決闘者のハイスクール   作:豆肉

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ホルアクティ>エクゾディア のはずなのにデュエルに勝利っていう効果は一緒、しかもエクゾの方が条件ゆるいからなんか出しづらい件


第十七話

小猫ちゃんにたっぷり絞られた後なんとか生きて帰ることができた。

怪我のことを心配されたが怪我は自分で治すといって無理やり帰ってきた。

 

「ハァ……」

 

大きなため息をつく。

原因はこの左目だ。ガリレイ等から逃げ出すため千年アイテ。

名前を『千年眼(ミレニアム・アイ)』というらし。それと左目と取り換えた。おかげで助かったがこれは目立ちすぎる。

というかこれ本当に心が読めるのだろうか。そもそも、なんで心を読むアイテムなのにビームが出せるんだよ。

まぁそれは後々確かめるとして、まずはこの左目をどうやって隠すかが問題だ。

ものもらいになったといってカーゼで隠し家族を誤魔化してはいるが、いつまでもガーゼをつけているわけにはいかない。

それ以上に問題なのが先輩たちにどうやって説明するかだ。

「ものもらい」と誤魔化すわけにはいかない。小猫ちゃん達には怪我で、さらに自分で治せると言ってしまったし、アーシアちゃんもいる。

絶対にばれてしまうだろう。

こうなったら素直に話すべきだろうか……

絶対に怒られる。というか話すにしても小猫ちゃんたちに先に話しておくべきだったのだ。

なんで隠してしまったのだろう……完全に判断ミスだ。

困ったときは凄い人頼みだ。

凄い人ならこの左目をどうにかする手段を知っているかもしれない。

とりあえず凄い人を呼ぶため凄い人を呼んでみよう。

凄い人ー用事があるので出てきてくださーい。

 

『……その凄い人というのは俺のことか?』

 

頭の中に声が響く。ちゃんと俺の念は凄い人に届いたようだ。

さて本題だ。とりあえず左目を戻すまでは望まないから見た目だけでもどうにかできないか聞いてみよう。

 

『……まぁいい。左目は魔法で見た目を誤魔化す程度ならできるだろうな』

 

また魔法か。本当に便利だな。

それならブラックマジシャンあたりに頼もう。そうすれば先輩達にもばれないしね。

 

『それは無理だ。モンスターたちは千年アイテムに干渉することはできない』

 

ブラックマジシャンに頼もうとしたがどうやらそれはできないらしい。

マジかよぉなんだよその設定。

……それなら自分でどうにかすればいいじゃん!

 

『それも現状では無理だな。それができるようになるには少なくとも1か月は魔法の特訓をしなければならない』

 

八方ふさがりだ。

 

『大人しく話した方がいいと思うがな』

 

他人事だと思って……

まぁそうだな、凄い人の言うとおりだ。喉元すぎれば熱さ忘れるっていうしね!なんか違う気もするけど一回怒られちゃえばあとは何とかなるだろ!

とりあえず明日あたりガリレイと会ったことだけ話そう。

エクスカリバー破壊の件は先輩達には内緒だって言ってたし、そこはばれないようにしないとなぁ。

 

『ところで浩次、一つ聞きたいんだがその凄い人というのはなんなんだ』

 

そりゃすごいから凄い人ですよ。

 

『……俺の名はアテムだ。今まで名乗っていなかった俺も悪かったがその凄い人という呼び名は止めてくれ』

 

了解です。凄い人ってアテムって名前だったのか。苗字とかはないのだろうか?まぁいいか。ふとATMという単語が浮かんだが言ったら怒られるから黙っておこう。

 

 

