黒子のバスケifストーリー「もし緑間に彼女がいたら」   作:和泉春

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どうも、和泉春(いずみ しゅん)です。

この度はご覧頂きありがとうございます‼

緑間にもし彼女がいたら…を考えてみました‼

楽しんでもらえると嬉しいです^ ^


日常に女神
緑間と俺


秀徳高校バスケットボール部。

 

ここにもキセキの世代が一人。

 

紛れもない天才がいた。

 

一年、緑間真太郎。

 

放ったシュートは絶対に外さない。

 

まさに、

運命に選ばれた男とでも言うべきか…。

 

 

そして今日も、

天才は努力を惜しまない。

 

常に人事を尽くし、天命を待つ。

 

それが、彼のモットーである。

 

_______________________

 

 

秀徳高校体育館にて。

 

平日の練習風景は相変わらずで、

特に変わった事もなく、

自由練習時間がやってきた。

 

俺はドリブルの練習をして、

大坪さんはダンクの研究。

 

宮地さんと木村さんは

1on1で対人練習。

 

 

勿論あいつは…シューティング。

 

 

俺はいつも、

ドリブルの練習をしながら

あいつのシューティング練習を見ている。

 

あいつはひたすら打ち続ける。

 

本当に、ただひたすら打ち続ける。

 

空きもせず、ずっと。

 

何本も何本も、

見てるこっちがどうにかなりそうだ。

 

それなのに、

あいつはシュートを一度も落とさない。

 

 

相変わらずスゲー集中力。

 

 

緑間とは中学で一度対戦したことがあった。

 

その時はなんかのインチキだとばかり思っていて、

涼しい顔をして悠々と点を取っていく姿が

憎くて仕方がなかった。

 

負けたのが悔しくて、引退後も練習続けて、

 

 

いつか絶対リベンジしてやる。

 

 

そう思ってた奴が、

今度はチームメイトだなんて…。

 

俺の努力返せって、

初めはそう思ってたけど、

一緒にプレイしてみて

こいつは周りに頼ろうとしない事が分かった。

 

それと同時に、

こいつがどれだけ努力してきたのかって事を

思い知らされた。

 

こいつに比べて俺は、

大した事の無い自分の才能に溺れてただけなんだって、

自覚させられたような気がした。

 

 

自分の才能しか信じていない。

 

 

緑間はそんな感じだった。

 

 

紛れもない天才。しかも努力家だ。

 

そりゃあ、上手くなるだろうよ…。

 

 

だから、俺は自分の中で誓ったんだ。

 

こいつよりもっともっと

練習してやるって。

 

そんでもって、

俺を認めさせてやるって。

 

 

俺は努力する背中を少し眺めた後、

その背中をバシッと叩いた。

 

 

「しーんちゃん‼

相変わらずスゲーな、

ボール散らばってんじゃん。」

 

「高尾…。

練習の邪魔をするな、

集中出来ないだろう。」

 

「でもさぁ?

もうとっくに居残り許可時間過ぎてるぞ?

まだ残ってるのバレたら

居残りさせて貰えなくなるじゃん。

早く片付けようぜ。」

 

 

大坪さんも宮地さんも木村さんも

もうとっくに上がっている。

 

それに気づかないくらい

集中していた事が分かる。

 

 

宮地さんなんて、

帰りの挨拶をしない真ちゃんに

めちゃくちゃ怒鳴ってたのに…。

 

 

「…ブハッ‼」

 

 

真ちゃんが散らばしたボールを

カゴに戻すのを手伝う最中、

宮地さんの怒鳴り声を無視する緑間の姿を思い出して

吹き出してしまった。

 

 

「何を笑っているのだよ、高尾。」

 

 

呆れた様に俺の方を向く。

 

その両手には

積むようにしてボールが収められていた。

 

ボールの間から顔を出して

カゴの元へのそのそと向かう真ちゃんは、

何と言うか…変だった。

 

 

「ブッ…あははははっ‼

真ちゃんマジサイコー‼

あっはっはっは‼‼」

 

「さっきから何なのだよ高尾‼

さっさとしまうのだよ‼」

 

「へいへい。」

 

 

先生に見つかる事なく

無事に体育館を出る事が出来た俺達は、

学校の校門の方へ向かった。

 

 

向かう途中、ふと思った。

 

 

そう言えば…

真ちゃんが誰かを下の名前で呼ぶところ

見たことないな…。

 

 

気になった事を実戦してみないと気がすまない俺は

早速問いかける。

 

 

「なぁ?真ちゃんってさ、

誰かを下の名前で呼ぶことってあんの?」

 

「唐突に何だ、今度は…。

…どうだろうな、

基本名字で呼ぶことの方が多いのだよ。」

 

「ふーん…じゃあさ、

俺を下の名前で呼んでみろよ‼」

 

「は?」

 

 

緑間は俺に何だコイツ、

と言わんばかりの表情を向ける。

 

それでもめげない、

傷つかない、気にしない、のが俺だ。

 

 

「いーじゃん、

減るもんでもないだろ?」

 

俺が面白がっていることには、

さすがに真ちゃんも分かっているようだった。

 

 

「呼ばん。」

 

「ちぇ〜。ま、いいけど。

じゃあな、真ちゃん。」

 

 

校門に辿り着き、

緑間とは正反対の方向に俺は足を進める。

 

俺が少し遠ざかると、

緑間が小さく「あぁ。また明日。」と言うのが聞こえた。

 

 

明日は休日で、しかもoffだっての。

 

 

俺は笑いを堪えた。

 

少しずつだけど、近づいてきている。

 

 

「いつか絶対呼ばせてやろっ。」

 

 

妙な喜びを感じつつ、

俺はまた密かに心に誓ったのだ。

 

 




第一話 緑間と俺 を読んで頂きありがとうございました‼


感想や評価などしてくれると嬉しいです。

興味を持って頂けたら光栄です^ ^

これからも頑張って行くのでよろしくお願いします^ ^

次話もお楽しみに!!!!

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