IS~衛宮の娘は遥か高き宇宙を目指す~   作:明日香

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※簪ファン及びラウラファンは閲覧注意


第18話「決戦!学年別トーナメント決勝戦!」

 

 

今日は学年別トーナメント1年生の部の決勝戦だ。

会場には学園の生徒、一般の観客、企業の関係者など様々な人々が一様に熱狂している。

それだけ観客は今日の決勝戦を楽しみにしていたのだろう。

まあ、無理はない。

打鉄の全てのスペックを使って専用機乗りと渡り合った日本の代表候補生更識簪、

卓越した射撃と操縦でチームを勝利に導いたイギリスの代表候補生セシリア・オルコット、

神業的な剣術と圧倒的な反応速度で敵を圧倒してきた期待の新星アルトリア・ペンドラゴン、

超人的な身体能力で相手を翻弄し、勝利を勝ち取ってきた新人チルノ、

冷静な判断力と的確な作戦でチームの勝利を支えたドイツの代表候補生ラウラ・ボーデヴィッヒ…

どの選手も注目するに値する名パイロット達ばかりだもの。

ん?もう一人最新鋭のISを乗っている娘がいるようだけどあれはダメね。

機体の性能に関してはおそらく現在稼働が確認されているISでは最高峰の性能を誇るけど

乗り手がダメダメだわ。

天才達を相手にしても引き下がらない精神力は評価に値するものだけどそれ以外は及第点以下、

こんな平均以下のパイロットに乗られているISが可哀想だわ。

あいつがあの氷精を警戒するのはわかったけどあんな奴に警戒する理由がわからないわ。

 

 

「ま、見届けてあげるわ」

 

 

この天才達ばかりの決勝戦でどれだけ醜く落とされるか見させてもらうわ。

まあ、万に一つも貴女が彼女達に勝てる要素は無いのだしね。

そう…例えどんなに足掻いたとしても本物の天才達に勝てる道理はがないのだから。

 

 

第18話「決戦!学年別トーナメント決勝戦!」

 

 

◆ Side 真優

 

 

IS学園 第1アリーナ 第1ピット

 

 

「いよいよ決勝戦だな」

 

「「うん」」

 

 

いよいよ決勝戦の日がきた。

決勝戦の相手はアルトリア、セシリア、簪さんの3人だ。

私が知る限りで最強のチームと言っても過言ではないチームだ。

接近戦に関しては最強ランクの強さを誇るアルトリアとリリィ、

遠距離中距離近距離どのレンジでも高い技量を持つセシリアとブルー・ティアーズ、

基本に忠実で全体的に高水準の強さを持つ簪さんと打鉄…3人共強敵だ。

 

 

「この戦いで最も厄介なのはセシリアだ。この試合ではいかにセシリアの動きが鍵を握っている」

 

 

特にセシリアはあのチームの中で最も厄介な相手だ。

これが個人戦ならアルトリアが一番恐ろしい相手になるけれど今はチーム戦だ。

仲間のフォローも難なくこなせるセシリアは最も警戒すべき相手だと思う。

でも、誰がセシリアと戦うんだろう…?

 

 

「真優。お前がセシリアと戦ってくれ」

 

「え?私…?」

 

 

…どうやら私がセシリアと戦うことになるらしい。

まあ、アルトリアと戦うよりも勝率は上がるかもしれないけどなぜ私を指名したし…。

グラディスさんに勝てたのもシャルルに引き分けまで持ち込めたのもインパルスのおかげだ。

機体…そうか、セシリアとブルー・ティアーズの相手で相性が一番いいのは私のインパルスだ。

だから、私が選ばれた…。

 

 

「わかった。やれる限り頑張ってみる」

 

「チルノはアルトリアの相手を頼みたい。私の機体ではすぐに討たれるのがオチだからな」

 

「オッケー」

 

「今日でこのトーナメントも最後だ。…勝ちに行くぞ!!」

 

「うん!」

 

「おう!」

 

 

作戦は決まった。

今まで強敵達と戦ってきたけれど決勝の相手は私達の中でも最強のチームだ。

勝率は恐ろしく低い…。

だけどここまで勝ち上がってきたんだ…。

だから決勝戦も絶対に勝つ!!

さあ、行こう!

