英雄伝説~紫炎の軌跡~   作:kelvin

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第133話 白銀の皇城

~リベル=アーク中枢塔 『アクシスピラー』第一層~

 

探索を開始したエステル、ヨシュア、クローゼ、オリビエ、ミュラー……エステルとヨシュア以外に関しては、くじ引きという運試し的なものとなり……いや、本拠地とも言える場所にそれでいいのかと思ったが、特に対案もなく行われ、この五人での探索となった。道なりに進むと、リフトらしき場所に出たものの、何らかの結界が張られており、先に進めないようになっていた。

 

「これって……」

「結界みたいだね。」

エステルの言葉にヨシュアは冷静に呟いた。ともあれ、近くのモニターを起動させてみることとした。すると、次のような言葉が表示された。

 

『この先に進みたくば、四つの試練を同時に潜り抜けよ。赤き道には不動、蒼き道には銀閃、昏き道には太陽と漆黒、白き道には白隼の君と好敵手を伴わなくば、拒まれよう。』

 

「この文面からするに……この場所から伸びている通路の事でしょうか?」

「赤、青、黒、白……文面と一致しているね。」

クローゼの言葉に答えるようにオリビエが呟いた。先程五人が通ってきた道とは別に、エレベーターのあるこのフロアから放射状に延びている通路。それらはきちんと色分けされていた。だが、昔の人が今の人間の事など把握しているはずなどない。となると、結論からして……

 

「結社の試練……ということになるな。」

「しかも、先に待ち受けるのは間違いなく『執行者』……ご丁寧に指名までしているとはね。」

「ジンさん、シェラさん、エステルに僕、クローゼにオリビエさん……しかも、指定した人間を伴わないと駄目で、同時に攻略しなければならない……」

戦力の分散を狙っての行動であると考えるのが妥当であろう。幸いと言うべきか、こちらもそれなりの人数がいるので、エステルらは一度戻って他の面々と話し合った。

 

現在いるメンバーは……

“原作”メンバーのエステル、ヨシュア、クローゼ、ユリア、シェラザード、アガット、ティータ、オリビエ、ミュラー、ジン、ジョゼット、ケビンの12人……“その他”のレヴァイス、フィー、ランディ、リィン、エリゼ、アルフィン、コレット、ライナス、スコール、サラの10人……更には、“転生者”のアスベル、シルフィア、レイア、シオンの4人………合計26人。

 

ただ、後の事も考慮して、転生者組とライナス、コレット、ケビン、ユリアの8人は残ることとした。流石に“教授”がただ待っている“だけ”とは限らないからだ。

話し合いの結果……ジンの同行メンバーはレヴァイス、フィー、ランディ…シェラザードの同行メンバーはスコール、サラ、ジョゼット…エステルとヨシュアにはアガットとティータ……クローゼとオリビエにはリィン、エリゼ、アルフィン、ミュラーが同行する運びとなった。

彼等を見送った後……シオンとユリアを除く6人は『アルセイユ』の会議室に入る。

すると、ライナスは真剣な表情でケビンのほうを見た。

 

「へ?ど、どないしましましたか?」

「そうだね……色々言いたいことはあるけれど……リースに話はしたのか?」

「!?………」

その問いかけにケビンは黙る他なかった。あの事件のことは……ケビンにしてみれば、身内を自分の手で殺めたと言われても弁解しようもない出来事であるだけに、どう言い訳しようとも意味のないことだと。その表情を見たライナスはケビンに近寄った。

 

「その様子だと、何も言っていないみたいだね……あの事件はおろか、お前がこの五年間やってきたことの全てを。」

「………言えるわけ、あらへんやないですか。」

「その意見は素直に聞きいれよう……彼女にそれを受け入れるだけの度量があるかどうかは……けどな!」

ライナスはケビンに掴みかかった。その勢いにケビンは圧され、反応できずに捕まった。

 

「あの施設にいたということは、お前と同じようにその道を目指す可能性がある。そして、俺の見立てでは“千の腕”程とは言わないが、素質はあると感じた。恐らく、お前自身もそれを解っていたはずだ。……だが、なぜお前は逃げ続ける!?それでも“守護騎士”の端くれか!!」

