ファイアーエムブレム~凍土の剣~   作:whiterain

34 / 40
時間かかりすぎて申し訳ありません。

サブタイトル入れ忘れてた!


21章 決着

カアラが偽剣魔に、ユーリが周りを囲う相手に対して攻撃を仕掛けた。

 

『一応、聞いておこう・・・大人しくここから去る気は無いのか?』

 

ユーリは、敵のアーチャーを倒した後、近くの敵に問いかけた。

別に、こいつらを無理に殺す必要も無い。

 

ユーリとしてはファリナを一刻も早く治療してあげることと、偽剣魔さえどうにかなれば、後は有象無象に過ぎないと

考えている。

そのため、ここで退くようなら追いかける必要は無いと考えた。

 

「へっ、こんなところで!退けないんだよ!!」

 

そう言った顔は勝つ算段があるというよりは背水の陣で突っ込んでくる勢いを感じた。

 

『何が、お前達をそこまで戦わせる?・・・いや、そういうことか』

 

多分だが、逃げてもあの偽剣魔に殺される・・・そういうことなのだろう。

だが、向かってくるのなら、こちらも容赦する訳にはいかない。

 

「一気に近づけば、その魔法だって使えないだろう!!」

 

偽剣魔の一団は剣を、斧を構えてユーリとの距離を詰めてくる。

これが普段通りなら、距離を空けるか、こちらから一気に距離を詰めて各個撃破するのだが、

今の自分が振るう剣ならば、この剣ならばと信じてユーリは一歩も動くことはない。

 

『たった、それだけか?』

 

敵が振るう武器はユーリの前に現れた氷塊に止められていた。

 

「そんなの・・・ありかよ・・・」

 

『この剣を振るう時は、・・・いや俺はもうどんな状況だろうと命のやり合いでは負けないと

 決めているんだ!』

 

ユーリは氷塊を砕くと同時に、氷塊に己の武器を止められていた敵を切り裂く。

 

ユーリの様子を見て、偽剣魔は愉悦の表情を浮かべる。

 

「いや、やはり最高ですよ・・・最高に気持ちが良い

 これだから強者との戦いはやめられない」

 

「お前の今の相手は私だ!」

 

カアラはユーリに意識を向けている偽剣魔に横から薙ぎ払うように剣を振るう。

 

「いえいえ、勿論貴女のことも最高の強者だと思っていますよ」

 

それを何事も無かったかのように偽剣魔は受け止めた。

 

「まだ!」

 

カアラは偽剣魔の剣を弾き返すと同時に多方向からの攻撃を仕掛けた。

しかし、それを偽剣魔は危なげなく受け止める。

 

偽剣魔は剣を受け止めるごとに顔の狂気じみた笑みが強くなっていく。

 

『カアラ手伝うか?』

 

「素晴らしい・・・本当に素晴らしい」

 

2人がユーリの方に目を向けたとき、ユーリは残党を皆倒していた。

ファリナが多くの敵を倒してくれていたおかげで、ユーリはだいぶ楽をすることが出来た。

 

ユーリとしてもこの剣を使えば、近づけば斬る。

離れたならば魔法で凍らせる。

 

この剣なら俺は負ける気がしなかった。

あの日まではだが・・・・

 

それでも、そこらの有象無象に負ける気はしなかった。

 

「いや、ワガママになるが、このまま私にやらせて欲しい」

 

カアラも攻めきれきれてないことは理解している。

だが、それでも肉親を語ったこの男をカアラは自分の手で倒したかった。

 

「私は2人同時でも全然構わないのですがね」

 

『わかった・・・だが、危ないと思ったら』

 

「あぁ、わかっている」

 

カアラは剣を構え直し、再び偽剣魔へと向ける。

 

ユーリはいつでも、手を出せるように剣だけ構え、前の2人に意識を向ける。

本当なら、いますぐ攻撃したい。

ファリナのことが気がかりであるため、時間は掛けたくない。

 

それでも、カアラの意志は尊重したい気持ちもある。

時間がかかるようなら、例えカアラに何と言われようとも・・・

 

「もうあまり時間はかけられないか・・・」

 

ユーリがカアラの意志を尊重したように、カアラもユーリの気持ちを理解していた。

 

彼女のことが心配だから早く戻らせてあげたい。

 

「どうしました?攻めてこないのですか」

 

「無闇に攻めても、お前は防ぎきるだろう?(それに・・・・)」

 

カアラは自分の剣に目を向けた。

 

倭刀、ユーリもラングレン戦時に折った剣だが。

東方から伝わる剣で、一撃必殺に向く。

 

