if√ラブライブ!   作:流雨

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第34話

夏も近いこの季節の夏、風音が一番大好きな時間だったりもするこの時間に

5人で並んで帰っている

 

希「そういえば凛ちゃん、風音ちゃんが男の子だって皆には言わないようにね」

 

凛「わかったにゃ」

 

ことり「生徒会室で、秘密を知ってる人だけがいる時は大丈夫だよ」

 

風音「だから男の風音とお話したい時は生徒会室に来てね」

 

凛「わかったにゃ」

 

希「これで3人目か…」

 

風音「結構バレてるね」

 

ことり「ことりはカウントしなくていいと思うけど」

 

風音「そうだね、ことりんは前から知ってたもんね」

 

凛「……!」

 

希「どうしたん?凛ちゃん?」

 

凛「ちょっとだけ……ちょっとだけ風音ちゃんと二人きりにして貰っていいかな?」

 

風音「いいけど…どうしたの?」

 

凛「ちょっとね」

 

希「じゃあ丁度いいし、そこの公園でお話してき、ウチらは先に帰っとくね」

 

凛「うん、ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風音「それで?どうしたの凛ちゃん」

 

希達に荷物を任せて公園のブランコに座る

 

凛「うん、この前約束した、何か一つだけお願いを聞いてくれるって言うの、今言っていいかな?」

 

風音「大丈夫だよ、それで?」

 

凛「えっとね、凛も風音君って呼んでもいいかな?」

 

風音「えっ!?本当に!?」

 

凛ちゃんの申し出に風音は驚きつつ喜ぶ

 

凛「うん、凛ね、ずっと風音ちゃんと仲良くなりたいって思ってたの」

 

凛「たぶんね、凛達は昔会った事があるんだ」

 

風音「そう…なの?」

 

凛「うん、憶えてないかな?昔にした約束、男の子の凛と、女の子の風音君の話」

 

風音「あっ…」

 

思い出した、風音は昔凛ちゃんに会っている

6年前の夏、丁度今と同じ、夏の夜に

 

風音「あの時の凛ちゃん?」

 

凛「うん…そうだよ、凛だよ…」

 

風音「気付かなかったよ、凛ちゃん可愛くなってたから」

 

凛「凛も最初は気付かなかったよ?風音君は全然男の子してないもん」

 

風音「うっ…そうだけどさ」

 

凛「全然約束果たしてないじゃん、凛もあんまり人のこと言えないけど」

 

あの時交わした約束、その日にたまたまであっただけの二人の約束

次に会う時までに

 

風音「カッコイイ男に」

 

凛「綺麗な女性に」

 

「「変わるんだ」」

 

風音「風音はちょっと無理があるね」

 

凛「凛もダメダメだよ、結局受け入れちゃったしね」

 

風音「ははっ、じゃあどっちもどっちだね」

 

凛「そうだね…よかったぁ、思い出してくれて」

 

風音「うん、久しぶり、凛ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

その後すぐに凛ちゃんと公園を出て

真姫ちゃんの家を目指す

 

凛「にゃーんにゃーんにゃーん♪」

 

公園を出てから凛ちゃんはずっと機嫌がいい

腕に抱きついて猫全開になっている

 

風音「やっぱりお願いは別のにしてよ」

 

凛「風音君って呼んじゃだめなの…?」

 

機嫌が一転、シュンとしてしまった

 

風音「違くて、お願いじゃなくても風音君って呼んで欲しいから、お願いはまた別の事に使って欲しいなって」

 

凛「ん~じゃあまた決まったら言うにゃ」

 

風音「うん、それと皆の前では」

 

凛「風音ちゃんだね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風音「ただいま~」

 

凛「にゃ~」

 

今度は迷うことなく真姫ちゃんの家に到着

リビングに向う

 

希「おかえり……って、えらい仲良くなってるね…」

 

凛「うん!」

 

風音「ちょっとあってね」

 

希「そっか、そういえば真姫ちゃんがお湯用意してくれてるからこれ持って行き」

 

そう言ってのんたんは凛ちゃんにヌードルを渡す

 

凛「うん!じゃあ行ってくるね」

 

風音「うん、じゃあね」

 

最後に風音に一声かけてから凛ちゃんは移動した

 

花陽「凛ちゃんとなんかあったんですか?」

 

風音「ちょっとね、特になにかあった訳じゃないよ」

 

花陽ちゃんになら昔の話をしていても不思議じゃないので黙っておく

連鎖で風音が男ってバレてしまうから

 

