問題児+バカ一名が異世界から来るそうですよ?   作:慈信

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第三話

 日が暮れた頃、噴水広場で十六夜を連れてきた黒ウサギと合流し、ガルドとの一件を黒ウサギ達に説明した。

 

 もちろん、話を聞いた黒ウサギはウサ耳を逆立て、髪を淡い緋色に染めて怒り狂った。

 

「な、なんであの短時間に『フォレス・ガロ』のリーダーと接触してしかも喧嘩を売る状況になったのですか!? しかもゲームの日取りは明日!? それも敵のテリトリー内で戦うなんて! 準備している時間もお金もありません! 一体どういう心算があってのことです!? 聞いてるのですか3人共!!」

 

「「腹が立ったから後先考えず喧嘩を売ってやった。反省はしてない」」

 

「黙らっしゃい!!」

 

 耀と飛鳥の息の合った返しに黒ウサギは激怒した。

 

「それより明久さんも! 何であなたが率先して喧嘩を売ってるのですか! あなただけは境界線をしっかり見定められると信じておりましたのに!」

 

「すいませんした! マジ調子くれてました!」

 

 明久は黒ウサギに怒鳴られ、絶賛土下座中だった。

 

 全くもって先程ガルドに喧嘩を売った時の気迫と度胸、頼もしさは何処へ行ったのやら。飛鳥も耀も残念そうに明久を見ていた。

 

 その状況をニヤニヤした顔で眺めていた十六夜が止めに入った。

 

「別にいいじゃねえか。見境なく選んで喧嘩売ったわけじゃないだから許してやれよ」

 

「い、十六夜さんは面白ければいいと思っているかもしれませんけど、このゲームで得られるものは自己満足だけなんですよ? この『契約書類(ギアスロール)』を見てください」

 

 黒ウサギが広げて見せた一枚の洋書、契約書類(ギアスロール)は主催者権限を持たない者達が主催者となってゲームを開催するために必要なギフトである。

 

 そこにはゲームの内容、ルール、チップ、商品などが書かれており、主催者のコミュニティのリーダーが署名することで成立する。

 

 黒ウサギはその中の商品の内容の部分を指差した。

 

「『参加者が勝利した場合、主催者は参加者の言及する全ての罪を認め、箱庭の法の下で正しい裁きを受けた後、コミュニティを解散する』……まあ、確かに自己満足だな。時間を掛ければ立証できるものを、わざわざ取り逃がすリスクを背負ってまで短縮させるんだからな」

 

 逆に、明久達が差し出したチップは『罪を黙認する』というものだ。今回に限らず、未来永劫口にすることを許されないということだ。

 

「でも、時間さえかければ彼らの罪は必ず暴かれます。だって、肝心の子供達は……その──」

 

 黒ウサギが言い淀む。黒ウサギも先程の店にいた人々もフォレス・ガロの悪評は聞き及んでいたが、まさかあそこまで酷い状態だとは思ってなかったようだ。

 

「そう。人質はもうこの世にはいないわ。その点を責め立てれば必ず証拠は出るでしょう。だけどそれにはやっぱり相応の時間がかかるわ。あの外道を裁くのに悠長に待ってられないもの」

 

 あまり時間をかければガルドが箱庭の外へ逃げる可能性も高い。箱庭の法はあくまで箱庭都市内でのみ有効なもの。

 

 外は野生動物もとい幻獣達よろしく弱肉強食無法地帯となっており、様々な種族のコミュニティがそれぞれの掟の下で生活している。

 

 そんな場所に逃げられてば箱庭都市の法で裁くことはほぼ不可能だろう。しかし例外として契約書類による強制執行ならばどこに逃げようと強力な契約により、ガルドを追い詰められるが。

 

「それにね、黒ウサギ。私は道徳云々よりも、あの外道が私の活動範囲内で野放しにされることも許せないの。ここで逃せば、いつかまた狙ってくるに決まってるもの」

 

 ガルドに勧誘されたことを思い出して飛鳥はしかめっ面をしながら呟く。

 

「まあ……確かに逃せば厄介かもしれませんけど」

 

「僕も……あの外道はすぐにでも消し──消滅させるべきだと思うんだ」

 

「言い直そうとしたのでしょうが、全然直せてません。というより、かなり黒い単語が飛び出しましたよね?」

 

「ぼ、僕もガルドは取り逃がしたくないと思ってる。彼のような悪人は野放しにしちゃいけない」

 

「そ、それは……お気持ちはわかりますけど……」

 

 ジンも同調する姿勢を見せると、黒ウサギはもう諦めたように頷いた。

 

「はぁ……仕方ない人達です。まあいいです。腹立たしいのは黒ウサギも同じですし。『フォレス・ガロ』程度なら十六夜さん1人いれば楽勝でしょう」

 

