if√ラブライブ!   作:流雨

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第35話

絵里が去った後に、少し気になったことを海未ちゃんに質問する

 

風音「そういえば海未ちゃんは敬語を使ってるのに呼び捨てにするよね?」

 

海未「そうですね、家の影響で敬語に変わったのでそのせいですかね?」

 

風音「なるほど…確かに小さい頃から敬語だったらおかしいか」

 

海未「いると思いますよ?私の親戚とかに何人かいますし」

 

風音「そこまで行くとお家柄だね…」

 

ことり「なんの話してるの?」

 

風音「あぁ、海未ちゃんの敬語の話だよ」

 

そう言って、ことりんが海未ちゃんの隣に移動してきた

ことりんはすでにパジャマに着替えていて、すこし髪の毛が濡れていた

 

ことり「海未ちゃんが敬語なのっていつからだったかな?」

 

海未「私はもう覚えてないですね…それよりことりはお風呂に入ったのですか、私も入らせてもらいますね」

 

ことり「うん」

 

海未ちゃんが失礼しますね、と最後に言ってお風呂にむかった

空いた隙間をよいしょっ、って可愛らしくことりんが詰めてきた

 

風音「髪の毛乾かさなくて大丈夫?」

 

ことり「う~ん、そうだ!風音ちゃんが乾かして~」

 

風音「はいはい、風音にそんなこと頼まないの」

 

ことり「風音ちゃんなら大丈夫だよ、だからちょっと待っててね」

 

ことりんは真姫ちゃんにドライヤーを借りて戻ってきた

 

風音「はぁ…しかたないな…」

 

ことり「ふふっ、じゃあよろしくね」

 

ことりんは風音にワイヤレスのドライヤーを渡して

風音の前に座った

 

風音「ことりんの髪は長いね、手入れとかめんどくさいでしょ」

 

ことり「手入れをおこたったら女の子しっかくだからね、風音ちゃんこそ手入れが難しいでしょ?」

 

風音「風音は手入れなんかしてないよ?」

 

ことり「本当!?」

 

風音「うん…えっ?なんかおかしい?」

 

ことり「そんなに長いんだから手入れしないと痛んじゃうよ」

 

風音「痛んではないと思うけど」

 

ことり「ちょっと触っていい?」

 

風音「いいけど…」

 

ことりんがこちらをくるっと向き、風音の耳の横の髪の毛をそっと触る

ちょっぴりくすぐったいけど我慢して少し視線を横に向ける

 

ことり「ずるいよぉ…」

 

風音「な、なにが?」

 

ことり「手入れなしでこれだけ綺麗だとずっこいよ」

 

風音「いやいや、ことりんはすごく綺麗な髪だから羨むことないと思うけど…」

 

ことり「ことりは手入れしてるからだよ~」

 

風音「まあまあ、それで綺麗なんだからさ、風音は髪の毛痛まなくてもあんまり嬉しくないから」

 

ことり「あ~、うん、確かにそうだね」

 

それからもゆったりと会話しながら髪の毛を乾かしていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風音「はいっ!おしまい」

 

ことり「ありがとね風音ちゃん」

 

風音「どういたしまして」

 

真姫「終わったみたいね、あなた以外は皆お風呂に入ったからあなたも早く入りなさい」

 

風音「オッケー、じゃあ借りるね」

 

真姫「えぇ、ゆっくりどうぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風音「ふぅ…」

 

広いお風呂に浸かりながら考える

 

凛ちゃんがあの女の子だったなんて

 

たしかあれは6年前、風音がまだ小学生5年生の時だった

 

 

 

 

 

 

風音「みんなひどいな…」

 

その日、かなりはやめに行われた夏祭り

風音はなんにんかのともだちと来ていたのだが、途中でおんなみたいだとかなり言われた

すねてしまった風音はひとりで誰もいない場所に逃げてきた

 

風音「だれか泣いてる…?」

 

すこし落ち着いた風音はかすかに聞こえる泣き声を聞いた

はなれた場所のかいだんのあたりから聞こえる

 

風音「だいじょうぶ?」

 

凛「ひっく…ひっく…」

 

