魔法の世界のアリス   作:マジッQ

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悪いこと・良いこと

ホグワーツへ戻ってきた翌日からさっそく授業が始まった。新学期最初の授業ということもあって、やっているのは前学期の復習といったものが殆どだ。レイブンクローでは殆どの生徒が休みの間も勉強をしていた為かそこまで苦に感じている生徒はいなかったが、他の寮では勉強していなかった生徒が殆どらしく復習だというのに悪戦苦闘していた。

 

そして、今日は今学期初めての闇の魔術に対する防衛術の授業がある日だ。時間割の都合上グリフィンドールとスリザリンとの合同授業となった。

 

 

 

「はぁ~ロックハート様。いよいよそのお姿を間近で見ることができるのね」

 

廊下を歩く私の隣では、パドマが闇の魔術に対する防衛術の新任教師であるギルデロイ・ロックハートの写真を片手に恍惚の表情を浮かべていた。あまりの態度に思わず一歩引いてしまったのは仕方がないと思う。

 

「まったく、あんな奴のどこがいいんだか」

 

そんなパドマを見てアンソニーが不機嫌そうにロックハート先生の悪態をつく。それに反応したパドマがアンソニーをきつく睨んだ。

 

「ふん、ロックハート様の偉大さを理解できないなんてどうしようもないわね。アリスもそう思うでしょ?」

 

そこで私に話を振られても非常に困るんだけど。

 

「人の好き嫌いはそれぞれでしょうから私からはなんともね、とりあえず、私はロックハート先生に対してはあんまり興味ないわね」

 

一度ダイアゴン横丁の本屋で撮影をしているのを見たことがあるが、どうにもあの作ったような中身がない言動が好きになれない。確かに美形だとは思うがあの言動で全て台無しどころかマイナスの印象を感じてしまう。

それに、いままでの業績を買われて教師への推薦(主に週刊魔女の読者から)を得たらしいが、正直それも怪しいと思う。彼が今まで発行した著書の出来事を全て行ったというならば確かにすごいことだろうが、私はどの本も中身が薄いように感じた。話に現実味がなく上辺だけで書いている文章が殆ど、というより全部がそうだ。吸血鬼や狼男と遭遇して「恐ろしかった」や「大変だった」という一言で済ましているのはどうなんだろう。本当に本で述べているように死闘を演じたというならば、その時の気持ちや感じたこと、場の臨場感をもっと細かに再現できるはずだし、本として出すならそうするべきである。なのにあんな……はっきり言えば幼稚な文章で書かれた本に真実味なんて感じるわけもない。

少なくても私は、前学期に死喰い人と戦ったことを「恐ろしかった」や「大変だった」の一言で済ますことはできないわね。

 

「そう……でも心配しないでアリス。少数だけどアリスみたいに最初は興味なかったけれど、本を読んだり話を聞いていくうちにロックハート様の偉大さに気付く人もいるわ」

 

別に心配なんてしていないのだけど。今のパドマに何を言っても無駄な気がしたので適当に流してさっさと教室へと向かうことにする。

 

 

 

 

 

 

教室ではグリフィンドール、スリザリン、レイブンクローの生徒がそれぞれ別れるようにして座っていた。教室前方の左側がグリフィンドールで右側がスリザリン、後ろ側の席がレイブンクローといった感じだ。とはいえ、別にそうやって席が決められているわけではなく、グリフィンドールとスリザリンの仲が悪い為自然とそういう風に分かれているのだ。レイブンクローは残った席に座っているだけであるが、やはりスリザリン嫌いはどこの寮でも同じなのかグリフィンドール寄りに陣取っている。

ドラコの席の隣が空いていたのでそこに座ろうとしたが、ドラコに嫌われているのを思い出して踏みとどまる。私は別に気にしないが態々荒波を起こす必要もないだろう。私たちは若干スリザリン寄りの真ん中近い机に座った。

 

 

