仮面ライダー鎧武 Another hero   作:kue

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第二十四話 オリジナルラスト

「はぁ!」

奴めがけて一発矢を放つが奴の刀によって地面にたたき落とされた。

が、俺はそこから数発連続で奴に向かって矢を放つと同時に上空へ一発矢を放つと、

奴に向かって放った矢がすべて叩き落とされたと同時に上空から奴めがけて降り注ぎ、

そのすべてが直撃して軽く奴を吹き飛ばした。

行ける……ジンバーの力ならば奴と対等以上に戦える!

「我の力はこれですまんぞ!」

『ロット・スイカアームズ・腐玉・ビッグバン!』

「ちっ!」

奴が腐ったような色をしているロックシードを解錠すると真っ黒なスイカの鎧が、

上空に開いたクラックから降りてきて奴がブレードを下ろしたと同時にアームズが被さり、

一瞬で大玉モードへと変形した。

また面倒なものを呼び出しやがって!

「喰らえ!」

スイカの鎧を身にまとった奴めがけて矢を三発放つが大玉モードで矢を完全に防がれ、

ヨロイモードへと変わった奴の双刃刀を食らい、壁に直撃するほど大きく吹き飛ばされた。

さすがは新世代ライダーとも対等に戦えるスイカだな……さて、どうするか。

相手の攻撃を避けつつも対策を考えていたその瞬間、奴の背後で小さな爆発が数回、

起こったかと思えば奴の足元からバナナの幻影が飛び出すように生え、やつを上空へ上げた。

「健太さん!」

「光実、戒斗。来たか」

「ふん……インベスでは飽きていたところだ……勝ち目はあるのか?

あれでも奴はユグドラシルの連中をたった一人でつぶした相手だぞ」

「お前らしくないな……俺たちには奴らにはないものがあるだろ……協力すればいいだけだ!」

そう言い、俺が矢を放つと同時に光実も引き金を引いて紫色の光弾を連射するが、

大玉モードによって完全に防がれてしまう。

「貴様らが我に勝つことはあり得ん!」

そう言ってヨロイモードへと移行した奴がその巨大な拳を俺たちめがけて振り下ろしてくるが、

俺たちは散りじりに散って奴の拳をよけ、光実は遠距離からの射撃で奴を攻撃し、

戒斗は奴の足元へもぐり、槍で足を崩していく。

『ロックオン』

『オレンジスカッシュ! レモンエナジー!』

『バナナオーレ!』

『ブドウスカッシュ!』

「ぐあぁぁぁ!」

戒斗がブレードを二回おろし、槍を横薙ぎに振るうとバナナの幻影が出現し、

横に振るわれてスイカの脚部を破壊し、奴の体勢を崩した瞬間に、

俺の矢と光実の紫色の龍の砲弾が奴に直撃し、大きな爆発をあげてスイカの鎧が爆散し、

その衝撃で奴は大きく吹き飛ばされた。

ユグドラシルの連中は協力したことはしたんだろうが……協力の質がいいのは俺達だ。

「まだだ……まだだ!」

奴はそう叫び、近くにあった倉庫のようなものを刀で一閃し、破壊するとそこから、

大量のヘルヘイムの森の果実が外に雪崩落ちてきた。

っっ! あの数の果実をどうやって!

「果実よ……俺に力をぉぉぉぉぉぉ!」

そう叫んだ瞬間、奴のドライバーと果実が共鳴し合うように光輝きだすと、

奴の周りを大量の果実が覆い尽くしたかと思えば何度も緑色の閃光がしはじめ、

奴は徐々に人の姿を捨て、巨大な翼をもったドラゴンの姿へと変貌を遂げた。

まさか……ヘルヘイムの森の果実を取り込むことで人間を捨て、自らインベスに変貌したのか!