だが、その必殺の一撃の為か、刀身はあまり丈夫に出来ていない。

そのため、カアラの握る剣の刀身はもう限界に近づいていた。

 

「なら、こちらから行かせてもらいましょう」

 

偽剣魔は先ほどの受け身の姿勢から一転し、突っ込んでくる。

 

「ほら、どうですか!?」

 

「くっ・・・・」

 

刀身がボロボロである今、偽剣魔の剣を受け止めることは出来ない。

 

「アハハハハッ、まだまだ行きますよ」

 

偽剣魔の剣筋は更に苛烈なものになっていく。

カアラは、だんだんと避けるだけで、攻撃する隙が無くなってきていた。

 

『・・・・・・・・・・』

 

ユーリも目を細め、剣を握る手にも力が入ってきた。

この状況はあまり良くない。

 

この男は、文句なしに強い。

 

自分も加われば攻めきれるとは思う。

だが、カアラに気持ちは踏みにじることになる。

 

それでもと、ユーリはひっそりと剣を使うことを決めた。

 

「ふっ!」

 

カアラはこのままじゃ埒があかないと一度だけ剣をぶつけ、その衝撃で後ろに下がる。

だが、仕切り直させるほど、偽剣魔は甘くはない。

 

カアラもそれが分かっている。

 

だから、突っ込んでくるこの時がチャンスだ。

 

ユーリもそれを好機だと思った。

 

カアラは剣を構え、迎え撃つ体勢を取る。

偽剣魔は剣を上から振りかぶり、カアラに放とうとした。

 

 

 

だが、偽剣魔は体勢を崩した。

いや、足を滑らせたと言った方が正しいだろう。

 

カアラもそんなチャンスを逃すことはしない。

 

「なっ!?」

 

「終わりだ」

 

カアラが斬り裂いた偽剣魔が最後に見た物は、自分の足下に張った()だった。

 

『終わったか・・・・』

 

「あぁ・・・・ユーリ」

 

『ん?』

 

「助かったが、礼は言わない」

 

カアラは剣の血を拭い、仕舞う。

 

『さて、何のことだ?

 俺は何もしていないぞ?』

 

 

ユーリは抜いていた剣を仕舞う。

それと同時に、また剣がロックされた気がした。

 

「まぁ、良い戻ろう」

 

『あぁ、彼女が心配だ』

 

ユーリ達が来た道を戻るとき、偽剣魔の足下に張っていた氷は綺麗に無くなっていた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ユーリ達が森の中を戻る途中、ファリナのペガサスが待っていた。

 

背中にはファリナが安らかな寝息を立てていた。

 

『見た感じ命に関わるほどの傷は無さそうだが・・・』

 

「血を流しすぎたのだろう・・・安心したか?」

 

『致命傷では無いとは言え・・・重傷には変わりない』

 

ユーリはファリナが・・妹のこんな傷だらけの姿に自分の不甲斐なさを感じた。

勿論ユーリが悪いわけではない。

 

ファリナも、妹のフロリーナも自分で天馬騎士になることを選んだ。

なら、こうなる可能性も十分あり得る話しだ。

 

それでも、自分を責めずにはいられない。

 

「なら、早く連れて帰って治療してやろう」

 

『あぁ・・・・・お前は大丈夫か?』

 

ユーリはファリナを乗せるペガサスに問いかける。

 

ペガサスは何の問題も無いとばかりに啼くとまた歩き始めた。

 

『大丈夫みたいだな』

 

「私の剣は大丈夫そうにないな・・・」

 

ユーリがペガサスの状態を見ている時、カアラは自分の剣の状態を確認していた。

カアラの剣は刃こぼれが酷く、とても誰かを斬れる状態ではなかった。

 

「何かあったら、ユーリを頼ることになるな」

 

『ここに巣くうのはあいつらで全部だと思うからもういないとは思うが・・・・』

 

それでも気は抜けないのは確かだ。

こんな状況で襲われたら、どうやっても逃げるしかない。

 

数人くらいなら、倒せるが、人数が多くなればとてもじゃないが

守りきれる気はしない。

 

『なるべく、急いで戻った方が良さそうだな』

 

「あぁ・・・」

 

ユーリとカアラはファリナを乗せるペガサスの後ろを着いて村に戻っていった。

 

 

 




少々、ほかのことに時間をとられすぎておりますwhiterainです。

時間はかかっても完結させますので末永く、全くこいつは書かないな!
まぁ長い目で見てやるかみたいな感じでお願いします。

なるべく早く書く努力はします。



FGO ジャンヌ・オルタ欲しかった・・・・

ジャンヌ・剣式と並べて、声被り軍団が・・・作りたかった

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。