ファイアーエムブレム~凍土の剣~   作:whiterain

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どこかで、話しておかなければ、また機会を失う気がする・・・

バレるタイミングはなんとなく決まってるけど・・・


間章4 宿にて

キアランへ向かう道中の夜。

一行はアラフェン領内にある宿で夜を明かすことにした。

 

そんな中、リンはフロリーナにずっと考えていたことを話す。

 

「ねぇ、フロリーナ・・・お兄さんとお姉さんのことみんなに話してみたら?」

 

リンの提案・・・・それは行方不明のフロリーナの兄 エリンシアと 絶賛家出中のファリナのことを

みんなに話し、捜索に協力してもらおうというものだ。

 

1人よりは2人、2人よりは3人と数を増やした方が今後見つかる確率も上がるし、もしかしたら、今の

メンバーに知っている人がいるかもしれない。

 

「え・・でも、これは私の問題だし・・・・

 みんなにお願いするのも・・・」

 

「フロリーナが嫌じゃないなら、聞くだけ聞いてみた方が良いんじゃないかしら?」

 

「・・・・・・・」

 

考え込むフロリーナ。

兄と姉のことは自分の家の問題。

それに、あまり話したい内容じゃない・・・

でも、それ以上に2人にもう一度会いたいという気持ちが強かった。

 

リンにはそのことが見抜かれていたのだろうか?

でも、そうでないとリンもこのようなことは言わないだろう。

 

「リン・・・・私、頑張って話してみようと思う」

 

「わかったわ、それじゃあ、みんなを呼んでくるわね」

 

リンは他の仲間を呼ぶべく、、部屋を出て行った。

 

フロリーナは普段、服に隠しているペンダント・・・・

兄から誕生日にもらった贈り物を強く握りしめた。

 

 

 

 

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リンに呼び出され、フロリーナのいる部屋に呼び出された仲間達

みんなに注目される中、フロリーナはゆっくりと話し始めた・

 

「みなさんに・・・・聞いてほしいことと・・・それに

 合わせて聞きたいことがあります・・」

 

「フロリーナさんの話とあれば喜んで!!聞き、答えましょう!!」

 

フロリーナが決心を持って話し始めたのを察して、皆が黙っているなか

若干1名が空気が読めていないようだ。

 

『セイン・・・・黙ってろ』

 

「はい・・・・・」

 

周りの冷たい視線と、ユーリの殺気にセインは大人しくなった。

いま、逆らえば、本気で殺されかねないと

 

「私の家族の話です・・・・私には姉が2人、兄が1人います

 でも、過去の任務の中で兄は行方不明になりました・・・

 そして、その後に2番目のお姉ちゃんも家を飛び出してしまって」

 

「・・・その兄と、姉の名前は?」

 

「お兄ちゃんは、エリンシアと言います。髪の色は蒼色で、瞳は私と同じ色をしています・・・

 お姉ちゃんはファリナで、髪は青色、瞳も髪と同じ色をしています・・・

 これが2人の似顔絵なんですが・・・どこかで見かけたりしてませんか?」

 

「僕は見たことありませんね・・・」

 

「そうね、あたしもないわ」

 

エルク、それに続き、セーラも否定する。

 

「すまないが・・・・俺も見たことはない」

 

「・・・・・・・」

 

ドルカスも否定し、ラスも首を横に振ることで、否定した。

 

「そのエリンシアさんって、ユーリに似てるよな?」

 

一同がユーリの方を見る。

 

『・・・・・仮に似てても、俺は髪も瞳の色も違う』

 

「まぁ、ユーリは白髪、紅眼だもんな」

 

再び室内に沈黙が訪れる

 

「やっぱり・・・・そうですよね・・・・」

 

フロリーナの目に涙が溜まる。

わかっていたことだった・・・どうせ、見つかるわけがない。

しかし、仮にわかっていたとしても、その現実が目の前にあると

抑えきれない気持ちがある。

 

ほどなくして、一同はエリンシア、ファリナに似た人を見かけたらフロリーナに報告することを約束し

解散となる。

 

 

 

「ユーリ・・・・泣いてたよ・・・」

 

『・・・・・・・だな。

 早く2人とも見つかると良いんだがな』

 

「ユーリ・・・・君は・・・・」

 

『さてな・・・・・・』

 

ユーリはそう言い残して、自分の部屋に戻っていった。

 

 

 

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『必ず・・・・・必ず・・・・・殺してやる』

 

『お前らだけは・・・・・殺してやる』

 

辺りは炎に包まれ、冷たくなった仲間が数多く倒れていた。

少年は、起き上がる力も残っていなく、ただ、この惨状を作り上げた敵を

ただただ睨み付けることしか出来なかった。

 

「さすがは、イリアが誇る傭兵部隊・・・すばらしいエーギルだ」

 

「・・・・・・・・・」

 

彼らはユーリに眼を向けることなく、姿を目の前から消した。

少年に残ったのは、復讐心と自分の無力さだった。

 

なぜ、自分だけ殺されなかった?