「うあぁぁ!」

ドラゴンが大きく咆哮をあげた瞬間、奴から凄まじい強さの爆風が吹き荒れ、

俺たちをいとも簡単に吹き飛ばした。

「どうするんだ。本格的に俺たちの手には負えない状態になってきたぞ!」

奴が放ってきた大きな火球を己の武器で叩き落としていくが奴が回転しながら、

しっぽを振るったことで俺たちに直撃し、大きく吹き飛ばされた。

「巨大ロボでもあればいいんだがな……スイカ以外にはないし」

確かに今、スイカのロックシードはあるが俺だけがスイカの鎧を身に纏って戦っても、

勝ち目はかなり……というかほぼ無いに等しい。

その時、俺たちの足元に一つのヘルヘイムの森の果実が転がってきた。

さっき奴が吸収し損ねた果実か……。

その果実を光実が手に取るとドライバーの能力でヘルヘイムの森の果実が、

ロックシードへと姿を変えたがそのロックシードは今までに俺たちが見たこともないものだった。

「健太さん……これって」

「……使ってみる価値はある。貸してみろ」

『スポアー』

『ロックオン・スポアー!』

光実からロックシードを借り、それを解錠して弓にはめ込み、上空へ向けて矢を放つと、

普段なら矢がレモンの形へ姿を変えるんだが何故か、さっき放った矢は黄色い球体に姿を変えると、

淡い輝きを放ち、そして一気に破裂したかと思えば俺たちに矢が降り注ぎ、その矢が貫通した。

「……こんなロックシードがあるのか」

戒斗が驚きながらそう呟いたのも無理はなかった。

なんせ俺たちを矢が貫通したかと思えば変身が解除されて俺たちの隣に、

それぞれ同じ姿をした己自身がそれぞれ所有しているロックシードの数だけ現れ、

悠然とした姿で立っているんだからな。

「……行くぞ。ここからは俺たちの独壇場だ!」

『オレンジ』

『パイン』

『イチゴ』

『スイカ』

『レモンエナジー』

『バナナ』

『マンゴー』

『ブドウ』

『キウイ』

クローンを含めた俺たち全員は同時にロックシードを解錠するとそれぞれの頭上に、

解錠したロックシードのアームズが円形に開かれたクラックから出現してそれぞれの頭上に滞空した。

『『『『『『『『『ロックオン』』』』』』』』』

「「「「「「「「「変身!」」」」」」」」」

『ソイヤ! オレンジアームズ・花道・ON・ステージ!』

『ソイヤ! パインアームズ・粉砕・デストロイ!』

『ソイヤ! イチゴアームズ・シュシュっとスパーク!』

『ソイヤ! スイカアームズ・大玉・ビッグバン!』

『ソイヤ! ミックス! ジンバーレモン! ハハー!』

『カモン! バナナアームズ・ナイト・オブ・スピアー!』

『カモン! マンゴーアームズ・ファイト・オブ・ハンマー!』

『ハイー! ブドウアームズ・龍砲・ハッハッハ!』

『ハイー! キウイアームズ・撃・輪・セイヤッハッ!』

同時にブレードを下ろすとそれぞれの頭の上に滞空していたアームズが俺たちに被さり、

次々と変身を完了させ、己の武器を手にした。

武器を手に、構えたところで巨大な竜となった奴がその大きな足で俺たちを踏みつぶそうと、

降ろしてくるがそれぞれ別々の方向へ飛びのいて避けるとスイカのヨロイを纏ったもう一人の俺が、

双刃刀で奴の脇腹のあたりを切り裂いた。

痛みに叫びを上げながら奴は尻尾を振り上げたかと思えば無数の棘が一瞬にして生え、

その棘が俺たちに向かって飛ばされてくる。

『パインスパーキング!』

『一・十・百・イチゴチャージ!』

パインの鎧の俺がブレードを三回おろすと同時にイチゴの鎧の俺もトリガー付きの刀に、

イチゴのロックシードをはめ込み、巨大に膨れ上がったパインのアイアンと、

無数のイチゴのクナイの幻影が飛んでくる無数の棘を撃ち落としていく。

『キウイオーレ!』

「せいやぁ!」

『マンゴースカッシュ!』

「ふん!」

キウイの鎧をまとった光実がブレードを二度おろし、圏のような武装を振るうと、

