ファイアーエムブレム~凍土の剣~   作:whiterain

19 / 40
後日談2章目です!

あと少しで、リン編完結!

アンケートの途中経過です

ユーリの動向
1マークとの旅 1
2一人旅    5
3キアラン在中 1

マークの恋人
1独り身最高  3
2原作     1
3オリキャラ  3

今のところこういう結果となっています!
まだまだお待ちしておりますのでよろしくお願いします


後日談2章 平穏な一時

ラングレンを倒し、キアランに入城して、幾ばくか時間が経った。

ニルスやニニアン、ドルカスといった仲間達もこの城を立ち去り、

キアランもだいぶ、落ち着きを取り戻していた。

 

そのため、時間にも余裕がで出来ており、何故か男子会が開かれていた。

 

『本当に、何で俺らはここ呼ばれたんだ?』

 

「勿論、俺達の友情を深めるために決まってるじゃないか!?」

 

セインに招集され、この場にはユーリ、マーク、ウィルが呼ばれていた。

ケントは、まだ忙しいことと、セインに呼ばれるという面倒事から避けるべく、

仕事に精を出していた。

 

「あれ、ルセアさんは呼ばなかったの?」

 

「あの人は女性に見えて、恥ずかしいってウィルがな・・・」

 

「それは、言わないでくれって!!」

 

修道士ルセア・・・その見た目は性別と正反対であり、

女性と言われても、疑うことなく信じられるだろう。

 

「んで、何を話すんだ?」

 

このメンバーを集められても、共通の話題は浮かばない。

セインと言えば、女性関係だが、特段話すような内容も見あたらない。

 

「勿論!綺麗な女性についてに決まってるじゃないか!!」

 

「「・・・・・・・」」

 

この発言に、マークとウィルは沈黙した。

ユーリは予想通りと言えば、予想通りの為に呆れた目でセインを見る。

 

「その話はセインしか出来ないんじゃ?」

 

「何を言う!むっつりのウィルよ!

 お前もこちら側でだろ?」

 

「そんなわけがっ!!」

 

ポンポン

 

ウィルが両肩をたたかれ、後ろを振り返ると、

ユーリとマークが何とも言えない瞳でウィルの肩に手を置いていた。

 

その瞳は語っていた。

 

お前は間違いなく、そっち側の人間だよ・・・と

 

「違う、俺はムッツリじゃない!!」

 

ウィルの悲鳴が、遠く離れたリンにも聞こえたらしい。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「そう言えば、ユーリ明日はリンと出かけるんだって?」

 

「うん? あぁ、まぁな

 約束していたこともあるからな」

 

「リンディス様とデートだとぉぉ!!」

 

リンとした約束。

”一緒に、装飾品を買いに行こう”

それも、キアランが落ち着いたから、明日行こうという話になった。

本人達からすれば、デートという認識はないだろうが、周りから見れば

セイン以外の誰でもデートにしか見えないだろう。

 

『いや、そんなつもりじゃねぇよ・・・』

 

「まぁ、リンもそんなつもりは無いだろうね・・・」

 

「そうじゃないんだよ!」

 

本人達がどう考えているかはセインにとっては問題では無かった。

美人と2人でお出かけが出来る!

その事実があれば、最高の幸せであった。

 

「でも、俺も羨ましいとは思うな」

 

『お前もか・・・・ウィルだって顔は良いんだから誰か・・・

 ムッツリか』

 

「違う! というかまだ引っ張るのか!?」

 

ムッツリ疑惑をひたすらといじられるウィル。

これから先も、キアランでムッツリ疑惑が広がるのかは別の話である。

 

「ところで、セインとウィルはこんなところに長くいて良いの?」

 

ユーリとマークはあくまでも、手伝いであり、身分で言えば客人に当たる。

だが、セインとウィルは正式にキアランに仕えている身だ。

多忙な時期は過ぎたとはいえ、昼間からこんな話をしていて良いのだろうか?

 

「ずっと、働いていたからな!

 たまには休暇というわけだ」

 

「そういうこと!だから、明日はケントさんが休みだよ」

 

『なるほど・・・・ところで、セイン』

 

「なんだ?どうしたユーリよ?」

 

ユーリはこの折角もらえた休日の話を聞いて、どうしてもぬぐえない疑問があった。

リンとの約束の時の反応を見たからこそ思う疑問。

 

『なんで、折角の休日なのに俺らといるんだ?

 そんなに女性に飢えているなら城下に出れば良かったんじゃないか?』

 

「・・・・・・・・」

 

目が点になるとはこういう顔を言うのだろう。

セインの顔は完全に盲点だったという反応だった。

 

「それを早く言ってくれよー!!」

 

ハッと、我に返ったセインはなりふり構わず走り出す。

聞こえる声がどんどん離れていった。

 

「・・・・・・・・・」

 

『・・・・・・・・・』

 

「・・・・・・・解散する?」

 

『ああ・・・』

 

かくして、全く意義を見いだせない男子会は終了となった。

 

そして、次の日を迎える。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「なんか、あれから随分時間が経った気がするわね」

 

『実際、そこそこには経ってるけどな・・

 まぁ、あの頃は一日一日が濃厚だったから』

 

