決闘者のハイスクール   作:豆肉

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ペンデュラム召喚とかわかんねよおおおおおおおおおおお!!
ということでこの話は旧ルールでお送りいたします。


二十一話

ゼノヴィアとのことが落ち着いたところでイッセーたちのことが気になった。俺が教室で気絶してからすでに1時間は経っている。だというのにイッセーや祐斗、アーシアちゃんもまだ部室に来てない。部長曰く今日は部室に1回も来てないらしい。3人とも用事があるという可能性もなくもないがイッセーに関しては放課後、俺に相談を持ちかけたところから考えると用事とかはないだろう。さらに小猫ちゃんに聞いたところ、俺が気絶した後イッセーは部室に向かったらしい。となるとなにかトラブルに巻き込まれたか可能性が出てくる。考えすぎかとも思うが、ここ最近いろいろありすぎてあり得ないとは言えない。

......やはり心配だ。探しに行こう。

 

「リアス先輩、ちょっとイッセー達を探してきます」

 

立ち上がろうとした俺をゼノヴィアが止める。

 

「そこまで心配することもないだろう。それに、気になるなら電話でもすればいいじゃないか」

 

その手があったか。というか何で携帯の存在を忘れてたんだ。......最近使わなかったからかな。なんか悲しくなってきた。とにかくイッセーに電話をしてみよう。プルルルルという聞き慣れたおとが鳴る。5コールめで電話に相手が出た。だがその声はイッセーのものではなかった。

 

「よう、化け物使い」

 

声からして男。警戒心もなく知り合いに声を掛けるような感じだ。一応皆に聞こえるようにしといたほうがいいか。スピーカーモードにし机の上に置く。皆が不思議そうにこちらを見ているがすぐに意図を分かってくれたようだ。

 

「だれだお前?」

「ヴァーリだ。この前会っただろう」

 

ヴァーリ?たしかコカビエルのときに来た白いやつがそう名乗っていたような......。しかし、なんでそんな奴がイッセーの携帯にでるんだ。

 

「イッセーはどうした?」

「安心しろよ。赤龍帝には携帯を借りてるだけだけだ」

 

嘘くせぇ。そういう物言いのときはだいたい持ち主をぶちのめして強奪してるってのが定番だ。

 

「本当だろうな?もしなんかあったらワームの餌にするぞ」

「信用がないな。なんなら赤龍帝にかわるか?」

 

どうするか。まずは先輩たちの指示を仰いでおくか。先輩たちの指示を聞こうとしたところゼノヴィアが俺の袖を引っ張ってきた。ゼノヴィアの方を見ると携帯の画面をこちらに向けて俺に画面を見せる。どうやらこれで意思の疎通をしようということらしく画面には『先に用件を聞くべきだ』と書かれていた。先輩たちもそれでいいらしく目配せをし頷く。ただ眷属を一番に考える先輩がイッセーの安否よりも用件をきけというのが少し不思議だったが、ちゃんとした理由があるのだろう。

 

「いや、先に用件を言え」

「そうか。まぁ大したことじゃないんだが、お前に一つ聞きたいことがあってな」

 

聞きたいことか……。『俺に』ということは聞きたいことってのは俺個人のことについてだろう。そして堕天使側のやつが気になる事と言えば、おそらく神器についてだ。コカビエルを倒したほどの神器だ。情報を欲するのも当然だろう。しかし普通こんな真正面から聞いてくるか?これで教えてもらえると思うほど相手も馬鹿じゃないだろうし。

 

「どうした?」

 

急に黙ったせいでヴァーリに不審に思われてしまったようだ。

 

「なんでもない。それで聞きたいことってのはなんだ?」

「お前、神を使役しているらしいな。そのでその感想を聞きたくてな」

 

ヴァーリの聞いてきたことは予想とは違ったことだった。

 

「感想?どういうことだ?」

「そのままの意味だ。神ほどの存在を使役しているのはどういう気分か聞きたいだけだ」

 