 

 

◆ Side セシリア

 

 

試合開始前…

IS学園 第1アリーナ バトル・フィールド

 

 

「来ましたか…」

 

 

カタパルトからバトル・フィールドへ射出されたわたくし達が

バトル・フィールドの中央で待機していると相手チームである真優さん達が飛んできました。

真優さんの装備は…フォース・シルエットですか…。

 

 

「ごめん。待たせたかな?」

 

「いえ、さほど待っていませんので気にしないでください」

 

 

本当に勝負というものは終わるまでわからないものですわね。

専用機持ちの中で最弱と言われていた彼女ですがラウラさんとチルノさんと力を合わせ、

この決勝戦まで勝ち上がりわたくし達の前に立ち塞がってきました。

ふふ…。

専用機乗りの先輩として真優さんの成長は誇らしいですわ。

ですからわたくしはこの日が来ることを待ち望んでいました。

わたくしと共にシンさんの許で訓練をしていた真優さんとの一騎打ちを…。

 

 

「悔いのない試合にしよう。セシリア」

 

「ええ。お互い全力で戦いましょう」

 

 

試合開始のブザーが鳴ると同時にビームの光が交錯し、互いの脇をすり抜けました。

もちろん互いの攻撃が牽制攻撃なのはわかっています。

真優さんの反応速度が一回戦の時よりも上がっていますわね…。

グラディスさん、シャルルさんと言う強敵との戦いで真優さんは確実に成長しています。

ならば…こちらも出し惜しみはしませんわ!

 

 

◆ Side アルトリア

 

 

試合開始直後…

IS学園 第1アリーナ バトル・フィールド

 

 

カァンッ!キィンッ!カァンッ!

 

 

「…やりますね。まさかイチカとホウキ以外に私の反応速度についてこられる者がいるとは」

 

 

試合開始のブザーが鳴った瞬間、私と剣を交え始めたのはやはりチルノでした。

本当ならマユと手合わせがしたかったのですがこの際仕方がありません。

しかし、チルノの動きを何度か訓練で見てきましたがまさかここまでとは思いませんでした。

鍛えれば私よりも遥か高みに至るでしょう…。

 

 

「そっちこそ。伊達に剣の英霊を名乗っていただけのことはあるね!」

 

 

ガキィンッ!!

 

 

「っ!?貴女は…」

 

 

チルノから出た言葉に思わず息を飲んでしまいました。

なぜ彼女が聖杯戦争のことを知っている…?

あの聖杯戦争を知っているのは極僅かだというのに…。

それに彼女が持っている剣は…

 

 

「アンタのことはある程度だけど知っている。

 約束された勝利の剣がアンタのことを教えてくれたから…」

 

「そうですか。ならば私は死力を尽くして貴女と戦うことをこの剣に誓いましょう」

 

 

間違いない…。

あの剣は嘗て私が使っていた約束された勝利の剣そのものです。

そして、チルノは約束された勝利の剣の新たな担い手として認められている。

ならば前の担い手として彼女と死力を尽くして戦わなければいけませんね。

 

 

イメージBGM:Fate/stay nightより 約束された勝利の剣

 

 

「お互い次の一撃で決めない?」

 

「いいでしょう」

 

 

いい案ですね。

お互い次の一撃で自身の全てをぶつける。

非常にわかりやすく決着をつけるのにはちょうど良い方法ですね。

断る理由もありません。

 

 

「これがあたいの全力!約束された【エクス】!!」

 

「いきますよ…永久に遥か【エクスカリバー】…」

 

 

お互いに剣を天に掲げ、剣の刀身に自身の力を注いでいく。

私のイマージュは刀身から黄金の輝きを放ち、チルノのエクスカリバーの刀身は

彼女の髪の色と同じ蒼い輝きを放っています。

まさかサーヴァントでも無いのにここまでの魔力を持っているとは…。

これは…どちらが勝つかわかりませんね。

 

 

「勝利の剣【カリバー】!!!」

 

「黄金の剣【イマージュ】!!!」

 

 

ドガアアアアアアアアアンッ!!!