そこにいたのは短い髪の少女、すこしボーイッシュな格好をしている

風音とは真逆だ…

 

風音「泣かないで、どうしたの?」

 

近づいて話しかける

 

凛「…ひっく…だあれ?」

 

泣きながらも返事をしてくれた女の子

顔をちゃんとみると可愛らしい顔の女の子だった

 

風音「風音だよ、きみは?」

 

凛「ひっく…りんは…りんだよ…」

 

風音「凛ちゃんか、そうだな~とりあえずこれあげるから泣き止んで?」

 

そういってポケットに入れていたオレンジ味の飴を取り出す

 

凛「いいの?お姉ちゃん」

 

風音「い、いいよ」

 

また女の子呼ばわりされた

風音が頑張って男の子の格好をしようとこうなってしまうのだ

 

凛「ありがとう……おいしぃ」

 

風音「よかった、それで何があったの?」

 

凛「えっとね、りんがみんなとお祭りに行ってたんだけどね、おとこのこたちがきてお前だけおとこだなってばかにされたの」

 

風音「じゃあ風音といっしょだね、実は風音はおとこのこなんだよ?」

 

凛「えっ、お姉ちゃんっておとこのこなの?」

 

風音「うん、そうだよ」

 

凛「わわっ、じゃあごめんなさいしなくちゃ、お姉ちゃんってまちがえちゃってごめんなさい」

 

そういって立ち上がって頭を下げてまで謝ってくれた

 

風音「べつに気にしてないからいいよ、そうだなー、じゃあ風音君って呼んでよ」

 

凛「風音…君?」

 

風音「そうそう、これで風音のことをおとこのこって憶えるよね」

 

凛「うん!」

 

風音「そうだ!ふたりで一緒にお祭りに戻ろ?間違われる同士で遊んじゃお」

 

凛「いいよ~、じゃあいこっか?」

 

それから二人でお祭りが終わるまで遊んで回った

途中で二人をからかった人と遭遇したけど、知らない人と一緒にいる風音たちには話しかけてこなかった

 

そして遊び終わった二人は、もう一度誰もいない場所にと戻ってきた

 

風音「たのしかったね」

 

凛「そうだね」

 

ふたりで階段に座り一息つく

祭りの目まぐるしさは抜け、ゆったりとした時間が流れた

 

風音「凛ちゃんって可愛いのにどおしておとこのこなんてよばれるのかな?」

 

凛「わからないにゃ、でもでもりんはおとこのこよりたいくできるよ?」

 

風音「それも原因かも知れないね、でもそれは凛ちゃんのいい所でもあるからね」

 

凛「今日ね、りんは思ったんだ、じぶんだけじゃないんだって」

 

風音「それは風音もおもったよ」

 

凛「だからこれからおとこのこだっていわれてもだいじょうぶ、ぜったいにだいじょうぶ」

 

風音「そうだね、風音もがんばる、きっとカッコイイ男になる」

 

凛「じゃあ凛は綺麗な女性かにゃ?」

 

風音「そうだね」

 

凛「じゃあ約束しよっか」

 

風音「うん」

 

凛「次に会う時までに」

 

風音「カッコイイ男に」

 

凛「綺麗な女性に」

 

「「変わるんだ」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後は凛ちゃんの友達の一人がずっと探してたらしく

そこにたどり着いて二人で手をつないで帰っていった

すこしすると風音の姉ちゃんが迎えにきたので凛ちゃんとの話をしながら帰った

 

風音「なつかしいな…」

 

長い間忘れていた、結局風音は男の子とは程遠く

凛ちゃんも自分に自信がないままだけど

それでもいい思い出だったのには間違いはないので問題ない

 

希「風音ちゃーん、長いけど大丈夫?」

 

風音「ああ、もう出るよ~」

 

一応希しかいないだろうけど全身にタオルを巻いて出る

 

希「おっ、いちおう気にしてんねんな」

 

風音「もしタオル持って入ってなかったらどうするつもりだったの?」

 

希「それはそれでいい経験になるやろしな」

 

風音「えっちだな…」

 

希「ふふっ、風音ちゃんやからよ」

 

 


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