翌日の放課後、突然だが部室の空気が絶対零度。

部室には俺と先輩方2人だけ、イッセーたちは聖剣を探しに行っている。

教室で先輩たちにどうやって説明するか考えてたらね、先輩たちが俺の教室まできて俺を拉致していったわけ。

たぶん小猫ちゃんたちが俺がガリレイと会ったってことを話したんだろうね。怒ってたのが一目でわかったよ。

まぁそんなこんなでガリレイ達が戦争をしに来たと言っていたこと、奴らがエクスカリバーを使うことができること、そんで俺の左目のことを話して左目を見せたわけだよ。

そしたらもうね、ブチ切れ。臨界点突破ってやつだね。

 

「それで、単独行動についてなにか言い訳はあるのかしら?」

 

リアス先輩の声が今までに聞いたことがないような声色になっていた。

声を聞いただけで気絶しちゃいそうだ。朱乃さんは目どころか口すら笑っていない。いつもの素敵な笑顔はどうしたんですか?

 

「やらなきゃならないと思った。反省はしている。などと供述―」

「浩次」

「ハイ」

「次ふざけたら二度と自由はないと思いなさい」

 

……これはマジで真剣にならんといけないな。

じゃないと監禁とまではいかないが監視とか付けられてしまいそうだ。

 

「浩次、お願いだから一人で危険なことはしないでちょうだい」

 

リアス先輩の表情が悲痛なものに変わる。そこでやっとやらかしてしまったなぁと後悔。

まぁ確かに下手をすればあそこで死んでしまったかもしれないしね。今思うとけっこうバカなことしたな。

 

「すいません。えっと、これからは気を付けます」

「信用できないわ」

 

バッサリと切られてしまった。いや、たしかに今まで無茶とかしたよ。でもそこまで信用ないですか……ないんだろうなぁ。

 

「だから、これからは私自らあなたを監視することにするわ」

 

リアス先輩の表情から察するに俺が嫌だといっても強行してくるだろう。

というか監視ってマジですか。そんなことされたら聖剣捜索とかできなくなってしまう。というかプライベートの侵害だ個人情報保護法違反だ。

いや、使い魔とかでの監視ならなんとかカード効果とかで誤魔化すことができるかもしれない。

 

「ちなみに、どうやってですか?」

「私があなたの家に住むわ」

「お断りします」

「拒否権はないわ」

「いやです」

「同じことを言わせないでちょうだい」

 

やっぱし、こっちの意見は聞く気なしですか。こりゃ何か真っ当な理由をつけないと話すら聞いてくれないな。といってもその理由が思いつかない。『なんか嫌だ』なんていう理由じゃ納得してくれないしなぁ……なにかないのか先輩を退かせる何か……

そうだこれだ!

 

「最近彼女ができまして、先輩が家に来ちゃうといろいろまずいんですよぉ」

「……もう一回いってくれないかしら」

 

ヤバイこれまずいやつだ。先輩に青筋が立たってるし目が据わってる。これは2、3人やっちまってる目だ。完全に地雷踏んだ。

 

「ウソです彼女なんていません嘘ついてすいませんでした!」

「そう、なら問題ないわね」

 

先輩がニッコリとした笑顔になる。

なんとか先輩の機嫌はなおったが問題が山積みだ。なんでもっとましな事が言えなかったんだ俺!

いや、もう一つあった。できるだけ真剣な顔をして……よしっ!

 

「……家族を巻き込みたくないんです」

 

先輩が少し反応を見せる。その反応を見るにつかみは完ぺきだろう。

 

「もし先輩が家に住むようになれば否応なしに俺の家族は悪魔関係のことに巻き込まれます。それに他勢力に狙われる確率も増えるでしょう。それだけは絶対に避けたいんです」

 

今言ったことはリアス先輩は魔王の妹という立場から考えればあり得ないことではないと思う。

瞬時に考えた言い訳としては上出来だ。

ただ先輩を厄介者みたいに言ってしまったのを気にしてないといいが

 

「……たしかに無茶を言ってしまったようね。ごめんなさい」

 