授業の開始時間になると教室奥の階段上にある扉が開かれ、ファッション誌にでも出るかのような格好のロックハート先生が現れた。先生はグリフィンドールの席に近付き、ネビルの持っていた本を手に取り、高々と掲げて表紙を教室全体に見えるようにしている。表紙には先生がウィンクしている写真が移っており、それに負けじと先生もウィンクをした。女生徒から黄色い声が上がり、男子生徒からは不機嫌な視線を送られているが、先生は気にしていないのか気付いていないのか男子の反応には無反応だった。

 

「私だ。ギルデロイ・ロックハート。勲三等マーリン勲章、闇の力に対する防衛術連盟名誉会員。そして、『週刊魔女』五回連続『チャーミング・スマイル賞』受賞。もっとも、私はそんな話をするつもりではありませんよ。バンドンの泣き妖怪バンシーをスマイルで追い払った訳じゃありませんしね」

 

……多分、先生なりのジョークだったのかもしれないけれど、教室で反応したのはごく少数だった。ちなみにその少数にパドマとハーマイオニーが含まれているのは余談だ。

 

「全員私の本を揃えているね。よろしい。授業は始める前に簡単なミニテストを行おうと思います。心配しなくてもいいですよ。君たちがどのくらい私の本を読んでいるのかちょっとチェックするだけですからね」

 

そう言って全員に用紙を配り終えると、教室の前に戻り開始の合図をした。一応指定された本は全て読んで覚えてはいるので問題はないと思うが、正直あれを読んだ時間を今からでもいいから返して欲しいと思う。

 

問題のテストだが……五問目で回答する気がなくなって思わずペンを置いてしまった私は悪くないと思う。あまりに内容が幼稚すぎるし途中から問題ではなくアンケートとなってしまっているのだ。

とはいえ、空白回答で先生の不況をかうのも面倒なので、自分で自分を奮い立たせながらペンを走らせていく。

 

 

 

 

 

 

「……ふぅ、どうやら殆どの生徒が私の本を読んでいないようだね。あんなにも分かり易い場所に書いてあったのにちっとも答えられていない。しかし、中にはとても読み込んでいる生徒もいるようだ。ミス・ハーマイオニー・グレンジャーにミス・アリス・マーガトロイドの二人は完璧に答えられている。二人とも満点だ。二人はどこにいますか?」

 

ハーマイオニーが勢いよく手を上げるのに対して、私はしぶしぶと手を上げる。

 

「すばらしい!まったくもってすばらしい!グリフィンドールとレイブンクローにはそれぞれ十点あげましょう!」

 

ここまで貰って嬉しくない得点というのもそうそうないだろう。

先生は一先ず満足したのか、ようやく授業を始めるようだ。先生は教壇の前に置かれていた布を被せた籠のようなものを生徒に見えるように持って来る。中からキーキーと泣き声が聞こえガコガコと揺れている。

 

「さぁ!気をつけて!魔法界の中で最も穢れた生き物と戦う術を授けるのが私の役目です。この教室で君たちは今までに体験したこともないような経験をするでしょう。しかし心配には及びません。ここには私がいるのですから。私がいるうちは君たちに一切危害を与えないことを約束しましょう。君たちに願うのは一つ、落ち着いているようにお願いしますよ」

 

そう言って先生は鳥かごに被せられた布に手を掛けて一気に引き剥がした。顕わになった籠の中には小さい群青色をした生き物が何十匹と蠢いていた。それを見て何人かの生徒は小さく悲鳴を上げたが、殆どの生徒は笑いを堪えるようにしている。

 

「さぁどうです。捕らえたばかりのコーンウォール地方のピクシー妖精です!そこの君、今このピクシー妖精が本当に危険なのか疑問に持ちましたね。無理もない、こいつらは見た目がこんなですからね。しかし油断は禁物です。ピクシー妖精は厄介で危険な小悪魔になりえます。それでは、君たちがピクシー妖精をどう扱ってみせるか……お手並み拝見!」

 

言い終えると同時に先生は籠の蓋を開ける。その瞬間、多くのピクシー妖精が飛び出してきた。というか本当にこの先生は何を考えているのだろうか。普通こういうのは一人ひとり順番に対処させるものではないのだろうか。それを禄に対処法を教えないでただやってみろなんて、教師として失格以前の問題だろう。