 

 

私の全力の一撃とチルノの全力の一撃がぶつかり、私の視界は真っ白に染まりました。

そして、私の視界が回復するとリリィのシールドエネルギーが0になっていました。

ですが、それはチルノの方も同じらしくリヴァイヴは完全に停止していました。

これは…引き分けのようですね…。

セシリア、後はまかせました。

 

 

◆ Side ラウラ

 

 

試合開始直後…

IS学園 第1アリーナ バトル・フィールド

 

 

「貴女が私の相手?」

 

「ああ。悪いが勝たせてもらうぞ」

 

「それは…こっちのセリフ!」

 

「そうか。なら、やってみせろ」

 

「言われなくても…!」

 

 

真優とチルノはセシリアとアルトリアと戦闘を開始したようだな。

相手は訓練機の打鉄だが搭乗者である更識簪が厄介だ。

奴は自分が使っている打鉄の全てを把握している。

故に今まで相手にしてきたどの打鉄乗りよりも強いだろう。

ならば私も全力で簪を倒すまでだ。

 

 

「これだけのミサイル…避けられる?」

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドッ!!

 

 

ふむ、まずは左肩に追加装備されたミサイルランチャーを全弾撃ってきたか。

おそらく後のことを考えて右肩の分を使わなかったのだろう。

確かに後々のことを考えればその選択は間違っていない。

残弾を気にしながら戦術を練れるのはしっかりとした訓練を受けてきた証拠なのだろう。

だが…

 

 

「わるいが準決勝のあの二人はこれの4倍は撃ってきた。故に…」

 

 

ドシュン…ドガアアアアアアンッ!!!

 

 

「この程度のミサイルの迎撃など造作もない」

 

 

出し惜しみの攻撃で倒せるのは訓練通りの動きができる二流【ノーマル】の連中だけだ。

真優達のような規格外【イレギュラー】やセシリア達の様な一流【エース】、

そして、数多の戦場を生き残ったシン様や私のような専門家【スペシャリスト】には通じない。

 

 

「それなら…」

 

 

ガガガガガガガガガガガガッ!!

 

 

「あまり動揺せずに攻撃を再開してきたか…。これは思わぬ拾いものをしたな」

 

 

どうやら出し惜しみをしては勝つことはできないと悟ったらしい。

なるほど…。

今まで簪を相手にしてきた連中の大半が負けたのも納得できる。

気持ちを切り替えられることは戦場や試合に関係なく重要なスキルだ。

これを持っているかいないかで二流【ノーマル】か一流【エース】かで選別される。

相応の場所で実戦を積めばIS界に名を残すパイロットになれるだろう。

そう考えると日本政府はとてつもない逸材を手に入れられることができたな。

おそらくあまり時が経たないうちに日本の代表になるだろう。

もっとも、今回ばかりは運が無かったな。

 

 

「わるいが、決めさせてもらうぞ」

 

 

ジャリッ!!

 

 

「え?ワ、ワイヤーが…まさか…」

 

「そのまさかだ」

 

 

右腕ばかりに目がいって此方の左腕の注意を疎かにしていたな…。

近くで轟音が轟いたがおそらくチルノとアルトリアの宝具が激突した音だろう。

ハイパーセンサーで確認するとどうやら相討ちになったらしいな。

チルノがやられたのは痛いがこちらに被害が及ばなかっただけマシか…。

さて、始めようか…。

 

 

「さあ…本当の暴力を教えてやろう」

 

 

グオンッ!ガシャァンッ!!

 

 

「あうっ…!」

 

 

まず、簪をアリーナの地面に叩きつけて武装を解除させる。

あまり試合でやるべきものではないがこちらにも余裕はない。

少しでも手を抜いて反撃されたら此方が一気に不利になるからな。

とりあえず簪の右肩のミサイルランチャーは破壊できたようだ。

なら、次の段階だな。

 

 

「さあ、次はコマ回しだ」

 

 

ガシッ…ギュルルルルルルルルッ!!

 

 

「きゃああああああああっ!!!」

 

 

次にコマ回しの要領で簪を盛大に回転させて一時的に三半規管の能力を奪う。

これで簪はISのサポートがあったとしても回避はできない。

次でトドメを刺させてもらう!

 

 

「う…あ…」

 

「悪いな。これも勝負なのでな」

 

 

ガシッ…グイッ!!!

 

 

「ひっ」

 

「トドメだ!」

 

 

ズバアッ!!