どやらわかってくれたようだ。やったぜ。ただし代償も出た。先輩が目に見えて落ち込んでらっしゃる。

やっぱり言い方が悪かったのか?とにかく適当に考えたいいわけでここまで落ち込んでしまわれると悪いことをした気分になる。ここはフォローをいれとこう。

大丈夫さ、俺ならきっとうまいフォローを入れられるはずだ。

 

「別にリアス先輩と暮らすこと自体が嫌なわけではないんです。むしろ歓迎なのですけどやっぱり家族をこれ以上悪魔に関わらせたくないんですよ。でもさっきいった通りリアス先輩は美人ですし気も利きますしね、嫌どころか一緒に暮らせないのがとても残念でしかたがないんですよ。でもやっぱり家族をこれ以上まきこめないという気持ちがありましてね。だからリアス先輩と一緒に暮らすのが嫌というわけではなくてですねいやまじで酷いい方してすいませんでした許してください」

 

結局これである。だっていい言葉が見つからなかったんだもん。なんでこう重要な時に限って俺はまともなことが言えないのだろうか。

 

「つまり、私ならいいということですね?」

 

朱乃さんがいつものニコニコ顔で爆弾を落とした。

さっきまで黙っていたのに口を開いたと思ったら何をいっとるんだこの人は。

 

「部長は立場上だめ。なら一介の悪魔でしかない私なら大丈夫なはずですよね?」

 

確かに立場上は大丈夫ではあるが一緒に住むこと自体が大丈夫でない。せっかくリアス先輩を退けたというのに何故にあなたまでそんなことを言ってくるのか。

いや、冷静になるんだ草間浩。あの朱乃さんの顔あれは面白がっているときの顔!のはずだ。ということは今言ったことは冗談、多分。おそらくこの場の空気を変えようと朱乃さんなりに気を使ってくれたに違いない、だろうと思う。きっとそうだ!

そうであってくれ!ならば適当に流しておけばいいんだ。お願いだからそれで済んでください。

 

「HAHAHAHA☆ご冗談―」

 

バチィッ! なにやら物騒な音に遮られる。

音の発生源は朱乃さん手元。スタンガンみたいに親指と人差し指の間を紫電が走ってる。

さっきまでのニコニコ顔は数分前の恐ろしい真顔に戻っていた。

つまりは俺の予想は外れていて、さっきの笑顔は面白がっているのではなく俺を威圧していたのか。いやぁー参ったねこれ。

コンコン ドアをノックする音がした。

やった!誰だか知らないけど救世主来た!

 

「……どうぞ」

 

リアス先輩の声が不機嫌そうだ。

ドアが開き入ってきたのは生徒会長だった。

 

「お邪魔だったかしら」

 

場の空気を読み取り生徒会長が不安そうな顔をする。

確かに先輩たちにとっては邪魔だったかもしれないが俺にとっては全然そんなことはない。むしろ大歓迎だ。

 

「それで、何か用かしら?」

「うちの匙のことなのですけど……」

 

匙の名前を聞き先輩たちが不思議そうな顔をする。

俺の方は内心穏やかじゃない。というか焦りまくってる。まさかとは思うが聖剣を探しているのがばれたとかじゃないよな。

いや、いくらなんでも早すぎる昨日の今日だぞ。

 

「匙ってあなたのところの『兵士』よね。彼がどうかしたのかしら?」

「それが昨日から様子がおかしくて。それで昨日リアスのところの子たちと一緒たらしくって何か知らないか聞きに来たのです。」

 

これ駄目なヤツだわ。というかもう少しうまく隠せよ匙の野郎!そんなんだからいまだに匙なんだよ!