「っ………」

ここにいる“守護騎士”……第二位のライナス、第三位のアスベル、第六位のコレット(カリン)、第七位のシルフィア……そして、第五位のケビン。この中では、一番の“年長者”であるライナス、二番目に長いシルフィア、三番目のアスベルとコレット……ケビンとはその年季が違うだけに、その言葉の重みはひしひしと伝わってきた。

 

「……止めないのですか?」

「止められる問題じゃない。こればかりは“身内”の問題だからな。」

「ええ。」

「……だね。」

コレットの言葉にアスベルは首を横に振り、シルフィアは静かに頷いた。

ライナスは“千の腕”―――彼の口から出た“リース”の姉に当たる人物とは家族同然の付き合いをしていた。そのことは、位階の近いアスベルやその部下のレイア、彼女の上司兼弟子であったシルフィアもよく知っていた。良く知っているからこそ、今のライナスの気持ちは痛いほどよく解っていた。

 

「だが……お前が相当なヘタレだってことも知っている。だから、一年の猶予をやる。それまでに……リースにお前がやってきたことを話してやれ。アイツの性格はお前も一番よく知っているはずだ……いいな?」

そう言って掴んでいた手を離すと、ライナスは会議室を後にした。一方、ケビンの表情は沈痛な面持ちだった。しばらくして、ケビンの口から笑みが聞こえたと思うと、震えるような口調で呟いた。

 

「………ハハハ……キツイやっちゃな。正直、殴られることも、殺されることも覚悟しとったけれど……オレにしてみればもっとキツイ『説教』や……」

「当たり前だろう……それがお前の『罰』なんだから。」

「………せやな………少し、一人にしてくれへんか。“仕事”はきっちりこなしたいしな。」

「解った。」

「解りました。」

ケビンの言葉を素直に聞き、四人は会議室を後にした。

 

一方その頃、ピラー攻略組はそれぞれの道を進んでいた。

 

 

~『アクシスピラー』 白銀の間~

 

クローゼ、オリビエ、リィン、エリゼ、アルフィン、ミュラーの六人は道なりに進み、ゲートをくぐると……その先に映ったのは、

 

「え………ここは?」

見たところ、玉座のような場所……だが、その基調は純白や黄金を称えるような印象。その光景に見覚えのないクローゼは戸惑いを隠せない……だが、それ以外の面々には『見覚えのある光景』であった。

 

「ここは……」

「フム、おそらくは『ゴスペル』の技術を応用したものかもしれないが……」

「……ここまで完全に再現しているだなんて。」

「驚きですわね。色は異なるとはいえ、ここまで再現してしまうとは……」

「『結社』の技術力、侮りがたし……といったところか。」

各々感想を述べる五人。それを不思議に思うクローゼはオリビエに尋ねた。

 

「オリヴァルト皇子、この場所は一体?」

「配色は異なるが、ここはエレボニア帝国の皇城『バルフレイム宮』。しかも、この場所は謁見の間ということさ。どうやら、この場所を再現した“彼”も僕らの国に関わりがあると見た……そうだろう?我が好敵手?」

「フフ、その通り。」

オリビエはクローゼの問いかけに答えつつも、真剣な眼差しで奥の方を見つめた。すると、玉座の裏から姿を見せる仮面に白いコートとマントを纏った人物―――“怪盗紳士”ブルブランの姿であった。

 

「フフ……白隼の姫君に獅子心の姫君、それに黄金の姫君とは……私もつくづく幸運に恵まれているな。」

「……どちら様ですか、その変態さんは?」

「なっ!?」

クローゼ、エリゼ、アルフィンの姿に笑みを浮かべるブルブランであったが、唐突に放たれたアルフィンの言葉にブルブランの表情が凍り付いた。

 

「ア、アルフィン殿下……あの人は『執行者』です。油断されないほうがよろしいかと。」

「というか、挑発してどうするのよ。」

「何と言いますか、自分に酔っている雰囲気を感じてしまったものですから。そちらの方、気に障ったのなら謝りますわ。」

クローゼとエリゼは冷や汗をかきながらアルフィンを諌め、諌められた側のアルフィンは率直に自分の感じた印象を述べつつも、ブルブランに対して謝罪を込めた言葉を投げかけた。

