ファイアーエムブレム~凍土の剣~   作:whiterain

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いったい何を書いているのだろうか・・・・・(錯乱中)

今回は絶賛カアラがヒロイン化してます
カアラファンは流していただけると嬉しいm(_ _)m




間章7 道中

ベルンに向かうユーリとカアラ。

ユーリがベルンを目指したのは勘から始まったものだったが、今では目指す理由が出来た。

その理由をカアラに告げることはせず、前の理由のままにしている。

それに付け加えて、リキアではカアラの兄カレルの話は聞かなかったため、ベルンに向かったのでは

ないかと言っておいた。

別にこれも嘘を言っているつもりは無い。

 

ユーリ自身もリキアより、ベルンの方があり得ると思っている。

だが、ユーリが新しく出来たベルンに進む理由は気になる噂を耳にしたからだ。

 

『あの、おっさんに何があったのか・・・・』

 

「ユーリ何か言ったか?」

 

『いや・・・ただの独り言だよ』

 

ユーリは明後日の方向を見ながらそう呟く。

 

「ユーリは私に隠し事が多くないか?」

 

カアラは不満そうにユーリの前に立つ。

そして、立ち止まったユーリに更に距離を縮め、もう顔と顔が触れあうのでは?

そう感じるくらいにカアラはユーリに顔を近づけた。

 

『近い!近い!別にそんな隠し事なんて無いって・・・今ベルンに向かっている理由だって

 本当だから!ついでに昔の知り合いに会えれば良いなぁとは思ってるけどさ』

 

近すぎるカアラから顔を背けながら、叫ぶユーリ。

その反応にカアラは近づけていた顔を離し問いかける。

 

「そんなに焦ってどうしたのだ?」

 

『カアラいつも思うけど自覚ない?』

 

1人顔を赤くしたユーリは更に距離を取る。

 

「自覚? 私が何か変な事をしたか?」

 

今回といい、前の膝枕といい、彼女は天然というか警戒心を持った方が良い・・・

いや、持たないとこの先大変だろう。

 

『いや、だからさ・・・今の凄い近い距離だったり、野宿したときの膝枕とか・・・

 他に出せば、街で泊まったときには勘違いもされるだろ?』

 

ここに来るまでに何日も経過している。

野宿することもあれば、お金を稼いで街に泊まることもある。

今回はそんなカアラとユーリに事件を振り返ろうと思う

 

「ユーリだって別に嫌がっている訳ではないだろう?」

 

あの時だって・・とカアラは続けようとするが

 

『ワレスさんの目がだいぶ痛かったよ!!』

 

そうあの優しいワレスさんの目をユーリは忘れられない

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

時は少し戻り、タラビル山にて野宿したときの朝のことだ。

このとき、本来の予定であればユーリが見張りの役目に就き、カアラ・ワレスの2人が

休んでいるはずだった。

しかし、起きていたのは()()()()だった。

なんだかんだともう1人の()()()()は女性の膝を枕に安らかな寝息を

たてていた・

次に女性が目を覚まし、自分の日差にかかる重みに気づき、彼女は驚きながらもほほえんだ。

 

「色々言っていたが・・・・ゆっくり眠れたなら何よりだ

 

微笑みながら、ユーリの頭を撫でるカアラ。

その姿は愛し合う恋人同士にも、はたまた、とても仲の良い()()にも見えた。

 

『・・・・・姉さん』

 

小さな声でだがユーリは確かに姉さんと言った。

 

「ヌハハ、見ていて心温まる光景だがそろそろユーリ殿にも起きてもらわねばのう」

 

「ふふ、残念だが仕方あるまい」

 

カアラはユーリの名前を呼びながら彼の身体を揺する。

 

心地よく寝ていたユーリは懐かしい感覚に浸りながら目を少しずつ開けた。

 

『(思い出す・・・この感じ、昔もこんな気持ちになったことあったな・・・あの時は・・・)』

 

ユーリはその夢見心地のまま盛大にやらかした。

 

『・・・・・姉さん』

 

「ふむ・・・どちらかといえば私は妹だぞ兄よ?」

 

目の前の笑ったカアラを見て、ユーリの寝ぼけていた頭は急速に現実に目覚めた。

そして、自分が何をしていたのか、自分が何を言ったのかを理解した・・・理解してしまった。

ユーリは素早い動きで立ち上がり一気に距離を取った。

ユーリの顔は真っ赤に染まり、その様子だけでも相当恥ずかしかったことが分かる。

それに追い打ちをかけるようにワレスの和やかな・・・まるで孫を見る祖父のような顔があった。

 

