まーじゃんぱにっく!!   作:ハルハルX

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2にちめ!part2

朝食を終えたら基本的自由、昨日、日本麻雀協会の人が言っていた通りだ。とはいえ毎日10局以上とい制限があるためかほぼ全員が麻雀卓がある対局室へと移動していた。対局室にある麻雀卓は全部で10。俺とキョウがうたない計算ならば、いつでも全員がうつことができるだろう。

 

 

「さて、後片付けも終わったことだけど…ハル、俺たちはどうする」

 

「どうせやることなんてなくて暇なんだから、対局室行って麻雀見ようぜ、そっちではやることあるかもしれないし」

 

 

それもそっか、とキョウは俺の言葉に賛同する。食堂の隣が対局室なので移動も楽だ。

 

 

対局室に着くとそこでは早速麻雀が開始されていた。10卓あるうちの7卓が使われている。俺はその中の1つ、咲がうっている場所に行くことにした。

 

 

「面前清自摸和、嶺上開花、2000.1000です」

 

 

そこではちょうど咲が得意の嶺上開花を使いあがったところだった。他の三人は咲に言われた点棒を差し出し自動卓に麻雀碑を入れていた。

 

 

「相変わらずどうやってあがってるんだ? その嶺上開花」

 

「ふぇ!? は、ハルくんいたの!?」

 

「ごめん、驚かせたな。麻雀に集中してくれ」

 

 

咲が麻雀に集中出来たくなったらまずいと思いその場を離れる。咲もだけどここにいる人のあがりは大抵理解できるものではなかった。

 

 

「ハルトーちょっとこっち来てー」

 

 

誰かに呼ばれた、聞き覚えがある声だった。辺りを見渡すと淡が手をぶんぶんと振っていた。

 

 

「どうした、淡」

 

「いやー実は人が足んなくてさ、ハルトも麻雀出来ることだし、一度私たちとうってくれない」

 

「うってもいいけど…」

 

 

これ、ただのいじめじゃね? 思わずそう思ってしまった。なぜならこの卓にいるのは淡と…

 

 

「ん? あんたがうつんか?」

 

 

姫松のエース、愛宕洋恵と…

 

 

「誰とうっても別にかまわない」

 

 

チャンピオン、宮永照なのだから。

 

 

「俺、なにもできずに終わるんじゃないかな…」

 

 

そうは言いつつも場決めをする。俺は南場だ。

 

 

「うっしゃ! ウチが起親やな」

 

 

愛宕さんの親から始まった。配牌をみてみると…

 

 

(ひどいな…五向聴じゃないか)

 

 

これが噂に聞く絶対安全圏ってやつか、よく咲や高鴨さんはこれからあがれていたな…

 

引いたのは南、とりあえずオタ風の北を河に捨てる。

 

 

「ハルトには悪いけどテルに勝つつもりだから本気で行くよ! 立直!」

 

 

淡が八索を横にして捨てる。淡が本気ってことは本当になにもできずに負けるかもな…

 

 

その後は静かに進んでいく。だか、七順目になると、

 

 

「ウチかてチャンピオンに勝ちたいんや、だからガチでいくでー、立直!」

 

 

愛宕さんも立直をかける。絶対安全圏があるのによくもっていけるな。

 

 

「でも一足遅かったかもね、カン!」

 

 

淡がカンをしてドラが1個増える。いつも通りだとこの後にあがることになるな。

 

愛宕さんは悔しそうな顔をして牌を捨てる。俺も何もできないのでツモ切りする。

 

 

「ツモ! ダブル立直、面前清自摸和、裏ドラもあるし8000、4000!」

 

 

淡がツモ宣告をする。いつもながら何で裏ドラまでのせれるんだろう。

 

 

「さ、次行くよー!」

 

 

俺がサイコロをふり東2局が始まる。だか今回も五向聴、どうやら絶対安全圏は常に発動しているみたいだ。

 

 

(とはいえ、こっからは多分チャンピオンを連続和了がくるんだろーな…)

 

 

俺がきらなきゃ始まらないのでとりあえずういている七萬を捨てる。

 

 

「さぁ次も行くよ! 立直!」

 

 

今回も淡のダブル立直がくる。そういえば阿知賀の高鴨さんはこのダブル立直で裏ドラをのせなかったな。山を支配する能力なんだろうか。

 

 

「ツモ、500、300」

 

 

すると3順目、チャンピオンがあがる。最初はやっぱり打点が低いけどそれでもこの早さは異常だ。

 

 

「ロン、2000」

 

「ロン、5800」

 

「ツモ、4100オール」

 

「ツモ、6200オール」

 

 

そこからはもうチャンピオンの独壇場だった。あの淡や愛宕さんですら何もできずに俺がとばされて終わった。インターハイにすら出場してない俺じゃあこの人の相手が務まるはずがなかった。

 

 

「あ、ありがとうございました」

 

 

1局うっただけだがかなりの疲労を感じなから席を立つ。全国最強の力を見ることができただけよかったのかもしれない。

 

 

「ちょっと待って」

 

 

席をたった俺は誰かにてをつかまれる。掴んでいたのはチャンピオンだった。

 

 

「もう一度だけうって」

 

「構いませんけど…さっき分かったと思いますけど、俺、雑魚ですよ?」

 

「それでもいい、それと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたは他の誰かのうちかたを参考にしてうってみて」

 

 

 

 

 

 

チャンピオンの言葉の意味が分からなかった、けどあのチャンピオンの言葉だ。きっと何が意味があるんだろう。

 

 

俺はもう一度席につく。さっきと同じ面子だ。

 

 

「次こそテルに勝つからね!」

 

「いや、次勝つのはウチや!」

 

 

今回も手が悪い。けどあがれないわけでは無さそうだ。

 

9順後、俺はテンパイまで持ってくることができた。そこで引いたのは一萬、今、暗刻としてある牌だった。いつもの俺なら手を変えずにドラも増やしたくないから捨てるのだが、チャンピオンの言葉が頭から離れなかった。

 

俺は目をつぶり、頭のなかで考える。

 

 

(今、待ちは二索、五索の平和待ち。普通に考えたら一萬を捨てて立直をかけるところだな。だけどチャンピオンのあの言葉、誰かのうちかたを参考にして、か。例えば咲だったらここでカンして嶺上開花するんだろうな…)

 

 

(よし、咲のうちかた、真似てみるか)

 

頭のなかで咲のうちかたをイメージする。すると胸の内が熱くなるのを感じた。

 

 

「カン!」

 

 

俺は一萬を暗カン、そして山にてをかける。そこで引いたのは五索だ。

 

 

「つ、ツモ、面前清自摸和、嶺上開花、ドラ一、4000、2000です」

 

 

確信なんてなかった。けどそこにはたしかに上がり牌を引けると感じた俺がいた。

 

 

顔をあげ、対面のチャンピオンを見る。チャンピオンの意味ありげな笑顔が目に入った。




どうも第五話です。


作者には文才がないのでうまく麻雀描写を描くことが出来ません。しかしなるべく頑張ろうと思います。


さて、本編ですが最初から悠斗には能力があると決めていました。賢明な読者の皆さんには何か分かっていると思います。


しかし、この本編で出てきたのは悠斗の能力ではありません。これは能力の二歩手前です。

もしよろしかったら想像してみてください。

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