 

「成程……このお調子者と同類ということだな。」

「あはは……」

「失礼だね、ミュラー君。僕は彼のように人様を悲しませる迷惑をした覚えなどないよ……さて、相対したということは、戦うということで相違ないのかね?」

ミュラーはブルブランがオリビエに近しい空気を感じ、リィンは苦笑を浮かべ、オリビエは反論を交えながらもブルブランに銃を構えた。その光景にブルブランは笑みを零した。

 

「勿論だとも、我が好敵手!オリビエ・レンハイム!!」

その言葉にブルブランも得物を構え、同時に展開される魔方陣。そこから姿を現したのは、クローゼ、オリビエ、エリゼにとって見覚えのある人形兵器を模したものが二体顕現した。

 

「その兵器は、旧校舎地下で見た……!!」

「『サイクロンブリンガー』……貴殿らの相手として、これほど相応しいものはあるまい。さぁ、貴殿らの『希望』という名の美……この私が盗んで差し上げよう!!『執行者』No.Ⅹ“怪盗紳士”ブルブラン……参る!!」

その言葉に、オリビエ以外の五人も武器を構える。

 

「リベール王家、クローディア・フォン・アウスレーゼ。貴方方の企み、国のために止めさせていただきます。」

「八葉一刀流一の型・四の型免許皆伝、リィン・シュバルツァー……参ります。」

「同じく三の型免許皆伝、エリゼ・シュバルツァー。いきます!」

「エレボニア皇家、アルフィン・ライゼ・アルノール……“友”の危機を救うべく、戦いますわ!」

「エレボニア帝国軍第七機甲師団所属、ミュラー・ヴァンダール……あるじを脅かす輩を、排除させていただく!」

 

「それならば、僕も二人目の“宣戦布告”をしよう……“漂泊の詩人”オリビエ・レンハイム改め“放蕩皇子”オリヴァルト・ライゼ・アルノール。貴殿の美の価値など、“愛”の前には意味を為さないと証明して見せよう!!」

ある意味旧校舎地下での戦いの再現……オリビエの“宣戦布告”によって、戦いの火ぶたが切って落とされた。

 

「みんな、いくぞ!!」

「はい!」

「了解です!」

「かしこまりました!」

「ああ!」

「了解した。」

リィンの激励に他の五人は頷き、闘気を高める。そして、前衛組のミュラーが片方のサイクロンブリンガーに取り付く形でポジションを取り、もう一体はリィンがその進路を塞ぐ形を取った。二体のサイクロンブリンガーは相対する二体に向かって剣を振り下ろす。

 

「むっ!?」

「くっ!」

「(あの感じ……)気を付けてください、姫殿下、皇子殿下。前よりもかなりパワーアップしています。」

その攻撃にミュラーは受け止めようとするが、嫌な予感を察して軌道を逸らす程度にとどめ、リィンは持ち前の回避能力の高さで飛び退き、少し距離を取った。それを見たエリゼは、以前同型と戦った経験のあるクローゼとオリビエに呼びかけた。それを証明するかのように、二体のサイクロンブリンガーは一気に駆け出して前衛の二人を圧し潰そうとするが、

 

「止めさせていただきますわ……ダークマター!」

オーブメントを駆動させていたアルフィンは二体を巻き込むようにアーツを放ち、敵は已む無く押し止められた。だが、それでも大したダメージではなく、サイクロンブリンガーは立て続けに剣を叩き付け、フィールド全体に衝撃波を起こす。

 

「くっ!」

「あうっ!」

「きゃっ……!」

「やるねっ……!」

「回復します……ラ・ティアラ!」

ミュラーとリィンは辛うじて躱せたが、後衛組の四人はダメージを負ったが、クローゼがあらかじめ準備していたアーツですぐさま持ち直すことに成功した。だが、敵はその二体だけではない。奥に控えていたブルブランが動き出した。

 

