箒の口調が分からないぜ、いえーい
年内最後の投稿になりそう
さて、軽く自己紹介でもしとこうか。
俺の名前は
あと、転生者です。バリバリ前世の記憶があります。
両親は健在。父は普通のサラリーマン、母は専業主婦だ。兄弟や姉妹は居ない一人っ子。
趣味は読書と、体を動かすこと。仲間や友達とワイワイするのは嫌いじゃない。
ルックスについては黒髪黒目の純日本人です。
顔については……自分ではなんとも言えない。イケメンかどうか、それを決めるのは自分ではなく他人だと思う。それに人の趣味はそれぞれだから一概にイケメンとは分からないと思う。
例えるなら……きのこたけのこ?みんな違ってみんないい?
でも前世より鼻は高くなったし、目も二重になったから、マシな部類ではあるのかもしれない。
まぁ、色恋沙汰なんて前世今世含めて一度も無いけどね!
前世の俺か?ただのオタクだったよ。アニメと漫画とゲームが好きな健全なる青少年だったよ。
童貞でしたよバカヤロー。
今世では読書好きな真面目くんで通してるよ、ぶいぶい(死語)
そんな俺はただいまインフィニット・ストラトスの世界にて第二の人生を歩んでおります。
原作はアニメと薄い本を少々。
「所属している党は……」
「何を突然ブツブツ言っている」
「ん、すまんな箒さんや。推理小説の犯人が気になってたんだ」
昼休み、自分の席で弁当箱を広げて物思いにふけっていると隣の席の箒さんから声を掛けられたので適当にごまかす。
箒さんの本名を言ってみた日から結構経ったが、こうしてツッコミを入れられるくらいの仲にはなった。あと名前にさん付けで呼ぶようになった。偽名は好きじゃないから、とのこと。
最初は警戒されていたが、接し続けていく度に向こうの警戒も解けていき、今の状態になったとさ。
もう俺は原作に関わる事を前提で行動する事にした。
実は事情を察してくれる友達とかが欲しかったんじゃないかなぁ、と思う。そう考えると素直じゃないなぁ。
「ツンデレ乙」
「誰がツンデレだ!」
貴女ですよ貴女。
こうして昼休みは平和に過ぎて行く。
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「キェアアアアアア!」
「イェアアアアアア!」
「アイエエエエエエ!」
「よし、止め!今日はここまで」
「「「ありがとうございました!」」」
放課後の部活動。
居残りをしようと準備をしていると、制服に着替えた箒さんを見掛けたので声を掛けた。
「あり?残らないの?」
「ああ、少し用事があってな」
この時俺に電流走る。
今こそ『モッピー脱却計画』を始動させるのだと閃いた。
まぁ、計画と言っても大した事はしない。ちょっと箒さんを素直で明るくするだけである。淑女にするだけである。
とりあえず箒さんには友達を作ってもらおう。
君のためでもあるし、俺の未来の安寧のためだ、許せ。
「へぇ、じゃあ他の女子と一緒に帰れば?」
ちなみに箒さん、俺がそれとなく指摘をしたおかげで無言は辞めてくれた。
それでも必要最低限の会話で、しかも話をぶつ切りにするけど。
「あぁ……無理だな」
「え?なんで?」
「帰りは護衛が付くし、車だからだ」
「……すまんかった」
そういえば一回見たことあるが箒さんは登下校が車でしたね。しかも黒塗りの大型車。
んで、確かSPみたいな人も付いてたね。
……ダメじゃん。
「でも負けない」
「何を言っているんだお前は」
翌朝。
箒さんからの開幕ツッコミをいただきました。
箒さん、そのノリならすぐ友達作れるよ。ツッコミ役って貴重だから。
「まぁ、そんなことより」
俺は自分の鞄からあるものを取り出した。
「一狩り行こうぜ!」
取り出したのは某3Dになる携帯ゲーム機。ソフトは協力プレイが可能な某狩猟ゲー。
ドラえもんが道具を出した時のSEが欲しい。
「校則違反だぞ」
「お堅いですね箒さん。持ってないの?」
「持っていない。……やはり男はそういうゲームみたいなものは好きなのか?」
ありゃ?食いついた?
ふーむ、よく分からんがここは普通に反応しておこう。
「好きなんじゃない?みんなやってるし」
「そうか……そういうものなのか」
そう言って箒さんは俺から視線を外す。会話終了の合図だ。
むぅ、人間関係の潤滑油と名高いゲームでこの教室の
しかし途中での箒さんの質問……男……あっ(察し)
計画の道は、険しい。
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私、篠ノ之箒は何度目になるかも分からない転校をした。
転校してきた学校は地方にある田舎の中学校だ。
「ねぇ日笠さん」
適当に自己紹介を済ませ、休み時間の質問責めには無言で通した。
転校する度に何度も何度も繰り返してきたこの行為にいい加減に嫌気がさしたからだ。
それにこうすれば次第に人も寄り付かなくなる。どうせ転校するんだ、どうせ。
ちなみに日笠というのは重要人保護プログラムで与えられた偽名だ。
私の姉はISの開発者。その家族に被害が及ばないようにするための措置だそうだ。しかしこの名前、偽名のはずなのにしっくりくる。
数日経てば思惑通り、誰も私を気にかけなくなった。
それでいい。その方が私も気が楽だ。
「日笠さーん」
だが、例外が居る。
私の隣の席の男子……たしか如月という名前だったか。
そいつは未だ私に声を掛ける。
そして今日もまた私は彼を無視する。
驚いた。彼が私を知っていた。
隣の席の男子、如月鋼夜。
男子剣道部の主将だった。
彼は私の父が開いていた道場に来た事があるらしく、私を覚えていた。こちらの事情を察したようで深くは聞いてこなかったが。
しかし剣術の型を見られていたとは……今度から気をつけよう。
道場か……あの頃が懐かしい。
一夏は元気にしているだろうか?いまも剣道を続けているのだろうか?
「おはよう箒さん」
あの日以来、隣の彼と話すようになった。
下の名前で呼んでいるが、単純に偽名があまり好きではないからだ。私は篠ノ之箒、それ以上でもそれ以下でもない。
なぜだろう?私の事情を知ってもらえて嬉しいからか?……まさか。こんな事を考えるとは、鍛錬が足りない証拠だ。
それとなく無言は止めろと言われた。善処しよう。
しかし、彼は何がしたいのだろう?私の気を引きたいのだろうか?私なんかと話して楽しいのだろうか?
そういえば、一夏以外の男子とまともに話すのは初めてな気がする。
「先生待って下さいこれは違うんです」
隣の彼はゲーム機を先生に没収されていた。
やはり最近の男子はああいったものが好きなのだろうか?
一夏は……いや、一夏はそんなものに現を抜かす軟弱者ではない。ではない……はず。
……ちょっと政府の人に頼んだら買って貰えるだろうか?
主人公は箒に惚れません
箒も主人公に惚れません
箒は相変わらず一夏一筋です