 

なぜ、自分だけが生き残ってしまったのだろうか?

 

 

 

 

 

『ハッ・・・・・・夢か』

 

見覚えのある部屋。

空にはまだ月が輝いており、辺りは静寂に包まれていた。

 

『夢か・・・・これで何回目だろうな・・・・』

 

あの日から、忘れたことは無い。

1人生き残ったあの日から

 

そして、今でも夢で惨劇が蘇る。

 

『・・・・・・・』

 

ユーリは、すっかり、眼が醒めてしまった。

 

『外で、月でも見るか・・・』

 

ユーリの気分とは違い、夜の空を彩る月は満月だった。

 

 

 

外に出て、身近なとこに腰をかける。

手には、酒と器が持たれていた。

 

月に、目を向け、器に酒を注ぎ、口をつける。

 

『・・・・・大人になっても・・・酒は旨くないな・・・』

 

大人にならば、これの良さがわかる!!

わからないうちはまだまだお子様なんだよ

 

あの人の言葉は今もまだわからないや・・・・

 

「なら、何で飲んでるの?」

 

急に、声をかけられ、後ろを振り返る。

そこにいたのは・・・

 

『リン・・・』

 

「こんな時間にどうしたの?」

 

『リンの方こそ、どうした?

 夜更かしは美容の敵だぜ」

 

ユーリは先ほどまでの暗い雰囲気を変えて、明るく見えるように努めて話した。

 

「・・・・何かあったの?」

 

冗談も、受け流され・・・・リンの顔はいつになく真剣だった。

 

『・・・・・何もないさ』

 

だから、ユーリも真剣な顔つきで答えた。

これ以上、詮索するな・・・

これは俺の問題で、誰にも話す気はない。

 

『あったとしても・・・これは俺の問題だ・・・・』

 

「ユーリ・・・・・」

 

『だから・・・・聞かないでくれ・・・』

 

誰かに話したら決心が揺らぐ気がした。

 

「わかった、聞かない・・・」

 

『・・・良いのか?』

 

自分から、聞かないでって言っておいて、こんなこと聞くのも

変だろうか?

自分も実は誰かに聞いてほしかったのだろうか?

いや、そんな訳がない。

自分に言い聞かせるようにユーリは心に言い聞かせた。

 

「代わりに、ユーリのこと教えてくれないかしら?」

 

リンはユーリのことをほとんど知らない。

どこの、出身なのか?

家族は?趣味は?どんなとこを旅してきたのか?

考えれば、数は多くある。

 

『・・・・・・・・・・』

 

ユーリは考え込んだ後に、ふふっと笑う。

 

『良いよ・・・・少しだけなら』

 

「じゃあ、ユーリって生まれはどこなの?」

 

『フロリーナと同じ、イリアの出身さ』

 

自分の身元に繋がるような話は避けなければならないが、

出身地くらいなら、バレても、言い訳はいくらでもある。

 

「ユーリもイリア出身?」

 

『あぁ、意外か?』

 

「えぇ、イリアの人って郷土愛が強い人多いでしょ?

 だから、ユーリみたいに旅してる人って珍しいなと思って」

 

イリアの人の数多くは、傭兵だ。

他国に出て、戦い、その報酬を国に持ち帰る。

 

傭兵以外もいるが、国に残ってる人も多いが。

 

『それは、まぁ確かに俺みたいなのは珍しいかもしれないど・・・

 でも、傭兵とかばっかじゃないぞ?』

 

イリアの人で、他国にいたら傭兵・・・

それは、さずかに偏見だろう。

確かに、他国までわざわざ出でくるのは傭兵の方が多いのは確かだが

 

「やっぱり?」

 

『やっぱりって・・・・・』

 

「『ふふ』」

 

わかって聞いてたのかよ・・・・

そして、また2人で笑う。

 

「他にも聞いても良いの?」

 

『答えられることにはね』

 

初めにあった暗い雰囲気は無かった。

 

ユーリとリンは遅くまで、話を続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 





イリアの詳しい実情はあんま詳しく出でなかった気がする。

傭兵が多い国ってことは覚えてるんだけどなぁ・・・

今回、書きながら思ったことというか考えたことはあまりなかったですね。

強いて言えば、イリアの実情です!

以上 whiterainでしたー

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