『ワレスさんも・・・起こしてくれれば・・・』

 

「起こすに起こせなかったのだ・・ユーリ殿の気を張り詰めていない寝顔は初めて見たわい」

 

一人旅をしていると、寝てるときに襲われても良いように気を張り詰めたまま寝るようになる。

そして、それが癖になってしまっているのだ。

そんなユーリが無防備に寝ているとなれば、ワレスとしては起こせなかった。

 

『・・・・ん、確かに気は抜けていたかも知れませんが・・』

 

「ユーリがゆっくり楽に寝れたなら私も嬉しいぞ?」

 

『からかうな!・・・・・まぁ、でもありがとう』

 

ユーリの小さな呟きはカアラに届いたのか?

それは、カアラにしか分からないことだ。

 

「何か言ったか?」

 

振り返ったその顔は笑っていた。

その顔を見るからにユーリの声は届いていたのだろう。

 

『何でもない!さぁ、準備するぞ・・・今日は忙しくなる』

 

そう考えたからこそ、ユーリは先を急ぐことにした。

この先に、ユーリを苦しめる悲劇を知らずに・・・

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

時は再び戻り、

 

「だが、あの時ユーリもありがとうと言ったではないか?」

 

それは、カアラが聞こえないフリをしたと思われるときの言葉。

 

『お前、やっぱり聞こえてたんじゃないか! いや、フリをしてくれたか・・・

 なら、そのまま聞こえないでいてくれよ・・・』

 

ユーリは、肩を落とす。

 

『いいや、というか話が少しズレてる・・・今の問題はカアラの警戒心についてだ』

 

「まだ、何かあるというのか?」

 

『結構あるよ!?街で泊まったときとかさ!?』

 

「何も無かっただろう?普通に寝られたはずだが?」

 

『普通じゃないから!!そう言う関係ならともかく、俺らの関係では異常だから!

 未だにあの女将を忘れられないぞ!』

 

再び、話は逆戻り、時はベルンを目指し旅立った直後の話になる。

あの時、諦めなければ、お金の話をしなければ、この出来事は避けられたのかも知れない。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「今日はこの街で休む方が良いだろう?」

 

ユーリとカアラはベルンを目指す道中でその日は泊まることにした。

タラビル山での滞在が短かったこともあり、不足品の補充もあまりかかることなく、お金もある程度闘技場で稼いだ。

そうこうしているうちに日が沈んできたため、今日はここで休もうという話が出た。

 

『そうだな、夜になるとさすがに危険だし・・・この先考えるとあまり金は使いたくは無いんだけどなぁ・・・・』

 

ベルンにはいると山脈が必然的に多くなる。

平野を進むより時間も体力も取られるため、物資も多くなってしまう。

 

だが、ユーリの一言が無ければこの未来は訪れなかったのかも知れない。

 

宿屋に着き、女将に部屋を取るときにユーリは嫌な寒気をしていた。

それは正にここに不穏なナニカがある・・・そう自分に告げていた。

 

普段なら、綺麗な女将さんだなぁと思い、セインとかなら喜ぶのだろうなと考えられていただろう。

しかし、今日はそう上手く行きそうになかった。

 

『あぁ、部屋2つお願「部屋は1つで頼む」ちょっ!?』

 

ユーリの言葉を遮り、カアラが一部屋に変える。

 

「金を無駄にしたくないと言ったのはユーリだろう?」

 

心底不思議そうにカアラはユーリに問いかけた。

 

『いや、でもな俺男、カアラは女・・・問題だろ?』

 

ユーリも至極当然ななのでは?と今までの流れを考えるとわずかにかない期待を込めて言った。

 

「共に死地に赴いた・・・膝枕で一緒に寝た・・・どこに気にする要素がある?」

 

『そこから既におかしいんだよ!!』

 

ユーリとカアラの言い合いは付き合いたての痴話喧嘩に女将には見えたのだろう。

女将の理解は深かった。良い意味ではない方に。

 

「一部屋ね」

 

『今の流れで何故!?』

 

「その通りだ」

 

何故、今の会話の流れから一部屋になるのかがユーリには理解できなかった。

 

「そんなにお熱いのを見せられたらねぇ・・・」

 

