ファイアーエムブレム~凍土の剣~   作:whiterain

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消去前分けたのをまとめました


1章 動き出す未来

2人の剣士と見習い軍師の旅は始まった。

旅をするに当たって準備は大切なことだ。

ユーリのように行き当たりばったりで空腹に耐えきれず倒れることないように

ユーリの場合は準備してもトラブルに巻き込まれて、意味を無くすこともあったのだが。

 

 

 

サカ東部の街

交易都市ブルガル

 

 

この街は小さな村や、ゲルに暮らすリンや遊牧民の多いサカでは一番大きな街である。

交易都市というだけあり、ここはサカと隣国ベルンの物品が集積されており、行商人も多く立ち寄る場所であるため、

旅の道具をそろえるには最適な場所である。

 

しかし、この街に来ているのは行商人だけでは無かったようだ・・・。

 

この街で聞こえてきた足音がリンの、いや3人の運命を変える。

 

 

「2人とも! こっちよ。 ここが、サカで1番大きな街。旅に必要な物をそろえましょ」

 

『リン! ちょっと待てって、行くの速いって』

 

 

人混みをくぐり抜け、どんどん進んでいくリン。

その足取りは慣れた物だった。

深緑の髪はどんどん離れていく。

 

 

「ユーリ、先行くよ!」

 

 

その後ろをついて行くマーク。

軍師なのに足取りは軽い。

これが旅人の必須技能なのだろうか・・・。

行き当たりばったりで旅を続けて、まともな準備をせずに旅を続けていたユーリはそう考えていた。

 

 

 

 

 

『あぁ・・・・・死ぬかと思った』

 

 

なぜ今日に限ってなのかはわからないが人がこんなに多いのか・・・

始めて来たユーリにはこの街がいつもこんなに賑わっているのかわからなかった。

でもユーリの悪運はかなり働いているのだろう。

 

通り抜けるのに出会ったスリの人数5人。

短い道で良くこんなにいたものだ。

 

みんな仲良く路地裏の粗大ゴミとなってしまったが。

 

 

抜けた先ではリンと、1人の騎士が向かい合っていた。

マークは面倒そうにリンの後ろに立っていた、

向かい合った2人は一方は明るげに、一方はうんざりとした顔であったが。

 

 

 

 

 

リンSide

 

 

「マーク、ユーリは?」

 

 

気がついたらユーリは傍には居なかった。

ちょっと浮かれていたのかもしれない。

 

 

「ユーリは・・・抜けれなかったんだよ」

 

 

マークはやれやれといった感じだった。

 

「ユーリを待つしかないかしら?」

 

 

そう思い立った時だった。

 

 

「おぉ! これは、なんて美しい女性なんだ!! 草原に咲く可憐な一輪の花とはこのことでしょう!

 そちらの美しい方!良ければお名前を!そしてお茶など一緒にいかがでしょう?」

 

 

どこからか現れたのは緑を主とした鎧を着た馬に跨がる茶髪の騎士だった。

私はあまりこういった軽薄な人は好きにはなれない。

しかし、こんな人でもどこかに仕えている騎士なのだ

 

「・・・あなた何処の騎士?」

 

 

すると、茶髪の騎士はよくぞ聞いてくれましたと言いたげな顔で言った。

 

 

「俺はリキアの者。最も情熱的な男が住むといわれているキアラン地方の者です」

 

「いつからキアランは最も情熱的な男が住むとか言われ出したんだろう・・・」

 

 

マークが私の後ろで小さくつぶやいた。

しかし私の心は目の前の自称情熱的な男とは正反対に冷めていた。

 

 

『最もチャラい男とかの間違いじゃないか?』

 

 

先ほど通ってきた道の方からもう、うんざりと言いたげな顔をしたユーリがやってきた。

 

 

 

 

ユーリSide

 

 