神を使役している気分ね……。そうだよなぁ。よくよく考えたら神って存在はかなり最上位の存在だし、こっちのほうじゃ目に見え実際に存在するものなんだから影響力も比にならないだろう。そんなものを使役してるってんだから気になるのも当たり前か。

 

「正直に言えば荷が重いな」

「何故そう思う?お前は神をそこまで重視しているようには見えなかったがな」

「神っていう存在を従えてることに対してじゃなく、神というネームバリューが呼ぶトラブルのことがだよ」

 

こういったら三幻神に悪いが、神の存在をそこまでだとは思ってない。そのため神を使役するということ自体にはあまり思うところがないのだが、神という存在の影響力を無視することはできない。現にコカビエルやその配下の……名前忘れたけど爺さんとかに神が原因で絡まれたしな。

 

「ならば『こんな力はなければよかった』とでも言うつもりか?」

「NO。それはないな。だいたいそんなこと言ったところで何も変わらんだろ。あるもんは仕方がない。そのうえで今を楽しく生きるだけさ」

「楽観的だな」

「前向きと言ってくれ」

 

またしても電話口からため息が聞こえてきた。なんなんだ。そこまで露骨に呆れられると傷つくだろうが。

 

「なんだよため息つきやがって」

「いや、お前の印象がな、噂とだいぶ違うと思ってな」

「噂?なんだそれ」

 

俺についての噂なんて流れてたのか……。この噂が原因で危ないやつに目をつけられてないよな。というか印象が違うって、噂上の俺はどんなやつなんだ。

 

「はぐれ悪魔を生きたまま下僕の餌にする。数十のはぐれエクソシストの虐殺。訪問に来たフェニックスの三男を突然殺そうとした。レーティングゲームで敵の女を全裸にし辱める。さらに相手の『王』と『女王』へ神を使った過剰攻撃、こんなところだ」

 

何でこんな事細かに情報が流れてんだよ!というか噂の後半ってレーティングゲーム関係じゃないか。きっと焼き鳥野郎が報復にと流しやがったんだ……。おのれ焼き鳥野郎。今度会ったらもう一回ラーで消し炭にしてやる。

 

「……まさか本当にこんなことをやったのか」

 

こっちの雰囲気で察したようでヴァーリがけっこう引いていた。まずいなこのまま噂が真実として広がるのはまずい。実際真実だけど。とりあえずやってないと言っておこう。

 

「そんなことはやってない」

「さっき神のネームバリューがどうとかいってたが、お前への恨みつらみが原因のトラブルの方が多いんじゃないか?」

「やってないって言ってんだろうが!」

 

こっちの言う事なんぞ聞くきねぇってか。という結果だけ聞くと結構ひどいな。ヴァーリの言ってた通り俺へ恨みつらみがトラブルを起こさないといいのだが。

 

「まぁ俺の用件はそんなところだ」

 

すぐにヒュッという風を切るような音が聞こえ、それの後すぐに聞きなれた声聞こえた。

 

「おいっ!ちょっと待て!」

 

この声はイッセーだ。察するにイッセーは携帯を投げよこされヴァーリは帰ったってところか。

 

「聞こえるかイッセー」

「あ、あぁ」

 

声を聴く限りヴァーリが言った通り無事ではあるらしい。とりあえずは部室に来てもらうべきか?そう思ってるとリアス先輩が机の上の俺の携帯を手に取った。

 

「イッセー、無事かしら」

「部長!?あ、はい!大丈夫です」

「そう、よかったわ。アーシアと佑斗もそっちに?」

「はい。2人とも一緒にいます」

 

どうやら佑斗たちもイッセーと一緒にいたらしい。別のところで何かに巻き込まれてるかかじゃなくてよかった。

 

「ならまずは部室に着てちょうだい。詳しい話はそれから聞きくわ」

「わかりました!直ぐに行きます!」

 

