まーじゃんぱにっく!!   作:ハルハルX

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2にちめ!part3

「まるでサキみたいなうちかたするんだね、ハルトは」

 

 

あの嶺上開花の後、淡に言われたことが気になっていた。

 

 

(まるで咲みたい? 違う。俺は意図的に咲を模倣しようとした。チャンピオンの言葉に従って…でも何でできた? 和に前聞いたことがあるけど嶺上開花なんてあがるのはそれこそかなりの豪運が必要だし、俺にそんなもんがないのは今までの麻雀で分かってる。じゃあ…)

 

 

「チャンピオンは何で誰かのうちかたを参考にするように、なんて言ってきたんだ?」

 

「それはあなたが私たちと対抗しうる力を持っていたから」

 

「ってうあぁぁあ!? ち、チャンピオン!?」

 

「私はもうチャンピオンじゃない。団体戦では白糸台は清澄に負けている」

 

「え、じゃあ宮永さん?」

 

「この合宿に宮永は私と咲二人いる。だからこの場では私を宮永と呼ぶには相応しくない」

 

「照さん?」

 

「それでいい」

 

「そ、それよりも照さん! 俺があなたたちに対抗する力を持っているってどう言うことですか!?」

 

「そのままの意味。別に深い意味はない」

 

「………質問を変えます。照さん、あなたは俺の中に何を見たんですか?」

 

「それは教えられない。あなたが気づかなかいと意味がない」

 

 

「あなたは自分のうちかたをもう一度見直してみて。そして、あなたの、あなただけの麻雀を見つけて」

 

「その先に今までと違う景色が見えると思うよ。少なくとも私はあなたは雑用だけでなく私たちと麻雀をうったほうがいいと思う」

 

 

「ちょっ、照さん!」

 

 

「みなさーん、お昼ご飯できましたよー」

 

 

俺と照さんが話しているとき対局室にキョウの声が響く。もうそんな時間なのか。自分の腕時計をチラッと見ると12時30分を指していた。周りの皆は今までの落ち着いた雰囲気から変わり、リラックスした雰囲気になるところがちらほら見れた。

 

 

「今は、お昼ご飯。先に行ってるね、悠斗」

 

「え?」

 

 

今、照さんなんて? 俺のこと名前で呼んだ? え、だって今までたしかあなたって呼んでたのに、急に名前に。

 

 

「あはは、ハルトもテルに気に入られたね」

 

「気に入られたって?」

 

「テルはね、気に入った人だけ名前で呼ぶんだ。だから私たちチーム虎姫の皆は名前で呼んでるでしょ」

 

 

後ろにいた淡が話しかけてくる。淡はニコニコと笑いながら近づいてきた。

 

 

「にしても、まさかハルトにあがられるなんてねー。私としてはテル以外には上がらせないつもりだったんだけどな」

 

「あれは、偶然で…」

 

「私の予想に過ぎないけど、多分偶然じゃないよ。ハルトは私と会ったときに自分のこと弱いみたいなこと言ってたけど、私はテルやサキ、スミレみたいな不思議な力を感じたよ」

 

 

「なんや、あんたら仲いいなー」

 

「愛宕さん? どうしたんですか」

 

「えっと、名前なんだっけ? さっき一緒にうってたよね」

 

「え、淡? 愛宕さんは有名な人だよ? 聞いたことない、姫松の愛宕洋恵さん」

 

「ごめんなさい、私、大会で自分とうった人しか覚えてないの」

 

「それならしゃあないなーってなんでやねん! 今ウチとうったばっかやろ!」

 

「それに比べてあんたは私のこと知ってるんやなー。しかも有名って、まぁ事実やけどな!」

 

「そや、あんたは私のこと名前でよんでええで。さっきウチからあがったし、絹と被って呼ばれんのもあれやしなー」

 

 

愛宕さん、いや名前で呼んでいいって言ってるから洋恵さん? のまくし立てるような話を聞いて大阪人のテンションの高さが伺える。ちょっとついていけないかもな、これには…

 

 

「おねえちゃーん、ご飯やってー、はよいこー」

 

「おお、絹、今いくでー」

 

「ウチは先に行っとるわ。あんたとの麻雀楽しかったで」

 

 

洋恵さんは呼ばれた方へと歩いていく。淡もお腹が空いたようだ、俺に一言かけると対局室を出ていく。すると入れ替わりに対局室の扉の前にいたキョウがこちらにきた。

 

 

「おい、ハル。お前いつの間にあの人たちと仲良くなってんだよ。うらやましい限りだぜ。しかもさっきチャンピオンとも話してたじゃんか、ハルにそこまでのトークスキルがあったとは」

 

「うらやましいって…キョウももっと仲良くなる努力をしろよ」

 

「分かってるって、さぁ昼飯行こうぜ」

 

 

キョウの後ろについて歩く。食堂に着くとかなりの人がもうそこにいた。

 

 

「あ、あの…」

 

自分の席に向かう途中、袖を引っ張られる。振り返った先にはこの暑いなかマフラーをした少女が立っていた。

 

「どうしたんですか? って震えてますよ! もしかして風邪ひいてるんじゃ…」

 

「ち、違うの。ここ、温かくなくて」

 

 

温かくない? 今は夏だしここは冷房が効いているとはいえ、薄着で過ごすのでちょうどいい気温だ。厚着はおろかマフラーをするほど寒くはない。

だか、俺はその人に見覚えがあった。確か決勝戦でマフラーをしていた人がいたはず…阿知賀の松実さん?だったか

 

 

「えっと、松実さん? 温かくないってどういうことですか?」

 

「私、すっごい寒がりで…だからせめて私の部屋だけでも暖房をつけてくれないかなって思って…」

 

寒がり? 寒がりってそんな大変なものなんだっけ? 夏でこれなら冬になるとこの人どうなるんだろ

 

 

「暖房はちょっとわからないですね…でも協会の方から補助金は出てますのでそれで買い物にいけば何とかなると思いますよ」

 

「だ、大丈夫なのかな?」

 

「多分、行けると思います。なんなら買い物は俺が行きましょうか?麻雀うつので忙しいかもしれないし」

 

「そこまでしてくれなくてもいいの、忙しいでしょ? えっと、と、と…」

 

「藤堂です。藤堂悠斗」

 

「じゃあハルくんだね。買い物には玄ちゃんと一緒に行くよ」

 

「わかりました。気をつけてくださいね」

 

「後、私のことは松実さんじゃなくて宥って呼んでいいよ。松実さんじや玄ちゃんをいるし…」

 

 

何でここの人たちは名前で呼ばせたがるんだろう? 今まであった全員が名前で呼ぶことになってるんだけど…

 

 

「またあとで会いましょう宥さん」

 

「うん、またね」

 

 

手を小さく振ってくれる宥さんの周りがとても温かく優しい感じがした

 




happy new year!!

どうも第六話です。

元日に投稿すればいんじゃね?という作者の安易な考えにより、元日に投稿させていただきました。

みなさんにお知らせがあります。この度まーじゃんぱにっく!!ではアンケートをとることにしました。活動報告において行っておりますのでもしよかったら答えてください。

また、ここでオリキャラのプロフィール紹介をしたいと思います

藤堂 悠斗

身長173センチ 体重57キロ 9月13日生まれの乙女座

麻雀を始めたのは高校に入ってから。理由は京太郎に誘われたため。
基本的に他人のために動くことが多いがそれは過去にトラウマがあるため。優しいが面倒なことはあまりしないタイプ。だけど任されたことは最後までやり通すのでいろんな人に頼りにされる。

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