そんなことを考えている間にもピクシー妖精は教室中を飛びまわり、器物を破壊し生徒の服や教科書を破ったりしている。気がつくとネビルが天井のシャンデリアにぶら下げられていた。

 

私の方にも一匹向かってきたので、タイミングを見計らって手で払い落とす。机に叩きつけたせいかピクシー妖精はそのまま動かなくなった。仲間がやられて逆上したのか他のピクシー妖精が一斉に私目がけで迫ってきた。さっきのテストの鬱憤を晴らす意味も込めてドールズ(上海・蓬莱・露西亜をまとめた呼び方)で一匹ずつ首を切り落としてやろうかと思ったが、それをやると騒ぎどころではないので自重する。

 

「“イモビラス -動くな”」

 

私は杖をピクシー妖精に向けて動きを阻害する呪文を放つ。杖から発せられる光に当てられたピクシー妖精は宙で静止してプカプカと漂っている。対象をピクシー妖精に絞ってこんどは教室全体に呪文を放つ。全てのピクシー妖精が止まったのを確認した私は、先生に後始末を任せようとするが教室のどこを探しても先生の姿が見えない。

 

「……アンソニー、先生はどこにいったのかしら?」

 

「ピクシーが暴れだしてからすぐに別室に引っ込んでいったよ」

 

……もうどうでもいいや。

私は軽く杖を振って静止したピクシー妖精を籠へと押し込む。最後の一匹が入ると同時に授業終了の鐘が鳴った。私は教科書をまとめて次の授業の教室へと重い足取りで向かっていった。

 

 

 

 

 

【アリスが出て行ったあとの教室】

 

 

「おい見たかよ」

 

「あぁ見た。レイブンクローのマーガトロイドだろ。前々から優秀な奴だと思ってたけど、休み明けてから一段と際立ってないか?」

 

「それ僕も思った。何ていうか雰囲気っていうのかな?はっきりとは分からないんだけど、僕たちよりずっと上にいる感じがするんだよね」

 

 

 

「マーガトロイドさん格好良かったね。見た?向かってきたピクシーに向かって冷静に対処した杖捌き」

 

「それもだけど、ピクシーを素手でバシンって叩き落としたのもすごかったよね」

 

教室に残った生徒―――主にグリフィンドールだが一連のアリスの行動を見てそれぞれが盛り上がっている。男子も女子も関係なく盛り上がりを見せている反面、一部の生徒はそれに混ざらずにいた。

 

「(確かにアリスは凄かったけど僕だって)」

 

教室の壁に移動してつまらない視線を向けているのはハリーだ。実のところ、ハリーもアリス程ではないがピクシー妖精に対処していたのだ。とはいえ退治したのは二匹で、ネビルをシャンデリアから降ろしたぐらいだが。確かにアリスに比べて見劣りはするものの、他寮のアリスだけでなく同じ寮生である自分のことも凄いと一言でもいいから言ってもらいたいと考えるのは、年齢や過去の境遇を考えれば仕方のないことともいえる。ネビルからお礼を言われ、ロンからは賞賛されたが、ハリーはどこか納得がいかなかった。

 

 

一方スリザリンではグリフィンドールとは異なり、あまりいいように話されてはいなかった。

 

「ふんっ、なによあの女。相変わらずすかした態度して。穢れた血の分際で」

 

そう言ってアリスの悪態をついているのはパグ犬のような顔をした女生徒パンジー・パーキンソンだ。彼女はグリフィンドールのハーマイオニーと仲が悪いことで有名だが、アリスのことも非常に嫌っているのだ。とはいえ、グリフィンドールみたいに突っかかってきたことはないので表だって行動はしていないが、マグル生まれのアリスを相当嫌悪しているのはスリザリン生なら殆どが知っている。

 

「確かにそうだね。グリフィンドールの連中みたいに馬鹿じゃない分マシだけど、穢れた血であることに変わりはないからね」

 

