神武、頑張ります!~ちょっと歴史が違う世界の艦これの艦娘になりました~ 作:雪たまご
同人誌・・・一.主義・傾向・趣味などを同じくする人たちが共同で編集発行するもの。
二.最近ではエロ本の代名詞。もちろんえっちくないのもありますよ?
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神武という艦娘は基本的には何事にも寛容だ。駆逐艦娘がこっそりロ級を飼っていても見て見ぬ振りをし、妹が自分のストーキングをしていても咎めない。小沢司令官が艦娘のさらしや下履き、その他下着をクンカクンカフンハフンハスーハースーハーしててもスルー。しかしそんな彼女にもやはり個人的に嫌なものがいくつかある。
自分が出てくる同人誌だ。
といっても小沢司令官×神武(逆も可)は許せるらしい。しかし名も知らぬ司令官×神武や翔鶴×神武などといったものは嫌なのだとか。アウトレンジ・不意討ち・会話中断攻撃上等としているが意外にも純粋なのである(むしろ純粋だからこそ勝てば官軍という精神なのかもしれない。)。
そういうわけで神武が登場する18禁同人誌は貴重でプレミアものなのである。何しろ他基地にはいない上に、描けるのはタウイタウイの秋雲だけ。しかもその秋雲は神武にブラックリスト指定されているため、なかなか描けない。コミケでは用意した200部が数分で完売する。タウイタウイにいるため本土に来ることはほとんどない神武だが実は人気があるのだ。その理由は・・・
ウォーシップ娘。
小沢司令官が資材を得るために組織したアイドルグループである。その歌唱力、一糸乱れぬ踊り、目を引く容姿で小さなお友達から大きなお友達にまで親しまれている。しかしこのアイドルグループ、CD、もしくはDVDしか発売しないため個人個人の情報が神秘に包まれている。しかも彼女達は軍艦でありその情報を探りにいくのは国家機密に手を出すのと同義。故に只与えられるのを待つしかないのだ。そこに同人誌という媒体で情報が出てくればどうなるか。・・・そういうことである。更にウォーシップ娘。の他のメンバーは横須賀や呉、佐世保に行けば見ることができる(といっても中身は違うが。)が、バトルシップの二人はタウイタウイにしかいないために、希少価値がついているのだ。
さて、長々となぜこんな話をしたのかというと・・・。
「ま っ て よ あ き ぐ も ち ゃ ん」
「待ったら殺されるぅ!!」
神武と秋雲の追いかけっこが勃発しているからだ。
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事の始まりは翔鶴の部屋。秋雲は同人誌にする際には被写体の許可を取っている(当たり前のことです)。ちなみに神武に関しては小沢司令官が出している。そして今回のコミケに出すものは翔鶴×神武ものだったので、小沢司令官に見本をみせた後翔鶴の部屋を訪れたのだ。
「翔鶴ー?この前言ってた同人誌なんだけどさー見本できたからちょっと見てー?」
「ちょっ・・・今は・・!」
何とも運の悪いことに中には翔鶴のところに遊びにきていた神武がいたのだ。しかし神武、同人誌というだけではまったく怒らない。自分が出なければ問題ないのだ。幸いなことに秋雲は翔鶴×神武ものの他に瑞鶴×小沢(瑞鶴に関しては姉の翔鶴が許可を出しました。)や、烈風×流星などを持っていたのでそちらを見せることにした。
「(また後で見せにくるわー)」
「(ええ。待ってます。)」
「うわ、これえっちい・・・恥ずかしい・・・。」
「あなた、提督とそれ以上のことやってるでしょうが。」
どうにかこの場はなんとかなった。そう油断していたからだろうか、一旦ここから離れようとしたその時、足がもつれ秋雲は転んでしまった。バサッと同人誌が散乱する。
「いったたたた・・・。」
「秋雲大丈夫?・・・ん?これは?」
『とある鶴な姉とZ級な姉~世界最強も布団の中では・・・~』
バッ!