その形をしたエネルギー刃が二つ放たれて龍の尻尾を切り裂くと同時に、

上空からの落下の勢いを利用して戒斗がオレンジ色の輝きを放っているハンマーで龍の頭を叩き、

地面に叩きつけた。

「あらよっと!」

突っ伏している体勢の奴の背中の真ん中あたりにスイカの鎧をまとった俺が、

急降下の勢いを利用し、双刃刀を奴自身を地面に括りつけるように突き刺した。

地面と己の体を双刃刀で突き刺された奴は必死に逃れようと動くが拘束が外れるどころか、

動いたせいでさらに深く突き刺さっていく。

「さあ、とどめといこうか!」

『オレンジスカッシュ!』

『パインスカッシュ!』

『イチゴスカッシュ!』

『スイカスカッシュ!』

『オレンジスカッシュ! ジンバーレモンスカッシュ!』

『ブドウスカッシュ!』

『キウイスカッシュ!』

『バナナスカッシュ!』

『マンゴースカッシュ!』

「せいはぁぁぁぁぁぁぁ!」

俺の掛け声と同時に全員が高く跳躍し、上空でブレードを一回おろして足にエネルギーをまとわせ、

急降下の勢いとともに奴へ蹴りをたたき込んでいく!

蹴りが叩き込まれていくごとに奴の全身から小さな爆発が連続して起きていく。

『ガアァァァァァ! ナゼダァァァ! ナゼ、コノ……コノワレガァァァァァァァ!』

オレンジの鎧をまとっている俺が奴の顔面へ蹴りをたたき込むと目の前に奴の顔が浮かび上がったが、

その顔は体の至る所から起きている爆発にのみ込まれ、奴の断末魔は大爆発とともに消え去り、

龍は塵一つ残すことなくこの世からその存在を消した。

「ふぅ……終わったな」

そう言うと同時に先ほど増えた俺たちのクローンともいえる存在が次々に消滅し、

すべてが消えると同時に俺たちの変身も解けた。

だが……結局、奴が何のために舞を連れ去ったのか分からないままだな。

「健太ー!」

後ろから呼ばれ、振り返ると笑顔を浮かべた舞がこちらに向かって走ってきていた。

…………まあ、あいつがまた戻ってきたから別に奴の真意はいいか。

「あれ、ミッチーも戒斗もいたの?」

「ひどいですよ。舞さん」

「ごめんごめん……ありがと」

「……ふん」

普段と同じ雰囲気を漂わせながら戒斗は何も言わずに俺たちから、

離れるようにどこかへと歩き去って行った。

こっちの世界でもあっちの世界でもあいつはあいつのままか……まあ、光実も言えることだがな。

「ねえ、ところでどうやって帰るのよ」

「大丈夫ですよ。ユグドラシルのシステムはまだ生きてますから。ほら」

そう言い、光実はポケットから小さなリモコンのようなものを取り出して、

それを目の前の何もない所へ向けてスイッチを押すと上空で一瞬、

何かが光ったかと思えば俺たちの目の前に銀色のオーラが現れた。

「この世界でこれを自由に扱うことが許されているのはユグドラシルのメンバーだけです。

まあ、僕は一般人の中から選ばれたんで使えていますが。さ、あれを通れば元の世界です」

「スゴーイ! じゃあね、ミッチー!」

「はい。さ、健太さんも」

「あぁ……相変わらずかわすのがうまいな」

そう言うと光実は少し驚いた顔をしながらもまたいつもの笑みを小さく浮かべて俺たちに手を振った。

俺たちは光実の言う通り、銀色のオーロラを通過するように歩いていくと景色が変わり、

俺たちのいた世界へと戻ると同時に後ろにあった銀色のオーロラが消え去った。

一瞬、本当の世界かとも思ったが俺たちから少し距離を取るようにして、

遠巻きから見てくる連中の姿を見て本当の世界に戻ってきたんだと実感できた。

「さーてと! 練習しなくっちゃ! 健太も来るんでしょ?」

「あぁ、そうだな」

そう言い、俺は舞が自己練習をしているという場所へ彼女とともに向かった。




どうもっす。今後もちょこちょこと短いオリジナルを挟んでいけたらなと思っています。
それでは!

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