決闘者のハイスクール   作:豆肉

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VSはぐれ悪魔です
やっとモンスターが戦います
主人公の神器の設定追加
・初期ライフを8,000としダメージを受けるとライフが減り0になると神器は強制解除主人公は死ぬ
 逆にライフが0にならない限りは死なない
 まさにDEATH☆GAME


第四話

部室で俺と兵藤はグレモリー先輩のお叱りを受けていた。

理由は2日連続で契約できなかったことだ。

1日目は従姉で身内と契約するのは気が引けたのでやらなかった。そのことは先輩も理解してくれた。

問題は2日目だ。俺は呼ばれた先にいったはいいが相手は小さな女の子だった。

願いが何であれ、こんな幼い子に代価が払えるとはおもえないので帰ろうとしたところ泣きつかれた。

なんでも親が急用で家を空けており深夜まで帰ってこなくて寂しいとのこと。

こんな小さな子を一人で留守番させるなんてと思ったが思ったところでどうしようもないので女の子が寝るまで一緒に遊んでいた。10時位まで。 

無論、契約もしてないし代価ももらってない。

ちなみに兵藤は「ミルたん」という人と夜通し魔法少女のアニメを見ていたそうだ。

しかし、契約相手にアンケートを書いてもらうのだが俺も兵藤も最大級の賛辞もらっていた。

そのことについては先輩も困惑していたが、とりあえずは相手が悪かったとして許してもらえた。

 

その後いったん家に帰ってから夜に部室を訪れると兵藤がまた叱られていた。

なんでも迷子のシスターを教会まで案内したそうだ。

悪魔にとっては教会は敵地で入るだけで体に毒で、さらに神側と問題になるそうだ。

それにしても悪魔なのにシスターを助けるとは悪魔してどうなのだろう。

いや、いいことなのだろう。少なくとも見て見ぬふりをするよか良い。

 

「お説教はすみました?」

 

姫島先輩がいつのまにか背後に立っていた。アサシンかこの人。

 

「朱乃、どうかしたの?」

 

グレモリー先輩が聞くと姫島先輩は難しい顔した。

 

「大公から討伐依頼が届きました」

 

姫島先輩が言っていた依頼とは『はぐれ悪魔』といわれる者の討伐である。

はぐれ悪魔とは簡単に言えば悪魔にしてもらって力を得て調子に乗り主人のもとを逃げ出したり主人を殺したりして各地でヒャッハーしてる悪魔のことらしい。

そのはぐれ悪魔がこの近くに出たとのこと。

いま俺たちはそいつがいるであろう場所に向かっている。

 

「血の匂いがします」

 

塔城ちゃんがそう言い袖で鼻をおおう。

到着したところは古びた倉庫だった。俺には血の匂いは分からないが雰囲気がヤバイ殺意とか敵意だけじゃない。

もっとドロドロとした怨念のようなものも感じる。気のせいかもしれんけど。なんだか悪魔化したせいか第六感とかもだいぶ強化されたような気がする。

あたりを見回していると嫌な気配が近づいてくるのを感じた。イラつくような、今すぐ消し飛ばしてやりたいような気配だ。

 

「まずそうな匂いがするぞ?でもうまそうな匂いもするぞ?」

 

倉庫の中から気持ちの悪い声がした。

 

「はぐれ悪魔バイザー。あなたを消滅させに来たわ」

 

グレモリー先輩がそういうとケタケタという笑い声が響く。

笑い声がやんだと思ったら暗がりから下は巨大な獣、上は裸の女の姿の醜い化け物が現れた。

こいつに比べたらディアン・ケトが絶世の美女に見えるレベルだ。

だがそんなことよりはどうでもいい。問題はこいつの後ろ、倉庫の中に転がってる見るも無残な死体。おそらくバイザーが食ったんだろう。

……これは流石に許容範囲外だ。こいつは最悪の死にざまをくれてやろう。これは絶対だ。たとえ誰が何と言おうと止めてやるものか。

 

「グレモリー公爵の名において、あなたを消し飛ばしてあげるわ!」

「こざかしいぃぃ―」

「うるせぇ!!黙って死ね!」

「浩次!?」

 

先に出してしておいた神器を構える。

グレモリー先輩が驚いてるようだが今は無視だ。とりあえずこいつを死なす。

 

「『王家の神殿』発動!」

 

王家の神殿は罠発動までのタイムラグを解消するためのカードだ。

これを発動することで本来セットから1分間待たなければ発動できないトラップも即座に発動できる。

 

「『六芒星の呪縛』発動!」

 

六芒星が描かれた魔法陣のようなものがバイザーを拘束する。

これでバイザーは行動することができない!

