絵里「それで風音」
風音「はい…」
絵里「なにか言うことは?」
風音「風音だってまさか追いつかれるなんて思ってなかったと言うか高坂さん早すぎるって言うか」
絵里「なにか言うことは?」
風音「申し訳ございません!」
二度目の絵里は低く怖い声だったので速攻で謝ってしまった
しかもこれは!
土下座!
絵里「はぁ…次からはもっと用心深く…ね?」
風音「あざっす!」
許してもらえたみたいだ、よかった…
絵里「そういえば希が仕事ほったらかしで行っちゃったわね」
風音「全力でお手伝いさせていただきます」
風音はすぐに席に座って資料を漁る
廃校が発表されてからの
クラブの規制案
同好会の廃止
クラブの予算の縮小
そして普段から行う業務の
備品の発注と補充
設備の状態管理
行事の予算割り当て
行事に向けての計画書作り
これだけの作業を二人でこなしてたのはすごいと思う
風音「絵里ってさ…」
絵里「どうしたの?」
言葉のやり取りはおこなっているが風音もエリチも作業をやめない
風音「やりたいこと…できてる?」
絵里「えっ?」
絵里の手がとまった、やっぱり
風音「いやさ、これだけの業務ってさ、明らかに生徒会だけでやることじゃないでしょ?」
絵里「ええ、いくつかは先生方に頼まれてやってるのもあるわよ」
風音「時間…足りてる?」
絵里「…」
風音「まあ今は風音を頼ってよ、どうせ風音は遊べない、下手な真似もできないっていう状況だからさ、することないわけでして…」
絵里「でもあなたは…」
風音「じゃあそうだな…エリチにお願い!風音を暇にしないで」
絵里「どうゆう意味よ」
風音「仕事をもっと寄越せってこと、まだ遠慮してるみたいだから」
手元の紙の量を見れば一目瞭然
絵里が7で風音が3ぐらいしかない
風音「絵里って生徒会も仕事してる時さ」
絵里「なによ…」
風音「目が曇ってるんだよね」
絵里「曇ってる…?」
風音「さっき高坂さんと話してるときの絵里はまだ明るかったのに、澄んでいたのに」
それは昔の風音のような、仕方がなく、いやいや行動してる時の眼だ
風音「へんなこと言ってごめんね?でも絵里にはその目が似合ってないから」
絵里「そこまで言われて何もしなかったら私が悪者みたいじゃない…」
そういって少し仕事を押し付けてくれる絵里の眼は、輝きを取り戻した綺麗な目になっていた
風音「あっ!でもさ」
絵里「どうしたの?」
風音「絵里が先に終わると思うから終わったら手伝ってね!」
絵里「あなた凄い言ってることがちぐはぐよ…」