りるエリオ

 

そこにケーブルが迫るが

 

「『閃』!!」

 

綾人がそれらを全て切り裂いてエリオを援護する

 

「エリオ!」

「はい!!」

 

綾人に返事を返しカートリッジを二発ロードし構えなおすエリオ

 

「一閃、必中!! はぁ!」

 

正面からストラーダを突き立て、そのまま縦に斬る

 

「でぇぇりゃぁぁーーーーー!!!!」

 

ガジェットはそのまま爆発した

 

「やった!」

 

フリードの上で見ていたキャロが安堵の声を出す

 

「はぁ・・・はぁ・・・や、やった・・・」

「お疲れ、エリオ」

 

肩で息をするエリオに声をかける綾人

 

「綾人さん!」

 

綾人の顔を見て嬉しそうなエリオの頭を掻きながら

 

「まったく、心配したぞ?」

「す、すいません・・・」

 

謝るエリオを見た綾人は

 

「・・・いや、謝るのは俺の方だな」

「え?」

 

エリオが顔を上げると少し暗い顔の綾人がいた

 

「俺がもっと早く終わらせられれば、お前もあんな目に遭わなかったかもしれないのにな・・・本当にすまん・・・」

 

そう言って頭を下げる綾人

 

「綾人さん!! エリオ君!!」

「キャロ!!」

「キャロ、それがフリードの本来の姿か?」

 

大きくなったフリードを見ながらキャロに聞く綾人

 

「はい!」

「そうか・・・キャロもよくやったぞ」

 

頭を撫でながら褒める綾人にキャロも顔を赤くしながら撫でられる

 

「えっと・・・綾人さんのおかげです」

「俺の?」

 

首を傾げる綾人にキャロはずっと握っていたものを見せる

 

「この勾玉から、力を貰った気がするんです。綾人さんの力を・・・」

「そうか・・・」

 

キャロにあげた勾玉・・・それには“勇気と判断力を与える力”があると言われている『ソーダライト』という石で作られている

 

キャロに足りないものを補ってくれると思いそれを渡したのだ

 

 

その後、ガジェットの全機破壊、スターズによるレリックの確保、車両のコントロールの奪還などの報告を受け、スターズはリインと共にヘリで中央ラボまでのレリックの護送、ライトニングは現地の局員に引き継ぐまで現場待機となり、機動六課の初出動は終了した




どうも


初出撃でいきなり単独戦闘な綾人君でした


そして・・・突拍子もない行動をとる綾人君に、周りはただただ振り回されるまま・・・


今後も綾人君の行動である程度引っ掻き回したいと思います


では次回予告

新たなデバイスとの訓練にも慣れてきた頃・・・フォワード達がある意味楽しみにしている日がやってくる・・・


「それじゃ、今日の訓練は綾人君が主体でやってもらうね?」
「はい」

綾人にとって初めての教導・・・

「さて、六課発足前から何しようか考えていたが・・・やっぱこれにしようと思う・・・」
「それって・・・」


綾人の課す課題・・・その内容とは・・・・・・


次回、『綾人流教導・入門編』


この青年も、色々背負っています

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