『女将・・・今は夜です・・・温度的にも涼しいくらいかと?』

 

言わんとしていることはユーリも理解していた。

横で理解していないカアラが?マークを浮かべているが、ここで構っていては一部屋になりかねない。

 

「そうね!これから()だものね」

 

『・・・・何を言いたいので?』

 

「汚しても気にしなくて良いのよ?主にシーツとか・・・若さ故の過ちなんだから・・・具体的に言うなら」

 

『黙れ!!もうアンタはしゃべらないでくれ!』

 

もう、この残念な女将を年上だとは思わない。

 

「ユーリ、もう諦めたらどうだ?」

 

「そうしときなさいよ色男君、彼女さんの方から・・」

 

『もう知らねぇよ・・』

 

ユーリは諦めた。

ここに味方はいない・・・そしてこの女将も止まらない。

ただ余計に疲れるだけだった。

 

『あの女将さえ居なければ・・・こんなことには・・』

 

部屋に入った後もユーリは愚痴を零していた。

 

『だいたい、自分の宿で進める人がどこにいるんだよ・・・』

 

ユーリがベッドでそうしていると少ししてユーリが静かになった。

 

「ユーリ、やっと落ち着いたか?」

 

カアラが静かになったユーリの方を見ると、ユーリは早くも寝息をたてていた。

 

「まだ、荷物もまとめていないというのに」

 

苦言を漏らすもカアラのその顔は笑っていた。

手のかかる子ほど可愛い・・・こういう気持ちのなのかなとカアラは感じていた。

 

「しかし、この姿を見ていると私も眠くなってくる」

 

なら、寝れば良いのでは?

そう思うだろうが、現在2つあるベッドのうち1つはユーリが寝ている。

そしてもう一つは、今日を新しく買った物をまとめる為、ベッドに並べてしまっていたため使用できない状態になっていた。

 

「ふむ・・・」

 

カアラは部屋を見渡し、少し考えるとユーリの寝ているベッドに入った。

2人は疲れからか、その後、目覚めることは無く、翌朝を迎えることになる。

 

そして、翌朝・・

 

『何故!?』

 

ユーリの目を覚ましてからの第一声だった。

目を覚まして目の前にあるのがカアラの整った顔。

ビックリするなという方が難しい。

 

『何故カアラが? まさか女将の言葉が現実に!? いや、そんなことあるはずがない・・そもそも何故気づかなかった』

 

ユーリはカアラに膝枕されてからというもの、本人も気づかぬうちにカアラに対する警戒心がかなり薄れていた。

そのため、このような事態になっても気づくことは無かった。

 

「そんなに慌てて、どうした?」

 

ユーリの戸惑いの声に起きたカアラは冷静に問いかけた。

 

『逆に何でカアラが俺のところにいるんだよ・・・?』

 

カアラは黙ってもう一つのベッドを指さし、告げた。

 

「あれでは寝られんからな」

 

『片づければ寝れたんじゃ?』

 

「ユーリが寝てるのに私だけか?」

 

そう言われると、ユーリには何も言えなくなる。

 

『でもな、やっぱりさ・・・もう少し自分を大事にしようぜ?』

 

「うん?」

 

ユーリはそう言うと、部屋を出る。

 

『マジで焦った・・・・』

 

焦る姿を隠し、何食わぬ顔で宿を歩いていた。

 

「昨日はお楽しみでしたね」

 

『・・・・・・』

 

ユーリは自分と関係ない誰かに言っているのだろうと本能が反応を拒否していた。

 

「まさか、そんな言えないことまで・・・」

 

『・・・・・・・』

 

「さすがにまだそんなアブノー『もうあんたは喋るな!!!』」

 

ユーリの評判はこうして周りから下がっていった。

1人の女性の手で・・・・

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『・・・・・・・・もういい』

 

女将のことを本格的に苦手としてしまったユーリ。

これ以上、考えたらあの周りの冷たい目線まで思い出してしまいそうだ・・・

 

「どうした?」

 

『いや・・・・先に進もう』

 

ユーリは無心だ平常心だ、あの人も知っている人もいないと呟きながら歩いていた。




ものすごく動かしやすいカアラ

そして、そのためヒロインぽく見えて仕方ないカアラ
これはキャラ崩壊のタグも検討しなければならないか・・・・
ただの天然で、そんな気は無いと思います・・・(多分)

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