ファイアーエムブレム~凍土の剣~   作:whiterain

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こんばんはーーー!

予約投稿だから、正確にはもうおやすみなさいしてるんだけどね(汗)

てなわけで7章です!

でも、その前にアンケートのお知らせだけ
リン編後の話になりますが、
ユーリはどうするのか?
マークの恋人は誰が良いのかをアンケートします

詳しくは活動報告にて!
よろしくお願いします(^-^)v


7章 姉・弟

アラフェン侯爵の援助を諦め、一行はキアランを目指し行軍を続けた。

 

祖父は病に倒れている。

 

焦る気持ちを押し隠し、リンは道を急いだ。

 

 

 

「カートレー伯爵領まで、来ればキアランは近くか」

 

「そうなの?」

 

マークの呟きに、リンが反応する。

 

「うん、ここを南に進めば、キアラン領だ・・・・確か」

 

『おいおい・・・』

 

最後に自信がなくなってきたマーク。

それを補足するように、ケントが続けた。

 

「マーク殿の言った通りで合っています。

 ここからなら何かしたところに位置するのがキアラン領です。

 城までの距離にして10日といったところでしょうか」

 

何の邪魔が無ければという条件付きではあったが・・・

 

「・・・・10日」

 

「あの!すみません」

 

近くの村から、1人の少年が飛び出してきた。

その様子は焦燥としていた。

 

「私に、何か?」

 

「お姉さん達、傭兵団か何かですか?」

 

「・・・・なら?」

 

少年は今まで以上に力強く声を上げた。

 

「力を貸してほしいんだ!」

 

「・・・リンディス様、子供とはいえ油断は・・」

 

少年が油断を誘う罠である可能性がある以上、警戒は解かない。

 

「わかってる・・・悪いけど、先を急ぐの。

 他を当たってもらえる?」

 

みんな、先を急ぐ旅だと理解している今、口を割り込むことはない、

しかし、少年は更に言葉を強くした。

 

「今すぐじゃないと駄目なんだ!!

 でないとニニアンが・・・

 僕の姉さんが、あいつらに連れて行かれちゃう!!」

 

 

「お、お姉さん!?

 君の美人なお姉さんが誰かに捕まってるのか?」

 

お姉さんという言葉に、いままで誰も口を割り込まずにいたのを崩し

セインが反応する。

しかも、誰も美人とは言ってないのに、付属して・・・

 

「・・・・セイン」

 

それを、諫めるようにケントが名前を呼ぶ。

 

「うん! すごい悪い奴らなんだ

 ニニアンが連れて行かれたら・・・僕・・・どうしたらいいか・・・」

 

『姉さんか・・・・リン、先に行っててくれ』

 

「ユーリ!?」

 

「ユーリ殿!?」

 

ユーリは、少年に近づくと、しゃがみ、視点を少年と合わす。

 

『俺が君の姉さんを助ける!案内してくれ』

 

「うん!こっち」

 

ユーリは少年の案内に従い、走っていく。

 

 

「リン、どうするの?」

 

ユーリを追いかけ、少年を助けるのか・・・

それとも、キアランへの道を急ぐのか・・・

 

「マーク殿、我らは急ぎの旅です!

 侯爵が病に倒れられているとすれば、一刻も早く戻らねば・・」

 

「・・・追いかけましょう」

 

「リンディス様!?」

 

「ユーリは先に行って良いって言ってくれたけど、1人で危険なことさせるわけにはいかないし

 、私自身もあの子を助けてあげたい」

 

祖父の病も心配だった。

でも、家族のいない苦しみを知っている者として、子供から、家族を

奪うような真似をするやつを許してはおけなかった。

 

「わかりました。私はあなたの臣下です

 リンディス様は、お心のままに動かれれば良い」

 

「それを支えるのが俺たちですから!」

 

両騎士の頼もしい発言。

目的は決まった。

 

「それじゃ、ユーリを追いかけよう」

 

リンたちも、ユーリ達が走っていった方向へ走り出した。

 