 

 

最後に簪の身体にワイヤーを絡ませて一気にこちらに手繰り寄せ、プラズマ手刀でトドメを刺す。

かなり消耗していたから手加減したがこれで奴の打鉄はシールドエネルギーが0になった。

 

 

「きゅぅ…」

 

「いかん…少しやりすぎたか…?」

 

 

プラズマ手刀でトドメを刺された簪は気絶したようだ。

いかんな…。少々やりすぎたかもしれん。

これが原因でISにトラウマを持たなければいいが…。

まあ、とりあえず私の役割は最低限の役割は果たした。

真優、あとは頼むぞ。

 

 

 

◆ Side セシリア

 

 

試合開始直後…

IS学園 第1アリーナ バトル・フィールド

 

 

「ブルー・ティアーズ!」

 

「…きた!」

 

 

最初の牽制射撃を行った後、わたくしはすぐにビット仕様のブルー・ティアーズを射出しました。

相手はあの真優さんです。

少しでも手を抜けばわたくしが落とされてしまうでしょう。

そのためにも全力で貴女とぶつかりますわ。

真優さん、貴女の力…見極めさせていただきます!

 

 

「これだけのビームの嵐…避けられますか?」

 

 

ドシュッ!ドシュッ!ドシュッ!ドシュッ!ドシュッ!

 

 

「【投影、開始】」

 

 

ん?

何やら真優さんが呟いたようですが何を言ったのでしょうか?

さあ…どうやってわたくしの攻撃をしのぎますか、真優さん?

このビームの嵐…そう簡単にしのげるものではありませんわよ!

 

 

「やああああああああああああ!!!!」

 

 

バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!

 

 

「なっ!?そんな方法で!?」

 

 

まさか…両手にひとつずつもったビームサーベルでビームの嵐を払うなんて…!

あれはIS適正以前に搭乗者の動体視力が良くなければ出来ない芸当です。

それにブルー・ティアーズのビームとビームサーベルが当たる最善のタイミングで

ビームサーベルを振り下ろしてブルー・ティアーズのビームを“切り払って”います…!

あのような芸当ができるようになっているなんて…!

ですがあんな動きをすれば…!

 

 

「くっ…!」

 

 

予想通り、真優さんの顔は苦悶の表情で満ちています。

それも当然です。

真優さんがしている芸当は今の真優さんの限界を超えているのですから…。

そんな動きをすれば真優さんの身体が悲鳴を上げるのは当然ですわ!

真優さん…なんて無茶を…!

 

 

「もらった!」

 

 

ズガァンッ!

 

 

「全力で行くよ!どちらかが倒れるまで!!」

 

「そうですわね…。さあ、共に踊りましょう!わたくし達が奏でる円舞曲を!」

 

 

ですが、真優さんはそんなわたくしの心境を知ることもなく一番近くにあったブルー・ティアーズを

左手に持ったビームサーベルの投擲で破壊しました。

…いけませんわ。

ここで呆けて負けてしまっては真優さんに対して失礼ですわね…。

ならば真優さんを倣ってわたくしも死力を尽くして貴女に挑みますわ!

 

 

「いただきましたわ!」

 

 

ドシュッ!

 

 

「っ!?」

 

 

ドガァンッ!!

 

 

ブルー・ティアーズのビームを避けて出来た隙を突いてわたくしがスターライトMK-Ⅲで

撃ち抜かれた真優さんのビームライフルは徐々に融解していき、

真優さんが投げ捨てた直後に爆発しました。

これで真優さんは射撃での攻撃ができなくなった筈です。

このまま一気に決めますわ!

 

 

「これでフィナーレですわ!」

 

 

ドシュッ!

 

 

「まだ…終わらない!!」

 

 

バシュンッ!ドスッ!

 

 

「なっ!?」

 

 

ドガァンッ!!

 

 

わたくしがトドメの一撃を放った瞬間、真優さんは最後のビームサーベルをわたくしに投擲し、

投擲されたビームサーベルはわたくしの一撃を弾くと同時にスターライトMK-Ⅲに突き刺さり、

中枢を撃ち抜かれたスターライトMK-Ⅲは黒煙を上げながら徐々に融解を始めました。

そして、わたくしが投げ捨てると同時に爆発し、わたくしの視界を奪うと同時に

シールドエネルギーの2割をもっていかれました。

 

 

「っ!真優さんは…!?」

 

 

わたくしがすぐに爆煙から外に出た時には既に真優さんの姿を完全に見失っていました。

真優さんはいったい何処に…?