リン達の傍まで行くと聞こえたのは、キアランが最も情熱的な男が住むと言われているとか言われていないとか言う話。

正直、すごいどうでもいい話なのだが、現在キアランからはあまり良い噂は聞こえてこないがそんな中キアランの騎士が何故わざわざ

サカまで来たのか・・・。

しかし早めに止めた方が良いのかもしれない

 

 

いまも目の前でうちのお姫様がどんどん不機嫌になってきているから

 

 

『最もチャラい男とかの間違いじゃないか?』

 

「なんだとぉ!?」

 

「行きましょ、相手してらんないわ」

 

 

そう言って、リンが立ち去ろうとすると

 

「セイン!! いい加減にしないか!!」

 

 

怒鳴り声と共にセインと呼ばれた茶髪の騎士の後ろからやってきた赤を主とした鎧に赤い髪の騎士がいた。

 

「おぉ、我が相棒よ! そんなに恐い顔でどうした?」

 

 

彼はなかなか肝が据わっているのかもしれない。

そうでなければ、ただのバカと言うことだが。

 

 

「貴様が真面目にしていれば普通の顔をしている!!

 我々の任務はまだ終わっていないのだぞ!!」

 

 

目の前で口論する2人。

正直うるさいとも思う。

 

『なぁ、マーク騎士ってこんなのが普通なのかな』

 

「きっと子供が見たら幻滅するだろうね」

 

「わかっているさ! しかし美しい女性を見かけて声をかけないのは礼儀に反するだろう?」

 

『「「何の礼儀だ!!」」』

 

 

ユーリ、マーク、赤い騎士がかぶった。

 

 

確かにリンは美人だと思うが・・

それが礼儀だったら男性は外に出るのも大変だろう。

美人を見かける度に声を掛けなければならないのだから。

 

「あのっ! どうでも良いけど、道をあけて。

 馬が邪魔で通れないわ」

 

「すまない、すぐに避ける」

 

 

赤い騎士が手綱を操り馬を避けようとした。

 

 

「ありがとう、あなたはまともな人みたいね」

 

 

これでようやく買い物が出来るそう思ったのも束の間、

 

 

「!!・・・失礼だが、貴女とは、どこかで会った気が・・・」

 

 

リンの顔を見た瞬間に態度が急変した。

 

 

「え?」

 

「ずるいぞケント! 先に俺が声を掛けたのに!!」

 

 

緑の騎士が余計なことを言ったようにも感じられた。

彼からはそんな邪な感情は見れなかった。

 

そして、リンの限界が来たようだ。

 

 

「リキアの騎士には碌なのがいないのね!2人とも行きましょ!!気分が悪いわ!!」

 

 

リンに右の服を掴まれて引っ張られる。

マークは先手を打って自分から歩き出しており掴まれていない。

 

 

「違うんだ!待ってくれ」

 

 

後ろの赤い騎士には悪いことをしたかもしれない。

それでも、俺はリンに引っ張られている服が伸びないかが心配で仕方なかった。

 

 

 

 

 

 

赤い騎士Side

 

3人が去った後、ケントは再び鬼の形相でセインを見ていた。

 

 

「セイン・・・貴様余計なことを」

 

「え?違うのか?お前もてっきりあの方に惹かれたのかと思って・・」

 

「貴様と一緒にするな! 彼女には連れがいただろうが!」

 

「三角関係だったのか!」

 

「そういうことを言ってるんじゃない!!」

 

 

ケントとセインの掛け合いは周りの注目を集めていたが、2人には

そんなことを気にしている余裕はなかった、

 

 

「それよりも、彼女を追うぞ!彼女は恐らくだが・・」

 

「嘘だろ!・・・ 俺たちの'任務'のか!?」

 

 

セインもことの重大さをようやく理解したようだった。

 

 

「相棒!急ぐぞ」

 

2人は馬を、3人を追いかけていった。

 

 

ユーリ・リン・マーク----

 

 

『あの・・・な、リン、そんなにピリピリするなよ』

 

