昼休みの終わりのチャイムが鳴れば、Dクラスとの試召戦争が始まる。僕たちFクラスは雄二の指揮のもと、作戦の最終確認を行っていた。
雄二「前線部隊の指揮は島田、中堅部隊は須川に任せる。いいか、敵とは一対一で戦わず、複数で取り囲んで戦え。ローテーションを組んで、少しでも長く時間を稼げ!!」
Fクラス「「「「「了解!」」」」」
ここでとうとう開戦の合図であるチャイムが鳴り響く。
雄二「さぁ開戦だ!!」
前線のメンバーは島田さんを先頭に教室から出陣した。僕たちも回復試験を受けるため、移動した。
《明久side》
回復試験の教室では学年主任の高橋先生がいた。
高橋先生「それでは試験を始めてください。」
開始の合図とともに問題に集中。ペンを走らせた。
《美波side》
一方廊下ではFクラスとDクラスの戦いが始まっていた。
「「「「試験召喚獣
Dクラスモブ平均 数学95点
vs
Fクラスモブ平均 数学48点
島田「隊列を乱さず、最低でも2人以上で組んで確実に叩いて!!そこまで絶望的な点差じゃない!!Fクラスの意地を見せるわよ!!」
Fクラスモブ「「「了解!!」」」
Dクラスモブ 数学93点
vs
Fクラスモブ 数学44点、50点、46点
Dモブ「なっ貴様ら複数で!!」
Fモブ「「「死ねぇ――――!!」」」
Dモブ DEAD
vs
Fモブ 数学44点、50点、46点
複数で襲いかかり、Dクラスを1人倒した。
Dモブ「そんな!!」
唖然としている彼に背後から巨大な影が現れた。
鉄人「戦死者は補習!!」
突如現れた鉄人こと、西村先生が戦死した生徒を捕まえ、連れていく。
Dクラス戦死者「へっ、ちょっと、いっ嫌だ!補習室なんて行きたくない!!」
鉄人「黙れ!!戦死者は戦争が終わるまで補習室で特別講義だ!!たっぷりと指導してやる。」
Dクラス戦死者「誰か!!助けてくれ――――!!」
鉄人「安心しろ。補習が終わるころには、趣味が勉強、尊敬する人は二宮金次郎、といった理想的な生徒に教育してやろう。」
Dクラス戦死者「それは教育じゃなく洗脳だ!!だ、だれか、イヤァァァーーーーー」
戦死した生徒は断末魔の叫びをあげながら消えていった(アーメン)
そのせいか、両軍の士気はかなり下がった。
島田「ちょっと待ちなさい、何逃げようとしてるの!!」
Fモブ「し、島田!たのむ、俺はまだ死にたくないんだ!!」
彼の恐怖が周りに伝染したのか、敵味方問わず逃げ出そうとするものが現れ始めた。
島田「あんたたち、男のくせになに逃げ腰になってんの!!見てなさい!!」
そう言ってウチは敵に勝負を挑む。
島田「島田美波、Dモブに数学勝負を申し込みます。」
Dモブ「何!!」
勝負を申し込まれれば絶対に受けなければならない。ここで逃げれば敵前逃亡となり、彼は補修室送りとなる。
Dモブ「くそっ!!やってやる!」
島田・Dモブ「「
ウチと相手の召喚獣が現れる。ウチの召喚獣は軍服にサーベルという装備、相手は鎧に剣といった装備だった。そしてその上に点数が表示される。
島田美波 数学168点
vs
Dモブ 数学78点
Dモブ「ば、バカな、Fクラスのくせにこんな点数!!」
島田「悪いけど数学ならDクラスになんて負けないわよ!!」
相手はウチの点数に気を取られ無防備、今がチャンスと思い召喚獣を突撃させる。そしてウチの召喚獣のサーベルが相手の召喚獣の胸を貫いた。
島田美波 168点
vs
Dモブ DEAD
Dモブ「し、しまった。」
鉄人「戦死者は補修!!」
Dモブ「そ、そんな!!いーーーーーやーーーあああぁぁぁ」
またもや突然現れた鉄人に連れて行かれる。
島田「あんたたちにはウチがついてる!!全員、戦うのよ!!」
ウチは、Fクラスの連中の士気を上げるため鼓舞する。
Fモブ「し、島田隊長!!あんた男だよ!!」
「かっこいい!!」
「一生ついていきます!!」
