ファイアーエムブレム~凍土の剣~   作:whiterain

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どうもwhiterainです。

何か思ったより書けない・・・・

それでも始まります!


24章 キアラン城にて

「ここがキアランか」

 

『カアラは来たこと無いのか?』

 

「来たことは無くは無いのだが・・・あまり一カ所には留まらないからな

 あまり良くは覚えてない」

 

『まぁ、あんま滞在しないと覚えてないか』

 

キアラン領にたどり着いた2人はユーリの案内のもとキアラン城へ向かう。

 

「おぉ、ユーリ殿では無いですか、今日はどうしたので?」

 

『久しぶりというほど期間は経ってないか・・・まぁ、ちょっと寄る機会はあったからハウゼン様に 

 謁見をと思ったのだが』

 

「今日は誰も面会予定は無いので、ユーリ殿でしたら大丈夫だと思いますが・・・少々確認しますのでお待ちを」

 

『悪いな、それと1つ頼みが・・』

 

ユーリがキアランに長く滞在していたこともあり、衛兵もユーリの顔を覚えていた。

そのおかげ、話しは簡単に進んでいった。

 

「確認が取れました、ハウゼン様はお会いになられるそうです」

 

『わかった、それとちゃんと守ってくれよ?』

 

「ええ、しかし後で見つかる怒られると思いますが?」

 

『ま、そこはサプライズっだったてことで』

 

「・・・わかりました、さぁ、どうぞ、ハウゼン様の元へご案内いたします」

 

衛兵に連れられ、城内を歩く。

その際に、細心の注意をはらうことは忘れない。

 

「良かったのか?」

 

『カアラも言うのか?』

 

「私はその者のことを良く知らぬが、共に戦った仲間であろう?」

 

『まぁ、そうなんだがな』

 

ユーリがお願いしたことは単純に、リン達には黙っていて欲しいということ。

さすがのユーリもいざ、キアラン城へと着くと仲間達と会うことに躊躇われた。

いや、仲間達では無く正確にはリンと会うことを躊躇していた。

 

自分はここにいるカアラとその時居合わせたワレスとリンの仇であるタラビル山賊団を滅ぼした。

リンが今も復讐することを忘れていないかのも分からない。

もしかしたら、もう諦めているのかも知れない。

 

『(いや、あいつは自分と似ているからそんなことは無いだろうな)』

 

何も告げずに何食わぬ顔で会うことも出来た。

逆に、自分から絶縁される覚悟で告げることも出来た。

 

何食わぬ顔で会える気がしなくて、絶縁される覚悟も決まらなかった。

結局、そのまま逃げるように会わなければ良いんだと男らしからぬ結論を出してこの場にいる。

 

きっとこれを聞けばカアラ辺りが、初めから来なければ良かったのでは無いか?と聞くことだろうが。

 

ユーリの中で寄らないという選択肢が無い辺りが彼の律儀なところなのかも知れない。

 

「ハウゼン様、ユーリ殿とカアラ殿をお連れしました」

 

「入れ」

 

「では、お二方どうぞ」

 

扉を開かれ、部屋の中に入る。

 

『お久しぶりです、ハウゼン様』

 

「うむ、久しぶりだなユーリ殿、そしてそちらの女性が」

 

『はい、こちらが私の旅の仲間で』

 

「カアラと申す」

 

カアラを見るとハウゼン殿は怪訝そうな目で見ていたが、少しすると安心したかのように顔を戻した。

そんなに警戒するような状況では無いと思うが・・・

 

一応、部屋の中にあるとはいえ、武器も手放している。

まぁ、初めは警戒してかかるくらいの方が上に立つ者としては良いのかもしれない。

 

「してユーリ殿、今日はどうしたのだ?」

 

『いえ、ここを通る機会があったので寄らせていただこうかと』

 

カアラは自身に用は無いため、ユーリの一歩後ろに立って、経過を見ている。

 

「そうか、リンディスには会ったのか?」

 

『あはは、ちょっと会いにくいところがありまして・・・』

 

「何かあったのか?」

 

『リン本人に何かした訳では無いんですけど、ちょっと私の気分的なものです』

 

「・・・惚れたのか?」

 

『えっ!?』

 

ユーリは思わず声が出てしまった。

まさか、ハウゼン様からそんなことを聞かれるとは思ってなかった。

 

『い、いや、別にそういう方面では無いのですか』

 

「そうか・・・ユーリ殿にはリンディスをお願いしたかったのだが」

 

『ちょっ、仮に私にそういう気持ちがあったとして、リンも受け入れてくれてしたとしてもですよ

 リンは貴族ですし!それでは』

 

「マデリンのことか?」

 

