決闘者のハイスクール   作:豆肉

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主人公の神器は妨害されるものです
そんでもってまだ一巻の半分もいってない やばい


第三話

堕天使のオッサンとの戦闘の翌日。

放課後部室に顔を出すと兵藤が部室にきてた。なにやらキラキラした目をしてグレモリー先輩の手をつかんでいる。

 

「あっ草間!お前も俺と同じ『兵士』なんだってな!お前には負けないからな!」

 

こちらに気づいた兵藤がいきなり不敗宣言をしてくる。

 

「あぁそうか……元気そうだな。兵藤」

 

兵藤の様子からして説明は終わったのだろう。

 

「ちょうどいいところに来たわね。浩次」

 

何やらタイミングが良かったらしい。

 

「貴方たちに、悪魔の仕事の説明をしなくちゃね」

「悪魔の仕事ですか?」

「えぇ、私たちの活動のメインはその仕事なの」

 

へぇそんなのあったのか。まぁ悪魔だしな。

 

「悪魔の仕事はね―」

 

――――――――――――――

 

ということで時間は過ぎて5日後かの夜。俺は街中を全力疾走していた。理由はチラシ配りのためである。悪魔の仕事というのは簡単に言うと相手と契約し願いを聞き、叶え、その代価をもらうというなんとも悪魔らしい仕事である。

そんで連絡先をタウンページに乗せるわけにもいかないので悪魔と呼ぶための媒介がこのチラシである。なんでもこのチラシを使うと俺たちの誰かを召喚できるのだそうだ。まぁ召喚に応じるかどうかはこちらの意志によるらしいが、とりあえずは召喚には応じようにとのこと 。

例によって兵藤の野郎は「チラシを使えばエロいことしてくれますか?」とか言っていたが嫌だと断られていた。

ここで重要なのは「できない」ではなく「嫌だ」というとこである。

can'tではなくwon'tである。

部長・副部長はノーコメントで、嫌だといったのは塔城ちゃんだった。あのときの塔城ちゃんの目は養豚場の豚を見る目を超えて養豚場の豚を殺す目だったね。

『悪いけど、とっとと精肉になってくれないかしら』って感じの目だった。

ちなみにうちではその手の類の依頼は受けていないんだと。専門家がいるらしい。ちょっと興味をひかれたのは男として当然のことだろう。それで話を戻して何故走ってチラシを配ってるのかというと、先輩曰く特訓ついでに悪魔の体に慣れるためとのこと。まぁ言ってることは分かる。

でも兵藤は自転車を使ってる俺は自分の足。なんでや!と、先輩に言ったが俺はすでに体は結構出来上がっていて自転車では大した特訓にならんのだと。

そういわれると何も反論できなくなる。ちなみに神器は使ってはダメだと釘を刺されている。せっかくモンスターが活躍できる場面だったのに、これ以上モンスターの出番がないとデュエルモンスターじゃなくてデュエルマジック&トラップになっちまう。こんなんじゃいけないと思いました。

 

「ふぅこれでノルマ達成…」

 

最後のチラシを配り終え一息つく。

ちなみにこのチラシ配り5日目だが、俺がチラシで呼ばれたことはない。

まぁ選んで呼ぶんだったらグレモリー先輩か姫島先輩、塔城ちゃんの3人のだれかだろうな。正直、召喚したら俺や兵藤みたいのが出てきたら俺だったらテンション下がる。せめてまさに悪魔って感じだったらいいんだろうが見るからに一般人って感じの野郎が出てきたら期待外れもいいとこだ。でも悪魔になったからには、悪魔っぽいことをしてみたいのだ。とりあえずは部室に帰ろう。

 

 

翌日

 

 

昨日は部室に帰ったあと何事もなく帰宅した。

もしかしたら呼ばれるかもと期待していたがそんなことはなかった。

まぁ部室に戻ったときはもう3時過ぎだったしだったし、

人間はみんな寝静まっている時間だ。期待外れで凹んだりはしてない。

ということで放課後いつものように部室に向かう。

来る途中で兵藤が叫びながら走って行ったけど気にしない。

 