何気に男呼ばわりされたけど、ここは我慢する。
島田「何としてもここは守りきる!!全員隊列を組み直し迎撃開始!!」
Fモブ「「「「了解です!!姉御!!」」」」
そういってウチ達はまだ、とまどっているDクラスの前衛部隊に攻撃を開始した。
《雄二side》
廊下で誰かが鉄人に連れて行かれる叫びを聞き、ながら戦況の確認を行っていた。
雄二「ムッツリーニ、今のところ前衛はどうなっている?」
土屋「・・・島田を中心にかなり押している。」
雄二「戦死者の状況は?」
土屋「・・・こちらは2人が戦死したが、あっちは8人戦死している。」
雄二「!!まじか、いくらなんでも凄すぎないか?」
土屋「・・・島田がかなり奮戦している。5人は島田が戦死させた。」
雄二「こいつはDクラスも予想外だろう。しかし何かしらの手を打ってくるはずだ。ムッツリーニ、このままDクラスの様子を探ってくれ。」
土屋「・・・(コクリ)」
俺の指示に無言でうなずき、突如消えた。
雄二「さて、何事もなければいいが・・・」
《美波side》
今のところ戦況はこちらに優位に傾いている。そのおかげでこちらの士気はどんどん上がり、一方のDクラスは・・・
Dモブ「おい、これはやばいんじゃないか?」
「なんで俺たちが押されてるんだ。」
「くそっ、戦死はいやだ!!」
士気はかなり低下しており動きも鈍くなっている。
島田「(このままなら何とかいけそうね)」
そう思いながら指示を出していると。Dクラスの方から誰かが近づいてくる、縦ロールを ツインテールにした女の子・・・
???「美波お姉さま!!こんなところでお会いできるなんて美春は感激です!!」
ああ、しまった・・・さっき頭に浮かんだ言葉って、今思うとフラグだったわ。
清水「
そう言って美春は召喚獣を出す。
島田「くっ、誰か交代を!!」
清水「逃がしません、お姉さまに捨てられて以来、美春はこんな機会をずっと待っていました。今なら保健室のベッドが空いています。さあ、美春と一緒に遥かなる頂にまいりましょう!!」
目光らせながら美春が近づいてくる。ウチは防衛本能からか無意識のうちに召喚獣を呼び出していた。
島田「っ
島田美波 化学56点
vs
清水美春 化学94点
対戦教科は化学、一対一じゃ少し厳しい・・・、助けが欲しいけど、美春以外にもかなり増援を出してきたようで、かなり押されているため、自分で何とかしなければならない。
島田「来ないでっ!!ウチは普通に男子が好きなのよ!!」
清水「嘘です!お姉さまは美春のことを愛してるはずです!」
島田「あーもうっ!このわからずや!」
ウチは召喚獣を突撃させる。こうなったら美春は、補習室に送って自分の身を守るしかない!!
召喚獣同士がぶつかり合い、鍔迫り合いとなる。しかし、相手の方が点数が高いため、こちらの召喚獣が力負けし、武器が弾き飛ばされた。
島田「あぁっ!そんなっ!!」
清水「ここまでです!安心してください。美春もすぐお姉さまの元へいきますから!!」
美春の召喚獣がとどめの一撃と、武器を振りあげウチの召喚獣めがけて振り下ろす。
島田「(ダメッ、回避が間に合わない)」
諦めかけたその時、聞きなれた声が聞こえた。
「「
突如2体の召喚獣が現れ、一体は美春の攻撃を防ぎ、もう一体は美春の召喚獣の頭に一撃を加えていた。
清水美春 化学28点
vs
吉井明久&木下秀吉 化学44点、47点
清水「な、何者です!!」
島田「吉井、木下!!2人ともいいところに。」
秀吉「ワシらだけではないぞ。」
そういって後ろを向くと、坂本率いる本隊も出てきていた。
吉井「島田さんたちのおかげでなんとか補充も完了しからね。作戦通りに一気に行くよ。」
秀吉「うむ、島田が達が頑張ってくれた分、ワシらも働かねばな。」
そして2人の召喚獣は美春にとどめを刺した。
清水美晴 DEAD