花陽「そういえば夏本さんに聞きたいことがあったんです」

 

風音「なになに?」

 

花陽「どうやってダンスをうまくなったんですか?」

 

風音「お姉ちゃんに無理やり教えられたんだ」

 

花陽「お姉ちゃん?」

 

風音「勉強って人に教えると自分のためになるっていうでしょ?お姉ちゃんがそれをきいて勘違いしてダンスにそれを当て嵌めちゃってさ」

 

毎日お姉ちゃんにダンスと歌をみっちり教えられたもだ

 

花陽「そうだったんですか…もうひとついいですか?」

 

風音「いいよ」

 

花陽「私にもっと直したほうがいい所ってありますか?」

 

風音「そうだな~、もっと次の段階に進むには自分の方向性を決めることかな?そしたら色々助言できるんだけど…」

 

花陽「方向性?」

 

風音「うん、わかりやすく言えば、絵里の様な踊りとのんたんの踊りじゃ少し違うでしょ?」

 

花陽「はい!」

 

風音「一緒の踊りを踊るにしろ、ちょっとした違いはある、それをどんな風にするか、絵里のような凛とした立ち振る舞いや希のような流れる様な踊りか、その方向性を自分で決めないと、今の花陽ちゃんはμ'sの基本型、特に決まりのない標準な踊りなんだよ」

 

花陽「なるほど…」

 

風音「この部分は風音が口出ししていい所じゃないからね、花陽ちゃんに変化が訪れたらその時は助言するね」

 

花陽「わかりました!ありがとうございます」

 

花陽ちゃんはすこし悩みながら風音のそばから移動した

 

海未「なんの話をしていたのですか?」

 

風音「踊りについてちょっと話をしてたんだ」

 

入れ替わりで園田さんが風音の隣にきた

その片手にはお菓子の袋があった

 

海未「そうですか、μ'sはあなたに踊りも含めていろいろお世話になってますね、ありがとうございますね」

 

風音「大丈夫だよ、こっちもμ'sの皆には元気を貰ってるから」

 

海未「そういってもらえれば幸いです、よろしければ一緒にこれでも食べませんか?」

 

そういって持っていたお菓子を持ち上げる

 

風音「おいしそうだね、食べよ食べよ」

 

海未「えぇ、そういえば先ほど話題にあがったのですが私だけ夏本さんに、苗字で呼ばれてるって言われたのです」

 

風音「たしかにそうだね…」

 

何故だかそうなってしまっていた

きっと園田さんからあふれ出る気品におされたのだろう

 

海未「やはりこのままではだめです、お互い下の名前で呼び合いませんか?」

 

でも心配そうな顔でそう聞いてくる園田さんからは少しもそんな気品を感じない

ただの女の子だ

 

風音「そうだね、海未ちゃんでいいかな?」

 

海未「はい!私も風音と呼ばせていただきます」

 

風音の返事で笑顔になった海未ちゃんは、持っていた袋を開けて、笑顔で風音と自分の間に置いた

 

風音「これでみんなしたの名前で呼ぶことになったのかな?」

 

海未「そうですね、これでまた一つμ'sの結束が高まった気がします」

 

絵里「そうね」

 

海未「絵里先輩、これ食べますか?」

 

絵里「いただくわ、あと隣失礼するわよ」

 

そういって風音の隣にエリチが座った

そしてすぐにお菓子をほおばった

 

風音「そういえばエリチはμ'sに入ってから皆のこと下の名前で呼ぶようになったね」

 

絵里「えぇ、そうよ」

 

風音「結束を高めるため?」

 

絵里「そのつもりだったのだけどね、あんまり効果はなさそうだから他のことを考えてるのだけど」

 

海未「他のことですか?」

 

絵里「そうよ、先輩禁止!って言うのを考えてるの」

 

風音「それって何をするの?」

 

絵里「完全に先輩後輩の上下関係をなくすつもりよ、先輩呼びも敬語も禁止にするわ」

 

風音「思い切ったことするね…」

 

絵里「今度から実施するつもりよ、海未も今からなるべく直すようにね」

 

海未「はい、絵里先輩」

 

絵里「先輩禁止!」

 

海未「えっ!あっ、わかりました…絵里」

 

絵里「上出来よ、じゃあ他の皆にも言ってくるわ」

 

風音「がんばれー」

 

海未「慣れそうにありませんね…」

 


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