ファイアーエムブレム~凍土の剣~   作:whiterain

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そろそろエリウッド達を出したいなぁ・・・


16章 進展

夜が更け、ユーリは1人宿から出て、酒場に顔を出していた。

1人、グラスを傾けていると、ユーリのテーブルに2人の男がやってきた。

 

「よぅ、久しぶりだな」

 

『本当だな・・・・俺がこんなになる前だからな』

 

やってきたのはロイドとライナス。

2人はユーリのいるテーブルの席に腰を下ろす。

 

「なんでそんなになっちまったんだシア」

 

『今はユーリって呼んでくれ・・・エリンシアという名前はもう使ってないんだ』

 

エリンシア

 

ユーリが今のユーリになる前に名乗っていた名前。

そしてフロリーナの兄の名前。

 

「何かあったのか?」

 

『それについてはあまり語りたくは無い・・・・

 俺が1人で旅をしているということで何となく察して欲しい・・・かな』

 

「全員やられたのか?」

 

ロイドが確信を突くように、ユーリに問いかける。

ユーリもそれに対して、小さく頷いた。

 

「なるほどな・・・・」

 

「全滅か・・・・・」

 

空気が暗く沈んだところで、その沈んだ空気を戻すべく、ユーリは2人に問いかける。

 

『そういえば、あのニノって娘は?

 2人に妹なんていなかったよな?』

 

「あぁ、ニノはあいつの娘だからな」

 

『あいつ?』

 

ライナスの憎むような表情。

ロイドもライナスほど表には出していないが同じような表情をしている。

 

「親父がソーニャという女を妻に取った・・・ニノはその女の子供だ

 血が繋がってるとは思えないくらい良い娘だがな・・・」

 

『・・・・・・・・』

 

「あの女が来てから親父は変わっちまった・・・

 黒い牙もな・・・」

 

ライナスは自分はどうするべきなのだろうと悩んでいた。

 

『黒い牙が変わったっていう噂は本当だったのか・・・

 そのソーニャっていう女何者なんだ?』

 

「わからん・・・だが、あいつが来ると同時にいろいろな奴が黒い牙に入った・・・

 古参メンバーよりも数が多いかもしれん」

 

「詳しくは掴めなかったが、裏にネルガルという奴がいるのは掴んだ」

 

『ネ・・・ルガ・・・ル』

 

ユーリは絞り出すようにその名前を声に出した。

ユーリは自分の直感を信じてベルンに来て正解だと喜んでいた。

 

まさかこんなところで、貴重な手がかりが見つかるとは・・・

 

『・・・・・そのネルガルがどこにいるのかわからないのか?』

 

「わからない・・・だが、部下を紛れ込ました話では竜の門というところで

 何かを企んでいると聞く」

 

「それがわかってても任務に阻害され、行くに行けない・・・」

 

『竜の門ってどこにあるんだ?』

 

ユーリはそんな名前の場所は聞き覚えが無い。

次の目的地がユーリの中で決まった以上、場所は知っておきたい。

 

「それも調べた、魔の島と呼ばれる場所だ」

 

『魔の島・・・・か』

 

魔の島

正式な名前は別にあるらしいが、その名前よりこの名前で知られる島。

踏み入れた者は帰ってこない。

そのため、地元の者なら近づこうともしないらしい。

 

行くにも手段を見つけることから始まり、島の内部が何もかも不明なため無事に出られる保証もない。

 

それでも、行かないわけには行かなかった。

 

『2人が行けなくても俺が行こう

 ちょっと、ネルガルには縁があるんでな』

 

「お前・・・・どんな奴かもわかってないんだぞ?」

 

『奴のことは知ってる・・・あぁ・・・忘れられないくらいにね』

 

「なるほど・・・お互いに奴には思うことがあるみたいだな

 なら、今はシア・・・じゃなくてユーリか、ユーリに任せよう」

 

『あぁ、任せてくれ・・・情報感謝する』

 

「気を付けろよ」

 

その後、ネルガルの情報についてはこれくらいしか話せることが無かったため、ユーリたちの話は他の話題に移っていった。

 

『そこまで、変わっちまったのか・・・』

 

「あぁ、今じゃ親父の命令と言うよりあの女の命令を聞いてる気分だ」

 

酒が進み、ライナスの愚痴も進んできた。

最近じゃ、次のターゲットの情報もソーニャから発されていることが多いらしい。

 