「こんちは~」

「ちょうどよかったわ、こっちに来なさい」

 

入って早々グレモリー先輩に呼ばれて魔法陣の上に立たされた。

 

「浩次、あなたには今日から悪魔として本格的に始動してもらうわ」

「つまり脱チラシ配りということですね」

 

やっとビラ配りのバイトみたいなことから脱出できるのか。表立ってはないが制服で夜間駆け回っていたせいで補導されそうになったこともあるのだ。これでそんなことになる心配もなくなる。

 

「そうよ 初めての仕事だから簡単なものだけどしっかりとやるのよ」

「了解です」

 

これでようやく俺も悪魔らしい仕事ができるというわけだ。

そのあと転移用の魔法陣を先輩にもらい姫島先輩に依頼者のもとへ転移してもらった。それまではよかった。

 

「……コウちゃん?」

「……はい」

 

依頼者は従姉だったのです。

マジでどうしよう。危機ってレベルじゃない絶体絶命だ。

オカルトチックなチラシを使って悪魔を呼んでみれば現れたのは従弟でしたなんて笑えない冗談だ。冗談じゃないけど。

 

「どういこと?」

「つまり、俺は悪魔でしたって事です」

 

ミシィっと従姉が持っているお祓い棒(?)が悲鳴を上げる。

現状を説明すると 庭先で従姉、笹塚美鈴により光る縄により拘束されています。

ただの縄なら引きちぎれるけど謎のパワーにより逃げれない。曰く陰陽術の一つだそうだ。そういえば昔、従姉の4代前まで陰陽師のとして生きてきたとかいうことを聞いたことがある。あの時は気にもしなかったがマジだったんだな。

 

「まぁ細かいことは後で説明するから置いといて、なんで俺をってか悪魔をよんだんだ?」

「……退治してやろうかと思って」

「勝算は?」

「……」

 

馬鹿である。この正義感の強い阿呆のことだからチラシを見て人間を誑かす悪い悪魔は倒さねばとむちゃなことを考えたのだろう。とりあえずこの状況を何とかしよう時間は十分あったし手札もそろった。

 

「トラップ発動、『マジック・ジャマー』」

 

マジック・ジャマーは魔法等の術を無効化できるカードだ。トラップの発動と共に俺を拘束していた縄が消える。さてと、今後悪魔を退治しようなんて思わないように脅しをかけておくか。

 

「手札の『レベル・スティーラー』を墓地に送る」

 

さぁて!いっちょ派手に行きますか!

 

「え?えぇ!?」

 

困惑している美鈴を放置しチャーンをつないでいく。

 

「さらに『王宮のお触れ』発動、『魔法族の里』発動、手札より『魔轟神獣ケルべラル』を捨て『THAトリッキー』特殊召喚。ケルべラルの効果により『魔轟神獣ケルべラル』を特殊召喚。手札より『ドッペル・ウォーリアー』の効果発動。『ドッペル・ウォーリアー』を特殊召喚、墓地より『レベル・スティーラー』の効果発動『THAトリッキー』のレベルを1下げ『レベル・スティーラー』を特殊召喚!

さぁ行くぜ!集いし願いが 新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ!『スターダス―」

「浩次!」

「……ハイ」

 

カードをセットしようとしたところで近くに魔法陣が現れそこからグレモリー先輩が出てくる。

せっかく行けると思ったに。まぁよくよく考えればこんなところでスターダストなんて出したらとんでもないことになるし、これでよかったのか。

モンスターが召喚でるチャンスでテンションが上がってしまった。反省せねば。

 

「貴方も悪魔?」

「えぇそうよ、そしてこの子の主人。うちの眷属が世話になったわね」

 

どことなく先輩は怒ってるように見えた。そんで美鈴もどこか不快そうだ。

 

「つまり、貴方がコウちゃんを誑かしたわけね」

 