「な、なんでもないよー・・・?」
とっさに神武からひったくるがもう遅い。
「あ き ぐ も ち ゃ ん ?」
「逃げるが勝ち!」
そんな感じで追いかけっこが始まったのだ。しかし、圧倒的に速度が上の神武が何故捕まえられないのだろうか。・・・もちろん、邪魔をする者がいるからだ。
「ここは通しませ、きゃあ!?」大破!
ある者は「この同人誌の売り上げの一部はボーキサイトを買う資金になっているんだが」と囁かれたり。
「止まって神武!」
「しょうかく。あなたもきょうはんでしょ?あとで・・・ふふふ。」
ある者は同人誌の売り上げのいくらかを貰う予定だったり。
「待て神武!」
「どいておっさん!そいつにおしおきできない!」
ある者は秋雲のファンだったりと、邪魔する者が多数いるのだ。
こうして秋雲が様々の人の助けを借りて、生命の危機を乗り越え発売した同人誌は、最終的にオークションなどで万単位の値段が付けられるという。
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未成艦娘・・・その基地の歴史における未成艦が艦娘と化したもの(例えばとある基地では天城型巡洋戦艦四姉妹がいるが完成しているので未成艦娘ではない)。横須賀の天城やラバウルの紀伊、タウイタウイの応神など、また国外ではハバロフスクのソビエツキー・ソユーズ級やカリフォルニアのケンタッキーなどがある。未成ゆえに戦闘経験がなく育てるのに時間を要する。また、体も幼かったり何かしら残念だ。しかし強力な艦娘が多いためきっと役に立ってくれるだろう。
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「さぁ、私達といっしょに活動しましょう?スリムクラブに入って!」
「ちなみにどなたが・・・?」
「私こと夕張、RJ、瑞鶴・・・」
「憐憫を誘う面子ですわね・・・。すみませんがお断りさせて頂きますわ。ナイチチクラブでしたかしら?入ると負けな気がしますの。」
「何がナイチチクラブよ!?あなただってないじゃない!ぺったんこ!絶壁!まな板!フラット装甲!」
「・・・ブーメランですわよ?」
「・・・うわーん!!」
「まったく・・・。貧乳は希少価値でステータスだというのに。」
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名前・・・軍艦の名称には一定の規則がある。例えば戦艦の場合、日本を表す言葉か旧国名となっていた。扶桑(中国の言葉で日本の異称)や山城(京都南部の旧国名)がいい例だろう。
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『・・・でも私とか崇神の名前って歴代の天皇陛下の御名だよね?』
「そうだよ。先の大戦が終わった後に、君の名前をどうするか、という会議があってね。せっかくだから名称の規定を変えようということになったんだ。」
『ほうほう。それで?』
「その会議は御前会議だったんだけど、今上陛下が歴代の御名を冠することを許可して下さったんだ。この大日本帝国を守護してもらえるようにってね。」
『へぇー。寛大だねぇ。』
「ちなみに君に『神武』とちつけると決めたのは陛下だから、陛下が君の名付け親だよ?」
『ふぁっ!?』
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姉妹・・・女のきょうだい。あねといもうと。姉妹丼はロマン。
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とある日のこと。
「・・・神武。」
「なに?」
「・・・私を『お姉ちゃん』って言ってみて?」
「・・・。・・・は?」
「・・・いいから早く。」
「お、お姉ちゃん?」
ぷしゃぁぁあああ!!
「崇神!?何でこんなに鼻血が!?」
「・・・我が生涯に、一片の悔いなし!!」
「崇神ーっ!?」
「・・・だ、大丈夫。」
丁度そこを応神が通りかかる。
「お姉様方、何をされているのですか?」
「・・・応神。神武に抱きついてみて。」
「え?えっえ?」
「・・・こう、ぎゅーっと。」
「こうですか?」
ぎゅー!
「・・・はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、し、姉妹丼・・・!」
「・・・っ!」
だっ!
ぐわっ!
何かを察して応神を抱え走り出す神武。捕まえ損ない、しかし追いかける崇神。
「あの?神武お姉様?何故私を抱えられて走り出したのですか?崇神お姉様が追いかけてきているのは?」
今一状況を理解していない応神。
長女+三女対次女の貞操を賭けた戦いが今始まるーっ!?