人生は何重にも枝分かれしていると俺は思う。その中でも人生の転機ってやつは確実に存在していたと思う。
何でこんな話をしているかって?それは簡単だ。
「なぁハル、俺たちどうなるのかな?」
「聞くなキョウ、でも少なくとも苦労することにはなりそうだな…
」
そんなもん知ってたら、俺は絶対にこんなところにいないはずだからな。
――話は十日前に遡る。
「大合宿をするわよ!!」
インターハイが二週間前に終わり、俺、藤堂悠斗(とうどうはると)が所属する清澄高校麻雀部も落ち着いてきた頃、部長である竹井久がやって来てすぐに言い放った。
「大合宿? なんだじぇ、それ?」
一番早く反応したのは俺と同じ一年の片岡優希だった。
「日本麻雀協会からのお知らせでね――」
「ちょ、ちょっと待って下さい。日本麻雀協会って何ですか?」
「あら須賀君知らないの? 日本麻雀協会って言うのはその名の通り日本の麻雀すべてを取り扱っている組織よ。インターハイもそこが主催なの」
「須賀君、話を遮らないでください。それで部長、大合宿って…?」
これまた俺と同じ一年の原村和が部長に聞き直す。
「大合宿っていうのは日本麻雀協会が主催の合宿でね――」
「インターハイ出場校が集まって行う3ヶ月の合同合宿なのよ!!」
……………え?
「「「「「「えぇぇぇぇぇええぇぇえぇ!!!???」」」」」」
「ってことは俺らは3ヶ月も部活休みなんですか!?」
「そ、そうです! キョウの言う通りです! 女子はいいかも知れないけど男子はおいてけぼりなんですよ!」
いち早く回復したキョウに続き俺も言葉を発する。女子と違って俺ら男子はインターハイに出場すらしていない、だからこんな合宿にはついていけない。
「あら、なにいってるの須賀君、藤堂君」
「「え?」」
「あなたたちも来るのよ♪」
「はぁぁぁああぁぁぁ!!??」
「それってどう言うことですか? 京ちゃんとハルくんは男子の方に特別に参加できるってことなんですか?」
まだ回復できていない俺とキョウの代わりに近くにいた宮永咲が部長に聞き返してくれる。
「でもそれっておかしくはないかのぅ」
今まで傍観に徹していた2年の染谷まこもそれに続く。
「まこも咲も勘違いしてるみたいね」
部長はふたりを見てからくすりと笑ったかと思うと俺とキョウをみた。
「須賀君と藤堂君の実力でそんなことはできない、けど私たちだけ合宿にいくのはさすがにかわいそう。だから私は思い付いたの」
「須賀君と藤堂君には女子の大合宿の雑用としてきてもらうのよ♪」
はじめましてハルハルXと言います。
今回は最初なので短めですが次からはもうちょっと文量増やしていきたいと思っています。