 黒ウサギはひとり十六夜の実力を見たらしく、彼に期待を寄せていたが、十六夜は怪訝な顔をした。

 

「何言ってんだよ。俺は参加しねえぞ?」

 

「当たり前よ。参加なんてさせるつもりはないから」

 

「……へ?」

 

 黒ウサギは一瞬2人が何を言ってるのか理解できなかった。

 

「ちょ、ちょっと!? 同じコミュニティの仲間じゃないですか! 協力しないと!」

 

「そういうことじゃねえよ黒ウサギ。この喧嘩は、こいつらが売った。そして奴らが買った。なのに俺が手を出すのは無粋だって言ってんだよ」

 

「あら、わかってるじゃない」

 

「申し訳ないけど、僕も流石に最初から他人の力を宛にして戦いに挑みたくないし、あんな啖呵切っちゃったから。そういうことで……すいません」

 

 明久も手を合わせて黒ウサギに頭を下げる。

 

「……はぁ。もう、好きにしてください」

 

 黒ウサギはもう怒る気力も残ってないのか、項垂れながら許可した。

 

 どうせ大して失うものがないゲームなのだからどうにでもなればいいと呟いて肩を落とした。

 

 

 

 

 

 椅子から腰を上げた黒ウサギは、横に置いてあった樹の苗を大事そうに抱きあげる。

 

「そろそろ行きましょうか。本当は皆さんを歓迎するために素敵なお店を予約して色々とセッティングしていたのですけども……不慮の事故続きで、今日はお流れとなってしまいました。また後日きちんと歓迎を──」

 

「いいわよ。無理しなくて。私達のコミュニティってそれはもう崖っぷちなんでしょ?」

 

「ちょ、久遠さん……ハッキリしすぎ」

 

 黒ウサギは驚いてジンに視線を移した。ジンも申し訳なさそうな顔をして自分達のコミュニティの事情がバレたのだと悟った。

 

 黒ウサギは耳まで赤くして恥ずかしそうに頭を下げた。

 

「も、申し訳こざいません。皆さんを騙すのは気が引けたのですが……黒ウサギ達も必死だったのです」

 

「もういいわ。私は組織の水準なんてどうでもよかったもの。2人はどうかしら?」

 

 黒ウサギは恐る恐る明久と耀の顔色を窺った。

 

「僕も特に気にしてないよ。それに困ってるならどうにか助けられたらなって思ってるし」

 

 明久の言葉に黒ウサギはほっとした。続いて耀は、

 

「私も怒ってない。そもそもコミュニティがどうの、というのは別にどうでも……あ、けど──」

 

「どうぞ気兼ねなく聞いてください。僕らにできることなら最低限の用意はさせてもらいます」

 

「そ、そんなに大した物じゃないよ。ただ私は……毎日三食お風呂付きの寝床さえあればいいと思ったから」

 

 耀の言葉にジンの表情が固まった。それを見た明久はそれすら危ういものなのかと冷や汗を流した。

 

 自分は日頃から貧困な生活を送っていたのだからまだ耐えられるだろうが、耀や飛鳥など、女の子にそんな状況は酷というものだろう。

 

 その様子を察した耀は慌てて取り消そうとしたが、先に黒ウサギが嬉々とした顔で自分の胸に抱えていた苗を持ち上げた。

 

「それなら大丈夫です! 十六夜さんがこんな大きな水樹の苗を手にしてくれましたから! これでもう水を買う必要もなくなりますし、水路を復活させることもできます♪」

 

「水樹? そんなもの一体何処から?」

 

「ああ、ちょっくらデッケェ蛇を倒したら手に入った」

 

「そっかそっか……って! ナチュラルにちょっと茂み探したらいい物手に入ったみたいに言ってるけど、今ものすごいこと言ったよね!? 世界の果てで一体何があったの!?」

 

 十六夜がどんな体験をしたのか非常に気になる明久だった。

 

 しかし水樹を差し出されて飛鳥と耀は明るい表情を浮かべて出処を気にすることはなかった。やはり女子であるのだから風呂に入れるか否かは死活問題だろう。

 

「私達の国では水が豊富だったから毎日のように入れたけれど、場所が変われば文化も違うものね。今日は理不尽に湖へ投げ出されたから、お風呂には絶対入りたかったところよ」

 

「それには同意だぜ。あんな手荒い招待は二度とごめんだ」

 

「あう……そ、それは黒ウサギの責任外の事ですよ……」

 

 召喚された十六夜、飛鳥、耀の責めるような視線に黒ウサギは怖気づく。

 

「あはは……それじゃあ、今日はコミュニティへ帰る?」

 

