加速世界の銀星号   作:ヴィヴィオ

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光のスニークミッションだ!

 

 

 

 レベル4となった光は無制限フィールドでただひたすらエネミーを狩り続ける。小獣(レッサー)級エネミーは1体につき30分。野獣(ワイルド)級エネミーは1体につき60分くらいかかる。もちろん、光のタイムはどんどん短くなっている。ちなみに小獣級をソロで倒せるリンカーは上級者と認められるが、それすらもレベル7クラスになってようやく可能となるほどらしいが光には無意味である。ソロじゃないなら数十人単位で狩る事ができるけど、今はできない。皆が弱いからだ。

 そしてゲーム時間で252年の時が過ぎた。御蔭で小獣(レッサー)級エネミーと野獣(ワイルド)級エネミーまでなら簡単に倒せるようになった。

 ただ、問題もあった。現実に戻るのがほぼご飯の時間と鍛錬の時だけなのだ。それ以外は常に無制限フィールドでエネミー狩りをしている。御蔭でこちらも大変な事になっている。

 

「えっと、事故?」

「はい。飛行機が途中で行方不明になりまして……」

「成程」

 

 問題、それは両親が行方不明になった事。御蔭で光は施設に入れられる事になった。まあ、行方不明っていってもあの両親なら絶対平気。だから心配もしない。まあ、遺棄された子供や親と死別した子供を国家後見制度の適用により保護養育する全寮制学校へと入れられる事になったけど。まあ、そっちでも問題無くブレイン・バーストができるからいい。家は一応維持してある。お金は残ってるから。それよりもこの学校の近くにある同系列の保育施設を見学したのだけど上月由仁子(コウヅキユニコ)が居るみたいだ。赤の王……面白そうだ。光が直々に鍛えてやろう。

 

 

 一週間後、準備が出来た光は全寮制学校へと転校した。といっても、ニコはまだ4歳だ。なので適当に接触してやる。うむ、光源氏計画だな。光が楽しめる為の存在として教育してやるのだ。といっても、適当に遊びに行って遊んで(訓練)やり、お菓子をあげたりするくらいだ。本番は小学生になってからだ。授業中は暇なので学内ネットからニコを呼び出して適当に遊ぶ。ロータスとも会話をしたりする。光の学力は問題無いので暇なのだ。

 そして、放課後はニコと遊んでやってから部屋に戻ってベッドに寝転がって停止時間を設定した後、外に接続して30戦したら無制限フィールドへと入る。

 

「さあ、帝城よ……光と勝負だ」

 

 重力制御系アビリティをひたすら強化している光は擬似的に飛ぶ事も可能である。故に、奴がやったように七の神器(セブン・アークス)を手に入れる。勝負は修正されるまでの短時間。先ずは空高くへと舞い上がって最大速度で加速して、流星となって帝城の扉にエネミーが出現する前に叩き込んで中に入る。背後で朱雀が現れたが今は無視だ。大威力の一撃により文字通り叩き開けたのだ。光の足には強化外装、隕鉄の靴(コメットシューズ)がある。これは蹴りの威力を上げつつ、使用者に蹴りによるフィードバックを無くさせる代物だ。8400ポイントで売っていたので買ってやったのだ。ちょっと、現実で4日ほど徹夜して貯蓄も崩して手に入れた代物だ。

 

 さて、帝城に入った光は空からさっさと内部に入ってスニークミッションを開始する。気配を読めば容易く侵入出来た。この最奥で“無限”の名を冠する北斗七星の五番星(イプシロン)『玉衝』(ぎょくしょう)の直刀ジ・インフィニティと“運命”の名を冠する北斗七星の六番星(ゼータ)『開陽』(かいよう)の全身鎧ザ・ディスティニーを発見した。

 

「光は欲張りだ」

 

 ジ・インフィニティを手に取り、ワープポータルが発動する前に即座に重力制御でザ・ディスティニーの台座へと向かう。しかし、光が発動して即座に光は消えそうになる。

 

「この光を舐めるっ!!」

 

 心意を使い、全力で抵抗してザ・ディスティニーに触れる。だが、弾かれた。残念ながら外に放り出された。仕方無いので再度突入するために辺りを破壊してからもう一度帝城に突入する。突破は完了。ルートもわかっているので最大速度で駆け抜ける。そして、台座まで到着し、ザ・ディスティニーに触れようとした瞬間。

 

『緊急アップデートを開始する』

 

 強制シャットダウンされた。おのれ、光の邪魔を何処までもしてくれる!!

 茅場晶彦めぇええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇっ!!

 

「……ふぅ……だが、よく考えれば光が取った方法はまだ大丈夫だ。クロム・ファルコンがザ・ディスティニーを回収してくれるだろう。それを光が貰い受ければいい。光は魔王だ。銀星号たる為に鎧は欲しい。貰う条件は簡単だ。ニーズヘッグを叩き止め、ザ・ディスティニーを渡す代わりに光が助けてやればいい。他の連中は邪魔をするならば皆叩き潰せばいい」

 

 問題は何時あるかだが、奴らは派手に動くので問題無い。それまで光は更なる力を手にいれよう。ザ・インフィニティ。貴様はその一撃を無限に増幅してもらうぞ。四聖獣を叩き潰す一撃の為に。

 

 

 


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