ボキィと音を立てお祓い棒(?)が折れる。握力すげぇ。

しかしなんだこの空気、まるで修羅場じゃないか……修羅場か。

 

「誑かすなんて聞きづてならないわね」

「違うのかしら。見た感じそういうの得意そうだけど?」

 

先輩の無間にしわが寄る。

 

「どういう意味かしら」

 

とりあえずこの場を収めねば。ヒートアップして下手したら武力行使もあり得る。

それだけは避けなければならない。

 

「Hey!ストップ止め!美鈴、説明はちゃんとすっから喧嘩はやめてくれ!」

 

先輩と美鈴の間に割って入り二人を止める。とりあえず美鈴に現状を説明しよう。

 

~~~~~~

 

「そんなことが……」

「まぁ生きてるしね。なんとかなるさ」

 

俺の必死の説得もあって何とか納得してくれたようだ。

まぁ俺のつたない説明でどこまで理解できたかはわからないが、グレモリー先輩への疑いは晴らすことができただろう。

 

「その、ごめんなさい。コウちゃんを助けていただいたのに悪く言っちゃって」

「構わないわ。 ところで浩次、さっきから親しそうだけどこの人との関係は?」

「従姉っすよ」

「従姉の笹塚美鈴です。本当にすみませんでした」

「リアス・グレモリーよ。さっきも言った通り気にしなくていいわ。浩次をこと想ってのことだったろうしね」

 

仲直りもできたようだ。よかったよかった。

それから数十分後。

 

「コウちゃんってば小さいころはずっと私から離れなくて、それがもう可愛て……」

「あらあら」

 

まじで俺の昔話をするのは止めてもらえませんかね。

グレモリー先輩はこっちを見ながらニヤニヤしてるし。 

まってアルバムなんか持ち出さないで止めて。俺の小さいころの写真なんて見たって面白くないから。

先輩なんで写真もらおうとしてるんですか。美鈴も簡単に渡そうとしないで。

それから俺の苦痛の時間は1時間以上続いた。

 

後日、塔城ちゃんからは「先輩も昔はかわいかったんですね」と言われた。

姫島先輩はニコニコしながらこっちを生暖かい目で見てくるし。

兵藤はからかってきやがったので魔法陣が使えないことをバカにしてやった。

なんでも兵藤は魔力が少なすぎて魔法陣をつかえなかったそうだ。

そのため召喚先へは自転車でいかなければならないらしい、昨日叫びながら走って行ったのはそれが原因か。

ちなみに木場はいつも通りだった。というか木場は感情の変化がよくわからん。




『マジック・ジャマー』
罠・手札を一枚捨て魔法カードの効果を無効化する
  本作でも同じだが発動中の魔法にも効果がある
『王宮のお触れ』
罠・このカードがフィールド上にある限り、このカード以外の罠カードの効果は無効化される
  本作ではマジックアイテム等の効果を封じます
『魔法族の里』
魔法・自分フィールド上のみ魔法使い族モンスターがいる場合相手は魔法カードを使うことはでき  ない
  本作では魔法使い族を召喚している間、敵は魔法以外の術が使えなくなる
『レベル・スティーラー』
モンスター/効果☆1
このカードが墓地に存在する場合、自分フィールド上のレベル5以上のモンスターのレベルを1下げることで、このモンスーを墓地から特殊召喚する
『THAトリッキー』
モンスター/効果☆5
手札を1枚捨てることで手札から特殊召喚できる
『魔轟神獣ケルべラル』
モンスター/効果/チューナー☆2
このモンスターが手札から墓地へ捨てられた場合、墓地から特殊召喚できる
『ドッペル・ウォーリアー』
モンスター/効果☆2
墓地に存在するモンスターの特殊召喚に成功した場合、手札から特殊召喚できる
このモンスターがシンクロ素材として使われた場合『ドッペル・トークン』を攻撃表示で2体召喚する

ちなみに従姉は一発キャラです 今後出てくる予定なし

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