機動戦士ガンダム U.C. HARD GRAPH 名も無き新米士官の軌跡   作:きゅっぱち

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夏休みといえば、皆さんはなんでしょう?

今は桜の季節ですが、中尉は花見は出来ませんでした。

その分楽しんでもらいたいものです。

バカ・ゴー・ホーム!!


第四十六章 フライング・イン・ザ・スカイ

日本国。

 

日の本の国。

 

連邦政府設立に大きく貢献した、世界の認める経済特区。

 

最先端技術と古の伝統を受け継ぎ、調和した混沌を併せ持つ国。

 

中尉の、故郷。

 

 

 

U.C. 0079 8.14

 

 

 

「うわぁ………やっぱり世界は綺麗だなぁ………海!うーみー!!」

 

伍長が窓にへばりついてはや数時間。"ミデア"は順調にその歩を進めていた。

 

現在"ミデア"は太平洋上空を飛んでいる。

雲一つない青空はどこまでも蒼く、穏やかな大海原はどこまでも碧く。

 

水平線の彼方まで続き、一つとなる。

 

ただただ青い静かな世界の中を、"ミデア"は舞う。

 

戦争なんてどこにもない。

 

ジオン勢力圏内らしいハワイ諸島を避け、"ミデア"は日本を目指す。

"ジャブロー"からの情報によると、"キャリフォルニア・ベース"の潜水艦部隊丸々拿捕され、その足で墜とされたらしい。バカだろ。

 

「ひこぉーきぐーもーふふふふーん…」

「……久振りだな……日本…か………」

「……やはり、嬉しいか…?」

「まぁ、な……"キャリフォルニア・ベース"で墜とされてから、よくここまで生きてきたな、と……」

「…隊長は、あの激戦を生き抜いていたのですか?」

「うん?言いませんでしたっけ?」

「はい。初耳です。という事は、軍曹や伍長も?」

「そうですよ。おやっさんもです。そこから"ザクII"分捕って、"ジャブロー"まで……」

「……まるで、物語(フィクション)だな……」

「全くだ」

 

嵐も無く、トラブルも無く。"ミデア"は"El Mare Pacificum" (平和の海)を越えて行く。

 

「でも、隊長はよくこの休暇を許可しましたね?てっきり拒否するものかとばかり思っていました」

「……確かに、少し思っていましたが、休むのも仕事ですし、皆さんにも休んで欲しかったですから……」

「……中尉らしい、な…」

 

まっ、俺のモットーは、『食う寝る働く、その合間にホンのちょっとのお遊び人生』だからな。

そんなもんですよ。

 

少尉は整備班達と格納庫だ。

なんでもデータ回収に修理、テストなどが全く終わってないらしい。

"母艦"の事もあるため、今のうちという事らしい。

………一番休むべき人が休んでねぇ…………。

 

「きっと、あの雲の中にラピュタがありますね……」

 

さっきから伍長の独り言が爆笑過ぎる。しかもジブリばっか。

ねぇから!竜の巣じゃねーからそれ!!

 

なので特にやる事もない中尉軍曹伍長上等兵は休憩室で時間を潰していた。

あまりに暇なのでポーカーをやってみたが中尉1人ボコられる結果となり、結局おしゃべりだった。

 

「…コーヒーだ…」

「ありがとう。うん、旨い…」

「?…前とちょっと違いますね。こっちの方が私の好みです」

 

えっ、マジで?気づかんかった。

 

「…キリマンジャロと、ジャブローの相性がな……モカマタリを、5%減らした……」

「そうなんですか。コクが深まっていい感じです」

「……そうか……」

「…分からんかった……」

 

因みにポーカーの順位は軍曹トップ、その下に上等兵、ほぼ並んで伍長、その遙か下に中尉だった。頭良すぎに勘が良すぎの超人集団に凡人は勝てなかった。

 

「……あの、軍曹……」

「…何だ…?」

「……休暇の、予定とか……ありますか?」

「…………」

 

軍曹が考え込む。そうか、休暇か……。

 

因みにあんなに喜んでいた少尉の休暇は結局MS整備と"母艦"受領もあり無しになったらしい。爆笑必至である。

おやっさんは特命で"オーガスタ"へ向かったが、その事は元から知っていたらしく、伸ばしたのは中尉への昇進祝いとの事だった。

 

