店長とコラボの宣伝などの段取りを決めるなか、ことりんに変化が起きた
最近ずっとなにか思い悩んでるみたいだ
風音「ことりん、調子悪い?」
ことり「えっ!?いやっ、そんなことないよ」
風音「本当に?言ってくれればホール変わるけど…」
ことり「大丈夫!心配要らないよ!」
風音「ならいいけど…」
この前も教室でえげつなくセンスのない歌なんか歌ってたし大丈夫かな?
希「ちょっとそれは言い過ぎとちゃう?」
風音「うわっ!いつの間に来てたの?てか風音さんは何も喋ってない気がするけど…」
希「でも失礼なこと考えてたやろ?」
風音「否定はしない…」
μ'sとのコラボまで後3日に迫っている中、皆は練習が終わるとここにホールの動きとかを見に来る
今日は希一人だけみたいだけど
希「それにしても風音ちゃん慣れてるね」
風音「お姉ちゃんがいるのは前話したっけ?」
希「たぶんウチは聞いてないよ」
風音「あれ?エリチに話したんだっけな?まあいいや、お姉ちゃんはすっごいめんどくさがりでさ、それこそメイドのように扱われてるから慣れてるんだよ」
希「また嫌な慣れ方やね…」
風音「まあ今日はことりんがホールだしね、ことりんのほうが何倍も凄いからそっちを参考にしてて」
希「りょ~かい」
にこ「風音、これはどうすればいいの?」
風音「えっと、3番のお客さんに持っていってください」
にこ「わかったわ」
コラボまであと二日まで迫った今日、練習後に来たのはにこ先輩ひとりだった
風音「見るだけじゃなくて実際にやりたいって言われたときは驚きましたよ…」
お客様に料理を届け、お得意のにっこにっこにーをやり終えたにこ先輩に声をかける
にこ「そうかしら?本当なら皆にやってもらいたいんだけどね」
にこ先輩は他のメンバーに比べて、ずっとプロ意識が高い
今回もきっと、このコラボを成功に運ぶための行動だろう
風音「にこ先輩って初めてのメイドの筈ですよね?」
にこ「ええそうよ、なによ」
風音「いやぁ、すっごい手馴れてるな~って」
たぶん風音なんかよりずっと慣れてると思う
にこ「そうね、雑務なんかは家の家事とほとんど変わらないしね、接客もアイドルと通じる所もあるしそのおかげでしょ」
風音「ははっ、風音と似たような感じですね」
にこ「あんたも苦労してるのね」
風音「ですね、そういえばにこ先輩、最近ことりんが悩んでるみたいなんですけど何か知ってますか?」
にこ「たぶん歌詞が思い付かないんでしょう、あんたには言ってなかったけ?コラボが終わったら、この秋葉で路上ライブをしようってことになったのよ」
風音「知らなかった…」
にこ「それでその時に歌う歌詞を絵里が任せたのよ」
風音「それで不気味な歌を歌ってたんだ」
にこ「不気味って…不安になってくるじゃない…」
風音「大丈夫…たぶん…」
不安を抱えつつもラストまで頑張った
絵里「来たわよ」
風音「今日はエリチか」
絵里「えぇ、明日からのコラボの最終打ち合わせも兼ねてね」
風音「明日はことりん、穂乃果、園田さんだよ」
絵里「それで、人手不足はどうにかなるの?」
風音「うん、実はもう10人ぐらい面接に来たよ」
絵里「ハラショー、ならもう大丈夫なんじゃない?」
風音「それがね、みんな結構早くやめそうな雰囲気だったから4人しか残らなかったんだ」
絵里「ん~、まあ0人よりはマシね…」
午前も入れるフリーターを3人、高校生が1人を採用、コラボが終わると同時に入ってもらう予定だ
店長「助かったよ夏本さん、それとμ'sの皆も」
絵里「私達ですか?」
店長「そうだよ、知ってもらう機会がμ'sだったからね」
風音「そうゆうこと、この店の雰囲気とかはいいからね、あとは知ってもらうだけだったんだよ」
絵里「それなら安心ね、風音はコラボが終わってもここにいるつもりなの?」
風音「いや、辞めるつもりだよ」
正直もうここにいる意味もない、理事長への報告も終わったしミッションコンプリートだ
店長「えええぇぇぇ!」
風音「どうしました?」
店長「夏本さん辞めちゃうの!?」
風音「はい…」
急に店長はどうしたのだろうか
店長「少なくも3ヶ月はいてくれると思ってたのに」
風音「はっはっは、何のために人手不足を解消したと思うんですか」
店長「辞めるためだったの!?」
風音「半分くらいはそれが理由ですよ、後腐れなく辞めたかったですし」
もともとことりんの問題を解決したら、すぐに辞めるつもりだった
でも人手不足の中辞めるのは気が引けるので、ことりんの問題と同時に解決しようってなったのだ
店長「優秀な人材が…」
風音「たぶんことりんもそろそろ辞めちゃうと思いますよ?」
店長「ぶはっ!!」
絵里「店長さん!」
風音「結局スクールアイドルの時間も削られてますしね」
店長「OH…」
結局店長はその日、動くことはなかった