バチィ! 直ぐ近くでヤバめな音が聞こえた。

そちらの方に顔を向けると目の前に朱乃さんの顔があった。近いです。

 

「何か、知っているようですね」

 

エスパーだこの人。しらを切れば何とかなるか?でもこの人に嘘が通じたためしがない。でも仲間を売るわけにはいかないし……

 

「まさかとは思うけど、聖剣関係じゃないわよね?」

 

リアス先輩がビンゴを言い当てる。

やばいって!どうするんだ俺!どうするアイフル!?何かいい躱し方はないか。ないな。

 

「どうやら、当たりのようですわね」

 

朱乃さんがにっこりとほほ笑む。笑顔が超絶怖いけど……

なにか言い訳しようとあたふたしていると、よくわからない魔法で拘束された。そのまま襟首を掴まれずるずると魔法陣のところまで引きづられる。

転移するつもりだろう、行き先はおそらくイッセーたちのところ。ごめん小猫ちゃん、イッセー、佑斗ついでに匙。おれ、守れなかったよ。

 

 

転移して先は予想通りイッセーたちのところ、ただ佑斗がいない。

ついたと同時に俺は雑に転がされる。拘束はといてくれないようだ。

 

「げえっ 部長!?」

「かかかかかかっかか会長!?」

 

匙とイッセーが顔を真っ青にする。匙の方はもう死んでるんじゃないかと思うレベルだ。

 

「なにをしているのかしら?」

「えっとですね、これはですね……すいませんでしたぁ!!」

 

リアス先輩の問いかけにイッセーは言い訳することをすぐに諦め土下座をする。もうちょっと頑張れよお前。

匙の方は相変わらず顔を真っ青にしながら停止している。どうやら謝る余裕すらないようだ。

 

「私は『何をしているのか』と聞いたのよ」

 

リアス先輩の威圧感がヤバイ。

 

「その……エクスカリバーの破壊を……」

 

イッセーはその威圧感に負けあっさりと今回のエクスカリバー破壊計画をばらしてしまった。

 

「貴方たちがしたことは、もしかしたら悪魔界に影響を与えるかもしれなかったのよ?」

「はい……すいませんでした」

「……ごめんなさい」

 

イッセーと小猫ちゃんが頭を下げ謝る。

というか先輩、俺の時と違ってやけに態度が柔らかくないですか?差別なの?

 

「まったく……心配ばかりはけて……」

 

リアス先輩が二人を抱きしめる。イイハナシダナー俺の時とは大違いだ。いや、俺が悪いんだけどさ。でもここまで違いますか。

 

「うわああああああああん!会長!許してください!あっちはいい感じで終わってるじゃないですか!!」

 

匙の悲痛な叫び声が響く。そちらの方に顔を向けると涙目になりながら会長から逃げようとする匙がいた。

 

「よそはよそ。そうちはうちです。」

 

何をそんなに嫌がっているのだろうと見てると匙は四つ這いの体勢にさせられた。

バシィ! そして会長が匙の尻を思いっきり叩く。

なるほど罰として尻を叩かれるのか。それはいやだわな。この歳になってあんなことをされるのは屈辱だろう。

というか音からしてめちゃくちゃ痛そうなんだけど。

イッセーと小猫ちゃんも若干引いている。

 

「イッセー貴方もよ。」

「へっ!?」

「流石におとがめなしというわけにはいかないわ。貴方もお尻叩き千回よ」

 

哀れイッセー、まぁ悪魔なら千回くらい叩かれても大丈夫だろう。

そして、できればこのまま俺のことは忘れてくれると助かるのだが。

 

「浩次、あとで貴方にはイッセーの千倍の罰を受けてもらうわ。覚悟しておきなさい」

 

死刑宣告いただきました。尻叩きの千倍の罰ってなんですか!?それ痛いとかそういう次元でとどまるんですか!?

 

「浩次先輩……その目、なんですか?」

 

声のした方を見ると小猫ちゃんが驚い様子でこちらを見下ろしていた。

というかこの位置だとパンツ見えるよ。白か、イメージに合ってるね。

そんで目がどうか……あっ

 

「説明、してくれますね?」

 

小猫ちゃんの表情が恐ろしいものに変わる。これはもう駄目かもわからんね。

 




主人公の性格がどうも定まらない

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