風音「ってことでお話し聞かせてもらいましょう!」
理事長「ごめんなさい、まったく話しが見えないわ…」
絵里が呟いてたと思う"動けない"って言葉
絵里ほどの人格者であればすぐに廃校を無くそうとするだろうに
なぜそうしないのか、なぜ動けないと言ったのかを聞きにきた
風音「絵里が、生徒会が何故廃校阻止の行動を起こせないか、あなたが何か言ったと思う」
理事長「そういうことね、あの人の言った通りになったわ…」
あの人?風音の行ってた学校の学園長か?
理事長「ここ数日の間あなたが絢瀬さんと過ごして、東條さんと過ごして、生徒会をかなり理解したと思うわ」
理事長「いまの生徒会はあの二人で成り立ってると思ってくれてかまわない、むしろあの二人で生徒会だと思って欲しい」
理事長が、他の生徒会役員はいらないって言ってる
一番上の立場の人間が…
理事長「私がここまで言うのにはちゃんと理由があるわ、あの二人は仕事が凄いできるの、いや、出来すぎるの」
理事長「ことりに聞いたのだけどあなたも今その二人と生徒会をやってもらってるみたいね、ありがとう、そんなあなたならわかるでしょ?」
風音「それはどれだけ二人が凄いかってことですか?」
理事長「それもあるわ、でも一番は、こんな仕事も生徒会が?って」
風音「確かに何個か見た気がする」
それは授業で使うプリントのコピーだったり
それは職員室の備品の発注だったり
それは朝礼の準備の指揮だったり
風音自身は来たばかりなのでやったことはないけど
昨日仕事を手伝ってるうちに見たプリントにあった
理事長「うちの職員は年々減ってきているの、1年生が1クラスしかないのは知ってたかしら、一年生だけを持ってる先生はこの学校に居ないわ、担任は2年の福担任も兼任してる、ようするに職員不足なのよ」
話しがわかってきた、そういうことか
絵里の動けない理由
風音「なんとなくですけど、理事長の言いたいことはわかりました」
理事長「そう…、私も正直心苦しいわ、一生徒にそんな役割を担わせるなんて」
風音「風音がなんとかします、二人に、絵里に自分のしたいことが出来る時間を作らなきゃ」
理事長「まかせていいかしら、せっかくのテスト一週間前だものね、あなたぐらいしか動けないけど、生徒会の仕事が再開する前に何とかして頂戴」
その間なら、職員も仕事はすくないから色々聞けるはずよ
そんな感じのことを言ってた気もするけど
風音はそれをちゃんと聞く前に理事長室を後にした