とう言うドラコに対してパンジーは「そうでしょ!」と言ってドラコに抱きつく。パンジーはドラコに好意を寄せており、そのドラコが自分と同じことを考えていたのが嬉しいようだ。

しかし、口ではスリザリン生らしく語っているドラコだが、内心ではアリスがマグル生まれであることを非常に残念がっていた。あれだけの才能に加えて容姿も良いし性格も悪くはない。ただ一点穢れた血であることが欠点であるのだ。もしアリスが純血であったなら恐らくスリザリンに入っていたとドラコは考えている。そうなれば純血としてよい関係を結べていたかもしれないが、考えても意味のないことだと切り捨てる。

 

「さて、僕たちも次の教室へ向かうか」

 

ドラコたちは教科書をまとめて、他の生徒に混ざって移動を始めた。

 

 

【OUT】

 

 

 

 

 

 

新学期が始まってから初めての休日。私は前々から計画していた必要の部屋の探索をしている。パチュリーによれば必要の部屋があるのは八階にある“バカのバーバナスがトロールにバレエを教えようとしている絵が描かれた大きな壁掛けタペスロリー”の向かいにある石壁とのことだ。

 

「ピーブズ。近くには誰もいないわね?」

 

「オッケーオッケー。状況は全てオールグリーンてね」

 

必要の部屋に入るのを他者に見られたくはないので、ピーブズに周囲の警戒をさせている。ピーブズなら壁をすり抜けられ姿も消せるし、気配を察知するのにも優れているので探索させるのに適役なのだ。

ピーブズのお陰で目的の場所まで人目に付かず辿り着けた私は、石壁の前でパチュリーに教わったとおりに強く念じて三回往復する。

 

「(誰にも邪魔されずに本を読める部屋……誰にも邪魔されずに本を読める部屋……誰にも邪魔されずに本を読める部屋……)」

 

キッチリ三回往復して石壁に向き直ると、そこには人一人通れるぐらいの扉が現れていた。扉を開けて中へ入る。部屋の中は図書館のように本棚が一定の間隔で並べられていて、高さは大広間ぐらいあり天井近くまで本棚が伸びている。部屋の中央にはC字の形をした机が置かれていて、その上に小さな石版が置いてあった。

 

「パチュリーが言っていた石版っていうのはこれね」

 

私は石版に手を置き、適当に欲しい本を思い浮かべる。すると周囲の本棚からいくつかの本が飛んできて机の上に置かれた。

この石版はこの部屋の中にある本の検索機能と出し入れを行うことができる制御盤とのことだ。石版に手を置きながら欲しい本を思い浮かべると、それに沿った内容の本が自動で手元へやってくるのだ。これだけの量の本なので、こういった機能がないと本一つ探すのも大変だろう。

 

そういえば、この部屋に入ってからピーブズがやけに静かだと思い近くの本棚を探していると、本を十メートル近く積み上げているピーブズを見つけた。普通ならおしおきをするところだが、ここの本には保護呪文が掛けられているので傷つく心配はないし、散らかっても勝手に元あった場所へ戻る仕組みになっているらしいので、ここにいる間は大目に見ることにする。

 

とりあえず、本命のキャビネットを調べることにする。キャビネット自体はさっきの机の横に置いてあったのがそうだろう。机に戻りキャビネットをパチュリーに指示されたとおりに調べる。どうやら壊れたりはしていないようだ。

私は予め書いておいた手紙をキャビネットに入れて、中のものを送る呪文を唱える。

 

「“ハーモニア・ネクテレ・パサス -そのもとに還れ”」

 

呪文を唱えると、キャビネットの中からシュンという音が聞こえた。開けるとキャビネットに入れた手紙はなくなっている。再びキャビネットを閉めてしばらく待つ。すると再びキャビネットからシュンと音が聞こえた。開けると中には数冊の本と手紙が一通置かれていた。私は送られてきたものを一度机に置いて手紙を読む。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

元気にしているかしら?

部屋を見つけるのに随分時間がかかったようね。それとも単純に時間が取れなかっただけかしら?