『楽しんで来い』

 

その言葉に涙ぐんでしまったのは当前だと思う。そう思いたい。

おやっさん……ありがとう。

 

因みにおやっさんは極秘の任務のため"オーガスタ"へと向かったが、中尉にだけその内容を話していた。

 

現在"オーガスタ"では新型MSを"ガンダム"ベースで開発を始めており、その中心メンバーとして抜擢されたとの事だ。

その計画とは"G-4計画"と"ガンダム・セカンドロット計画"、それに"RX-80(次期主力機開発)計画"と言うらしい。

 

"ガンダム"を中核に置いた、次世代新型MS開発計画を並行して行うとの事だった。

試作型に量産型、次期構想機や実験機などを複数のチームに分かれ製作、統合を繰り返し総合的な機体を作る一大計画との事だった。

ヴィックウェリントン社やA.E社、YHIにハービック社やレールス・フライテック社などを初めとする連邦側大企業の社員も多くが参加するそうだ。

 

つーか、次期主力って……まだRX-79すら本格生産出来てないのに……。

気が早いなぁ……いや、普通か。

 

軍隊には常に新しい兵器を開発し続ける宿命がある。そして限られた予算の中で兵器をいかに効率良く開発し運用するか、ということに関しては敏感だ。

 

……今の連邦軍はそう思えないのが現実だが………。

 

「……隊長は…?」

「うん?実家に帰ろうかな?くらい?か?」

 

ホントにただそれだけ。

なんも考えてなかった。

 

「……ふむ……」

「あっ!休暇の話ですか!混ぜて下さい!」

「……中尉はVIPだ。護衛は必須…ボディガードとして同行させて欲しい…」

「…いや、俺そんな偉い?すんげーありがたいけど軍曹も気にせず休暇を…」

「伍長はどうするんですか?」

「え?少尉と一緒にいますよ?」

「え?」

「えっ?」

 

いや、俺実家帰るんだけど。話聞いてた?

 

「…観光とかしないのか?俺ん家来てどーすんのよ?」

「…観光、か……中尉、観覧車はあるか……?」

「うん?いや、無さげだった気が……つーか伍長?俺ただ家帰るだけだよ?」

「はい!ついて行きます!」

 

なんでやねん。意味が分からん。

軍曹はともかくなぁ……。俺のモットーは『状況は最高を、備えは最悪を』だからな。

 

「………軍曹、予定無いならボディガードついでに一緒に来るか?観覧車は無いけど温泉はあるよ?」

 

つーか軍曹観覧車好きなの?意外過ぎんだけど。

 

「それより少尉海はありますか!?」

「近いよ?だから俺ん家より海行ったら?」

「いいえっ!少尉と一緒に海行きたいです!」

 

伍長?俺そんな事言われたら勘違いするよ?それでもいいの?

つーか海好きな。俺もだけど。

 

「海好きだねぇ伍長」

「はい!だって海はいいですよぉ、ザザーンの部分が堪らない」

 

また抽象的な魅力をどうも。

 

「…軍曹、それは決定なのですか?」

「…あぁ。傭兵時代やっていた。任せて欲しい……」

「…いえ、そうではなくて……隊長、実家はどちらに?」

「うん?山陰地方です。言って分かります?」

「…私も同行してよろしいでしょうか?」

 

は?

 

「えぇっ!?そんなムリして付き合わなくていいんですよ!?」

「…いえ、その……」

「上等兵さんも来るの!やった!一緒に海に行こうよ!!」

「いえっ!しかし…」

「「…………」」

 

軍曹と顔を見合わせる。どうしてこうなった。

いや、ウチ古いけど空き部屋いっぱいあるから別に俺は構わんけど……何しに?

 

「…護衛対象は、固まっていた方が…」

「…ウチは別にいいですけど……いいんですか?観光とか……せっかくなら京都とか行ったらいいのに…」

「じゃあ決定ですね!!」

「……すみません。わたしの我儘を…」

「…という事らしい…世話になっていいか?」

「俺は構いませんけど…両親も歓迎しそうですし……」

「少尉の家だーっ!!うふふ~」

「お世話になります」

 

上等兵がウチに来る……少尉聞いたら発狂するんじゃね?