ユーリとリンは朝食を取ったのち、城下に足を運んでいた。

リンが正式な公女として、知られているため、リンのことをちらちらと

見ている人もいる。

 

「やっぱり、慣れないわね・・・」

 

まだ、公女としての生活が短いリンはこういうことが仕方ないと思っても

簡単に受け入れられるものではない。

 

『この先、こういうことが続くんだから早く慣れるしかないんだがな』

 

「それはそうなんだけどね・・・」

 

とりとめの無い話をしながら、市場を目指し、歩く。

 

「ねぇ、ユーリとマークはこれからどうするの?」

 

キアランも多忙な時期は過ぎた。

もう、ユーリやマークの力を借りなくてもやっていけるところまで立て直している。

2人も自分の道を歩むときが来ている。

 

『マークは近日中にまた、旅に戻るって言ってたな』

 

「ユーリは?」

 

『俺は・・・・俺も・・・・旅に戻ろうかな』

 

ここに残る理由もない。

折角、親しくなったのだから、まだ一緒にいたい気持ちもあるが

ここにいては、自分の目的を果たすことは出来ないと思う。

旅に出たからといって何かが進むわけではないのだが・・・

 

「そう・・・やっぱり、ユーリも行くのね」

 

『あぁ・・・・』

 

雰囲気が暗くなる。

この先、出会える保証が無い以上、こんな風に過ごせるのは最後かも知れない。

そう思うと、悪い方へ悪い方へ考えてしまう。

 

『やめだやめ! 折角、外に出たのに気分が暗くなる』

 

頭をワシャワシャと掻き、暗い方へ考える雑念を振り払う。

 

「あっ! ユーリさん!リン!」

 

誰かに呼ばれたことで、我に返ったユーリは声のした方向を向く。

 

「フロリーナ!」

 

『そっか、今日はフロリーナ達が休みだったっけ?』

 

昨日はセインとウィルが休暇であったため、今日は入れ違いでケントとフロリーナが休暇を

もらっている。

フロリーナも普段着けていた鎧を外し、身軽な格好で街へ繰り出していた。

 

「はい、ケントさんは、城に残っていますけど・・・」

 

『あいつは堅物だからな・・』

 

きっと今日も、休暇にかかわらず、仕事が残っているといって、

部屋に籠もって仕事に勢を出しているのだろう。

 

「2人はどうしたんですか?」

 

「ちょっとした買い物よ」

 

『リンも公女なんだから、多少は着飾った方が良いだろうとな』

 

いま、とってつけたような理由だけど・・・

公女様でないにしろ、多少は何かを持っていてもいい気はする

 

「リンディス様、何も身につけてないですものね・・」

 

フロリーナも思うところがあるらしい。

しかし、リンは逆に思うこともある。

 

「耳飾りはあるわよ・・・

 それにフロリーナも何も着けて無いじゃない?」

 

「一応、私は着けてるよ」

 

そう言って、フロリーナは服に隠れた胸元から、ペンダントを取り出す。

 

「普段は、なくさないように着けてないんだけど・・・

 こういう、私的な時は・・」

 

そのペンダントはユーリが見覚えのあるものだった。

いや、ユーリの鞄の中にも、色違いのペンダントが入っている。

 

「可愛いペンダントね・・・誰かの贈り物?」

 

リンはフロリーナのペンダントを眺め問う・

 

「贈り物といえば・・・贈り物なんだと思う

 フィオーラお姉ちゃんが、兄妹みんなでお揃いの物を持とうって

 私は小さかったからあんまり覚えてないんだけどね・・・」

 

『俺たちもお揃い買うか?』

 

再三再四、雰囲気を暗くするわけにはいかないとユーリはいち早く空気を察し

話を別の方向へ誘導する。

 

「それも良いわね」

 

お揃いの物を狙って身につける。

普通は家族とか恋人同士がすることだが、この2人にそんな考えは無い。

 

「仲良くて妬けちゃう」

 

フロリーナは2人の無意識の空気を察し、私も用事があるからと

足早に立ち去った。

 

『俺たちも早く、買おうぜ』

 

「そうね」

 

そして2人は再び、足を進めて行った

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

『本当にお揃い買っちまったな』

 

「まぁ、良いんじゃないかしら?」

 

店を後にした2人の手には色違いのブレスレットがあった。

 

『いいや、これ外すかな』

 

腕に着ける装飾品が2つ。

両手に着けるという考え方もあるが、それはないとすぐに振り切る。

 

「良いの?」

 

『別に大事な物じゃないからな』

 

このバングルは昔、普通に買った物で、誰かの形見だとか、思い出の品だとかでは

ないため、特に強い思い入れは無い。

 

『リンと買ったお揃いのこれの方が大事だよ』

 

「ふふ、ありがとう」

 

少し、薄暗くなった道を2人で歩く。

 

ユーリがこうしてここにいて過ごすのはもう少しなのかも知れない。

その短い時を大事にするように・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回はリン編後日談3章!

話はおそらく、マークの旅立ちになるかと!
後はユーリが決断を迫られます・・・

3章投稿から、1週間をアンケートの締め切りとさせていただきますので
ご協力、よろしくいお願いします!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。