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少年の名前はニルスというらしい。

ユーリはニルスとその姉ニニアンを助けるべく連れて行かれたとの方へ向かう

 

「あ・・・・」

 

ニルスが何かに気づき足を止める。

 

『どうし・・・・・!!』

 

来る・・・・

直感的にそう感じた。

殺気に満ちあふれた雰囲気を纏って

 

「見つけたぞ・・・さぁ、大人しくネルガル様の元へ戻るのだ!」

 

『ネ・・・ルガル・・・・』

 

ユーリは呆然とその名前を呟くだけ・・・

 

「いやだ!ニニアンを返せ!!」

 

「・・・命さえ残っていれば、多少怪我していても構わないだろう」

 

無理矢理連れて行こうとする男。

男が手を伸ばそうとすると同時に、ユーリがその手を掴み、引き寄せ剣を当てる。

 

『あはは・・・一石二鳥だ・・・ニルスの姉も返してもらうが・・・・

 ネルガルの居場所を話してもらおうか?』

 

ようやく見つけたんだから・・・

笑いながら、問い詰めるユーリはニルスから見ても異質であり、恐怖であった。

 

「貴様は・・その少年に関わってただで済むと思うのか!?」

 

ユーリはただ、それでも笑いながら話す。

 

『どうなる?その前にお前がどうなるのかな?

 俺が求めているのは、ニルスの姉の解放とネルガルの居場所だけだ』

 

「後悔することになるぞ・・・」

 

男にも話す気は無い。

恐怖が見え隠れしながらも、主へ対する忠誠は大した物だった。

ユーリも、脅しはしても、殺すような真似はしない。

 

普段なら・・・だが・・・

 

『なら・・・死ね

 他にお仲間が居るみたいだからな。そっちに聞かせてもらおう』

 

容赦なく当てていた剣を振り切った。

ニルスが次に見たのは息絶えた男だった。

 

『ニルス・・・お前は待っていろ

 安心しろお姉さんは助けておく』

 

俺は他にもやるべきことがある

 

そう言い残して、ユーリは男の仲間がいる方向へ再び駆け出す。

 

『ようやくの手がかりだ・・・逃がしてたまるかよ・・・』

 

ユーリの笑みは普段の明るいモノと違い、どす黒い相手をあざ笑うかのようだった。

 

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リンたちはユーリを追いかけ、走る。

 

「あれ、さっきの子供じゃないですか?」

 

リンたちの先に居たのは先ほどの少年。

だが、近くにユーリの姿は無い。

あるのは、息絶えた男の姿だけ。

 

「お姉さん達はさっきの・・・・」

 

「私は、リンって言うの。

 あなたのお姉さん助けるの手伝わせてもらえないかしら」

 

「あ!ありがとう

 僕はニルスって言うんだ」

 

「ところで、ユーリはどうしたのかな」

 

「ユーリさんは・・・・」

 

ニルスは倒れた男の方を指さし、

 

「こいつが来た後、人が変わったように笑い出して・・・

 殺した後、姉さんは助けるから待ってろって・・・」

 

ユーリが笑いながら、人を斬る・・・

リンたち一行には想像がつかない光景だった。

確かに、ユーリは戦いになれば人を斬ることに抵抗はあっても躊躇うような真似はしなかった。

 

「ユーリ・・・・急いで、追いかけましょう」

 

「ちょっと・・・待ってもらえますか?」

 

話掛けてきたのは金髪のとても綺麗な人。

 

シスターの服装では無く、僧侶の格好をしている。

つまり・・・

 

「神父様?」

 

女性と間違えそうな神父様・・・・

生まれてくる性別間違えたのでは?と言いたくなる人だった。

 

「はい、エリミーヌ教の神父ルセアと申します。

 先ほど、この子に強く当たってしまった村にいまして・・・

 私に出来ることがないかと思ったのです」

 

かくして、リンたち一行は、ユーリの知らぬ存ぜぬところで

新たな仲間と出会っていた。

 

 

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『ちっ・・・誰も知らないのかよ』

 