 

ガラン、と何かが落ちる音に振り向いた中尉が凍りつく。

 

曲がり角から覗いた少尉がスパナを取り落とし、壁に爪を立て唇を噛み凄まじい形相でこちらを伺っていた。最悪のタイミング過ぎんだろ。

つーかすげーな、その内壁スチール製だよ?

 

その後ろでわらわらと集まっていた整備兵達は腹を抱えて笑い転げていた。俺もそのノリで……ムリですよねー。

 

「しょうたいちょー?今の話……」

「ふふふ…うははははははっ!!ひーっひっひっひっ………あークッソワロタ」

「みなさぁーん!?笑って無いで少尉を止めてくださいよ!!

なんか怖い!目が怖い!!ヤベェぐらいに目が笑ってねぇ!!その目、誰の目!?」

「さぁっ!貴様の罪を数えろ!!伍長!上等兵を誘惑したお前も同罪じゃボケぇ!!」

「ええっーっとぉ……どこまでがなんの罪なんですかねぇ……数え切れません!!6こくらい?」

 

安心しろ。俺もだ。でもそんなには少なく無いと思う。

 

「少尉?貴方に私を左右する権利はありませんよ?」

「……という事は…この泥棒猫………」

 

お母様!?なんて言ってる場合じゃなさそ……。

 

「うがぁーっ!!死ねぇぇーっ!!」

 

ドスッ。

 

「うぐほぉ……っ!!」

「わぁお!少尉!『ボディがお留守だぜ!』って言ってキメて下さい!」

 

突然殴りかかる少尉へ中尉が冷静に対応、鳩尾への強烈なカウンターの一撃で崩れ落ち床に沈む少尉。そのヤられ方が妙にカッコいい。何だコイツ。

 

「……ひーひー…腹イテぇ…モッテモテですね中尉!羨ましい限りですぜ」

「はっは。羨ましい限りですな。おっと、今のは家内には内緒で」

「何でそんな話に?

……皆さんは結局付きっ切りですか?」

「まあな。願っても無い事だがな。気にすんなよなー?」

「はっは。気にせずともよろしい事ですな」

「そーですよ隊長。おやっさんもいません事ですし」

「すみません」

「…整備班、護衛は任せて欲しい…」

「あぁ、頼んだぞ?」

「隊長も、拳の語り合いは終わったか?」

「拳というのは時に、口よりも多くの言葉を語るのですっ!」

「…なんとなくわかる気がしなくもないですが……語り合ってどうするんですかね?」

「対話ですね、物理の」

「それでも届かない時もあると思います…今とか…」

 

つーかそもそも語ってない語ってない。一方的過ぎだから。一方通行だったから。光もビックリするレベルの真っ直ぐ具合ないいベクトルでした。

 

「……」

「そういう時は、蹴りましょう」

「鬼だなおい!!」

「うぐおぉぉぉ……やりやがったなぁ……」

 

復活した少尉が立ち上がる。足腰生まれたてのバンビ並みにガックガクしてっけど。

 

「………気のせいだろ。その気になれば痛みだって消せんじゃねぇの?」

「そんなわけがあるかぁ! 痛覚は無視できない人間の正常な感覚機能だろうが!!」

「うるせぇぇ!!なら麻酔打ってボコボコにしたらぁっ!!」

「それは死ぬ。マジに死ぬ」

 

うん。やっぱコイツからかうのオモロイわ。言えるし返してくれるのはイイよね。キャッチボールというよりバッティングだけど。

まぁ、将来的に、MSだって野球ぐらい………。トランスフォーマーだってアメフトもバスケもやるし……。

働いてくれ司令官(イボンコ)……ペッチャンコにするぞ?

だから謎なんだよ。だから敵が空飛ぶエビでトランスフォームしたら凄まじく弱体化するんだよ。敵の弾は1ドットだし。

 

「ところで少尉、本題は?」

「朗報だ。"ジーク"でも"ヤリ"が使えるぞ?おやっさんの置き土産でな…」

「えっ?どういう事?」

「取り敢えずコイツを見てくれ、どう思う?」

 

ぞろぞろと整備班達が持ち場へと戻って行く中(←もはや何のために来たんだよ)、少尉にペラペラしたフィルムのような物を渡される。ナニコレ?