「さて、華麗なるマジックショーをお披露目しよう……煌け!」

ステッキを構えると、ステッキの宝玉が光を放つ。すると、『サイクロンブリンガー』の色がそれぞれ赤と青主体のカラーリングに変わった。ミュラーとリィンはそれぞれ攻撃を試みるが、

 

「何っ!?」

「この感じは……くっ!!」

その違和感に二人は距離を取った。ただでさえかなりの防御力を有しているのに、先程よりもかなりの防御力を得ている様子……それを後方で解析したオリビエは冷静に呟いた。

 

「成程、敵の防御力はかなり向上している……通常攻撃だと恐らくまともにダメージは通らないと見た。」

「その通り。これが私の力の一端……驚いていただけたかな?」

「ああ、驚いたね……なら、こちらも攻撃力を上げて崩せばいいだけさ。」

「何?」

ブルブランの放ったクラフト……味方の防御力を著しく上げる『奇術・ビューティフルマインド』……それを知ってか知らずか、オリビエは感心するように呟いた後、銃を構えた。

 

「成長したのは君だけではないということさ……さあ、過激に、情熱的な旋律を奏でよう!!」

オリビエの持つ銃から上に向けて放たれた深紅のエネルギー……それがはじけ、オリビエを含む全員に降り注ぎ、攻撃力と闘志を高めるオリビエのクラフト『フォルティッシモ・マーチ』を放つ。それを見たブルブランは笑みを浮かべると、

 

「それならば……我が奇術の集大成……とくと味わってもらおう!」

ステッキを上にかざす。すると、周囲にせり出したのは巨大な棺桶……そのふたが開かれ、その底は暗闇……ブルブランはステッキを振り下ろす。その暗闇からゆっくりと姿を見せるのは、花道の剣山を連想させるかのような大量のナイフ。

 

「その美しき姿、永劫に縛り続けて差し上げよう……我が心の中に!!」

そう言い放つと同時に、敵全体に向かって加速する数多のナイフ―――ブルブランのSクラフト『マジシャンズレッド』。最早逃げ場などない……その状況を見て笑みを浮かべたブルブラン。

 

「させません!………友に襲いくる脅威を跳ね除け……『ユニコーンドライブ』!!」

だが、其処に割り込んだのはアルフィン……彼女の祈りに呼応するかのように、味方全員に完全防御のフィールドを展開するSクラフト『ユニコーンドライブ』を割り込ませ、『マジシャンズレッド』の攻撃を何とか防ぎ切った。これにはブルブランも驚愕の表情を浮かべた。

 

「なっ!?ならば……」

「「させません!!」」

「何!?」

ブルブランはアルフィンに攻撃を加えようとしたが、エリゼとクローゼがブルブランに攻撃を加え、流石のブルブランも防戦に回る他なかった。これを好機と見たオリビエはアルフィンと共に追撃となるクラフトを放つ準備を始める。

 

「さあて、初めてのセッションだ……準備は良いかい?我が妹よ。」

「勿論ですわ、お兄様。」

オリビエは両手に銃を構え、銃弾を放ち、数多の魔方陣を顕現させる。アルフィンはその魔方陣に向かってエネルギー弾を放つ。すると、その魔方陣はその場で回転を始め、変幻自在のエネルギー弾が的確にブルブランとサイクロンブリンガーを追い詰めていく。

 

「やるではないか……はあっ!!」

「くっ!!」

「やりますね……」

ブルブランは巧みに躱しつつも『ワイルドカード』『マジックナイフ』を放ち、クローゼとエリゼにダメージを負わせる。だが、ブルブランとは対照的にサイクロンブリンガーの方はその巨体さが仇となり、かなりのダメージを負っている。

 

「この好機……逃さん!!はぁぁぁぁっ!!」

ミュラーは剣を上に掲げ、闘気を高める。そして、その闘気は蒼き炎となり、ミュラーの持つ大剣に集う。そして、その刃は持っている剣の三倍以上の長さとなり、ミュラーはその剣を振りかざす。

 

「これが、今持てる俺の全力……奥義……破邪断洸剣(はじゃだんこうけん)!!」

研ぎ澄まされた光の刃……ミュラーが独学で磨き続け、親友を守る剣として研ぎ澄ませ、かつて帝国の双璧と呼ばれた“アルゼイド流”の闘気の刃をも取り込んだ、彼のSクラフト『奥義・破邪断洸剣』によって、サイクロンブリンガーの一体は綺麗に縦に斬られ、爆発を起こして崩れた。

