ファイアーエムブレム~凍土の剣~   作:whiterain

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書けるときに頑張ってすこしずつ!!

頑張るよ~~!


間章3 謁見

城内制圧の報告を聞き、リンたちと合流したユーリ、フロリーナ、ウィルの3人。

アラフェン侯爵に謁見出来るまでもう少し時間がかかるとのことで一行は先の戦いもあるため身体を

休めていた。

 

『難しい顔してどうした?』

 

1人考えことをしているマークに訪ねる。

他の仲間は疲れた顔はしていても、無事に城を奪還できたこともあり、嬉しそうな顔をしている。

そんな中1人だけ、考えこんでいるマークは目立っても見えた。

 

「いや、想像通りとはいかないかもなぁと思ってね」

 

『というと?』

 

「初めはこの戦い、手を出すにしろ、出さないにしろどちらでも良かったんだけどね

 出せば、それを使ってアラフェン侯爵に有利に交渉を進められる。

 逆に出さなければ、武器の消費や、傷を負うリスクを避けられるからね」

 

どちらに転んでも、多少なりのメリットはあった。

仮に参戦しなくても、そのときは±0の条件で交渉するだけであった。

 

これが、ただの山賊や余計な置きみやげが無ければという前提であればの話があった。

 

「敵の首領と思われる男が、最後にラングレン様って言い残していったんだよ・・・」

 

『あぁ・・・・つまり、脅しって意味合いか?』

 

肩入れするようなら、武力を持っての攻撃も辞さないという意思表示。

 

「多分ね、支援はあまり期待できないと思うよ」

 

『そんな簡単に楽はさせてもらえないと言うことか』

 

2人揃ってため息をつく。

 

「そんなにため息ついてどうしたんで?」

 

軽装な茶髪の青年が話しかけてくる。

 

『そういや、あんたは?』

 

ちらちらと目には映っていたが、誰かはわからなかった。

戦い初めには居なかったが、かといって、この城で雇われている傭兵にも見えない。

 

「これは、失礼しましたっと。俺はマシュー、ケチな盗賊だよ」

 

「盗賊にしたら、身なりもそんなに悪くはないし、戦い方も洗練されてたけどね。

 どこかの密偵とかそういう類なんじゃないかと疑いたくなるくらいにね」

 

ユーリは戦いの時にその場には居合わせなかったため、見ていなかった。

 

「嫌だなぁ、密偵だなんて。そんな疑われても何も出ませんよ。これから一緒に旅するんですし、やめましょうよ」

 

やれやれといった感じのマシュー。

 

「まぁ、手伝ってもらった借りもあるから、追求する気も無いんだけどね」

 

『・・・・・・・ん?』

 

一緒に旅をする?

その一言にユーリは引っかかった。

 

「まぁね・・・・」

 

『あれ?これからも手伝ってくれんの?そんなに楽じゃないと思うよ』

 

最初、山賊には狙われ

次は、キアラン侯弟 ラングレンの手の者と思われる刺客の襲撃。

そして、リンの存在がラングレンにとって邪魔である限り執拗に狙われるだろう。

とても、楽とも楽しいと言える旅でもない。

 

「良いんですよ! 人生、そんな刺激もないと」

 

『変なやつだな』

 

それから、間もなくして謁見の準備が出来たとラスが伝えに来た。

 

 

 

 

 

 

 

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『あれが、アラフェン侯・・・・ね』

 

ラスを先頭に、玉座の間に入る。

アラフェン侯を見たユーリの第一印象は、こいつ絶対性格悪いだろうなぁという偏見に満ちたものだった。

 

「そなたが、キアラン侯の・・・・・」

 

アラフェン侯はリンを見て一瞬嫌そうな顔をしたものの、すぐに顔を切り替えた。

リンは気にも止めずに、アラフェン侯と向き合った。

 

「はい、リンディスと申します」

 

「リンディス殿・・・・騒ぎを起こした連中が誰の手の者か気づいておるか?」

 

「『ちっ・・・・』」

 

アラフェン侯に聞こえぬように舌打ちをする某剣士と軍師。

展開は彼らの予測していたものとなってしまった。

 

「・・・・祖父の弟、ラングレン殿の差し向けた者かと・・・」

 

「その通りだ。つまり、わしの城は、キアラン家の家督争いに巻き込まれた形というわけだ」

 

「す、すみません・・・」

 

嫌みっぽい言い方しやがって・・・・

ユーリはもう一度、舌打ちしたい気持ちに駆られたが、我慢し成り行きを見守る。

 

「マデリン殿の娘が難儀していると聞いて、力を貸すのもやぶさかではないと思ったが・・・・

 わしはこの件から手をひかせてもらおう」

 

「アラフェン侯爵!それでは、お約束が・・・!!」

 

約束を取り付けていたケントがアラフェン侯爵に声を上げる。

 

『良い読みしてるよ軍師様』

 

「ありがとう・・・・」

 

交渉したところで、無駄だとわかっているため、2人は口を挟む気はない。

アラフェン侯も自分の兵や、領民をいたずらに傷つける可能性は潰しておきたいんだろうなぁと

2人は良い方に解釈していた。

顔を見た瞬間に絶対、そんなこと思ってないと考えを改めていたが・・・

 

「そなたはわしに、肝心なことを言わなかったではないか!

