決闘者のハイスクール 作:豆肉
おかしな点があればご指摘よろしくお願いします。
世の中には摩訶不思議なことがたくさんある。
異能 UMA 異界 知らなくても確かに在るもの。
そのうちの一つである異能を俺は持っている。
でも、そんなこと関係ないし私は元気です。
駒王学園2年生 男 彼女なし 趣味:ネット。
割とどこにでもいそうな軽めのオタクというのが俺の自己評価。
前世の記憶を持ってたり異能を持ってたりするけど正直そんなもんは今の人生なんの役にも立たん。前世の記憶って言っても前世での自分の大まかな情報とオカルト関係とアニメ漫画の知識しかないし。
せめて数学とか英語とかの知識がのこってりゃいいものを……
前世については昔はいろいろ考えたが今はもう考えてない。前世のことなんて今の人生には関係ないし記憶もないんだから気にするだけ無駄だ。なのでそこらへんは大して気にせず平々凡々な生活を送っている。不満というか要望として帰宅部仲間がほしいぐらいだ。
友達はみんな部活動に参加しており帰りはいつも一人だ。正直いって寂しい。俺も部活に入ればいいんだけど、やりたい部もないし今更入るってのも気が引ける。
誰か帰宅部仲間になってくれないかなぁ……
そんなことを考えてるうちに分かれ道についた。なんだか寂しい気持ちになっていたのでいつもなら左に進むところを右に進む。この先には昔よく遊んだ公園がある。高校生になってからはもう行かなくなってしまったが、たまには思い出に浸るのもいいだろう。
そんなのんきなことを考えてた自分を殺したくなっている今現在。
地面には男子生徒の死体転がってる。
空には黒い羽根を生やした女。
わけがわからないよ。なんだよアレ。黒い羽根って天狗か?いや女天狗とか聞いたことないし。それ以上に天狗って格好じゃないし。なんだあの格好、痴女か。
まぁいいやこういう時ってなんて言うんだっけ……あぁそうだ。
「天狗じゃー!天狗の仕業じゃあああああああああああ!!」
……摩訶不思議なことが起こり過ぎて変なテンションになってしまった。というか今こんな冷静でいられる自分が怖い。
「どうやって結界の中にっ!」
女がなんか驚いてるけど、そんなことよりこの状況をどうするかが問題だ。状況から見てあの天狗がこの男子生徒を殺したのだろう。というかこの死体どっかで見たことあるような気がする。
「お前も死ね!」
天狗がてに光る槍のようなものを作り出しこちらに投げつけてくる。いや投げつけてくるってレベルじゃない!速えぇ!!
身体を捻りぎりぎりのところで光る槍を回避する。ズドンッ! 直後後ろにあった地面が轟音と共にえぐり取られた。あっぶねぇ忍者に憧れて特訓しててよかった!あんなの直で喰らったら粉みじんになっちまう。このまままずい。こういう時こそ異能の力でなんとかしてやる!念じると左手に手にディスクz状の機械が装着される。そして右手に5枚のカードを出現させてうち一枚をセットする。さらに安全のためカードをセットしようとしたところに光の槍が飛来する。寸前のところで地面を全力で蹴り何とか避けることができた。
「へぇ……なかなかやるのね」
女が加虐的な笑みを浮かべる。
あの女こっちを殺す気満々じゃないか。こっちは素人だってもに容赦のないことだ。このままじゃ俺もそこに転がってる死体君と同じ運命をたどることになってしまうかもしれない。しかしこの死体ほんとどこかで見たような……思い出した!俺のクラスメートだ!名前は兵藤一誠だ!そんでこの女は転がってる死体君の彼女だ。たしか昨日あたりだったか兵藤が教室で彼女ができたって騒でて、そんでその日の下校中、この天狗と一緒に歩いてるとこ見たことあったわ。なんで思い出せなかったんだろ。顔を覚えるのは苦手だけど流石にクラスメートの顔ぐらい覚えておくべきだろうに。というか恋人が天狗で、さらに殺されるって散々だな……
「へんな技を使うようだけど、これで終わりよ!」
そんなこと考えてたら女がまた槍を投げてきた。今度は2本、2倍、倍プッシュである。これは流石に避けることは無理だし準備しておいた異能の出番だ!