 

「いきます……はあああああっ!!」

リィンの方も“神気合一”を発動させ、刀を構えて一気に駆け寄る。そして、放たれるは四の型“空蝉”の奥義が一つ。

 

「四の型が終の太刀……『空断(からたち)』!!」

超音速の斬撃のSクラフト『空断』……振りかぶられたリィンの太刀……その形をなぞるように敵の装甲に太刀筋が入り、崩れ落ち、爆発する。それを見たクローゼはアーツで自分とエリゼを回復させると、

 

「はあっ!!!」

「何と、血迷ったか姫君!!」

何と、背後からエリゼに向けて突きのクラフト『ミラージュ・ストライク』を放ったのだ。これには気が狂ったのかとブルブランは驚愕したが、これはクローゼとエリゼからすれば、『布石』であった。エリゼは体を少しだけ屈ませると、クローゼのレイピアをなぞる様に太刀を滑らせ、

 

「「はああっ!!!」」

「ぐっ………だが、我はまだ……なっ!?」

そこから強引な形で三の型“流水”奥義の参式『氷逆鱗』を放つ。双方共に加速したクラフトにブルブランはステッキを反射的に構えるが、その反動で後方に吹き飛ばされる。すぐさま立て直そうとした彼であったが、顔を見上げた時にいたのは……自分の好敵手の姿であった。

 

「君には無粋だが、これにて、終幕とさせてもらおう……波濤は氷結し、光も闇に凍る!」

オリビエの放った弾丸はブルブランの周囲から水柱を立ち上り、ブルブランを飲み込んで瞬時に凍り付く。それを見たオリビエは背を向け、銃を横に向ける。

 

「無情なる諸行に…挽歌を!グランドフィナーレ!!」

「お、お見事………」

オリビエのSクラフト『グランドフィナーレ』……砕けた柱から姿を見せたブルブランはその場に膝をついた。マントの所々は破け、そして仮面の一部をヒビが入った状態であった。

 

「フフフ………よもや私の仮面に…………ヒビを入れようとは……」

戦闘不能になり、地面に跪いているブルブランは仮面の割れた部分を抑えて、笑みを浮かべつつも信じられない表情で呟いた。

 

「はぁ、はぁ……」

「な、何とかなったのでしょうか……」

「何とか退けられたか……」

息があがっている様子のリィンやアルフィン、そして流石に疲労の色を隠せない様子のミュラーも呟いた。

 

「……どうやら……砕けたのは貴方の傲慢だったようですね。」

「絆が生み出す希望の強さ……分かっていただけましたか?」

「フッ……そして希望の灯火を燃やし続ける愛の偉大さ、思い知っただろう。」

「…………よかろう……ここは大人しく退いておく。だが、教授のゲームはまだ始まったばかりでしかない。今回のような幸運は、これ以上続かぬものと覚悟した方がよかろう。」

エリゼとクローゼ、オリビエの答えを聞いたブルブランは考え込んだ後立って、ステッキを構えた。

 

「忘れるな……諸君はこの私を退けたのだ。立ちふさがる絶望の壁を乗り越えて必ずや美の高みへと至るがいい。……それでは、さらばだ。」

そしてブルブランはその場から消えた。すると、玉座の前に装置らしきものが現れ、その奥に転位陣のようなものが姿を見せた。

 

「これは……」

「結界の解除装置のようだね。ともかく、これを操作して、戻ることにしようか。」

「……だな。」

クローゼらはその装置を押して解除した後、転位陣に乗って転移した。

 

 




解りやすく言うと、原作の階層方式ではなく、碧の領域方式を取り入れた形です。双方共に“至宝”絡みですので、これぐらいは可能かと。

そして、今回の風景ですが、これも純粋に可能なのではと思いました……ある意味拡大解釈なのは否定しませんがw

単純に戦いだけ書く予定はありません。まぁ、約一名だけ戦いよりも遊びに傾倒している人間がいますのでw

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