vs
吉井明久&木下秀吉 化学44点、47点
清水「美春の召喚獣が!!」
そして美春は補習室へと連れて行かれる。恐ろしい形相で吉井を睨みながら。
清水「(美春とお姉さまの恋路を邪魔する豚がっ!このウラミ、オボエテオキナサイ!!)」
美春からの邪気がもの凄かったが、坂本の声が響き意識をそちらに向ける。
坂本「俺たちの勝利は目前だ、全員でDクラス代表までの道をこじ開けろ!!」
坂本の指示で、FクラスメンバーはDクラスに特攻をかけ始めた。
《明久side》
明久「秀吉、島田さん。姫路さんをDクラス代表のところまで送り届けるよ。」
秀吉・島田「わかった(のじゃ)」
僕たちはFクラスのこじ開けた細い道を通り抜けDクラス代表を目指した。
Dモブ「これ以上は行かせるか!!」
明久「横溝君、お願い。」
横溝「任せろ。
Dモブ「こ、こいつらこんなところまで、」
明久「西村君、足止めよろしく。」
西村「OK。
何度か妨害があったが、仲間の助けもあり、とうとうDクラス代表にまで辿り着く。
平賀「Fクラスのやつらがこんなところまで辿り着けるとは思わなかったよ。でも君たちだけじゃ僕は倒せないよ。」
彼の周りにはDクラスの生徒がまだ5人いた。ここのフィールドは現代国語。数学なら島田さんの力で何とかなったけど、現代国語ではDクラス5人と平賀君は倒せないだろう。
でも彼らは知らないぼくたちFクラスの切り札を!!
明久「やってみないとわからないよ。秀吉、島田さん行くよ。」
明久・秀吉・島田「「「
Dクラス近衛部隊「「「「「
吉井・秀吉・島田
現代国語 51点、60点、17点
vs
Dクラス親衛隊
現代国語 98点、90点、102点、95点、93点
さすがに近衛部隊だけあって点数も高い。その点数差に平賀君も
平賀「残念だったね、数学勝負なら島田さんの力で何とかなったかもしれないけど、生憎前線での彼女の活躍は目立っていたからね。最後に取っておくべき切り札を最初から使うなんて、さすがはバカのFクラスだ。」
平賀君はニヤニヤしながら自信満々にいい、僕たちを一瞥した。
確かに彼のいう通りだ。だからいま切り札を使う。
明久「平賀君のいう通りだね。だから姫路さん、よろしくね。」
平賀・Dクラス近衛部隊「「「「「「は???」」」」」」
彼らは『何言ってんだ、このバカは??』といった顔をしている。
姫路さんは僕たちと近衛部隊を通り過ぎ、平賀君の前に出た。
姫路「あ、あの・・・・」
平賀「え?姫路さん。どうしたの?Aクラスはあっちでここは通らないと思うけど。」
姫路「Fクラスの姫路瑞希です。えっと、Dクラス平賀君に現代国語で勝負を申し込みます。」
平賀「・・・はぁ。どうも」
未だに現状を把握できていないのだろう。平賀君は目を丸くし、ポカンとした顔をして召喚獣を出す。
姫路「えっと・・・
姫路瑞希 現代国語339点
vs
平賀源二 現代国語129点
平賀「あ、あれ?どういうこと?」
表示された圧倒的な点数差、とても勝負にはならないだろう。姫路さんの召喚獣は背丈の倍以上の巨大な剣を持っているが、平賀君はごく普通の装備といえる。
姫路「それでは行きます!!ごめんなさいっ」
姫路さんの召喚獣は、その巨大な剣を持ちながらも素早い動きで平賀君の召喚獣に迫り、あっという間に一刀両断し、一撃で平賀君を下した。
姫路瑞希 現代国語339点
vs
平賀源二 DEAD
平賀「い、一体何が起こったんだ。」
その平賀君の呟きの直後、立ち会いの先生から終戦の号令がかかる。
現代国語教師「Dクラス代表が戦死したため、勝者Fクラス!!」
こうしてDクラスとの試召戦争は僕たちFクラスの勝利で終わった。
と、いうわけでDクラス戦終了です。誤字やご意見、何かの間違いや不都合があれば、知らせてもらえると幸いです。
次回、やっと優子出番の出番があります。