それだけいってイッセーの方から通話はきられた。先輩から携帯を受け取りながら疑問を口に出す。

 

「しかし、なんでヴァーリはわざわざイッセーに接触したんでしょうね」

 

その疑問に答えたのはゼノヴィアだった。

 

「白龍皇としては現赤龍帝のことが気になったんだろう」

「だとしても普通こんなところまで来るか?」

 

堕天使とはこの前争ったばかりだ。コカビエルが勝手にやったとしても堕天使側の奴がここに現れるのは問題があるだろうに。

 

「よほど自信があったんでしょう。私たちも嘗められたものね」

 

リアス先輩が忌々しいとばかりに言う。

 

「ですが、あのヴァーリという男性。その自信に見合った実力は持っていますわ」

 

朱乃さんの言葉に全員が言葉に詰まる。たしかに、直接戦ったわけではないが強いのは確かだろう。万全を期せばなんとかなるかもしれないが不意をつかれれば現状の俺では確実に負けるだろう。……というか不意をつかれたら勝てることなんてほとんどないじゃん俺。

俺が勝手に自分の不甲斐なさを嘆いているとゼノヴィアが突然「あっ」という何か思い出したような声を出した。

 

「すまない。全く関係ない上に空気を読んでない発言だが構わないか?」

 

どうしたのだろう。何か重要なことでも思い出したのだろうか。

 

「えぇ構わないわ」

 

全員の注目がゼノヴィアへいく。

 

「ヴァーリが言ってたことで確かめておかなければならないことがあってな―」

 

一端言葉を区切り俺の方を見てくる。こっちを見てくるってことは俺関係だろうか。

 

「浩次、敵の女を全裸にし辱めたというのは本当か?」

 

なんで今そんなことを思い出すんだお前は。いいじゃんただの噂で流せば。掘り返す必要ないじゃん。そんなことしたってな、だれも幸せにはなれないんだよ。

ここは適当に誤魔化しておこう。

やったのは事実だが故意じゃないしな。俺は悪くない。今更昔の件で折檻されるのは嫌なのだ。

 

「さっきも言ったがそんなこと―」

「本当ですよ」

 

俺の言葉を遮り噂を肯定したのは小猫ちゃん。それと同時に部室の空気が重くなる。なんでそうやって俺を窮地に立たせるんだ君は。というかまたこのパターンだよ。だがいい加減慣れてきた。この後俺が怒られるんだろ。わかってるよ。覚悟を決め先輩たちの方へ向き直ると何やら朱乃さんがリアス先輩に耳打ちをしていた。

 

「ふぅ、まぁ仕方がないわよね。浩次も男の子なんだし」

 

俺の予想とは反して、リアス先輩の口から出たのは許しの言葉だった。

 

「そうですわね。男の子ですものね」

 

朱乃さんも同様で顔はにこやかだ。いや、許してくれるのはいいのだが男の子だからって許されるのはそれはそれで複雑だ。怒らないまでも注意くらいはしてほしい。そして今度はゼノヴィアが変なことを口走り始めた。

 

「つまり浩次は女の子を辱めるのが好きということか?その……恥ずかしいが君が望むならアブノーマルでもな、私は大丈夫だ」

「なにも大丈夫じゃない。そしてなにをバカなことを言ってるんだお前……」

 

なにが『つまり』だ。どうやってそこに結び付けたんだよ。そんで小猫ちゃんはなんか不満そうな顔をしてるし。なんなの君は。俺が苦しむところをそんなに見たいの?まだ教室でのことを怒ってるの?

突然、バァン!という音が鳴り響いた。音の方を見るとイッセーたちが立っていた。というか扉はもっと静かに開け。

 

「ただ今戻りました!」

 

元気いっぱいに帰還報告をするイッセー。イッセーたちも戻ったことだし、とりあえずはそちの話を聞くことにしよう。

 




更新遅くなりました

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