掴まれていた服を話してもらい、買い物を済ませていた。

未だにリンからはピリピリした雰囲気を身に纏っている。

こういうときこそ、軍師たるマークの出番ではないか?と視線を向けても、

こちらに合わせようとしてくれない。

そのためユーリが勇気を出して、なだめに入ったわけだ。

 

「・・・・・・」

 

『別に、ナンパくらい良く見かける光景だろ?受け流「何ですって!?」・・・すいません、何でも無いです』

 

 

必要な物を買い、店を出る。

お店の方まで怖がって、言葉使いが変になっていた。

連れがすいませんと罪悪感もあったが、どうしようもならなかった。

そのままブルガルを出た。

 

『・・・・・・・・』

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

ユーリは早くも説得を諦めていた。

マークも冷や汗を流しながら、あたかも私は気にしてませんよといった風に振る舞っている。

 

こんな空気がしばらく続くのか?と思われたとき

 

 

『誰だ・・・・迫ってくる奴が居るな』

 

イヤな予感を感じ取り、後ろを振り向くとこちらに走ってくる人影がある。

 

「さっきの騎士達じゃないの? あの緑のとか」

 

「違うわ!殺気がすごいもの!!」

 

『わざわざご苦労様なことだよ』

 

そうこうしているうちに敵に囲まれてしまった。

明らかに真っ当な人では無いだろうとわかる風貌の輩達だ。

 

「ぐへへへ、カワイイ嬢ちゃん!あんた、リンディスってんだろう」

 

「!!! 何者!?」

リンディス?

リンが何か焦っているのは間違いない。

となると、このリンディスというのは、リンに何か深く関わってくる物だが

 

「もったいねーな、けど金のためだ。消えてもらうぜっ!!

 やろうども、出番だ!!」

 

どこに隠れていたんだか・・・囲まれていた人数も合わせると10人くらいだ。

 

『ちょっと、骨が折れそうだな』

 

「泣き言言っても始まらないわ・・・やるしかない」

 

リンと覚悟を決めて戦いに望もうとする。

 

「見つけた----!!!!」

 

「っ!!」

 

『・・・・・・』

 

「・・・・・・」

 

迫ってきた声の持ち主は、先ほどリンを怒らせた緑の人物とそれをしかっていた赤い人物だった。

こいつのせいで、俺たちはと先に仕留めてやろうかと物騒なことを考えているのはユーリ

そいて、同じようなことをマークも思っていた。

 

「はぁはぁっ! やっと追いつけた・・・おい、そこの奴ら!! 何のようだ! 女性相手に卑怯だぞ」

 

『俺はいないもの扱い・・・・?』

 

「あなたたちは、さっきの!」

 

「お話は後にしましょう。まずは、この者達を片づけなければ」

 

「あ、下がっててください! すぐに終わらせますから」

 

楽を出来るなら、任せたい。

それが通常の人間の思うことのなのかもしれない。

しかし、リンのような人間がそうするだろうか?

相手はリンの憎む山賊団では無いが、同じ山賊だ。

さらに相手はリンに関係する何かを知っている。

そうなれば、答えは否だ。

 

「イヤよ! これは私たちの戦い! 勝手なことはしないで!」

 

『リン、手を借りよう。俺等だけじゃ、さすがに厳しいだろう。どう思う軍師殿』

 

「ユーリの意見に賛成だ。ここでリスクを負う必要も無いし、協力してくれるなら受けるべきだ」

 

「わかったわ・・・その代わり、指揮は私たちがとる。構わないわね?」

 

「かしこまりました。指示に従いましょう。私はリキアの騎士でケント。連れの男は、セインと言います」

 

『したら・・・開戦だ!!』

 

そう言って、各々の武器を手に持ち、駆けていった。

 

 

 

「森を利用して、敵の死角を突いて!!」

 

マークの声が響く。

普段は大きな声を出さないマークでも、本職となれば別になる。

 

『そら!』

 

「がぁ!・・・・」

 

的確に急所を狙って、屠っていくユーリ。

ユーリは汗を拭いつつ、辺りを見渡す。

 

