神武、頑張ります!~ちょっと歴史が違う世界の艦これの艦娘になりました~ 作:雪たまご
アドミラル・グラーフ・シュペー・・・独逸の、いわゆる『ポケット戦艦』の中の一つ。しかし巡洋艦。
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「今度の首脳サミットは日本で開かれることになった。我が基地はヨーロッパ方面の首脳達をインド沖から横須賀当たりまで護衛することとなった。何か質問は?」
「何で日本?リスク高過ぎでしょ。」
「ダーツで決めたらしい。」
「・・・馬鹿なの?」
「・・・コホン。で神武、お前は旗艦だからインド洋までの護衛から引き継ぐことになる。というわけで顔会わせだ。」
「ビスマルクだ。よろしく頼む。」
「アドミラル・グラーフ・シュペーです。シュペーって呼んでね?」
「いや、なんでここにいるのさ!?」
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ワ級・・・深海棲艦の一種で輸送・補給の役割を担っている様子。通常時は武装を持っていないようだが、赤いオーラを放っている時、つまりエリートなワ級は攻撃してくる。
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タウイタウイ泊地
全艦娘に召集がかかった。まぁいつも通り敵さんからなにかあったんだろうね。
「今日集まってもらったのは、珍しく海軍本部から命令書が来たからだ。作戦種は・・・『ろ号』だ。」
ろ号と聞いた瞬間に皆の顔の緊張がやわらいだ。
「この中の何人かは知っているはずだが、今度日本で首脳サミットが開かれる。これはそのための準備だ。」
ここで北上さんから手があがる。
「なんだね、北上?」
「それってその内『あ号』とか『い号』が出るってこと?」
再び皆の顔が引き締まる。あ号やい号は割と疲れる上に危険も多い。報酬さえなければお断りしたい類(軍なので逆らえないが)の作戦だ。
「いや、あ号とい号は他基地に出されている。うちは各国首脳の護衛任務も兼ねているために、負担軽減ということでろ号なんだ。」
「ん。りょーかい。」
「他に質問はあるか?」
「はい。」
「なんだ?電。」
「出撃予定海域を知りたいのです。」
「バシー島沖、東部オリョール海、サブ島沖といった当たりだな。サブ島沖は恐らく夜戦がメインになるであろうから、主に巡洋艦・駆逐艦に出てもらうことになるだろう。他に質問は?・・・ないようだな。それでは各自この記入帳を持ってくれ。撃沈させた数をそこに書いて一週間後に私に提出だ。それでは記入帳を受け取った者から解散!・・・ああ、矢矧と第六駆逐隊の四人はついてきてくれ。それから神武は伊良湖と執務室にきてくれ。」
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伊良湖を連れて執務室に行くと、さっきの呼ばれたメンバーがきていた。
「お、来たか。さてここにいるメンバーは先日も話したとおり護衛艦をやることになる。・・・ああ、伊良湖は違うからな?というわけで、これからしばらくは予行演習をしてもらう。伊良湖を護衛対象代わりにして七人一組で出撃を繰り返してもらう。伊良湖に被弾させるなよ?」
「本体出して?」
「もちろん。」
「・・・予行演習中に本体が駄目になったらどうするのさ?」
「大丈夫だ。」
デデン!!
おっさんが出したのは、高速修復剤。いわゆるバケツ。風呂に入ったときにこれを被ると一瞬で本体まで完治するらしい。ただし、お風呂に入る時しか使えないという謎があるけど。
「倉庫がいっぱいになるくらい貯まってるからな。いくらでも怪我しても問題ないぞ。」
「馬車馬のごとく働かせるということなのですね?」
「護衛任務が終わったら特別休暇があるが?しかも希望すれば本土で遊べるぞ?」
「ちょっとやる気が出てきたわ。」
「では明日から始める。今日はゆっくり寝ておけ。」
「「「「「「「はい!!」」」」」」」