ターゲットの中には本当に悪人かと分からなくなるのも居るという。

 

『昔のライナスなら斬りかかってそうだがな?』

 

ユーリも少し、昔を思いだしながら冗談を交えた。

 

「したくても出来ねぇんだよ・・・」

 

「やめろ、こいつは本当にやろうと考えたんだ」

 

ロイドはため息を吐きながら、弟の方を見た。

昔と変わらないライナスにユーリも驚きの目で見ていた。

 

『まぁ、昔と変わって無くて嬉しいような・・・残念なような

 それで、出来ないって言うのは?』

 

「奴自身が魔導の使い手として手練れだっていうのもある・・・

 後は近づく機会が他のメンバーが居るときくらいしか無いというのもある」

 

「他にライナスがニノの悲しむ顔を見たくないっていうのがあるな」

 

『妹の悲しむ顔は見たくないってことか

 良いお兄ちゃんしてるじゃないか』

 

「うるせぇ!お前だってシスコンだったじゃねぇか」

 

『昔の話だ! 今は違う』

 

名前を偽り、会いに行こうともしない。

挙げ句の果てには探していることを知っても名乗り出ようともしない。

こんな自分がシスコンな訳がない。

 

話は他にもいろいろな話題に変わり、一同は朝を迎えることとなる。

 

『また、こうして生きて会えると良いな』

 

「俺と兄貴が殺られるわけないだろ」

 

「生死の心配がいる時点で嫌な生き方だと思うがな」

 

ユーリは2人とこう言葉を交わして別れた。

 

次に出会うときに、今日と変わらぬ事を信じて

 

 

 

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ユーリが宿に戻ったとき、マークが待っていた。

 

「あの2人と知り合いだったのかな?」

 

『まぁな、昔知り合った仲間だ

 お前の目当てのニノって娘とは知り合いじゃないから残念だったな』

 

「だから、僕は別に何とも思ってない!」

 

良い感じにマークを弄られるネタをユーリは手に入れた気がした。

 

『・・・俺はすぐにこの街を旅立つと思うけど、お前はどうするんだ?』

 

「僕もまた旅立つよ」

 

『そうか・・・また、会える機会があると良いな』

 

「縁があれば会えると思うよ」

 

『そうだな・・・』

 

そう言ってユーリは中に、マークはそのまま立ち去って行った。

 

「帰ってきたのかユーリ」

 

『あぁ、カアラに話があるんだけど・・・』

 

ユーリは今まで自分が隠してきていた目的を大まかに話すことにした。

 

『まぁ、今更な話にもなるし、何となくしていると思うが・・・

 俺も、目的があって旅してる・・・

 ここに、来たのは、まぁ勘からだったけど・・・』

 

「あの2人は知り合いだったのだろう?

 何かあったのか?」

 

『・・・・・・俺も、カアラと同様に人を探して旅してるんだよ

 カアラとは違う感情で会いたいからな』

 

最後の一言はカアラに聞こえないように言った

 

『それで、その探し人が魔の島と呼ばれるところにいるらしい

 だから、俺は明日にでもそこへ向かおうと思う』

 

魔の島は人の寄りつかぬ場所。

そんなところにカアラの兄が居るとも思えない。

なら、カアラはカアラで自分の旅を続けるべきでは無いか?

 

ユーリはカアラにそう提案した。

 

「ふむ・・・・・確かにユーリの言うことはわかる」

 

『なら、ここ「だが」』

 

ユーリはここで、お別れだと言葉を続けようとしてカアラに止められる。

 

「だが、それでも私はユーリと一緒に行こうと思う」

 

カアラの選んだ選択はユーリと一緒に行く道だった。

 

「結局、私の兄の手がかりがあるわけでもない

 それに、ユーリと一緒に旅をするの嫌いじゃないからな」

 

『そんなことで・・・・』

 

「1人より、2人の方が安全だとは思うが?」

 

自分のワガママに巻き込むのも悪い気はする。

だが、自分1人ではネルガルの元にたどり着けるかも怪しいの確か。

 

『これからもよろしくな』

 

「あぁ」

 

ユーリとカアラは目的地を新たに再び旅に戻る。

そのため、2人はまたリキアへと戻ることになる。

 

そこで、2人はある事件に巻き込まれることになる

 

 


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