「あれ、避けられた!!」

 

「何をしているんだセイン!」

 

槍を山賊に振るうが避けられるセイン。

 

『ホントに、騎士なのか?』

 

逆に山賊から一撃をもらったセイン。

 

 

 

3すくみ

 

剣は、斧に強く 槍に弱い

槍は、剣に強く、斧に弱い

斧は、槍に強く、剣に弱い

 

というのがある。

 

山賊が斧であるため、そういう意味では相性の悪い相手だ。

しかし、これも圧倒的な実力差があれば関係ないのだが・・・

 

『山賊と同程度の腕前ってことか?』

 

そこまでは弱くないかと考えを打ち消す。

 

そして、改めてリンの方を見ると

 

「はぁ!!」

 

「ぐふ!!」

 

先ほどのユーリのように匠に死角を取り、倒していた。

 

『リンは大丈夫だな』

 

その敵を倒したリンは、セインに傷薬を渡していた。

なんだかんだとさっきまで、すごい嫌っていた相手でも少しは心を許したようだ。

セインはそれを、気持ち悪いくらいに喜んでいた。

 

「ユーリ」

 

『ん?』

 

呼ばれた方を向くと、マークが立っていた。

 

『おぉ、軍師様じゃん。何かあったか?』

 

「からかわないでくれよ。残りはさっきの親玉だけみたいだ。さっさと終わらせよう」

 

もう一度辺りを見渡すと、確かに敵の気配は感じられなかった。

 

『したら、この戦いに終止符を打ちにいきましょうかね』

 

ユーリは倭刀を、担ぎ上げると、親玉の方へ駆けて行った。

 

 

 

 

『残りはお前だけだぜ』

 

ユーリは動揺を隠しきれない山賊の親玉に言う。

 

「く、くそ・・・騎士共め余計な真似をしやがって」

 

『したら、さよならだ』

 

「ふざけるなよ!!!」

 

激情して相手は斧を振り下ろす。

 

『そんなんじゃ、当たらんよ』

 

冷静さを失った者の攻撃など、読むのは簡単なことだ。

受けずに避けるのは勿論、倭刀で斧なんて受け止めたら、

一発で使い物にならなくなるからだ。

受け流せば、折れたりすることはないが、それでも刀身がゆがむ可能性はある。

 

『前にばっかり、集中してるとさ・・』

 

「やぁ!!」

 

「がは!・・・小娘1人って話じゃなかったのかよ・・・。」

 

『こうなるってな・・』

 

前回の逆だ。

前はリンのピンチをユーリが後ろから相手を突き刺した。

今回はリンが、ユーリに集中する敵を後ろから切り倒した。

 

「これで、全員倒したはず。やったわね、ユーリ」

 

『おう!』

 

2人はハイタッチをして、お互いの無事を喜んだ。

 

 

ユーリ、リン、マーク、セイン、ケントがそろったことで話が始められる。

 

「それで、お話を聞かせてもらえるんだったわね」

 

「はい。我らはリキアのキアラン領より、人を訪ねてやってきました。16年前に遊牧民の青年と駆け落ちしたマデリン様への使者として」

 

「マデリン・・・・」

 

リンの瞳が苦痛にゆがむ。

 

「我らが主、キアラン侯爵ののたった1人のご令嬢です。ずっと消息が掴めずにいて、もう娘はこの世界にいないと諦めていました」

 

そこにセインが言葉を繋げる。

 

「しかし、今年になり、初めてマデリン様から便りが届きました。サカで、親子3人で暮らしていると。そのことに侯爵様はとても喜ばれ、

自分には15になる孫娘がいる知らぬ間におじいちゃんになっていたようだと幸せそうに発表なさいました。娘に付けられた名前は’リンディス’

侯爵様が早くに亡くされた奥方様の名前です」

 

だいぶ、話は読めてきた。

リンディスはリンの本当の名前。

そして、リンはキアラン侯爵の孫娘だ。

 

『本来なら貴族様ってわけね・・・』

 