 

とりあえず、頼まれてた本を数冊送っておくわ。読み終わったらキャビネットで送ってちょうだい。それと欲しい本があるときは事前にリストを送ってくれるかしら。探すのが面倒だから。

 

それと、送った本の中に黒色の本があるわよね。それは私がホグワーツにいたころに作った本よ。ホグワーツのことならそれをみれば大抵のことは分かるわ。この前偶然発掘したからあげるわ。私はもう使わないしね。

 

それじゃ失礼するわね。研究もいいけれど勉強の方もやっておきなさいね。何事も基礎は大事よ。

 

                       パチュリー

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「黒の本……これね」

 

手に取ったその本は黒の表紙に銀糸でタイトルが縫われているだけのシンプルなものだ。大きさは文庫本程度で厚さは一センチ程。ちなみにタイトルは“本の虫”である。本の虫って……

 

タイトルを無視して本を開く。パラパラと捲っていく全ての頁が白紙だった。

 

「なにかしら?」

 

唯の白紙の本?でもパチュリーが作ったというのだから、そんな意味不明なものじゃないと思うけど。

 

『ホグワーツのことなら大抵のことは分かるわ』

 

そういえばパチュリーの手紙にはそう書いてあった。ホグワーツについて分かる。ということは何かを調べる為のものということなのか?

試しに本に向かって“レイブンクローの談話室”と言う。するとペラペラと本が捲れていきある頁で止まったかと思うと、その頁に文字や地図が浮かび上がってきた。見ると、レイブンクローの寮がある場所と談話室の地図、さらには今日出題されている入り口の問題までもが書かれていた。

 

「これは……」

 

今度は “校長室”と本に向かって言う。すると再び本が捲れていき校長室の場所と地図に合言葉が浮かび上がってきた。

 

「パチュリー……貴女なんてもの作ってるのよ」

 

この本……恐らくホグワーツにあるあらゆる場所について書かれているようで、知りたい場所を言うことで地図や説明文が浮かび上がる仕組みになっているようだ。

さらによく見ると、浮かび上がった地図の上で点が動いていた。点の上には“アルバス・ダンブルドア”と書かれている。校長室の地図の中で動く点に校長の名前……人の動きまでも調べられるということなのか。

 

「これはとんでもないわね。まぁ、ありがたく使わせてもらうけど」

 

パチュリーからの予想外のプレゼントに気分がよくなった私は、近くに何故かあったキッチンで紅茶を入れて、ゆっくりと本を読み始めt「あっ」―――

 

どざざざざざ!

 

「……」

 

先ほどピーブズがいた場所から何かが―――本だろうけど―――崩れ落ちる音が響いた。その影響で埃が舞う。

 

「……ドールズ。ピーブズと追いかけっこをしてあげなさい。ここは広いからね、思いっきりやっていいわよ」

 

私が合図を出すとドールズはピーブズのいる場所に向かって飛んでいった。ドールズには当然武器を持たせている。

私は埃を払って椅子に座り、紅茶を一口飲んでから本を読み始めた。

 

 

 

 

 

「あらら、やっちゃった……んっ?あれは……げっ!?やばっ!」

 

「……」「……」「……」

 

「ひゃぁ!?ちょっとストップ!「スカッ」ひっ!「シュカ」「シュッ」ちょ!まっ!せめて何か喋らして!無言は怖い~!「スパッ」ぎゃぁぁぁぁぁぁ切れたぁぁぁぁ!!」

 

 

 




”本の虫”は”忍びの地図”と似たものです。
忍びの地図はホグワーツの敷地内の地図及びそこにいる生き物のトレース。
本の虫はホグワーツの敷地内の地図に各要所についての説明や補足、生き物のトレースができる。特に要所の説明や捕捉が重要で、特定の動作をやらないと通れない道や合言葉を言わないと開かない扉についての答えが載っているのである。その情報はホグワーツ内にいる限り常に更新されるので日毎に変わる合言葉なども網羅している。敷地内の地図の範囲も、忍びの地図に比べて広く見ることが出来る。

つまり
パチュリー>プロングス+パッドフッド+ワームテール+ムーニー
ということ。


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