貴族としてもどこぞの馬の骨かわからん奴とは結婚させるわけにもいかなかった。

だから、リンの両親は駆け落ちした。

 

「わしはな、後悔しているのだ・・・だからリンディスには同じ思いをさせないようにと思っているのだ」

 

『なるほど・・・』

 

「それに、リンディスが政略結婚を受け入れるとも思えぬしな」

 

ハウゼンは笑いながらそう言った。

まぁ、確かにリンがそういうことを受け入れる光景はユーリにも浮かばない。

 

『でも、私はそういう対象には成り得ないと思いますが・・・』

 

「ふふ、それはどうかわからないが・・・しかし」

 

「緊急事態につき失礼します!!」

 

城の兵の1人が扉を壊さん勢いで入ってくる。

 

「騒々しいぞ!何事だ?」

 

「はっ!申し訳ありません! 敵襲にございます!!」

 

『敵襲!?』

 

「敵は?山賊か何かか?」

 

ハウゼンはあくまでも冷静に対応する。

しかし、事態は想像以上に緊迫した状況を迎えていた。

 

「いえ、ラウスの軍勢とのことです!」

 

「うむ・・・ユーリ殿達は早々にこの城から脱出すると良い

 今ならまだ間に合うはずだ」

 

ハウゼンは少し考え込むと、ユーリとカアラに逃げるように告げる。

 

『勝てる見込みはあるんですか?』

 

「それはわからん・・・そこの、リンディスにも脱出するよう告げよ」

 

「はっ!」

 

兵士は命令に従い、すぐに部屋から飛び出していく。

 

『この城に逃げ道は無いんですか?』

 

「私は領主だ、兵を見捨てて逃げることは出来ん

 それに、私を連れれば足手まといとなろう・・・」

 

ハウゼンの体調はだいぶ回復した。

それでも、戦うことは出来ないし、急いで逃げるというのも厳しい。

 

『それを聞かされて、俺が行けると思いますか?』

 

「・・・ユーリが見捨てるとは思えないな」

 

カアラも既に戦う方に傾いている。

こんな状況で逃げるなんて、男が廃る。

 

それに、折角知り合った人でリンの唯一の家族を見捨てたなんてなったら、本当に顔を合わせられなくなる。

 

『俺らも戦います、しかし、俺らは貴方の身を守ることに徹させていただきます』

 

何で、ラウスが攻めてきたのかはわからないが、狙いはハウゼン公か、それともこの城か。

 

「わしは、今から玉座に戻る、逃げる気は無いぞ?」

 

『なら、俺らは玉座の間で共にいましょう』

 

「・・・感謝するぞ」

 

2人はハウゼン公と共に玉座の間に向かう。

その道中、2人は

 

『もし、戦況が本当にヤバくなったら』

 

「引きずってでも逃げるしかあるまい?」

 

『そんなことにならなければ良いがな・・・

 (リン、お前の家族は俺が守ってやるからな)』

 

しかし、そんな上手くいくはずは無い。

 

そして、ユーリは意図せずして新しい手掛かりを入手することになる。

 

 

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「何でいきなり!」

 

「しかし、状況は混乱していて良くわかっていません」

 

「わかっているのはラウスが攻めてきたってことだけだからな」

 

リンは城内で、ケント、セイン、ウィル、フロリーナと合流して祖父ハウゼンの元へ急いでいた。

 

「リンディス様!」

 

「どうしたの!?」

 

リンに元へ走ってきた兵士は、簡単に礼を取ると、そのまま主命を伝える。

 

「ハウゼン様より、リンディス様は直ちに城から脱出せよと」

 

「そんな!!」

 

リンとしても、ハウゼンを置いて逃げるような真似はしたくない。

それが祖父から言われたことであってもだ。

 

「とりあえず、一度城外に出てみませんか?」

 

「うん、私たちも状況を掴まないと」

 

今のリンたちは急に入ってきた報だけで、細かい情報は入ってきていない。

それを掴む為にも一度、外に出るべきだとウィルとフロリーナは告げる。

 

「・・・そうね、私たちも戦いに出ましょう!」

 

「わかりました」

 

「俺らもキアラン騎士ですからね!やってやりますよ」

 

「そうやって、調子に乗るなよセイン」

 

リンたちは玉座の間へ向かうところを一転して、城門の方へ向かう。

私たちが戦えば、祖父を守れる、それだけの簡単な事だ。

 

「(ユーリ、力を貸してね)」

 

目に入った腕に付いたバングルにそう願ったリンディス。

そして、その願われたユーリも運命のイタズラか、本当に力を貸していた。

そのことをリンはまだ知るよしもなかったのだが・・・




次回で原作かなぁ・・・

といっても来週は彼逃の方を投稿しますけど

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