 

「すごく……薄っぺらです……」

「そうだろー?って違う!!」

「何ですソレ?ネガ?」

 

久振りに聞いたぞネガなんて言葉。別にカメラとかに拘りねぇし俺。

 

「…! 始めて見た…」

「"デジタルペーパー"ですね。しかしコストの問題から……」

「あぁ~」

 

思い出した。"デジタルペーパー"。

ある日本人がSFの様な携帯電話作りたいとか言って開発したヤツだ。なんつー理由だよ、オイ。

 

言うなれば超薄型スクリーンで、ペーパーという名称だが実際にはフィルムような素材だ。しかしながら書ける程度の剛性はあり、折り曲げても折れず疲労も起こさない新素材を用いている。

 

内部はナノサイズのチューブが網目のように走り、圧力に反応し電子的に励起される構造となっており、タッチペンのような電子ペンを使って物を使って自由に書き込みの編集が出来る。

また端末に接続することで普通の紙のようにデータを"プリントアウト"することも可能だ。

紙に代わる新素材として普及するかと思いきや、そのコストの関係から見送られた悲しき存在。

 

因みにその携帯電話も、口紅くらいの筒からそのペーパーを引き出して使用するという近未来チックな一品だったが、小さくて使いづらいバッテリーの消耗が早い画面小さい基本的な携帯電話の機能しか使えない充電器が専用イヤホンジャックが無いコスト高い捜すのが大変と速攻で消えた。

 

しかしこの技術はカードやプラスチック製の紙幣へと応用され、結構役に立ってるらしい。

 

「コレ使ってんですか?」

「ウチの整備中隊で試験的に低コスト化に成功した物を導入する事となったんだよ。おやっさん新しいもん好きだから……どうだ?まぁ、後は……"ガンダム・ハンマー"の改良計画は上に通しておいたぞ?鎖をワイヤーに、それを巻き取るためのウインチユニット追加に、トゲの強化に、本体加速用のスラスター追加だっけか?」

「ごくろーさん。

……俺はもう使わねぇけどなアレ」

「もったいねぇなぁ……」

「それは置いといて、このペーパー、いいな、中々……今までのチェック端末より軽いし……これか?"ビームジャベリン"?」

「えぇ~ヤリですかぁ……要りません……」

 

さっき開口一番ヤリって言ってたじゃん……伍長……。

 

「そうだ。詳しくはソレを見てくれ。エミッターを解除したらその形態に変化した。大将なら使いこなせるだろとの事だ。やったな、コレで中尉も"ジーク"も百人力だ」

 

デジタルペーパーに表示された"ソレ"は、まさにジャベリンだった。

少尉曰く制限装置を解除することで、通常の"ビームサーベル"がこの形態へと展開するとの事だ。

"ビームサーベル"に比べ展開範囲が狭いためビーム圧縮率が高く貫通力及び破壊力があるが、先端にしかビームがないため取り回しが不便であり、使いこなすには慣れが必要であるらしい。

 

因みに"ジーク"は中尉の搭乗する"陸戦型ガンダム"の愛称だ。

0番機だかららしい。それ意外にも"ガンダム"や"00"(ダブルオー)、"ゼロ"、"レイヴン"、"G"など様々あったが、気がついたら"ジーク"に統一されていた。

恐らく"零式艦上戦闘機"(ゼロ戦)の愛称がモチーフだろう。フツーに"ゼロ"って呼ばれてたらしいけどさ。

 

アメリカ人の"ゼロ戦"(ゼロ・ファイター)好きは異常とも言える。誇らしい反面複雑だわ。

 

因みにアメリカに個人で保存されていた機体はまだ飛行可能だ。前乗った。

 

「うん?この"コーティング"って何だ?」

「……気になるな、A.Eのか……?」

「聞いた事があるかも知れません」

「その通り。それはA.Eから回って来た試作の特殊塗料で、なんでも高温に対し凄まじい比熱を持って蒸発する事で、簡易的な"ビームバリアー"となるらしい。

さしずめ"ビームコーティング"とでも言うものか?それも試してみろってさ」

 

すっげぇ。マジかそれ。ルナ・チタニウムと合わせまさに"最強の盾"だな。強欲(グリード)だねぇ。

 

「……はぁ。と言っても……」

「敵にビーム兵器持ちは居ない。しかし、ヒート系格闘兵装は先端がプラズマ化してんだ。少しは使えるだろうと思ってな……」

「えぇっ!?そんな凄いのなら全身に塗れば無敵じゃないですか!?」

「それはムリなんじゃね?」

「……どうなんだ…?」

「……君のような勘のいいガキは嫌いだよ…」

 

少尉が答えた。

アレ?少尉始めて技術少尉らしい事してね?