「あ、ジン坊ちゃんは先にお帰りください。ギフトゲームが明日なら『サウザンドアイズ』に皆さんのギフト鑑定をお願いしないと。この水樹のこともありますし」

 

 異世界組は首を傾げて聞きなおす。

 

「『サウザンドアイズ』? コミュニティの名前か?」

 

「YES。『サウザンドアイズ』は特殊な瞳のギフトを持つ者達の群体コミュニティ。箱庭の東西南北・上下層全てに精通する超巨大商業コミュニティです。幸いこの近くに支店がありますので」

 

「ギフトの鑑定って言ったけど……もしかして、僕のギフトも?」

 

「もちろん、ギフトの秘めた力や起源などを鑑定する事です。自分の力の正しい形を把握していた方が、引き出せる力はより大きくなります。皆さんも自分の力の出処は気になるでしょう?」

 

 黒ウサギの言葉に明久以外は微妙な表情で返す。明久は自分にどんな力があるのか気になるが、思うところはそれぞれ。

 

 飛鳥は言葉ひとつで様々な者達から優遇されるような力を持ったために張り合いのない人生を送っていたので自分の力はあまり好んでいなかった。

 

 しかし特に拒否する声がなく、黒ウサギは4人を連れてサウザンドアイズに向かう。

 

 商店へ向かうペリベッド通りは石造で整備されており、脇を埋める街路樹は桃色の花を散らせて新芽と青菜が生え始めている。

 

 日が暮れて月と街灯ランプに照らされている並木道を眺めて一同が口を開く。

 

「桜の木……ではないわよね? 花弁の形が違うし、真夏になっても咲き続けているはずがないもの」

 

「いや、まだ初夏になったばかりだぞ。気合の入った桜が残っていてもおかしくないだろ」

 

「え? 今は冬で結構寒かったと思うけど」

 

「……? 今は秋だったと思うけど」

 

「「「「…………?」」」」

 

 全く話が噛み合ってない4人は顔を見合わせて首を傾げる。そこに黒ウサギが笑って説明した。

 

「ああ、皆さんはそれぞれお違う世界から召喚されているのです。元いた時間軸以外にも歴史や文化、生態系など所々違う箇所があるはずれすよ」

 

「それって……いわゆる、パラレルワールドって奴?」

 

「近しいですね。正しくは立体交差並行世界論というものなのですけども……」

 

「へぇ」

 

「えっと……何それ?」

 

「複数の時間、次元軸が立体的に並列、交差することで──」

 

「ごめん。全くわからない」

 

「ああ、要するに黒ウサギの耳でやるとたな……ここをこうして──」

 

「って、痛いです! 黒ウサギの素敵耳をその説明に使わないでください!」

 

 黒ウサギは十六夜の手から逃れ肩で息をする。

 

「ま、まあ……その理論についての説明は1日2日で説明できるものではないので、またの機会にしましょう」

 

「は、はい……」

 

「ねえ、ひょっとしてアレ?」

 

 耀がいくつも並んだ建物の中に一建だけ桜色の壁に、蒼い生地に互いが向かい合っている2人の女神が記されている旗が立っている商店を指差した。

 

「はい。アレがサウザンドアイズの商店です」

 

 日が暮れて看板を下げる割烹着の女性テイン員に黒ウサギは滑り込みでストップを、

 

「まっ──」

 

「待ったなしですお客様。うちは時間外営業はやってません」

 

 待ったをかけることもできず、店員が先制を打った。黒ウサギは悔しそうに店員を睨みつける。

 

「なんて商売っ気のない店なのかしら」

 

「ま、全くです! 閉店時間の5分前に客を締め出すなんて!」

 

「文句があるならどうぞ他所へ。あなた方は今後一切の出入りを禁じます。出禁です」

 

「出禁!? これだけで出禁とかお客様舐めすぎでございますよ!」

 

「確かに時間ギリギリで来た僕達もだけど……流石に出禁はないんじゃないの?」

 

 喚く黒ウサギに、店員は覚めたような目と侮蔑を込めた声で対応する。

 

「なるほど、箱庭の貴族であるウサギのお客様の無下にするのは失礼ですね。中で入店許可を伺いますので、コミュニティの名前をよろしいでしょうか?」

 

「…………う」

 

 黒ウサギは言葉に詰まった。だが、十六夜は関係ないと言わんばかりに躊躇いもなく名乗る。

 

「俺達は『ノーネーム』ってコミュニティなんだが」

 

「ほほう。ではどこのノーネーム様でしょう。よかったら旗印を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」

 

 黒ウサギはぐっと黙り込む。同時に黒ウサギが言っていた名と旗印のないコミュニティのリスクの意味が今になって理解できた。

 