ユーリはおもしろく無さそうに小さく呟いた。

 

「リンディス・・・」

 

その呟きを拾うことなく、セインは話を続ける。

 

「娘夫婦の思いやりに、決心したのでしょう。なんとか一目、娘達に会いたいと願われ我らがここに来たのです。しかしマデリン様は

便りを出した直後に亡くなっており、我らは数日目にブルガルでそれを聞きました。

しかし、希望は残されていました。娘は1人生き残り、草原に暮らしていると」

 

そこで再びケントが口を開く。

 

「わたしはすぐにわかりました。あなたこそが、リンディス様であると」

 

「どうしてそう思うの?」

 

「・・・あなたは亡きマデリン様に良く似ておいでだ」

 

「! 母さんを知ってたの?」

 

リンの瞳に驚きの色が映る。

 

家族か・・・

元気にしてるのだろうか・・・

 

そんなことを、ふと考えてしまった。

 

「直接の面識はございませんが、キアラン城で何度も絵姿を拝見しました」

 

「部族での私の呼び名は'リン'・・・でも家族3人の時は、私を'リンディス’って呼んでたわ」

 

リンの過去。

楽しかった頃の思い出。

 

大丈夫よ、----

兄貴、また怪我したの?

お兄ちゃんなんか大嫌い・・・

 

我ながら女々しいのかな。

人の家族の話を聞いて、自分の家族を思い出すなんて

 

「なんだか、変な感じ。もう1人だと思ってたのに、おじいちゃんがいるんだ。・・・リンディスって呼ばれること、 

 もう無いと思ってた・・・・」

 

「リン、さっきの奴もリンディスって」

 

マークが思い出したと言わんばかりに言う。

 

「ラングレン殿の手の者か・・・・」

 

「ラングレン?誰?」

 

「キアラン侯爵の弟だよ。リンの母さんが戻らなければ、次に爵位が引き継がれるのはラングレンなんだ」

 

それがなんなのと言わんばかりの表情をマークに向ける。

 

『つまりな、ラングレンにとってリンは生きていては邪魔ってコトだ。キアランの爵位継承権1位はマデラン様の娘であるお前だからな』

 

「私は爵位なんかに興味は無いわ!!」

 

『俺たちにそれを言われてもどうしようもないのだが?』

 

「話が通じる相手でも無さそうだから、これからも執拗に狙ってくるだろうね」

 

どうやら面倒なことに巻き込まれたようだ。

だからといって、ここで逃げるような真似をするつもりは無いが。

 

「キアランに行く、それしか無さそうね・・・」

 

たった1人の家族、会いに行くのに理由なんて必要は無い。

 

「我々がお守りいたします」

 

「大船に乗ったつもりでいてくださいよ」

 

リンは騎士の方へ近づく。

 

しかし、マークとユーリは動く気配がなかった。

 

「ゴメンね、おかしなことになっちゃって」

 

「別に、構わないよ。修行の旅だからね。旅の軍師は着いていくさ」

 

『・・・もちろんお供させ居ていただきますよリンディス様』

 

「冗談はやめてよ・・・ユーリ」

 

悲しそうな表情を浮かべるリンと、笑うユーリ。

 

『了解』

 

そうして、仲間は5人になり、旅の目的も変わってしまった。

 

歩き出した時にユーリはリンに声をかける。

 

『リン、たとえ、お前が継承権を持つ貴族だろうと・・・俺が出会ったのは草原で暮らすロルカ族のリンだ。

 どんな状況になろうともそれは変わらない』

 

「ユーリ・・・」

 

『だから、そんなに気負うなよ。俺たちが付いてるんだからな』

 

先ほどのようなからかう笑みとは違う、優しい微笑みだった

 

「ありがとう・・・ユーリ・・これからもよろしくね」

 

『あぁ!』

 

旅の仲間は3人から5人になり、旅の目的も変わってしまった。

物語は・・・時代は動き始めたのだった。

 

 

 

 

 


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