ファイアーエムブレム~凍土の剣~   作:whiterain

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前回から間飽きすぎましたね・・・

申し訳ないです・・・


17章 それぞれの現状

ずっと探してきた相手の手がかりを掴んだユーリ。

 

魔の島を目指すべく一度リキアに戻ることになった。

 

『港に向かうなら、通りがかりにキアランによっても良いか?』

 

「ここまで来たら私はユーリに着いていくだけだ」

 

ここまでしてくれるカアラにありがたいようなそうでないような微妙な感情が湧く。

自分に着いてきた理由は兄の手がかりを求めてのだったず。

 

今の自分に着いてきたところで兄に会える確率は低いと思うのだが。

 

カアラが良いと言っても、自分の事情にがっつり巻き込むのは危険だ。

だが、自分1人で目的を達成できるかと言われれば、厳しいと言わざる追えない。

 

気持ちは揺れ動き、曖昧なまま進んでも良いものか悩む。

 

『もう一度聞くけどさ・・・本当に着いてくるのか?

 目的地は誰も帰ってこないって噂の魔の島だぞ?』

 

「あぁ、行けるなら帰ってこれる」

 

『多分、そういう帰ってこれないじゃないと思うんだがな・・・』

 

 

「だが、そんな場所だろうと行くのだろう?」

 

カアラの言うとおり、例えどんな危険が潜んでいてもそこに行かないという選択肢は無い。

 

『まぁ・・・カアラが兄を追うのを諦めないようにね・・・』

 

「私は家族だからな・・・・そういえばユーリは家族は良いのか?」

 

『それを言われると・・・な』

 

家族を大切にするカアラと、家族を蔑ろにしてでも目的のためなら仕方ないと自分に言い聞かせ続けてるユーリ。

 

『家族には申し訳ないことをしていると思ってはいる

 特に・・・・いや、みんなにか』

 

フロリーナには嫌と言うほど罪悪感を感じている。

だが、他2人が今の自分のことをどう思っているのか・・・

 

心配してくれているのか?

それとも、こんな自分を怒っているのか?

 

何も思ってくれてない方が悲しくも気楽なのかなとも思う

 

『カアラと違って俺は家族のことを考えずに自分の事だけを考えてるんだよ・・・・』

 

どんなに取り繕うともそれは変わらない。

何を言っても自分を誤魔化す言い訳に聞こえてしまうのは、

やはり自分を偽っているからなのだろうか?

 

「そんなに自分を卑下にするな、ユーリの目的はくだらないことなのか?

 どうでも良いと割り切れることなのか?」

 

『そんな訳が!!』

 

カアラはそのユーリの反応を見て微笑む。

 

「なら、自分のことで良いでは無いか?

 私だって兄を捜して欲しいと言われた訳でもないし、自分が兄に会いたいから探して居るんだ。

 自分の為に探す・・・これも自分のことだけを考えてだぞ?

 兄が私に会いたい保証も無いのだから」

 

『・・・・・・』

 

「だから、それでも良いのだと私は思うぞ」

 

ユーリが完全に気持ちを振り切れる訳では無い。

それでも、心を少しでも軽く出来れば・・・

カアラはそう思った。

 

『ふふ・・・そこまで思い悩んで無いって

 もう割り切ってるんだから』

 

本当は割り切っていない。

ただ、自分にそう言い聞かせているだけ

それで、自分を保っていく。

 

でも、

 

『ありがとう』

 

「ふふ・・・何のことだか」

 

それからの2人は黙ったまま、歩みを進めていった。

 

 

 

 

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ある時のキアラン城

 

マークからの手紙でフロリーナの兄エリンシアの生存を確実になった。

だが、唯一の手がかりはエリと言う呼ばれ方だけ・・・

 

見た目も名前も変わってしまっているのでは見つけようが無い。

 

だが、それでも諦められないのが人間の心理なのだろう。

 

「やっぱり、そのまんま使っているわけないわよね・・・」

 

「うん・・・」

 

「やっぱり、マークを探して問い詰めるしかないのかしら」

 

この情報を持ち込んだマークを吐かせることが一番簡単な方法であることは間違いない。

 

だが、手紙を見るに彼にも事情がある。

それでも、家族を心配させてまでというエリンシアの行方を隠すマークも、

エリンシア本人が家族に心配を掛けているにもかかわらず、何の連絡もしないエリンシアに憤りを覚える。

 

「エリンシアさんの手がかりが他にあれば良いんだけど・・・」

 