近くにいたニルスを狙っており、彼の姉であるニニアンを攫ったであろう一団を

片っ端から問い詰めてきた。

 

しかし、目立った成果を出せずにいた。

 

『ふぅ・・・・とりあえず、ニニアンだけは探しておくか・・・』

 

ここにきて、ユーリはようやく心を落ち着かせた。

顔つきもいつものユーリに戻っている。

服に返り血が多く飛んでおり、いつもよりは危険に感じるが・・・

 

ユーリが一団が入り口を塞いでいた建物に入った行く。

 

『おかしいな・・・・誰にやられた?』

 

中では、かなりの数が倒されていた。

ユーリが今着たばかりである以上、リンたちではない。

そのとき、奥から歩いてくる人影があった。

 

「あなたも・・・彼らの仲間ですか?」

 

『いや、あなたこそ、こいつらの仲間・・・・ではなさそうだな』

 

赤毛の立派な身なりの強い眼差しの青年。

彼がこいつらの仲間とは思えない。

 

『ところで、あなたは?

 それと抱えてる女性は?』

 

青年は気絶していると思われる女性を横抱きに抱えていた。

ユーリはこの女性がニルスの姉のニニアンでは無いかと思っていた、

 

「これは失礼・・・僕の名前はエリウッド、フェレ候公子だ。

 彼女は、この人たちが、嫌がる彼女を無理に連れ去ろうとしていたので助けたんだけど・・・

 まずかったかい?」

 

『フェレの公子・・・こちらこそ、こんな格好で申し訳ないのですが名はユーリと言います』

 

身なりは良いと思っていたが・・・予想通りの貴族様とは・・・

それも、フェレの公子・・・

ということは彼がエルバート様のご子息か・・・

ユーリは昔の記憶を思い出していた。

そして、ユーリも言葉遣いを改める。

 

「楽に話してくれて良いよ。

 そのままだと話しにくいだろう」

 

『それじゃ、お言葉に甘えて・・・

 彼女を助けてくれて助かりました。まぁ、絶対とは言い切れないけど

 ある子に、姉を助けてくれと頼まれてね・・・』

 

ユーリはエリウッドに、これまでの経緯を話した。

 

「なるほど・・・なら、早くその子のところへ連れて行ってあげよう」

 

ユーリもうなずき、来た道を戻っていく。

 

そして、建物から出た時であった。

 

「ユーリ!!」 「ニニアン!!」

 

1つはユーリを見たリンの声

もう1つはエリウッドの方を見たニルスの声だった。

 

『よう、リン、やっぱり来たのか?』

 

「ユーリ、大丈夫なの?」

 

『俺は、怪我してないよ

 全部、返り血だ』

 

「うわ、確かに真っ赤だ・・・」

 

ちょっと引き気味のマーク。

 

「ユーリが、そんな返り血浴びるなんて・・・どうしたの?」

 

ユーリは、毎回、あまり返り血を浴びないように戦う。

本人、曰く、人の血を浴びるのは気持ち悪いのと

洗うのが面倒だからだそうだ。

 

『・・・たまにはそゆこともあるさ

 とりあえず、俺は服洗ってくる』

 

ユーリは、先ほどまでの感情を思い出しそうになり、逃げるように去っていった。

しかし、一瞬、みんなに見えたユーリの顔はいつものユーリの顔ではなかった。

 

瞳に狂気が溢れ出していたのだから

 

『折角、手がかり掴んだと思ったのにな・・・

 でも・・・必ずみんなの・・・・・・』

 

ユーリの呟きは、誰の耳に入ることもなく、風の音に消えていった。




今回のお話ーーー

はじめは、ルセアさんを初見で男だと思った人はいるのだろうか・・・?


にしても、自分で書いてて、これで良いのかなと考える
もう、突っ走ってみようかと思ってますけど。
やりきる、下手に考えすぎてまた、停滞するよりは良い!
という精神で頑張ってます
でもどうか、優しい対応でお願いしますm(_ _)m




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