 つまりはこんな風に名と旗印を掲げなければ店に出入りすることさえ許されなくなってしまうのだ。

 

「その……あの……私達に旗はありま──」

 

「いぃぃぃぃやほぉぉぉぉぉぉ! 久しぶりだ黒ウサギィィィィ!」

 

 いきなり店内から爆走してくる着物風の服を来た白い髪の少女に抱きつかれ、その勢いで2人一緒に空中を何回転もして街道の向こうにある浅い水路まで吹き飛んだ。

 

「きゃあ────……」

 

 遠くなっていく黒ウサギの悲鳴を聞きながら一同は呆然とそれを眺めていた。

 

「……おい店員。この店にはドッキリサービスがあるのか? なら俺も別バージョンで是非」

 

「ありません」

 

「なんなら有料でも」

 

「やりません」

 

 互いに真剣でありながら口にする言葉の系統が全く別のもの。妙な光景だと明久は苦笑いした。

 

 そして黒ウサギにフライングボディアタックを決めた少女は黒ウサギの胸に顔を埋めてなすりつけていた。

 

「し、白夜叉様!? どうしてあなたがこんな下層に!?」

 

「そろそろ黒ウサギが来る予感がしておったからに決まっておるだろに! フフ、フホホフホホ! やっぱりウサギは触り心地が違うのう! ほれ、ここが良いか! ここが良いのか!」

 

 これまでもかというくらい黒ウサギの胸に頬を擦りつける少女の行動に黒ウサギはウサ耳まで真っ赤になった。

 

「し、白夜叉様! ちょ、ちょっと離れてくだ、さい!」

 

 白夜叉と呼ばれた少女は黒ウサギに無理やり引き剥がされ、店に向かって投げつける。

 

 その軌道上にはちょうど十六夜が立っていた。

 

「ほい、明久バット」

 

「え? ちょ!? 何で僕を──ふごぉ!?」

 

「ぐほっ!?」

 

 十六夜は明久をバット代わりにしてくるくると縦回転した少女を打ち飛ばした。

 

「お、おんし! 飛んできた初対面の美少女を打ち飛ばすとは何様だ!」

 

「十六夜様だぜ。以後よろしく、和装ロリ」

 

「ていうか十六夜君……僕に言うことない?」

 

 明久は額にドデカいコブを作った状態で十六夜に問い詰める。

 

「ああ……中々使い心地がよかった。今後ともよろしくな、明久バット」

 

「全然反省してないよこの人! 反省の『は』の字も見当たらないよ! 黒ウサギさんの気持ちが少しわかった気がするよ!」

 

「で、あなたはこの店の人かしら?」

 

 ぎゃあぎゃあと喚く明久を放って飛鳥が白夜叉に話しかけた。

 

「おお、そうだとも。このサウザンドアイズの幹部様で白夜叉様だよご令嬢。仕事の依頼ならおんしのその年齢の割に発育のいい胸をワンタッチ生揉みで引き受けるぞ」

 

「オーナー。それでは売上が伸びません。ボスが起こります」

 

「5分前に来た程度で出禁にしようとした君が言えたことじゃないよね」

 

 どこまでも冷静な声で釘を刺す店員に明久がツッコミを入れた。

 

 白夜叉がボケをかましたところで水路から上がってきた黒ウサギは濡れた服やミニスカートを絞りながら複雑そうに呟く。

 

「うぅ……まさか私まで濡れることになるなんて」

 

「因果応報……かな」

 

「にゃ~(お嬢の言う通りや)」

 

 悲しげに服を絞りながら黒ウサギはがくりと肩を落とした。逆に濡れても全く気にしない白夜叉は、店餌木で十六夜達を見回してニヤリと笑った。

 

「ふふん。おんし達が黒ウサギの新しい同士か。異世界の人間が私の元に来たということは…………遂に黒ウサギが私のペットに──」

 

「なりません! どういう起承転結があってそんなことになるんですか!」

 

「ええ!? 黒ウサギさんって、この人のペットだったんですか!?」

 

「ち・が・い・ま・す! 明久さんまで何を言っちゃってるんですか!」

 

 白夜叉のどこまで本気かわからない言葉に明久が若干本気で勘違いしたようでウサ耳を逆立てて怒りながら黒ウサギがツッコんだ。

 

「まあよい。話があるなら店内で聞こう」

 

「よろしいのですか? 彼らは旗も持たないノーネームのはず。規定では──」

 

「ノーネームだとわかっていながら名を尋ねるなどした性悪店員に対する侘びだ。身元は私が保証するし、ボスに睨まれても私が責任を取る。いいから入れてやれ」

 

 白夜叉の態度にむっ、と拗ねるような顔をする女性店員。女性店員に睨まれながら暖簾をくぐっていった。

 


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