「私も日常の事以外は・・・・仕事とかのことはフィオーラお姉ちゃんに聞いたことしか知らないから・・・」

 

「どんな人だったの?」

 

フロリーナは姉から聞いたことを思い出すように話し出す。

 

イリアは一年中雪に閉ざされた土地であり、そのため生産性の乏しい地域だ。

そのため暮らしにおいて、交易に頼った生活となっている。

 

そのお金を稼ぐのがイリアの騎士団である。

そのため、多くの人は傭兵として他国に派遣されている。

 

イリアと言えば主力は天馬騎士だ。

これは女性しかペガサスに乗れないことからだが、そのため女性の騎士の方が多い。

 

しかし、だからといってイリアに天馬騎士団しかないわけではない。

 

エリンシアも例には漏れず、ペガサスに乗ることは出来なかった。

それでも、エリンシアの居た持ち前の武技の技量の高さで傭兵としてはトップクラスに近い部隊だった。

 

また、部隊の仲も良く、エリンシアは最年少だったことから、弟または息子のように扱われ、まるで家族のような関係だったらしい。

 

「私も覚えてるのは、大切そうに1本の剣を手入れしていたことかな・・・

 どんな剣だったかと言われると思い出せないんだけど・・」

 

その剣こそが、今ユーリが背中に背負っている剣に当たるのだが、ユーリの予想正しく、

またフロリーナには残念ながらその記憶を忘れてしまっていた。

 

「特徴ある剣なら手がかりになるのかもしれないわね」

 

リンは自分の所持するマーニ・カティを思い浮かべた。

逆に、それが銀の剣やアーマーキラー等々の珍しくはあっても数が無いわけでも無い剣は手掛かりとしては薄い。

 

「ごめんなさい・・・私が覚えていれば良かったのに」

 

そこで、リンは自分の失言に気づいた。

リンの言い方ではフロリーナが覚えていれば手掛かりあったのにと攻めているようにも聞こえた。

 

「あっ、別にフロリーナを攻めているわけじゃないのよ!

 ただ、そういう大事にしてた物とかなら今も持ってる可能性が高いなと思っただけで」

 

 

考えても、考えても手掛かりは見つからず、時間が過ぎていく。

 

そのとき、リンはふと思い出した。

 

「(そう言えば、ユーリも珍しい剣だったわね・・・ユーリ・・いや、まさかね)」

 

今までずっと一緒にいた相手がそんなわけがない。

リンは、そう考えて、候補から除外してしまった。

2人がエリンシアに巡り会うのは、ユーリの招待に気づけるのはまだ先の事になりそうだった。

 

そして、そのことを忘れさせるほどの事件がキアラン城を襲うのをリンたちはまだ予想していなかった。

 

 

 

 

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ユーリたちが、リキアに戻るべく歩みを進めている頃

 

マークは、1人という身軽さを使用した驚くべきフットワークの軽さでもう既にリキア入りした。

 

お金が余りないため、無駄な行動をせずに、どんどん進んでいった結果だろう。

現在はリキアとベルンの国境を越え、フェレ領にいた。

 

そしてそんな彼は今・・・・

 

「ふっ・・・・僕に勝てない・・・ものはない

 全て・・計算された結果に狂いは無いはず・・」

 

力強さを感じる瞳。

 

圧力を感じる声音。

 

普段より、覇気を放っていた。

 

気弱ではなく、強さを感じさせるマークは格好良く思えた。

 

 

 

 

地面に伏していなければだが・・・・

 

 

 

 

「まさか・・・・また・・・力尽きるとは」

 

身体に力が入らず、力強さを感じさせる瞳も既に焦点が合わなくなっていた。

思い出すのはリンと出会ったとき行き倒れたこと。

 

あの時は行き倒れたことで、新たな出会いを多くした。

 

あの時の事が走馬燈のように流れていた。

 

「これは・・・限界かな」

 

次は生きていられるだろうか・・・

生きていたとしたらまた、新たな出会いがあるのだろうか

 

マークは未来を託して、最後の力で保っていた意識を手放した。

 

次に目を醒ました時、彼は緑の髪の少女に出会う。

 

そして、その少女の住む村にお世話になっている時、運命の再会を果たすが、

それはまたもう少し先の話になる。

 




マークが目覚めたとき、原作のエリウッドと出会い
原作が始まりますね

ユーリはいつ合流するのでしょうか?

勘のいい人なら予測つきそうですね(^_^;)

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