 この娘、確かにマデリン殿に似ておるが、まさかここまで、サカの血が濃く出ておるとは・・・・」

 

「!!」

 

アラフェン侯爵の言葉は明らかに侮蔑の意味を含んでいた。

自分の生まれに、サカの血に誇りを持っているリンはさすがにこの言葉に顔色を変えた。

 

「サカ部族の孫娘になどの、戻られては、キアラン侯爵も迷惑なのではないか?

 それに、キアラン侯は病に倒れていると聞く。その娘が帰るまで、もたれるかどうか・・・

 さすれば、次の侯爵はラングレン殿だ」

 

その言葉には面倒ごとはごめんだという気持ちが前面に出ていた。

こいつ最低な野郎だな・・・こいつは自分のことしか考えてはいない。

 

初めに、ユーリ達が考えていた領主としての振る舞いは一切無かった。

 

『リン、戻るぞ』

 

ユーリはアラフェン侯に見向きもせずに出口の方に向かった。

それに続くようにマークも着いてきた。

 

「ユーリ殿!マーク殿」

 

叱咤するようケントの声が飛ぶ。

しかし、2人は足を止めることはなかった。

 

「いえ、私も失礼させてもらいます。

 私は、自分に流れるサカの血に誇りを持っている

 だから、それを侮辱する人の力なんて絶対に借りたくない!」

 

『・・・・ふふ』

 

「嬉しそうだね」

 

『あぁ・・・』

 

良い啖呵だった。

その真っ直ぐな生き方

自分に真っ直ぐな生き方をしているリンを素直にかっこいいと思った。

 

 

 

 

 

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一行が立ち去った後も、ラスは玉座の間に残った。

 

「小娘が強がりを・・・泣いて頼めば力を貸してやらなくもなかったのに。

 サカ部族の分際で、リキア貴族のわしに逆らうなど・・!」

 

アラフェン侯爵の本音の吐露にラスは金の為と思って、雇われていたが

自分もサカの民であることに誇りを持っている。

そのため、アラフェン侯の発言を許容出来ていなかった。

 

「・・・・・・それが貴様の本音か」

 

「いや、ラスよ、そなたは別に良いのだ。

 お前はわしの自慢の傭兵隊長だ」

 

「・・・自分に従う者であれば、何でも構わないか・・・・」

 

自分で改めて、その言葉を理解し、そして再び確信する。

この男には従えない・・・

 

「たいした思い上がりだな」

 

「何が不満なんだ!? 金か?足らぬのならいくらでも・・・・・」

 

「貴様には、わかるまい・・・俺は今限りで、傭兵契約を打ち切らせてもらう」

 

アラフェン侯にはラスの気持ちなど、微塵もわからなかったのだろう

 

 

 

 

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街を出発し、キアランへと向かおうとする一行

その中で、リンはアラフェン侯が言っていたことを思い出していた。

 

「おじいさまは病気だと言っていた・・・・急いでキアランへたどり着かないと・・・・」

 

『近づけば近づくほど、敵の数も増えるだろう・・・まぁ、俺らに任せておけ』

 

「そうだね、僕たちが守り抜くよ」

 

「無論、我々もです」

 

近づけば近づくほど、敵も多くなり、戦いは苛烈を極めるものになるだろう。

権力におぼれた者は何をするかわからない。

 

「ありがとう・・みんが、いてくれるから・・・私も頑張るわ!」

 

 

「ロルカ族のリン、誇り高き草原の同胞よ、俺もお前に手を貸そう」

 

街の方から向かってきたのは、見るからに旅支度しましたよといったラス。

 

「良いの!?」

 

「俺も城主との話は聞いていたからな・・・」

 

サカ部族を侮蔑されたのが・・・彼も気に入らなかったのだろう。

 

『にしても・・・・何であそこまでサカ部族を嫌うんだか・・・あの狐野郎は・・』

 

ふと、呟いたユーリ。

草原で暮らす部族を高貴な貴族様は汚く見えるのかねぇ・・・

そう考えていた。

 

「案外、マデリン殿に惚れていて、サカ部族に取られたとかから嫉妬とかくだらない理由だったりしてね」

 

『そんな馬鹿な!』

 

「まぁ、そんなわけないよね」

 

あははと、冗談めいて笑う2人。

 

 

 

 

『まさか・・・本当にね・・・』

 

真実はアラフェン侯爵にしかわからない・・・

 

 

 

 




そんなに長い文章書けないけど、応援してくれると嬉しいです。

本日のお話は、

アラフェン侯爵とマデリンさんの関係について・・・

実際に原作では、なんでサカ部族を嫌っているのかなぁ

ただの草原の民族だとバカにしてるのか、それとも本当に嫉妬だったのかなぁ

皆さんは、どう思いました?

後書きでは毎回、こんな書きながら思った話を話していこうかなぁと思います。


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