「トラップオープン!『くず鉄のカカシ』!」
俺の宣言と同時に正面にお粗末な金属製のカカシが出現する。
光の槍はカカシに当たり霧散する。1本だけ。
「あぶねぇっ!!」
即座に横に跳びギリギリ回避することができた!意外と俺ってすごいのかも!喜んでる場合じゃない。今のうちにカードをセットして反撃の準備をしなければ。
「ざんねん♪」
天狗の位置を確認しようと目線を上げると目の前にいた。突如腹部に激痛が走る。
「ガッ……ア゙アぁ……」
あまりの痛みに膝をつく。見ると腹に光の槍が突き刺さっていた。
「まぁ人間にしてはよくやったかしらね」
天狗が嘲笑しならがこちらを見下ろしてくる。あと少しで反撃の準備が整っててのにクソッたれ!素人相手にマジになってんじゃねぇよ。
「変な技使うみたいだけど意味なかったわねぇ」
相変わらずこちらを見下すような言い方だ。だがそれはつまり油断しているということ。ならばこちらにとっては好機だ。こういう時のための予防線ぐらい張ってるんだよ!
「速攻魔法発動!非常っつがあああああああ!!」
「はい残念」
グチャという音と共に宣言前に手を潰さた。宣言阻止とかやめろよ!お前それ一番やっちゃいけないことだぞ!
「あんたの神器はよくわからないからね」
そう言い俺の腹を踏みつける。というか神器ってなんだよ!えぇいもう、そんなことはどうでもいい!とにかく時間を稼がないと!
「Hey!ちょっとタンマ話し合おう」
とりあえずは時間を稼がねば死ぬ。せめてあと1分。そうすれば起死回生のカードを手元に持ってこれるんだ!宣言阻止さえされなければ勝てるんだ!
「残念だけど、私はそんなことに付き合う暇はないの」
にっこりと笑い死刑宣言をしてくる。いい笑顔しやがってくそったれ。つか付き合ってくれてもいいじゃん人生最後のお願いかもしれんのに。
「さよう……ちっ!」
なんだ空なんか睨んで。烏でも飛んでたのだろうか。というかなんで死にかけてるのにこんなのんきなこと考えてるんだよ俺。
「命拾いしたわね。いえ、その傷じゃ助からないかしら」
そういい女はどっかに飛び去った。本当に何があったんだろうか。あの様子からして何かに気づいて帰ったポイけど。
まぁいい、とりあえずは生き残った……いやダメか。力が入らない。これはいよいよ死ぬかな。せめて成人はしたかったなぁ……。いや、それ以上に家族のことだ。母さんと妹、あと親父。俺がいなくなったら悲しむかなぁ。あぁクソ。目の前がだんだん暗くなってきやがった……
ふと近くで砂を踏みつける音が聞こえた。そちらの方に顔を向ける。ぼやけた視界で見えたのは燃えるような赤い髪をした美人さんだった。死に際に美人さんってもしかして俺が生んだ幻か何かか?
「貴方たちね私を呼んだのは」
どうやら幻ではないらしい。そしてなんだかわけのわからんことを言われる。というか呼んだ覚えなんてないのだけれど。
「死にそうね。傷は…へぇ面白いことになってるじゃないの」
なにをブツブツをいっとるんだ。それより派手なパンツ見えてますよ。
……なんでパンツははっきり見えるんだよ。なにこれ死に際に自分の汚い部分を見せられたんだけど。死にたい。もうすぐ死ぬけど。
「貴方たちの命、私が拾ってあげるわ」
赤髪が俺と兵藤にチェスの駒のような物を向けた。そこで俺の意識は途絶えた。
『くず鉄のカカシ』
罠・相手モンスターの攻撃を1回無効化する
『非常食』
魔法・フィールド上の魔法、トラップを任意の枚数墓地に送り
その枚数×1000ポイントライフを回復する
主人公の能力の制限などは後々明かしていきます