 

「てめぇにふさわしいモンスターは決まった!『THAトリッキー』を特殊召喚、『THAトリッキー』を生贄に『聖獣セルケト』召喚!」

 

宣言と同時に現れたのはサソリのような巨大な化け物。

お世辞にも聖獣とは言えない禍々しく気色の悪い見た目をしている。

 

「!?草間っなんだそれ!?」

「気持ち悪いです…」

 

塔城ちゃんや兵藤が顔を青くしている

というか俺以外の皆がめちゃくちゃ引いてるが、まぁそんなことは今は気にしてられない。

 

「いけセルケト、その屑を食っちまえ!」

 

低い唸り声をあげゆっくりとバイザーに近づいていく。

バイザーは逃げようと足掻くが六芒星の呪縛によって逃げることはできない。

 

「なっ!?くそがあぁ!!やめろ!来るな!ひっくぎゃあぁぁぁあああああああ!!」

 

バイザーは汚い断末魔を上げながらセルケトに食われていく。

見てて気分のいいものじゃない。

だがそれ以上にざまぁみろよと思った。テメェも食われる苦しみを味わえってんだ。しばらくしセルケトは満足したかのようにバイザーの死体というか肉片から離れる。それと同時にバイザーの死体は砂のようなものになり崩れてしまった。

なんで砂になったんだ?……考えられるのはセルケトの効果のせいだろうな。

セルケトの効果の一つに『破壊されたモンスターは除外される』というものがある。

バイザーが砂になったのは、おそらくこの効果のせいだと思う。遊戯王のルールとかから考えて、おそらく蘇生不可能になったということなんだろう。

でも待てよ……そうなると除外モンスターを復活させる系のカードはどうなるんだ?

まぁそこら辺は後々、できれば検証しよう。とりあえずやらなければならないことがある。

俺にはバイザー討伐より難しい「下がってしまったであろう皆の俺に対する評価を元に戻す、できれば上げたい」という非常に困難な仕事が残っている。

どうやって弁解すっかな。見なくてもシーンとした雰囲気で分かる。絶対引いてる。

ドン引きであろう。

ここは明るくいかした一言をいうべきだろうな。

前回の「おうどん食べたい」みたいな失敗は犯さないぜ。

と言ってもパッと思いつくような語学力は持ってない。

どうするかと悩んでいると兵藤が話しかけてきた。空気の読めるやつは好きだよ。

 

「えっと、草間?」

「おう、なんだ兵藤」

「さっきのはいったい……」

「俺の神器のことは話したと思っていたが?」

 

神器のことは兵藤をオカルト研究部に迎えた時に話している。

何をそんなに困惑しているのだろうか。

 

「ん、あぁいや、お前っていつも魔法みたいなことしかやってなかったからさ実際にモンスターを召喚するのを見てさ……こう、驚いちまって」

「あぁそういえばお前に召喚するとこみせたの初めてか」

「おう、でさ、お前が出すモンスターってあんなのばっかりなのか?」

 

あんなのとは失敬だなこいつ。セルケトは確かに気持ち悪いが強いんだぞ。

王家の神殿が禁止になってゲームじゃ使えなくなったけど……ちくしょう。

 

「いいや、もっと可愛いのやカッコイイだっているぞ。見せてやろうか?」

 

そういって神器を出現させる。にしても可愛いのか……

やっぱり遊戯王界のマスコットと言ったらこいつだろう。

 

「『クリボー』を召喚」

 

出てきたのは毛むくじゃらの愛いやつ

 

「うおっ!なんだこれ」

「クリボーだよ。 どうだ、可愛いだろ」

「確かにさっきのよりは可愛いです」

 

塔城ちゃんがやってきてクリボーを触ってる。

やっぱり女の子はこういうのは好きなのだろう。

クリボーも抵抗しないということは嫌ではないのだろう。

 

「ふかふかです」

「そりゃよかった」

 

塔城ちゃんが嬉しそうで何よりです。

 

「でもよ、こういうのがいるんだったらわざわざ、えっとセ…セル……」

「『セルケト』な、まぁあれはだな頭にきたというか」

 

兵藤が不思議そうな顔をするので倉庫の奥のほうを指さす。

そこに転がっている死体を見て「うわっ」と言い顔を青くした。

まぁ普通はそういう反応するわな。

 

「あれを見て許せるほど俺は寛大じゃないんだよ」

「あぁなるほどな……」

「とりあえず、あの人たちをどうにかしないとな」

「それは問題ないわ」

 

グレモリー先輩が前に出ていう。

曰く後の始末は下っ端がやってくれるそうだ。

それもそれでどうかと思うが何を言ったところであの人たちを生き返らすことはできないし仕方がないと割り切るしかないのかもしれない。

悩んだところで何も変わらない。

そのはずなんだが、なんだかもやもやしたような気分になった。

もっと早く来ていればとかそういうことばかり考える。

それを察してか「貴方が気に病むことじゃない」と先輩達は言ってくれた。

だがそれでも、と思えてしまう。

結局気分は晴れないままその場を後にした。




イービルピースの特性については兵藤や主人公には説目済みという設定です
『王家の神殿』
魔法/永続
このカードのコントローラーは、罠カードをセットしたターンでも発動できる。
また、自分のフィールド上のこのカードと「聖獣セルケト」を墓地へ送る事で
手札・デッキ・融合デッキからモンスターカードを1枚選択し、特殊召喚できる
本作での変更は特になし
『六芒星の呪縛』
罠/永続
相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターは攻撃できず、表示形式の変更もできない。
選択したモンスターが破壊された時、このカードを破壊する。
本作では相手1人の行動を全てを封じる
『聖獣セルケト』
モンスター/効果☆5
自分フィールド上に『王家の神殿』がない場合このモンスターは破壊される
このカードが戦闘でモンスターを破壊するたびに破壊されたモンスターは除外され
このカードの攻撃力は500ポイントアップする
本作での変更は特になし


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