今の真優さんの装備は対装甲ナイフだけの筈…ならば近づいてくるのでしょうが…。

 

 

「っ!」

 

 

シュンシュンシュン…ズバァッ!!

 

 

「なっ!?ブルー・ティアーズが…」

 

 

寒気を感じてわたくしが咄嗟に身を引くとビームの刃がわたくしの目の前を横切り、

わたくしのすぐ横を飛んでいた3機のブルー・ティアーズのうち2機が切り裂かれて爆発しました。

ありえない…。

フォース・シルエットの装備は全て破壊した筈なのに…。

ではさっきのビームの刃は…?

 

 

「でえい!!!!」

 

「っ!ガラディーン!!」

 

 

ガキィンッ!!

 

 

ガラディーンを呼び出しておいて正解でしたわ…。

もしインターセプターだったら真優さんが持っていたブレードで

インターセプターごと両断されていましたわ…。

ですが先程のビームの刃の正体を掴めましたわ。

理由は簡単、インパルスの装備をインパルスの拡張領域に登録されていた

接近戦用のパッケージに変更したから。

今まで真優さんが使っていなかったので油断していましたわ…。

しかし、今のわたくしの装備はガラディーンとインターセプターと

ミサイル仕様のブルー・ティアーズが2機、ビット仕様のブルー・ティアーズが1機…。

まったく、流石真優さんの往生際の悪さはピカイチですわね!

まさかここまで消耗させられるとは…!

それにアルトリアさんはチルノさんと引き分け、簪さんもラウラさんに敗北したようです。

ですが…!

 

 

「そうでなくては面白くありませんわ!」

 

 

一旦真優さんと距離を取った後ミサイル仕様のブルー・ティアーズを発射し、

残ったビット仕様のブルー・ティアーズも機能を停止させて機体の負荷を軽くしました。

今の真優さんに射撃の兵装は寧ろ邪魔になります。

ならば少しでも機体を軽くして接近戦に専念した方が勝率は上がりますわ!

開発部からは文句を言われるかもしれませんがそんなものは関係ありません。

今は真優さんとの戦いに死力を尽くす…ただ、それだけですわ!

 

 

◆ Side ???

 

 

IS学園 VIPルーム

 

 

「…へえ。思ったよりも粘るじゃない」

 

 

決勝戦をVIPルームで見ていた私はあいつが最重要ターゲットとしていた奴の動きを見ていて感心していた。なぜなら圧倒的に格上であるセシリア・オルコットを相手にして食い下がるどころかかなりの損傷を与えているからだ。

その諦めの悪さぶりはもう今はこの世にいないあの子を連想させるものだったわ。だから不愉快になる。その姿はあの子の者だけが許されるというのに…。

そろそろ時間ね。

 

 

「来なさい」

 

 

とある呪文を詠唱し、ここの上空にあるモノを召喚する。

それはあいつが“世界の英知”から見つけ出した兵器の中でも殲滅戦闘に特化した破壊神。

未だに機体の性能に頼る奴には絶対勝てない理不尽の力。

でもそれを動かすコアが反発しているから念のために“アレ”もつけておきましょう。

ここにはアレと縁のある奴がいるから捨て駒にはちょうどいいでしょ。

さあ、理不尽という暴力を貴女に教えてあげるわ。衛宮真優。

 

 

◆ Side セシリア

 

 

「やああああああああああ!!!!」

 

「はああああああああああ!!!!」

 

 

わたくしのガラディーンと真優さんの全身全霊を込めたブレードが激突した瞬間…。

 

 

パリン…

 

 

「え…?」

 

「なっ!?」

 

 

突如としてバトル・フィールドのフィールドバリアが割れ、何か巨大なモノが落ちてきました。

わたくしがその巨大なモノの正体を確認しようと土煙の中心を注意深く見ると

落ちてきたモノの大きさは50m程の大きさの黒い巨人でした。

そして、その黒い巨人からとてつもない邪気を発しています。

まるで、この世のものとは思えぬような…。

あれは一体…。

 




どうも、明日香です。
今回は学年別トーナメント編の決勝戦の話になりました。
さて、今回の決勝戦編にて遂にあの破壊神が登場しました。
真優達は黒き破壊神を打ち破ることができるのか?
謎の女性が言っていた“アレ”とは何なのか?
次回を楽しみにしていただければ幸いです。

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