東方蒼朧天   作:陣禅 祀

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少し遅れましたが、1月中に上げることができました。
しかしリアルで忙しいため、なかなか更新する機会がないため、遅くなると思います。
気長に待っていただけると嬉しいです。
今回は戦闘アリ、そして少年(主人公)の出自等もあります(半々くらい)ので、どうぞゆっくりしていって下さい


少年と内なる鬼

---少年は、名前を天原葵(あまはら あおい)といった。

彼が鬼と化した理由を語るには、彼の出自と、その一族について語らねばなるまい。

 

家は由緒ある旧家で、かつては魔物退治を専門とする陰陽師だった。

そして、天原一門歴代最強と謳われた陰陽師「天原蒼(あまはら そう)」が、ある鬼を祓った際に、呪いをかけられた。

-----その呪いとは、「鬼呪」と名付けられたもので、かけられた者とその子孫は、生きながらにして鬼と化してしまうという呪いだった。

しかし、蒼はその呪いを強大な霊力を宿す別の器に移し替え、封印することで難を逃れた。

そして、自身の屋敷の一角に小さな社を作り、その器を祀った。

 

その器こそが、葵の持っていた霊石である。

元々は神器として祀られていたもので、天原家が代々管理していた。

まぁそもそもが祀られていたのだし、蒼以外の者にとっては大したことではなかったのだが、天原一門には、ソレについて、蒼の警告により、代々奇妙な伝承が語り継がれることとなった。それは禁止事項と言うべきものなのだが、一族は代を経るごとにそれを伝説と認識するようになっていったのだ。

その内容とは、『天原の血を引く者は社に祀られた宝玉には一切触れてはならぬ。触れれば、封印された天原への鬼の呪いが再び我等に襲い来るであろう。』というものだ。

そして、その伝承にちなみ、かつての神器は鬼の石、「鬼石」と呼ばれるようになり、本来の名は忘れ去られてしまったのだった。

 

そのような過程を経て、葵の親の代まで触れられることもなく祀られていたのであるが、ついにその禁忌を葵が破ったのだった。触れた者は鬼と化してしまう呪いの霊石に触れた葵は、当然鬼となった。

だが、葵だということを知らない天原家の近親達は、それを退治すべく一家総出で葵を攻撃した。

いくら訴えても鬼と化した葵の声は家族に届かず、声のかわりに退魔の攻撃の雨が降り注いだ。

そして、ついに葵は逃げた。そして、走って、走って、走って。

自分でもどれだけ走ったのかわからなくなるほど長い間走り続けて、ついに彼は力尽きた。

本来なら気絶したとしても鬼の姿のままなのだが、奇妙なことに、博麗大結界を潜った際に鬼呪は鬼石の中に再び封じ込められた。

 

そんなこんなで、彼は天子に拾われ、現在に至るのである。

 

さて、長々と解説してしまったが、話を博霊神社の霊夢達に戻そう。

 

-博霊神社・客間-

〈麗夢said〉

「全く、なんで障子ふっ飛ばしたりしたのよ」

 

「いや、だから私じゃないのよ、ソレ。」

 

「じゃあ誰がやったって言うのよ」

 

「あれよ、あれ。」

布団に寝かしてある少年を指指して言う天子に、麗夢は半分呆れ返っていた。

 

「寝てる人間が、しかもただの人間が、障子をあんな風い木端微塵に吹き飛ばすなんてできるはずないでしょ!」

 

「・・・いくら話しても無駄なのね・・・」

「というか障子の話は私が修繕したんだしもういいでしょう!?」

 

「アンタが正直にやったこと認めれば言わないわよ」

 

「やってないことをどうしてやったと言わなければならないの?」

 

「もういいわ、力づくででも吐かせてやるんだから!」

正直に言わないなら強硬手段で吐かせてやるんだから!

 

「力づく?望むところよ博霊の巫女!」

 

すっくと立ち上がった二人は、お互い目から火花を散らしながら睨み合った後、神社の境内に出た。

 

〈天子said〉

どうしていつもこうなるのかしらね・・・

こんなになるんだったら祟神のとこにでも預けた方が楽だったかもしれないわね

時既に遅し、とも言うし終わったことを思い返して文句言ってるのは無意味な事よね・・・

・・・とりあえず、博霊の巫女と『暇つぶし』をしてスッキリしましょ!

 

「ルールはいつも通り、わかってるわよね?」

 

「ええ、スペカは三枚まで、そしてそれ(スペカ)を使い切るか、戦闘不能になるまでダメージを受ける、もしくは投了すると負け、でしょう?」

簡単なものだし、一度で覚えられるわよ、こんなルールくらい。

 

「じゃあ、コレが落ちたら始め、でいいかしら」

霊夢が手頃な石を拾い、確認する。

 

「いいわよ、じゃあ早速始めましょう」

 

「それじゃ、いくわよ」

そう言うと、霊夢は石を投げた。

そして。

閑散とした境内に、石がぶつかる音が響いた瞬間。

二人は動いた。

 

〈これより戦闘描写に移ります〉

最初に仕掛けたのは霊夢であった。

飛び上がり、空中で無数の霊符と博霊アミュレットを二つ放った。

 

「甘い!」

その一言と同時に、霊夢の頭上に石柱が降ってくる。

 

「くっ・・・」

横方向に飛翔し石柱を回避する・・・が。

その頭上には天子がいた。

 

「やはりそう逃げるわよね」

言うが早いか、要石に乗り、急降下してきた。

 

「あんたもね!」

逆に天子の頭上に転移し強襲!垂直落下の勢いを使い踏みつける、というより地面に叩きつける。

 

「かはっ・・・」

地面に叩きつけられ、肺の中の空気がすべて押し出される。

 

「・・・やってくれるじゃない」

『気符「無念無想の境地」!』

天子がスペカを使用し、赤い光を纏う。

そして、天子がグレイズで霊夢に急接近し、猛ダッシュしながら緋想の剣で切りつける。

 

「っ!」

瞬時にガードするも、さらなる追撃が待っていた。

 

「はぁぁぁっ!」

弾丸の如く回転運動をしながら要石が霊夢の結界に突き刺さり、ギリギリと火花を散らす。

今度は要石より気質のレーザー!

霊夢の結界が明滅を始め、今にも破壊されてしまいそうな状態だ。

 

「くっ・・・(このままじゃ防御を突破される・・・仕方無いわね)」

『神霊「夢想封印」!!』

霊夢の切り札の一つ、夢想封印。

赤、青、黄、緑、白等の色とりどりの光の弾が天子を襲う。

・・・が。

無念無想の境地を発動させている天子は止まらない!

夢想封印が当たろうが、おかまいなしに中心にいる霊夢を緋想の剣で斬りつけ、強制的にスペルを終了させた。

 

「かはっ・・・」

 

「終わりよ!」

『天符「天道是非の剣」』

怯んだ隙を狙って放たれる一撃!緋想の剣を構え斜め上方向に急上昇、というより猛突進し、霊夢を突き上げ、突き飛ばす。

天子は空中より緩やかに落下し、着地。その直後に霊夢が成す術もなく地上に墜落し、勝負は決着する。

 

「私の勝ちでいいわね?」

 

「・・・えぇ」

地面に仰向けに倒れた霊夢が敗北を認め、完全なる決着となった。

そして霊夢がよろよろと立ち上がったと同時に、障子がからり、と乾いた音を立てて開いた。




如何だったでしょうか?
なんか天子が無双キャラみたいになってますが、ゲームの通り、無念無想の境地はダメージ喰らっても怯まないだけです(汗)
長々と書いていたら2000字越えという状態に・・・
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