まーじゃんぱにっく!!   作:ハルハルX

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1にちめ!part1

「さぁついたわよ!」

 

 

長野からバスに揺られること数時間、俺たち清澄高校麻雀部は女子の大合宿が行われると言う東京郊外の日本麻雀協会私有地の宿泊施設に来ていた。

 

 

「ここが合宿が行われる場所ですか。ずいぶん大きな建物ですね」

 

「こんな場所に3ヶ月もいられるのか! のどちゃん、咲ちゃん早くいこうじぇ!」

 

「待ってよ優希ちゃん、おいてかないでよ」

 

「1年たちは元気じゃのう、久、私たちも行くか」

 

「ええ、そうね。早くいきましょう」

 

 

「なんか想像してたのと違うなー。俺たちも行こうぜ悠斗」

 

「これからここで何が起こるんだろ…。お前は楽天的でいいなキョウ」

 

「此処まで来ちまったんだからもう考えても意味ねぇよ。それより早く行こう」

 

 

施設の扉を開け中に入るとそこにはたくさんの人で賑わっていた。しかし高校生と思われる人はいなかった。

 

 

「部長、そういえばこの大合宿に参加する高校は何処なんですか?」

 

俺の言葉に反応した部長は少し不思議そうな顔をしてから何かをひらめいたかのように手を合わせた。

 

 

「いってなかったみたいね。この合宿には私たち清澄と東京の白糸台、大阪の千里山と姫松、奈良の阿知賀、鹿児島の永水、岩手の宮守、福岡の新道寺がくるはずよ」

 

「案外多いんですね、8校も来るんですか」

 

「と言ってもほかの高校はまだ来てないみたいね…」

 

「少し外に出てきてもいいですか?」

 

「藤堂君にはこの辺りの地形も覚えてもらわなきゃいけなかったからちょうどいいわ。あなたなら咲と違って迷子にもならないだろうしね」

 

「高校生にもなってあんな迷子になるのは咲くらいですよ」

 

 

部長との会話を止め、近くにいたキョウに大きな荷物を預ける。前々から聞いていたから俺とキョウの部屋は隣らしいしキョウなら運んでくれるだろう。

 

外に出ると長野とは違う東京の暑さに少し嫌気がしたがそれでも歩き続ける。ここは東京とはいっても都心とは離れているので多少は緑が目立っていた。とはいえ東京なので駅まで30分もかからないらしい。

 

 

「さすが東京、建物が多いな。しかもあんま住宅ないし」

 

 

あらためて長野と東京の違いを実感しながら駅に近づいていく。どんどんと人が増えてきて駅につくと周りは様々な格好の人であふれていた。

 

 

「ねぇ君? ちょっといいかな?」

 

「はい?」

 

 

突然後ろからこえをかけられる。振り向くと金髪で制服を身に纏う少女がいた。

 

 

「ここから少し歩いたとこに日本麻雀協会私有地の合宿所があるはずなんだけど、そこの場所知らない?」

 

 

どうやら少女は道を聞きたかったようだ。本来ならば東京にいない俺が知っているはずはないのだが、行きたいと言う場所は唯一知っている場所のようだ。

 

 

「ええ、わかりますよ。案内しましょうか? 白糸台高校の大星淡さん」

 

「私のこと、知ってるんだ」

 

「はい。あんな麻雀されたら嫌でも目に入りますよ」

 

「君、名前と学校は?」

 

「清澄高校1年、藤堂悠斗」

 

「清澄? じゃあサキがいるとこだ! この合宿、やっぱ面白いかも」

 

 

淡はにっこりと笑うとこっちに近づいててを差し出してくる。

 

 

「あらためて自己紹介。私は白糸台高校1年、大星淡。淡でいいよ! よろしくねハルト!」

 

「ああ、よろしく、淡」

 

 

俺は自分目の前にある手を握り返し笑顔で返事した。

 

 

 

案内してほしいという淡の願いを受け入れ合宿所までの道を歩く。何でも白糸台は近いから現地集合だったみたいだ。しかし淡は場所をよく知らなかったらしく困っていたときに俺に話しかけたと言っていた。

 

 

「ねぇおかしいと思わない?確かに私たちは東京暮らしだしほかの高校より近いよ。でもこういう時ってバスかなんか出してくれるもんじゃないのかなー?」

 

「文句ばっか言ってもしょうがないだろ、俺たちと違ってそっちは地下鉄とか使えば簡単に行ける場所なんだし」

 

 

さっきから愚痴ばっかり言ってくる淡だがそれほど嫌とは思ってないみたいだ。

 

 

「ねぇハルト、ハルトの他にもう一人男子が来るんだよね?」

 

「ああ、もう一人俺と同じ清澄の須賀京太郎がいるよ」

 

「雑用なんだっけ、大変そうだね」

 

「そうみたいだな、これからさきなにがあるのかわかんないな」

 

「ところでさ、ハルトは麻雀強いの?」

 

「いや、俺は淡みたいに強くはないよ。普通に地区大会で負けたしね」

 

「そうなんだ、でも…」

 

「でも、どうした?」

 

「いや何でもないよ! 強くなれるといいね」

 

(でもハルトからは明らかに能力を感じるよ、しかも今まで感じたことのない感じのもの)

 

 

そんな話をしているうちに合宿所についたようだ。出ていく前と違って他校も集まってきているようだ。

 

 

「ほら、淡着いたぞ。ここが合宿所だ」

 

「ここが合宿所かー。案外大きなところだね」

 

 

淡は走って入り口まで行くと振り返り

 

 

「ハルト、ありがとね! これからよろしく!」

 

 

笑顔でこっちをみて、そう言った。




どうも2話目です。

まだ合宿は始まっていませんが最初に出会ったのは淡でした。淡は作者が一番好きだったので最初に出してしまいました笑

1日目はあまり長くありませんし麻雀描写もありません。多分後二話で1日目終了になります。


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