つーかお前の方がガキじゃボケぇ!!

 

「結論から言うとムリだな。その塗料はかなり高価で、なおかつ耐えるといっても低出力ビーム数発程度。それに、MSはダクト以外では装甲から廃熱を行うんだ。あっという間に劣化しちまう……それは物凄い限定的な場面でしか使えねぇんだよ…まぁ、シールドか……機体のごく一部ぐらいか?」

「まぁ、だろうなぁ……」

「なぁんだー」

 

そうか。そうだよな……『何かを得ようとするなら、それと同等の対価が必要』って錬金術師の皆さんが言ってるもんな…………。

 

「……?」

「どうした?伍長?お腹空いたのか?」

「いや、少し空いてますけど……違います」

 

突然何かに反応したように顔を上げる伍長に、中尉が問う。

中尉はその行動に既視感(デジャヴ)を感じていた。たまにあるアレだ。

 

「機長さんとお話出来ますか?」

「? どうして?」

「いや……何か嫌な予感が……」

「よし、話をしよう」

「そうだな」

「隊長は信じるのですか?」

「そうだぜ?こんな小娘の…痛い痛い痛い!痛いって! 痛いです! 肘つねらないでっ! 何だこの地に足のついた痛さ!」

「……何をして欲しいんだ…?」

「……うーん……?」

『何だアレは!?』

「「!?」」

 

全員がその声に反応し、操縦席へ向かう。さっきまでの雰囲気は一切無かった。

 

「機長!情報を!」

『前方10時方向に黒煙多数!』

 

10時方向……?今の位置なら……"ミッドウェー"か!?

 

「少尉!!見て!!」

「!? 艦が!!」

 

蒼い空と海を汚す、火花舞い散る黒煙の中、多数の戦艦が火を噴き、その巨体を偏らせていた。

更に爆炎が重なり、轟沈、爆沈して行く。

 

「…………」

「……太平洋残存艦隊か……!」

「救助は!?」

「機長!高度は落とせるか!?」

『ムリだ!どのみち"ミデア"じゃ着水出来ん!!それに、今降りたら日本まで辿り着けん!!』

「!……クッソ!!」

 

艦隊の殆どが何らかの損傷を受け、火を噴きつつも回頭、艦隊は落伍艦を出しつつも撤退を始めた。

 

壊滅(・・)だ。再編成には、長い時間を要するだろう。

 

「「…………」」

 

連邦軍は、確実に追い込まれている………。

 

この戦争、勝てるのか……?

 

つーか、休暇とってる場合か、コレ?

 

 

『運命の5分間』

 

 

数多の血を吸おうとも、海は蒼い………………




U.C. 0079 8.11。連邦軍太平洋艦隊の残存戦力は結集し、公国軍に占領されたハワイ本島奪還作戦を決行。「ミッドウェー海戦」が開始されました。

U.C. 0079 8.14。連邦軍太平洋艦隊の残存戦力、ミッドウェー海戦において公国軍水陸両用MS隊の反撃を受け、壊滅的打撃を被り敗北。

中尉はそれを目撃した形となりました。

いきなり暗い影を落としてますが、中尉の夏休み編、続きます。

因みにポーカー、中尉は別に弱くはありません。周りが規格外過ぎるだけです。

ガンダムハンマーに続き、ビームジャベリンの登場です!!

現在、バズ2つ、母艦、ジャベリンと新武器や装備のみが溜まって行ってます(笑)。使い切れるかなぁ……。

因みにジーク以外にもHampというあだ名がありましたが、ジークの方がかっこいいので(笑)。メタルギアの名前にもなってるし。

次回 第四十七章 河を渡って木立を抜けて

「ふっ、気にすんな。変な奴に変な質問をされたところで気にしねーよ」

お楽しみに!!

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